六課隊舎跡にて。
崩壊した建物の残骸と、無数のガジェットの残骸が散らばる戦場。
その一角に設けられた簡易テントの中で、ルーテシアは黙って外を見つめていた。
魔力は封じられ、ガリューも拘束されている。
今の自分にできるのは、戦場を見守ることだけだった。
視線の先にいるのは、黒い異形と化した男。
全身を黒く染め、青い紋様を浮かべた狂戦士――ゼスト・グランガイツ。
「……ゼスト」
小さな声が漏れる。
物心ついた頃から、ルーテシアは母の声を聞いたことがなかった。
母メガーヌ・アルピーノは、ルーテシアがまだ赤ん坊だった頃に任務へ出たきり、帰ってこなかった。
生きてはいる。
けれど目を覚まさず、今も治療ポッドの中で眠り続けている。
事情だけを聞けば、誰もが不幸な人生だと思うだろう。
それでも、ルーテシアにはいつも誰かがいた。
ガリュー、アギト、ナンバーズ、そしてスカリエッティ。
母がいなくても、寂しくはなかった。
彼らと笑い、遊び、時には怒られながら過ごしてきたからだ。
ただ、その輪の中には入らず、少し離れた場所から彼女たちを見守る男がいた。
ゼスト・グランガイツ。
母の上官だったという男は、ルーテシアに積極的に話しかけることも、遊び相手になることもなかった。
ただ、いつも見ていた。
そして、母を目覚めさせるために必要なことなら、どんな協力も惜しまなかった。
なぜ、そこまでしてくれるのか。
責任なのか。
罪悪感なのか。
それとも、別の理由があるのか。
ルーテシアには分からなかった。
ただ一つ、願っていたことがある。
いつか母が目を覚ました時、その隣にゼストもいてほしい。
三人で喜びを分かち合いたい。
そんな未来を、いつか迎えられると思っていた。
「……」
けれど目の前にいる男は、もう人間の姿をしていない。
黒い身体。
異様な紋様。
血で作られた槍。
常識を超えた再生能力。
まるで、自分自身を壊しながら戦っているようだった。
ルーテシアの頬を一筋の涙が伝う。
「……ゼスト」
返事はない。
遠くで再び轟音が響いた。
◇
「どうしよう……」
シャマルは戦場を見つめ、唇を噛んでいた。
行人とゼストの戦いは、もはや常人には理解できない領域に達している。
ゼストが槍を振るい、行人が躱す。
反撃を受けて傷が開き、血が噴き出しても、彼は倒れない。
「……あの人」
シャマルの視線が行人へ向く。
黒紫の鎧を纏った青年は、激しく攻めながらも冷静だった。
ゼストの攻撃を誘導し、瓦礫を盾にする。
時には自ら危険な位置へ踏み込み、流れ弾が局員へ向かわないようにしていた。
そのため、行人は思うように動けていない。
明らかに、自分へ制約を課している。
「あれだけ動けるのに、どうしてそこまで…」
シャマルは呟いた。
その時、
「苦戦しているようだな」
「え?」
聞き慣れた声に振り向く。
「カケル先生!?」
そこには、いつもの仏頂面を浮かべたカケルが立っていた。
「良かった……!」
シャマルの表情が明るくなる。
「早く行人さんに加勢してください!」
元教導官のカケルなら――
「悪いが、無理な話だ」
「え?」
カケルは自分の腕へ視線を落とした。
「ボルツが戦闘のために、今も魔力をガンガン持っていってる。今の俺はお前以下だ」
「そんな……」
シャマルの顔が曇る。
その時、戦場から声が飛んできた。
「どうした、行人!」
ゼストだった。
