孤独とグルメ   作:大気圏突破

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三食同刻

 突然の爆発に気が動転してしまい確認を疎かにしてしまった。クアットロのことを眼鏡で判断していたセインは単純に『ミドラの近くいる眼鏡の女』というだけで間違えて無関係な一般人を自分たちのアジトへ連れてきてしまった

 

「ごめんなさい!すいません…すいません、申し訳ございません」

 

 彼女は土下座しながら高町美由希に対して謝罪を続けている。額を何度も床に打ち付けて真っ赤になるのを止めようとするが戦闘機人にパワーに負けてしまい尻餅をついたことで、更に謝る状況を作り出してしまった

 

 

「消しますか?」

 

「準備は出来てます」

 

「物騒なモノは仕舞え!こっちの不手際に巻き込んでしまったんだ、五体満足で自宅に帰すのが筋であって礼儀だ」

 

 物騒なことを口にするトーレとセッテをミドラが窘める。彼女はセインと一緒に地中を潜って移動してきたのでアジトまでの道順までは知られていないのは僥倖だった。また地中に潜って中心街に送り届けようと考えていたが…

 

 

「どうやら彼女はエースオブエースの親族みたいだね」

 

 

 スカリエッティは美由希の持っていた端末からデータを抜き出し、関係各所のハッキングを片手で行うと彼女がリンディやシグナムと話しているシーンが映し出されていた

 

「ドクター!クア姉たちがいた現場のニュースだけど、管理局に不満を持つ過激派グループの爆破テロとして扱われてるみたい」

 

「こりゃまた酷いね~」

 

「エイミィ…エイミィは無事なんですか!」

 

 モニターを食い入るように見つめる彼女はパネルを操作するスカリエッティに問い掛ける

 

「少し待ちたまえ、フルネームは分かるかな?」

 

「エイミィ・ハラオウンです」

 

 彼は再びハッキングを行って死傷者リストを調べ上げた。美由希はそわそわした雰囲気で早く結果が出るのを待っていた

 

「エイミィという人物はいたのだがファミリーネームが違うな、リミエッタという女性なら軽症者の名簿に記されているみたいだが」

 

「それ、エイミィの旧姓です」

 

 とりあえず友人が無事であったことに安堵したが旧姓で登録されていたことに思考が支配される。爆発が起きる前に彼女は夫であるクロノに関して散々な物言いをしていたが、もしかして?

 

 

「さっさと帰る支度を済ませろ」

 

「えっと…あの~、いいんですか帰っても」

 

「茶やコーヒーを出さなかった無礼を詫びよう」

 

 正直なところ居る方が困る。ここは一般人が存在するには刺激的な場所になるのでご帰宅を願いたい、ミドラは美由希の所持品である手提げバッグを持つとセインを手招きする

 

 

「爆発現場から離れた場所で頼む野次馬が多くて目立つ」

 

「分かった」

 

「帰りはいいよ、俺は自宅に戻るから」

 

 念のために美由希にはヘッドホンとアイマスクで視覚と聴覚を遮ることにした。このアジトも巧妙に隠してあるので外部に露見することは早々無いが万全を期す必要はある

 

 

「どこに送り届けるつもりだい?」

 

「アイツ等の本拠地(機動六課)の前までエスコートしてくる」

 

「それなら電報でも送っておこう」

 

「脅迫状にするんじゃねえぞ」

 

 セインは2人の手を持って自身のISを起動し地中を潜った。そして残されたナンバーズたちは録画していたクアットロのデート映像を本人の目の前で再生して反応を楽しむことにしたが翌日には映像データは全て破壊されていた

 

 

「じゃあ私はここで」

 

「ありがとうなセイン」

 

 礼の言葉を述べると彼女は再び地面の中に潜りアジトへ戻っていった。ミドラは施されていたアイマスクとヘッドホンを外すと美由希に眼鏡を差し出して装着させる

 

 

「ありがとうございます」

 

「爆発の影響で公共交通やタクシーも使えないから、歩きでいくぞ」

 

「大丈夫です体力に関して自信はありますので」

 

 地図アプリを起動し機動六課の隊舎までの道のりを暗記した彼は、彼女が段差で転ばないように手を掴んで歩きだすのであった

 

 

 

 

