壊れかけた少女と、元非モテおっさんの大冒険?   作:haou

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ミリアが歪んでいるのは分かりやすいけど、影夫も歪んでいたり。
割れ鍋に綴じ蓋コンビです。



会議

「……ってわけだ」

 

翌朝、改めて全員で話し合いの場を持っていた。

大魔王に関する詳しい事情の説明ということで話したのは影夫だ。

 

ちなみに影夫は当初、マトリフに対して敬語でしゃべろうとしたのだが、普通にしゃべれと命じられていた。

なのでしょうがなく同年代に対する口調で話している。

 

彼曰く『俺は舐めてくる奴を許さねえが、へつらったり年寄り扱いしてくる奴も大嫌いなんだよ』だとか。

 

「なるほどな。てめえらの事情は分かった。しかし、異世界なんてのがあるとはな。しかも予言書なんてモンもあるたぁな」

 

影夫は、違う世界で生きていたが、ある時気付いたら暗黒闘気の生命体であったことから、すべてを話していた。

 

原作知識についても特に隠す意味はないし、まぞっほたちもすでに違う形ではあるが大筋を話しているので包み隠さず全部正直に伝えている。

 

ただし、漫画原作については伏せている。あなたは創作物の登場人物ですというのは憚られたからだ。

 

ダイの大冒険世界の歴史を予言する書と伝承が伝わっているという形で影夫は話していた。

 

「おぬしは暗黒闘気生命体じゃったのか……道理で邪悪な気配を感じたわけじゃ。すぐに悪い奴ではないと分かって気にしなくなったが……きちんと話して欲しかったのう」

「ごめん。話しそびれてさ……」

 

「ワシらはもう仲間じゃよ。でろりん達も真実を話して欲しかろう。たとえ正体がなんであれ拒まんよ。そのくらい濃密な付き合いをしたんじゃからのぅ」

「ミストさんと同じ存在でも、お兄ちゃんは悪い人じゃないって、おししょーたちならきっと分かってくれるよ」

「ああ、そうだな。次に会った時にちゃんとみんなにも話すよ」

 

和気藹々と話し込む3人だが、熟考していたマトリフがふいに口を開いた。

 

「クロスって言ったか? 勘違いしてるようだがてめえはミストってやつと同じじゃねえぞ」

「えぇ? な、なんでだ?」

 

思いも寄らない言葉に影夫は唖然としてしまう。

 

(俺とミストとの違いはあったけど、それは力が劣っているからだと思っていたのだが、違うのか?)

 

「てめえは正真正銘の『神から授かった魂を持つ生命』なんだよ。だが、ミストってやつは、暗黒闘気の思念体だ。そいつは仮初の生命、擬似生命体にすぎねえんだよ」

「じゃあ何で俺は? あっ。前世が人間だからか」

 

「たぶんな。何かの理由で、前世での死後にお前の魂は、この世界に迷い込んだ。その直後に暗黒闘気思念体に取り込まれたんだろうよ」

 

「と、取り込まれたってマジか!? じゃあそいつが目を覚ましたら俺は魂が消されるのか!?」

「え? えええっ! そんなの絶対ダメだよ! た、大変っ、どうすればいいの!?」

 

ミストは憑依先の魂を消し去れるといっていた。同じことを影夫がやられたら、彼は死んでしまうことになってしまう。

 

「心配いらねえよ。神から授かった魂は強い。ミストって奴以外には魂を操ったり消すなんて真似はできねえ。逆にいえばそれが可能な野郎はとんでもない化け物ってことだが」

「ミストは身体を凝縮すりゃ、オリハルコンだって軽々砕けるくらいだもんなぁ」

 

「てめえは取り込まれたが逆に乗っ取った。その結果、『神に祝福された魂を持つ暗黒闘気生命体』なんていうおもしれえモンができあがったわけだ」

 

単なる憑依だと思っていたが、そういう仕組みと経緯だったとは。影夫はマトリフの推測に感嘆した。

 

こういう事例はマトリフでも見たことも聞いたことも無いらしく、まぞっほと一緒に興味深げに見つめられた。

爺さんふたりに興味津々で見つめられても嬉しくない影夫であった。

 