傷だらけの身体。それでも、その眼だけは死んでいない。
「何を躊躇う!」
赤い槍を構える。
「俺はもう、人には戻れん!」
シャマルの身体が強張った。
「ならば――」
ゼストの声が戦場に響く。
「できることは一つしかないだろう!」
一瞬、誰も動かなかった。
「殺れ…!」
「……っ!?」
シャマルの目が見開かれる。
医者として、治療をする者として、人を救うことを選んできた自分にとって、その言葉はあまりにも重かった。
「カケル先生……」
思わず振り返る。
「今の聞こえただろ?」
カケルは表情を変えない。
「騎士としては、あいつの言い分が正しい」
「でも!」
シャマルは戦場を見る。
行人は必死に戦っていた。
それでも、殺すためではない。
周囲の局員を守り、ゼストの命を奪わないようにしながら、戦い続けている。
「私……」
声が震える。
「あの人に、言えません」
「……」
「私達では勝てないから、代わりに殺してくださいなんて…」
そんな頼みを、誰よりも人を気遣っている男にできるはずがない。
今も周囲を守りながら戦っている行人に、そんな願いを託せるはずがなかった。
「そんなお願い……できるわけが……」
シャマルは拳を握る。
自分に力がないことが悔しい。
誰かを救うための力を持ちながら、それを振るえないことも。
目の前で戦う二人を、ただ見ているしかないことも。
◇
水の奔流が、戦場を駆け抜けた。
「はぁっ!」
行人の身体を包んでいた水龍が、右脚へと収束する。
青白い水流が渦を巻き、そのまま一撃の蹴りとなってゼストの胴体を捉えた。
「ぐっ!」
ゼストの身体が大きく跳ね上がる。
空中で身体がくの字に折れ、その直後――。
バキバキッ!
骨の砕ける嫌な音が響いた。
常人ならば、立ち上がることすらできない一撃。
だが、ゼストの身体から流れ出た血が、まるで意思を持っているかのように蠢いた。
傷口へ集まり、肉を繋ぎ、砕けた骨を瞬く間に修復していく。
数秒もしないうちに、そこには傷一つ残っていなかった。
「……!」
行人が歯軋りする。
やはりあの青い液体――
ゼストは空中で体勢を立て直すと、着地と同時に赤槍を振るった。
強烈な遠心力。
行人の身体が弾き飛ばされる。
その瞬間を狙い――
「ハァアアアッ!!」
ゼストが槍を突き出した。
空気を穿つ一撃。
だが、槍そのものが行人へ届いたわけではない。
刺突によって圧縮された大気が、不可視の砲弾となって一直線に飛翔する。
目には映らない。
音だけが遅れて届く。
しかし、
「……そこ!」
行人の身体が消えた。
次の瞬間には、遥か横へ移動している。
不可視の一撃は誰もいない大地を抉り取った。
土砂が舞い上がる。
その向こうから、行人が静かに姿を現した。
「……」
ゼストは槍を構えたまま、その姿を見つめる。
息は乱れている。
身体も限界に近い。
それでも、口元には笑みが浮かんでいた。
(人間を辞めたというのに……)
ゼストは、自分の拳を握る。
以前とは比べものにならない、
身体能力。
反応速度。
再生能力。
すべてが異常な領域へ引き上げられている。
それでも、
(まだ、届かないか……)
行人との差は確実に縮まっている。
先ほどよりも速い。
先ほどよりも重い。
そして何より、ゼスト自身がこの異質な力へ適応し始めている。
けれども、問題は別にあった。
(この身体はいつまで保つ?)