 少し前まで機動六課は喧騒のど真ん中であった。隊長を務めていた高町なのはの姉が爆発に巻き込まれ行方不明となればフェイトを含む付き合いのある面々の顔は穏やかではなかった。しかもテロリストの対応は六課の管轄外なので現場に向かうことも出来ず隊舎の中でニュースの続報を待つことしか出来なかったが

 

「八神隊長」

 

「どないしたんや」

 

「差出人不明のメールが複数届いてまして」

 

「そんな迷惑メールなんてゴミ箱に捨てときや、こんな一大事なときに」

 

 安心出来る吉報が届かないせいで語気が強くなる。日々の睡眠不足も相まって落ち着かないこともあって貧乏ゆすりが止まらない

 

 エイミィの無事が分かりクロノは病院へ向かっている。もしかしたら彼女もそこにいるかもしれない、病人の付き添いなら負傷者の名簿に載らないことだって考えられるからだ

 

 

「なんやこんなときに」

 

 個人用の端末が鳴り響き不快感を露わにしながら相手の名前を確認すると、非通知の表示が記されていたので拒否しようとするが隊舎に届いた差出人不明のメールのことも気になり彼女は通話ボタンを押した

 

 

「どうもごきげんよう。八神はやて」

 

「ジェイル・スカリエッティ!」

 

 自分たちの捜査対象でマッドサイエンティストの次元犯罪者が顔を覗かせていた。なぜ彼が自身の番号を知っているのか不明だが今は後回しにしよう。まさか今ここで宣戦布告でもしてくるのかと身構えていたが

 

「ミドラが君のたちのところに客人を送っている」

 

「なんやて?いったいなんのつもりや」

 

 要領を得ない言葉に血圧が高くなる。はやてはメインモニターに切り替えて隊舎内にいる全員に通信が聞けるようようにする

 

「ちょっとした手違いでエースオブエースの親族が我々のアジトに来てしまってね。居たところで邪魔にしかならないので帰すのさ」

 

「美由希さんが!どうして」

 

「ハプニングみたいなものさ我々も一般人を手に掛けるほど落ちぶれていない、鉄槌の騎士が孤児院の子供を人質にしようとしていたみたいだが」

 

「………っ!」

 

 まさか隊舎内をハッキングされているのでは?と勘ぐってしまうが、スカリエッティは余裕を崩さないで高笑いを浮かべていた

 

「図星のようだね。ハッキングなぞしなくても短絡的な性格で直情的な彼女の考えそうなことは手にとるように分かる。無害な一般人を襲うことは10年前もしていたじゃないか!」

 

「そんな話…今は関係あらへん!本当に美由希さんは来るんやろうな」

 

「自分の目で確かめてみたらどうだ?2人の足(・)なら君たちの基地には30分もしないうちに到着するはずだが」

 

 はやてはロングアーチのスタッフに屋外に設置されている監視カメラの映像を片っ端から調べさせると彼女たちの姿を確認した

 

 

「待つのも良し、迎えに行くのも良し」

 

「なんで知らせたんや」

 

「君たちの住処に向かっているんだアポイントをとるのは常識じゃないか、普通に考えれば分かることだが欠落するとは無様だね」

 

 そう言い残してスカリエッティは通信を切断した。はやては何度も着信するが『番号は使われていません』のアナウンスが流れるだけであった

 

 

「どうしますか?」

 

 騎士甲冑を纏ったシグナムが問い掛ける

 

「どうせ待っていても来るんや、隊舎の門を開けといて」

 

「迎え入れるのですか?」

 

「捕まえることなんて物理的に不可能なんや、今は下手に刺激するよりも美由希さんを安全に確保するのが先決や」

 

 少し前なら全員で突撃と命令を下していたはずだ!しかし無力であると自覚した彼女は何が最優先であるかを理解している。しかしたった1人だけ隠れて動いていることに気付かないのであった




とりあえず美由希はミドラが送っていますが、一波乱が起きると思います

感想ありがとうございます(おまちしてます)
お気に入り登録もありがとうございます
誤字訂正もありがとうございます

明日はキーンランドカップ、頑張れロジケープ

高町美由希の戦闘力は?

  • ナンバーズに勝てる
  • ギリギリ善戦出来る
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