蝕ミ滅ボス 作:ムズスンギ
クロスギーツは割と早い段階で出たのにぃ!?
って訳で書いちゃった♡
「どうする?他の世界を滅ぼすのを止めて、大人しく自分の世界に戻るか…それともここで…オレに倒されるかッ!!」
『蝕み滅ぼすのは俺達の本能だッ!!誰にも止められはしねぇッ!』
……夢を見るんだ。
何度も、何度も、同じ夢を。
おどろおどろしい見た目をした怪人が、もう一体の怪人に倒される夢。
殴り合い、蹴りをぶつけ、その度に腰の何かを互いに動かし、何らかの力をチャージしていく。
そして、互いの力が最大まで溜まりきり――決着が着く。
おどろおどろしい怪人が、もう一体の怪人のキックに打ち砕かれ、世界から消え去る。
「…ぁぁ」
俺は、いつもその瞬間に目を覚ます。
現実じゃありえない光景、なのに妙にリアルに感じる夢。
よくわからない夢だとは思っていたけれど、これって悪夢に入るんだろうか。
「…シャワー、浴びるか」
あの夢を見たあとは、大概寝汗でびっしょりになっている。
ただ濡れるだけの汗ならまだマシなんだが、出てくるのはかなり臭うタイプのドロリとした汗。
これのせいで、起きたあとはほぼ毎回シャワーを浴びなきゃならないのがネックだ。
鬱屈とした気持ちでシャワーを浴びて、ついでに洗濯も回す。
タオルで水滴を拭き取り、ラフな格好に着替えたら、また自室に戻ってテレビをつける。
『今朝の天気は――』
電源が入ると同時に、流れ出したのはニュース番組。
どうやら今は天気予報のコーナーらしい。
特に興味も湧かないので、ボタンをポチってチャンネルを変更する。
一通り眺めて見たものの、特に見たいものもなかったので、電源ボタンを押してテレビを切った。
ため息が口からこぼれる。
めんどくさいながらもリモコンをテーブルに置き、ベッドからシーツを剥がす。
これもこれで臭うから、パジャマの洗濯終わったらこっちも洗わないきゃいかんのがめんどい。
最近二日に一回のペースで洗ってるから色落ちとか心配なんだが…臭いシーツで寝るのはごめんだからな。
スマホの電源をつけて、適当にネットニュースを眺めていく。
…不審死。また
情報統制できてねぇじゃんか。何やってんだか。
俺が"転生”してきたこの世界には、
アニメとか漫画みたいって思うだろ?まさにそれだよ。
手から炎を出せるやつがいる。
雷纏って神速で動くやつだっている。
もちろん冷気を操って相手をカチンコチンに凍らせちまうやつだっているからな。
前世のそういう話に出てきたのならだいたいいるってわけ。
オタクの妄想の中にしか存在しなかった異能バトルが、よもや現実に起きるような世界にやってこれたんだ。
興奮したよなぁ、そりゃあ。
……ま、俺にはなんの力もないんですけどねぇ…!!
異能をその身に宿すのは限られた一部のみ。
俗に言う選ばれし者って概念が適用されてんのよ、ここでも。
ま、まぁ?俺って転生者なんだし?そりゃあその一部には入ってるよねぇってタカをくくってたら…これよ。
かぁーっペッ!クソが。
さっきも言った通り、異能を宿すのはごく一部の選ばれし者に限られる。
そんな性質だからな。いくらリアルで異能バトルが起こってると言っても、その異能の存在を知ってるやつなんてのもまたごく一部のみなのよ。
だーから統制しきれなかったとこから不審死やら超常現象やらで話題になっちゃうんだよなぁこれが。
ま、その出処までは掴ませてない辺りしっかりやってはいんだろうけど。
むむ?じゃあなんで俺が知ってるのかって?
スゥーッ↑……まぁ、はい…そこは、調子乗ってたんだなって…その、ご納得していただいて……
え、えぇい…!いいだろ!?夢見たっていいじゃんか!?
どうせなかったけどね!!異能なんて与えられませんでしたけどねッ!
くそォッ!!