骨が砕けても。
肉が裂けても。
血が流れても。
すぐに元へ戻る。
しかし、それは無限の力ではない。
身体そのものが、この力に耐えられる保証などない。
ましてや、相手は自分より遥かに速い。
攻撃を受けるたびに傷つき、修復し、さらに強くなっていく。
このまま続ければ、先に限界を迎えるのは自分だ。
誰が見ても絶望的な状況だった。
それなのに、
「……ハハッ」
ゼストは笑った。
「……?」
行人が目を丸くする。
意外だろう。
これほどまで追い詰められているというのになぜ笑うと。
ゼストは答えない。
ただ、赤槍を握る手に力を込めた。
そして、ふと遠い昔を思い出す。
かつての自分。
地上最強クラスの魔導師として名を馳せた頃。
戦場に立てば周囲の視線が集まった。
尊敬。
畏怖。
羨望。
そして――嫉妬。
数え切れないほどの人間が、自分を見ていた。
しかし、その誰もがいつしか挑むことをやめた。
勝てないと理解したからだ。
それは当然だった。
勝つために努力した。
戦場で生き残った。
実績を積み重ねた。
だからこそ、誰にも負けなくなった。
それは誇りだった。
同時に――寂しさでもあった。
(いつからだったかな)
自分に本気で挑んでくる者がいなくなったのは。
強くなればなるほど。
上へ行けば行くほど。
戦う相手はいなくなった。
だからこそ今、目の前にいる男が。
「……面白い」
ゼストの声が、僅かに震える。
「……?」
行人は警戒を解かない。
「お前は……面白いな」
「そうですか?」
「ああ」
ゼストは笑う。
その笑みには、先ほどまでとは違う色があった。
敵への憎悪ではない。
勝利への執着でもない。
純粋な歓喜。
魔法を使わない。
自分の力を誇示するためでもない。
守る為に戦っている。
こんな異質な力を見ても、退かない。
それでも、強い
赤槍を構えて一歩ゼストが踏み出す。
さらに一歩。
赤い血槍が煌々と輝く。
その瞳が、鋭く行人を射抜く。
ゼストは笑った。
「これほど嬉しいことがあるか」
行人は黙ってゼストを見る。
この男は自分が追い詰められていることを理解している。
勝てない可能性すら理解している。
それでも戦うことを楽しんでいる。
「……」
行人は構えを取り直す。
ゼストもまた、赤槍を腰だめに構えた。
互いの間に、張り詰めた空気が流れる。
だが、ゼストの胸の奥にはもう一つの想いがあった。
ルーテシア。
ガリュー。
メガーヌ。
救いたい者達の顔が浮かぶ。
それを忘れたわけではない。
諦めたわけでもない。
自分がここで戦う理由も、まだ消えてはいない。
だからこそ、ゼストは思う。
(それでも――)
この男とは全力で戦いたい。
これまで積み重ねてきたもの。
戦場で磨いた技術。
騎士として培った誇り。
そして今、体に漲る異形の力。
その全てを、
「……燃やし尽くす」
小さく呟く。
行人には届かない。
だが、その言葉だけは確かだった。
勝つためだけではない。
生き残るためだけでもない。
今まで自分が歩いてきた人生。
戦ってきた年月。
守れなかった者達への想い。
そして、最後まで捨てることのできなかった騎士としての誇り。
そのすべてを、
「この戦いで……」
ゼストの身体から、再び黒い闘気が噴き上がる。
大地が震え、赤い槍が哭く。
「燃やし尽くす!!」
雄叫びと共に、ゼストが駆けた。
行人もまた、地面を蹴る。
二人の姿が一瞬で視界から掻き消えた。
次の瞬間、黒と青が衝突する。
異なる力を纏った二人の戦士の戦いは決着へと向かっていた。
◇
ゆりかご管制室にて。
無数のモニターが、刻一刻と変化する戦況を映し出していた。
地上。
空中。
各所で繰り広げられる戦闘。
そして、その中でも一際激しい戦いがあった。
黒い戦士と、黒紫の鎧を纏った青年。
ゼストと行人。
二人の姿は、もはや常人には追い切れない速度で交錯していた。
