─────
10個の石化復活液を手にした俺は壊れないように、更に壊れても対処出来るように虫籠の中に入れた後に緩衝材をクッションにした物を幾つか用意し、元の地球へと戻ってきた。
一応別の世界…先程会ってきた千空からは東京都内の広末高等学校と呼ばれる所で石化したらしいから、バタフライエフェクトが発生していなければそこに石化したこの世界の千空はいる筈だ。
コスモギャバリオンを発進させ、東京都内にある学校へと向かう。
全人類…宇宙に居た千空の父親含めた数名を除くは石化した今、このコスモギャバリオンを見る人は全員
基本は宇宙人の宇宙船だと好意的な反応で済んでたりするが、酷い時だと敵国の戦闘機云々で撃ち落とそうとしてきたりして厄介ではあったからな。
そんな事を考えていれば、すぐに東京都内、
それも目的の学校へと到着していた。
─────
「11,820秒…11,821秒…一体何時になったらこれは終わるんだ?─」
12回目の疑問が思い浮かぶ。だが、
何時まで経ってもこの状態が変わる事は無い。
このままの状態が一生続く…んな訳ねぇと信じてぇ。
そう思い直し、落ちかけた意識を覚醒させたその時。
ピシッ
この何も感じねぇ、意識だけの世界に大きくヒビが入った。
強烈な光がヒビが入った所から無数に入り込んでくる。
皮膚の表面が熱を帯びるような感覚と共にヒビが大きくなっていく。
なんつうか…変な時間だったな。
石化してから12,019秒。俺は目を覚ました。
─────
千空「─そんで?その石化っつー非現実的な状態に全人類がなった訳か。」
善救「そういう事、俺には知識が無いからこの石化だけでも何とか出来る人材からこの石化復活液を作ってもらったんだ。それで君には硝酸3、アルコール7の比率で作れるこの石化復活液を作ってもらいたいんだ。」
千空「その石化復活液を作った奴に頼めば良いんじゃねーか?第一、何で俺だ?俺以外に適任はいるだろ。」
善救「その石化復活液を作ってくれた人が別の世界の君、この石化を自力で解いた第1復活者だからね。ここに来れない上、向こうは文明再興に手一杯だから頼れないんだよね。」
千空「は──はぁ?」
善救「最初の反応、向こうの千空と全く一緒だなぁ、やっぱ似た様な事あると反応似るんだな。」
千空「んな夢物語みてぇな……いや、この石化現象が起きてる以上、てめぇみたいな存在がいてもおかしくはねぇか。」
善救「向こうの千空もそうだけど飲み込むのが早いね??」
「飲み込み早くて助かるけど」と付け加えた上で俺は石化復活液を7本、次元を渡ってここまで来る間に割れて使えなくなった2本を除いたそれを千空に箱詰めで渡す。
善救「これを使って成分を分析して量産してほしい。レシピはさっき言った通り、硝酸3に99.5パーセント以上のアルコール7だ。材料や設備は渡そう。」
そう言って俺は、別の大きめのダンボール箱を千空の前に置いた。
中に入っているのは、この世界の日本の学校の理科室や、
近隣の大学、研究施設から他の石化復活液の素材となるプラチナの装飾品やさつまいもと同じでちょっと拝借してきた現代の科学機器や実験道具だ。
電子顕微鏡やら、遠心分離機、ビーカーにフラスコ、ピペットから何まで。
この世界に存在していた純度100%の代物である。
千空「くっくく……なるほどな。道具とサンプルは揃えてやったから、あとはテメェの科学力でどうにかしろってか。唆るじゃねえか。……だが、俺だけじゃ人手が足りねえぞ。誰から起こす?」
善救「誰を復活させるかは君に任せるよ。君の仲間でも、頭の回る奴でも、体力バカでも。俺は人を見る目には自信がないから。この世界の未来は、君の科学に託した……こんな無責任でほぼ丸投げで申し訳ないけど。」
千空「丸投げかよ。くっくく、まぁいい。俺の好きにさせてもらうぜ」
ニヤリと不敵に笑う千空を見て、俺は満足して頷いた。
とりあえずこのまま順調にいけば復興も夢じゃなさそうだ。
だが、まだ休んでいる暇はない。全人類が石化しているということは、現在進行形でとんでもない危機が迫っているはずなのだ。
例えば、各地にある原子力発電所。管理する人間がいなくなった今、放置されればいずれ冷却機能を失い、
メルトダウンを起こして地球環境に致命的なダメージを与えるだろう。
それ以外にも、化学プラントなど、人がいなくなったことで暴走する危険な施設は山ほどある。
俺にはそれを止める専門知識はない。
ならば、どうするか?
簡単だ。並行世界からその専門家を一時的に連れてくればいい。
「それじゃ、俺はちょっと野暮用があるから行くよ。地球がぶっ壊れる前に、優秀なエンジニアたちをコスモレイヤー…並行世界からスカウトしてこなきゃならないんでね」
そう言い残し、俺は開け放たれた窓枠に足をかけた。
ここは校舎の3階。下を見下ろせば、当然だがそれなりの高さがある。
千空「は? おい、テメェ何して……」
千空の制止の声を聞く前に、俺は躊躇なく虚空へと身を投げ出した。
千空「なッ……!?」
重力に従って落下していく中、俺は空中で体勢を整える。
そして、俺の意思に呼応するように、
上空の雲を割って白い物体が飛来した。
白と黒、そしてグレーの装甲に覆われた可変宇宙船、
コスモギャバリオン。
それは俺の落下地点に寸分違わず滑り込み、
俺は開かれたハッチへと無事に着地した。
校舎の窓から身を乗り出し、目を丸くしてこちらを見下ろしている千空に向けて、俺はコックピットから手を振って見せた。
千空「くっ……くくく!マジで宇宙船じゃねえか!!ファンタジーかと思いきや、ゴリゴリのSFってわけか!唆るじゃねぇか、百パーセント…いや、百億パーセント唆るぜ、これは!」
千空の興奮したような笑い声が、遠く離れていても聞こえてきそうだった。
俺はスロットルを押し込み、コスモギャバリオンを急上昇させる。
「さて、まずはどこの原発の職員を連れてくるかな……人多い所が良いんだけど。」
静寂に閉ざされた地球の空を、白い宇宙船が一筋の光となって次元の彼方へと駆け抜けていった。
ある曲を口ずさみながら。
「おはよう世界、グッドモーニングワールド!」
次回戦闘するかも?
あと、あくまでもドクターストーンの世界が主軸なだけなので仮面ライダーとか別ジャンルのキャラや設定が出ます。