「そういうわけだからてめえは回復呪文で回復できるし、鍛えることで成長できる。だがミストって野郎にゃそんな真似はできねえんだろ?」

 

それもその通りであった。

そういえば金属生命体のヒムも、作られた人形からハドラーの魂の影響で真の生命体へと生まれ変わってからは回復も成長もできるようになっていた。

 

「……むぅ」

 

考えてみればミストとの違いとしては他にも色々ある。

ミストは物理攻撃が完全に無効だったはずだし、影夫のような暗黒闘気の物質化はできなかったじゃなかったっけか。

 

「つまりお兄ちゃんはすごい! ってことだね」

 

「え?! ま、まぁそうなのかなぁ。成長の余地があるってのは救いか。今は弱いけどレベル上げていけばいつかはミスト以上に、なれるかもな」

「ほらぁやっぱり!」

 

ミリアはまるで自分のことのように誇らしげにお兄ちゃんすごいってはしゃいでいる。

 

影夫も、そこまで言ってもらえば嬉しい。久々にミリアの頭をいっぱい撫で撫でしてあげつつ、成長すべく頑張るぞと気合を入れたのだった。

 

 

「んで、予言の話だが……魔界の神か。とんでもねえのがきやがるな」

「ああ。大魔王バーン……正直お手上げな相手だよ。伝説と奇跡の集合体である勇者ダイに任せるしかないと思う」

 

「……だが何もせずに放っておく気はねえんだろ?」

 

そう。マトリフの言うとおりだ。

正面からぶつかるにはあまりにも強大な敵だが出来る限りの悲劇は防ぎたい。

 

「知ってる以上、出来るだけはしたい。とりあえず、魔王軍の注意をひきつけ、俺らの対処に手を取らせようと思ってる」

 

早々に魔王軍に目をつけられることになるが、なにせ暗黒闘気を扱う勇者に暗黒闘気生命体だ。

隠しようがないし、どの道いつかはバレることになる。

それならいっそ開き直って制約なしに思い切り動き回ったほうが被害を抑えられるだろうと影夫は思ったのだ。

 

(それに俺とミリアには心強い仲間もいる……)

 

心強いことにでろりん達の協力が得られることは確定済みだ。本気になった彼らの助力は凄く心強い。元々全員DQ3が元ネタなだけあって、素質や潜在能力はとても高いものがある。

 

規格外ぞろいのアバンの使徒並とまではいかないだろが、それに準ずる活躍は十分期待できる。しかも原作知識と3年半という準備時間があるのだ。

下手をするとある程度は上回れる可能性すらある。

 

「ある時は正面から、ある時はゲリラ的に。全世界でやつらの邪魔をしまくってオーザム、パプニカ、カール、リンガイアをどうにか滅亡させないようにしたいと思っている」

 

心強い仲間に加えて、影夫とミリアはベンガーナ王にコネをもっている。

各国への支援や援助をお願いすることができるかもしれない。戦後の主導権を握るためとか、各国への経済進出や利権の担保なども絡めて交渉を薦めれば説得もしやすいだろう。

 

さらにベンガーナ以外への伝手もある。パプニカの次期女王であるレオナは、ミリアの友達だから、彼らの手を借りることもできるかもしれない。

 

全ての国の滅亡は防ぎきれないかもしれないが、できる限り一般市民を避難させたいところだ。

 

「しかし、それをするとダイ達にかなりの影響がありそうじゃの……というかすでにダイが勇者になったり勇者アバンと出会うきっかけが消えているのう」

 

「まぁそれは適当に仕込めるから大丈夫だと思う。俺らが筋書き通りにするよ。都合が付かなきゃ師匠達に頼むことになるかもしれないが」

「ワシらは別に構わんよ」

 

落ちぶれた悪役を演じてみるのも楽しかろうてと笑ってみせる。本来のワシらはそういう役割じゃったようだしの。と楽しげだ。

 