激突する拳。
振り抜かれる槍。
吹き飛ぶ瓦礫。
大地を抉る衝撃。
その全てが、一つのモニターに収められている。
「……素晴らしい」
スカリエッティは、恍惚とした表情で画面を見つめていた。
「これが……神の力。
その瞳に狂気にも似た輝きが宿る。
ゼストの肉体から噴き出した血液が、瞬く間に傷を修復していく。
肉体そのものが限界を超え、戦うための形へ変貌していく。
「再生能力だけではない」
スカリエッティの指が、端末を忙しなく操作する。
「筋力、反応速度、耐久性……それら全てが戦闘中に変化している」
新しいデータが次々と表示される。
「実に興味深い」
画面の隅に表示された数値を確認しながら、スカリエッティは小さく息を吐いた。
この戦いが続く限り、データは増え続ける。
だが、同時に。
この戦いが終われば、これほど貴重な観測対象を失うことになる。
「これほどのデータを取る機会は、もう二度とないだろうね」
ほんの少しだけ。
本当に僅かに。
スカリエッティの表情に残念そうな色が浮かんだ。
だが、それもすぐに消える。
彼はすでに、次の観測対象へ意識を移していた。
「それだけが、少々残念だが」
「スカリエッティ!」
背後からフェイトの声が飛ぶ。
「もう止めろ!」
魔力を封じられ、身体中を傷つけられた状態。
それでもフェイトは、鋭い目でスカリエッティを睨みつけていた。
「これ以上、罪を重ねるな!」
「……聞こえているよ」
スカリエッティは振り返らない。
声の震え。
呼吸の乱れ。
拘束具の軋み。
背後にいるフェイトの状態は、見なくても把握できていた。
「そう喚かないで欲しいな、ハラオウン執務官」
淡々とした声。
まるで騒音を注意するかのような口調だった。
だが、その言葉を選びながら、スカリエッティはフェイトの反応を測っていた。
彼女が何に反応し、どの言葉で感情を乱すのか。
そして、どこまで追い詰めれば拘束を破ろうとするのか。
拘束具の出力は、意図的に最低限へ落としてある。
逃げられない程度に。
しかし、怒りと焦りがあれば、無理をすれば破れる程度に。
スカリエッティはその事実を、決して表情には出さなかった。
そして彼は別のモニターへ視線を移す。
「それより、見たまえ」
「……?」
フェイトも画面を見る。
そこに映し出されていたのは――。
「……っ!」
息を呑む。
「なのは……?」
巨大な玉座。
その前で高町なのはが宙吊りにされていた。
両手を拘束され、身体から力が抜けている。
映像の角度も、なのはの表情がはっきり見えるよう調整されていた。
フェイトが見れば、必ず反応する。
そう判断した上で選んだ映像だった。
「なのはっ!?」
フェイトの顔から血の気が引く。
「そんな……」
スカリエッティは淡々と画面を見つめる。
内心では、フェイトの呼吸が一段浅くなったことを確認していた。
視線は画面に釘付け。
肩が強張っている。
予想通りだ。
「さしものエース・オブ・エースも、聖王には勝てなかったか」
口元に薄い笑み。
「もう少し粘って欲しかったね」
わざと、なのはを軽く扱う。
わざと、敗北を断定する。
フェイトが反論せずにはいられない言葉を選ぶ。
「……」
フェイトは言葉を失う。
その沈黙さえ、スカリエッティにとっては一つの反応だった。
「聖王の力」
スカリエッティが指を一本立てる。
「AMF」
二本目。
「そして――」
三本目。
「母親としての情」
フェイトの表情が強張る。
その言葉を口にした瞬間、フェイトの指先が僅かに動いた。
スカリエッティは見逃さなかった。
「それら全てが、高町なのはから戦う力を奪っている」
「……違う」
予想通りの返答。
スカリエッティは、あえてすぐには否定しなかった。
フェイトが自分から言葉を返す時間を与える。
怒りを内側で膨らませるために。
「ここまで予想通りだと、少々興醒めだね」