苛立ちのままにクッションを殴りつけ、そこでふと我に返った。
何やってんだ、俺…
ないってのはとっくの昔にわかってんだろ。
いつまでも夢見てんじゃねぇよ…どうせ俺は、なんの力もない一般人なんだから。
「……チッ」
ムシャクシャする。…外の空気でも吸うか。
適当な服を着込み、蒸し暑い外へと繰り出した。
玄関の扉を開け、真っ先に目に入ったのは、電柱を背にどこかソワソワしながらスマホを眺める女の子の姿。
…声をかける?バカ言うな、陰キャにンな事できる訳ねぇっての。
案の定待ち合わせしてたっぽい子が向こうから走って来たしなぁ!
「お待たせ〜」
「そこまで待ってないからだいじょぶ〜んじゃ行こ〜」
楽しそうに歩き去る女の子ふたり。――その後ろ姿に呆然とする俺。
…そうだよなぁ。今夏休みだもんなぁ、楽しいことで頭いっぱいだよなぁ。
せっかくの夏休みにこんなこと考えてる俺って…ってダメダメ。
落ち込む為に外出てきたんじゃないでしょ!?
あの子たちみたいに気分転換するんだよ!
首ぶんぶん振って沈んだ気持ちを振り払う。
うしっ!切り替え完了ぉ!!
行くぜぇ―――んぉ?
なんだあいつ?やけに俯いて歩いてら。
なーんか嫌なことでもあったんかねぇ?
まぁどうでもいいけど。所詮は他人だし。
すーぐに興味もなくしたし、とっとと見ないようにしようとしたんだが…これがなんでか目を離せない。
……あー、そゆことね。
ちぇっ、せっかく気持ち入れ替えようって意気込んでたってのに。
シラケた目でそのフードの男を見つめていれば、予想した通りに手を上げ始める男。
…後の展開は読めたな。
「こんな世界っ、壊れちm―――」
叫びと一緒に異能解放して、一般人相手に暴れ散らかそうとか思ってたんだろうなぁ。
全くアホなことだ。そんなんだから一瞬で結界ン中取り込まれちまうのよ。
てかね?めちゃくちゃ憎悪込めて叫ぶのはいいんだけどさ、もちっと目立たないよう配慮するべきなのよ。
NO異能の俺でさえ丸わかりだったからな?そりゃその道のプロからしたら…って話よ。
「ッあー外出ても嫌なもんしか見れねぇじゃんかよ」
なんのため外出て来たんだか…これならベッドでスマホ弄ってる方がまだマシだっての。
でもせっかく外出たのに何もせずに帰るのもなんか癪なんだよな。
さてどうするか。
んー、アイスでも買おっかねぇ。
幸いにも財布の中身はそこそこぶ厚いからな。
嫌なもん見た慰めに、お高いアイスでも買っちまうか!
多少回復した気分で、いつもお世話になっているコンビニへと足を運ぶ俺。
そのまま店内に入ろうとしたタイミングで、なんと中に入れないことに気づく。
あれ、これって…まさか。
ふと辺りを見渡してみれば、周りには誰の姿も見えない。
さっきまでいた筈の人々が、今では一人もおらず、その上コンビニの中に入る――境界を越えることもできない。
これ、100パーそういうことっすねぇ。
頭の中異能でいっぱいすぎて全然気づかんかったわ…
えぇ、なに?またなんかやらかしたアホでてきたの?
でもそれにしてはなんも聞こえんのよな。
つーか、NO異能の俺が結界に取り込まれてるのがそもそもおかしいし…なんだこれ。
「……ふっ、そこにいるのはわかっているぞ」
なーんちゃって(笑)
誰がいるってんだy 「流石でございますね」
!?ッ、くぁwせdrftgyふじこlp…!?れ?!???!
エッ何!?声聞こえたんだけどなになに!?
「やはりあなた様こそ、我らが
えぇ…なんかメイドさん出てきたんですけどぉ…だぁれきみ???
「申し遅れました。わたくしの名はクレア、あなた様の側近として、お仕えさせていただく者です」
わ、あ、ぁぁぁ、なんて綺麗なカーテシー…もうすっごく眼福。
でも、これだけは言いたい。
「あのー、人違いでは?」
こんな美少女メイドに側近になってもらうようなやつじゃないんすよ俺って。
だって俺NO異能よ???力ないのよ?
完っ全に人違いじゃんね。
そう伝えたんだけど、なんでかクレアっていうらしいメイドさんは首を横に振る。
なんでだよ。
「いいえ。あなた様でお間違いはございません。――カリエス様」
……なんて?
考えるのマジムズスンギ…