【次元航行部隊提督の爛れた夜の性活】
若くして次元航行部隊提督の地位に上り詰めたクロノ・ハラオウン提督を本誌のカメラマンが目撃したのは夜の繁華街だった。匿名の情報を得て張り込んでいると店内から赤ら顔のクロノ提督が現れ店先でドレス姿の女性と熱い抱擁を交わしていた
その後も約1週間の張り込みを続けた結果、4回の来店を確認し全てをカメラに収めることに成功した。抱き合っていた女性にインタビューを敢行するため店に対してアポイントの連絡を行ったが取材拒否を突き付けられてしまったので我々も強引なことは控えることにした
また当出版社で風俗誌を担当する記者が近隣のキャストから聞いた話では、他店でもクロノ提督が足しげく出入りしていることが目撃されている。既婚者である彼が煌びやかなネオン街に現れるようになったのは最近のことで家庭内の不和が原因ではないのかと推測される
孤児院の厨房で配信された下世話なニュースに目を通しながら煮込みハンバーグを作るミドラは米の炊きあがった音を聞くと大鍋で作っていたマッシュポテトをプレートに盛り付けることを指示する
「つまみ食いするなよセイン」
「ちょっとだけならいいでしょ!」
「また尻を叩かれたいか?」
「残念でした着ているスーツが強化されて生半可な攻撃ぐわぁぁ!」
顔面にフライパンの直撃を受けたセインは背中から倒れてしまった。頭上に星を浮かべギャグ漫画のように目をグルグル回している。戦力として呼んだはずなのに足手まといとなった彼女を放置し食堂にプレートを運んでいくのであった
あれから大口の案件が成功したミドラはミッドチルダを離れてバカンスを楽しむつもりだったが、孤児院を運営する代表が仕事で手にいた物品を売り捌くので留守番を頼まれることになった。遅くても明日には帰ってくるのでバカンス先を吟味する時間に充てることにした
「セインお姉ちゃんはどうしたの?」
「こいつはベトベトした床の上で寝るのが好きなんだ」
「変なの~」
子供たちに変人扱いされるセインを無視し、全員にプレートを行き渡らせると彼は大きな音で手を叩き「いただきます!」と口にした。やっていることは保父さんの真似事でありワンパクなチビっ子たちの元気に振り回されるの日々が続く
「そういえば何でお金を稼ぐの?」
「生きるためには金がいる」
「でも、こんなことをしなくても旦那なら稼ぐ手段なんて選り取り見取りでしょ」
「不器用だからな、こんな生き方しかできない」
代表が予定よりも早く帰ってきたのでミドラはセインを伴って孤児院から出て行った。彼女は労働の対価が欲しいと強請ってきたので要望を聞くことする
「妹へのプレゼント?」
「そうそうアジトで寝ているウェンディや今度ロールアウトするディードとオットーに何かあげたいんだよね。でもさ~私たちってウー姉から渡される小遣い制で…」
「欲望に負けたか」
「いや~ノーヴェと買い物をしてたら色々と目移りしちゃって」
「目の前にいるときに思い出を沢山作れ」
「確か旦那の家族って」
ドクターから渡された資料や姉たちから見聞し彼の過去については知っている。10年前に守護騎士に襲われた被害者で二次被害によって両親を失った
「今の生き方をずっと続けるの?」
「どうだかね…ヘマをして管理局に捕まって監獄暮らしかもな」
「辛くないの?寂しくないの?」
「自分で選んだ道だから悔いは無い」
人生出たとこ勝負という訳ではないが自分で考えて行動するだけある。ニュース番組の占いを見て一喜一憂するのではなく、やろうと思った瞬間に動き始めている
「それで何を買うんだ?」
「えっと、ディードとオットーにはペアのイヤリングでウェンディは髪留めがいいかなって」
「店は決めてあるんだな」
「大丈夫!ちゃんとリサーチしてきたよ」
彼はおもむろに近づいて笑顔でVサインを決めるセインを自身の胸に抱き寄せた
"ギンッ!"
金属音が響き少年が振るってきた槍の攻撃を腕で受けると地面から魔法陣が浮かび鎖で捕縛してきたのでミドラは片手で掴んで全てを引き千切った。更に火炎弾が飛んでくるのを避けると高く跳躍して建物の屋上に着地した
「だっ…だん」
「少し黙ってろ」
顔を赤くして驚いているセインを黙らせると襲ってきた奴等を睨みつける
「見境ないんだな管理局のガキは、こんなところで仕掛けてくるなんて」
「貴様のせいでなのはさんは」
「眠り姫は王子様のキスで目覚めるのがデフォだけど、現実を知ったらまた寝ちゃいそうだな!今度は二度と覚めない眠りになるかもな」
皮肉を込めて言葉を紡ぐと赤髪の少年は槍を正面に構えて一直線に突進してきた。電気変換とブースト魔法の重ね合わせで普通の魔導士なら目にも止まらぬ速さで捉えることは不可能だが相手が悪かった
「なっ!」
「愚直だな」
デコピン1発で刃先の軌道をずらし驚愕する顔を見ながら顎に軽いアッパーを入れて脳を頭蓋骨内でピンボールのように揺らし意識をブラックアウトさせた
「エリオ君」
「ル・ルシエのドラゴン使いだろ?改めて礼を言わせてもらうぜ、美味しいドラゴンを育ててくれてどうもありがとう」
「フリード!」
手乗りサイズだった白いドラゴンが変身しブレス攻撃のために準備をしていたが、チャージするまでに時間が掛かったことで無防備となってしまい両翼を切断されてしまい地上に落ちていった。召喚士の少女は鬼の形相でミドラのことを睨むが、そんなことでたじろぐつもりはなく重いボディブローを受けて倒れてしまった
「エリオ!キャロ!」
走ってきたのか息を切らせたフェイトがようやく現場にやってきた。状況を確認した彼女はデバイスを起動して自身の武器を彼に向けるが恐怖で震えているのが目に見える
「おいおい街中で仕掛けてきたのはガキたちの方だぞ」
「そんなことはどうでもいいです。今ここで貴方たちを―――」
「そんな決定権なんてあるのか?アリシア・テスタロッサのクローンさん、この状況を見てよく強気でいられるね」
ミドラの指の先には倒れたエリオの横にセインが立っている。彼の生殺与奪は完全に握られているのだ
「卑怯な」
「そっちが言える口かよ、お互いに今日のことは見なかったことで手打ちにするのはどうだ?帰って一風呂浴びて汗を流したい」
「1つ質問に答えてください、貴方は10年前の」
「蒐集の被害者だ!言っておくが闇の書の関係者を憎んだり怨むつもりはない」
「えっ…なんで」
尋ねたかったことだが想像していた答えではなかった。襲われたのにシグナムたちのことを怨んでいないというのは何故だ?
「間が悪かったのかもしれないが、それが定めだ」
「定め?」
「人はいずれ死ぬ、俺の両親はそれが10年だったということだ!もちろん受け入れている」
「家族を失って…そんな簡単に」
「サービスタイムはこれで終わりだ、あとで高町なのはが寝ている病院に花を送ってやるよ、根の張った植木鉢だから大切に育ててくれよ」
そう言って彼はセインと共に消えるように去って行った。フェイトは倒れている2人に近寄って応急処置を施すと、無許可のデバイス使用の追及を行う査問会について頭を悩ませるのであった
セインって妹のナンバーズに対して良いお姉ちゃんになりそうな気がする。なおミドラは他のナンバーズと買い物に行けるレベルで信頼関係が熱いです
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