「違う……!」
フェイトの声が震える。
スカリエッティは気にする様子もない。
むしろ、その震えを楽しむように、画面から視線を外さなかった。
フェイトの魔力反応が僅かに上昇する。
拘束具の出力を調整する。
まだだ。
もう一押し必要だった。
「とはいえ」
画面の中のなのはを見ながら、楽しそうに笑う。
「高町なのはという、これ以上ない実験材料が手に入ると思えば――」
そこで、わざと一拍置く。
最後まで言い切らない。
フェイトの想像力に続きを委ねる。
「……させない」
小さな声。
だが、スカリエッティには十分だった。
フェイトの魔力反応が、明確に跳ね上がる。
「ん?」
スカリエッティが初めてフェイトへ視線を向けた。
驚いたように見せながら、内心では確信していた。
かかった。
フェイトの身体が震えている。
魔力を封じられている。
傷ついている。
それでも。
「そんなこと……」
拳を握る。
「私が、させない!!」
瞬間、身体の周囲で封印拘束が軋んだ。
「何……?」
スカリエッティは眉を僅かに上げる。
驚愕を装うための、ほんの僅かな動作。
フェイトの身体から、限界を超えた魔力が噴き上がった。
「ぐっ……!」
激痛に顔を歪めながら、それでも力を込める。
バキンと拘束具が砕け散った。
床へ落ちた破片が、甲高い音を立てる。
フェイトは荒い息を吐きながら立ち上がった。
「なのはを……返して」
その目に宿るのは、怒り。
そして、決意。
スカリエッティは数秒、フェイトを見つめていた。
やがて、口角がゆっくりと上がる。
「……なるほど」
楽しそうな笑み。
その瞳には、先ほどまでとは違う種類の輝きがあった。
フェイトは気づいていない。
拘束具が、破壊された瞬間に完全停止したのではないことに。
砕けたのは外装だけ。
内部に仕込まれた追跡用の術式と、魔力反応を測定する機構は、すでに役目を果たしている。
彼女がどの程度の力で拘束を破り、どれほどの魔力を残しているのか。
その数値は、スカリエッティの端末へ正確に送られていた。
(想定通りだ)
フェイトには聞こえないほど小さく呟く。
彼女が自分から拘束を破ること。
なのはを救うため、周囲の状況を確認するより先に動くこと。
そして、怒りによって魔力を限界まで引き出すこと。
全て、最初から計算していた。
スカリエッティは、フェイトを逃がすつもりなどなかった。
逃げられると思わせるつもりだった。
「トーレ」
「はい」
背後に控えていた戦闘機人が一歩前へ出る。
「セッテ」
「はい」
もう一人も続く。
フェイトの視線が二人へ向く。
その瞬間、スカリエッティは確信した。
彼女はなのはの映像に意識を奪われ、戦場の配置を見ていない。
退路も。
敵の数も。
自分がどこまで誘導されていたのかも。
スカリエッティは二人を見て、命じた。
「もう一度、痛めつけなさい」
「……!」
フェイトが身構える。
その反応も、予測の範囲内だった。
拘束を破った直後の彼女は、魔力こそ高い。
だが、負傷と消耗は隠せない。
怒りで引き出した力は、長くは続かない。
だからこそ、今ここで戦わせる。
彼女の限界値を測るために。
「はい」
「了解」
二人の戦闘機人が同時に駆け出した。
スカリエッティは笑っていた。
フェイトが怒りに任せて拘束を破ったことも。
なのはを助けようとすることも。
そして、罠の中心へ自ら踏み込んだことも。
全て。
彼の想定通りだった。
「さあ――」
再びモニターへ視線を戻す。
行人とゼストの戦い。
聖王と高町なのは。
そして、今まさに始まろうとしているフェイトと戦闘機人の戦い。
複数の観測対象が、同時に限界へ近づいていく。
スカリエッティにとって、これほど都合のいい状況はなかった。
「次は、どんなデータを見せてくれるのかな?」
管制室に、スカリエッティの笑い声だけが静かに響いた。