バッドエンド後にやり直した人生で、初対面のクラスメイトからなぜか激重感情を向けられている   作:水島紗鳥

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第25話 思い込みの罠

 朝から散歩と優雅なコーヒータイムを楽しみ、ようやく目覚めた父さんと母さんと一緒に朝食を済ませた後、ホテルを出発して目的地に向かい始める。四人でわいわい喋りながら一時間ほど走っているうちに目的地に到着した。俺達の目の前にはアスレチックのコースが広がっている。

 

「アスレチックなんていつぶりかしら」

 

「中々するような機会なんてないよな」

 

 アスレチックは母さんの希望で来ることになったらしく前回の家族旅行でも来ていた。運動神経が良い母さんに対して、父さんは明らかに運動音痴なためすぐにギブアップしていたような記憶がある。俺の運動神経は可もなく不可もなくといった感じだ。受付を済ませた俺達は早速アスレチックコースにやってきた。

 

「ここのアスレチックは大人でもしっかり楽しめるんだって」

 

「一瞬で体力が無くなりそうな気しかしないな」

 

 父さんと母さんはそんな会話をしていたが、小さい子供だけではなく大人でも楽しめそうなコースになっていることはマップを見ただけですぐ分かる。多分父さんは前回と同じく早々に脱落しそうだ。

 

「瑛人はゴールまで行けそう?」

 

「多分行けるとは思うけど、クタクタになってそうな気がする。そういう天音はどうなんだ?」

 

「私は多分余裕だと思うわ、まだ部活をやってた頃の体力は全然あるはずだし」

 

「えっ、天音って中学生の時は部活に入ってたのか?」

 

 知らなかった情報が天音の口から飛び出したため俺はそう聞き返した。高校では俺と同じく帰宅部のため、勝手に中学時代もやっていなかったと思い込んでいたのだ。

 

「小学生の頃からバスケをやってたから、中学生の時は女子バスケ部に入ってたのよ」

 

 現在百七十二センチあることを考えると、恐らく昔から身長が高かったに違いない。だからバスケやバレーのような競技にはピッタリだ。

 

「なるほど、天音ならバスケは似合いそうだもんな」

 

「天音は身長が高くてずるいとはよく言われたわ」

 

「うちの高校も女子バスケ部はあると思うけど、入らなくて良かったのか?」

 

「元々髪を染めるつもりだったから高校では部活に入ろうとすら思ってなかったのよね」

 

 確かにその辺りの校則は緩いうちの学校だが、運動部に所属している学生に関しては許されていない。でも、結局天音は髪を染めなかったのだから部活に入る選択肢もあったのではないだろうか。そんなことを思っていると天音はちょうど俺が気になっていたことを話し始める。

 

「それに今は他にやりたいことがあるのよね、だから部活には入らなかったっていうのが答えよ」

 

 なぜ髪を染めなかったにも関わらず長年続けたバスケを辞めたのか不思議だったが、そういう理由があれば普通に納得だ。前回の俺は勉強に集中したいという理由で部活に入らなかったし、今回に関しても同じ理由で入っていなかった。だから入学式の翌日にあった部活動紹介には参加すらしていない。

 

「ちなみに天音のやりたいことって?」

 

「色々あるんだけど、やっぱり一番は瑛人の監視かしら」

 

「……えっ!?」

 

 天音の口から耳を疑うような言葉が飛び出したため俺は思わず変な声をあげてしまった。言葉の意味が全く理解できなかったため、完全に困惑している状況だ。するとそんな俺を見ていた天音はニヤニヤし始める。

 

「ナイスリアクションをありがとう!」

 

「急にあんな凄まじい冗談を挟んでくるのは反則だから」

 

「さっきのは瑛人の私的ナイスリアクションランキングで間違いなく上位に入るレベルだったと思うわ」

 

「私的ナイスリアクションランキングとかあるのかよ……」

 

 どうやらさっきの発言は冗談だったらしい。言葉を口にした時の表情が全く冗談を言っているようには見えなかったため、マジで俺を騙すのが上手いと思う。

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