「問題は敵の出方だな。てめえのせいで、勇者という存在自体が強く警戒されてダイがいきなり強敵とぶつかる、ってのもありうる」

「くそ、どうやってソレを防ぐかだな……主人公補正や神の涙パワーがあるが限度があるだろうし何か手を打たないとな……」

 

影夫は、ダイの竜の騎士としての力と、ゴメちゃんの奇跡に強く期待していたが、さすがに最初の敵がバランだったりした日にはどうしようもないだろう。

 

その可能性はまずないだろうが、原作から外れた以上どうなっても不思議はない。

 

「そうなると、最悪の状況になっても彼らを逃がせるように俺らが一緒に行動するしかないか?」

「それだと各国が攻められ放題じゃろ? さすがにワシらだけでは厳しい」

「師匠達にダイ達との同行とフォローを頼むって手もあるが、戦力として有力なんだ、世界各地で遊撃してもらうべきだし」

 

影夫とミリアがダイ達にくっついていくという案も、でろりん達がくっついていく案も戦力の無駄が多くていまひとつ。

 

「ダイとポップとマァムを今すぐ会わせた上で、師匠連中全員で死ぬほど鍛えまくるってのはどうだろ?」

「アバンは重点的に監視されてる可能性が高いのに、俺やブロキーナまで集結して弟子育成なんかしたら目立ってしょうがねえだろうが。それこそいきなり魔王軍総攻撃バラン込みになりかねねえよ」

 

アバン、マトリフ、ブロキーナが最初からいきなりアバンの使徒を完成させるという魔改造案は敢え無く潰えた。

 

(みっちり修行するったって、死闘なしだと成長速度も微妙そうだしやっぱり机上の空論か……)

 

打つ手なしだと影夫は頭を抱えたが、風にまぞっほが手を打つ。

 

「ふむ。アイテムや物資の補助ならどうじゃ? 回復アイテムやキメラの翼があれば苦戦しても自力でなんとかできるし、いざとなれば逃げられるじゃろ」

「悪かねえ案だな。だが、本物の勇者ご一行だってんなら、街を助けるために戦ってる場合なんかは逃げねえだろうよ」

「むぅ……だけどマァムは、全滅が確定した状況ならちゃんと逃げようとしてたし、無為に死ぬことはないと思う」

「アイテム援助の方針でいくのがよさそうじゃの」

 

「後は、神の涙の奇跡に期待するしかないな。事前に知っているおかげで最後の願いがなくてもピラァオブバーンが投下されても爆発を阻止できる。その分神の涙を酷使しても問題ないだろう……いけるな」

 

「結局、敵の出方やダイ一行のフォローは逐一様子を見ながら、臨機応変に対応するしかないじゃろうな。情報収集と伝達手段を構築しないとまずいのう」

「悪魔の目玉みたいな偵察要員がいればいいんだが無理だしな。って待てよ! まぞっほは水晶使えたよな?」

 

影夫の脳裏に名案がひらめく。

映像による偵察手段なら人間にもある。おあつらえ向きにまぞっほが使い手じゃないかと。

 

「あれは精々5キロ圏内が限界で、しかもあらかじめ狙った場所しか見れん。邪悪を感じ取る力があれば偵察にも使えるんじゃろうがのう」

「じゃあ最初に俺が周囲の邪気を感じて、まぞっほ師匠にその場所を教えるとかどうだ?」

「感覚じゃから齟齬はあるじゃろうが、それなりにはいけるかの。じゃがワシ1人では限界があるわい」

 

「水晶の使い手っていうとあとはメルルとナバラのばあさんくらいか。まぞっほみたいな隠れた使い手を探せないかな?」

「勘違いしてるようだが、こいつが水晶を扱えるのは特に珍しい素質持ちだからだ。普通は占い師くらいにしか使えねえよ」

 

占い師の分野にまで手を出せるまぞっほはやっぱり凄い才能があるようだ。

ゼネラリストとして抜群の才能があるじゃないか。

彼自身はマトリフに比較して何かと卑下しているが、違う分野の天才ってだけなんじゃないかと影夫は思う。

 

「占い師か。ルイーダやベンガーナ王に頼めば探せないかな?」

「占い師っていうとテランが本場だったんだがよ、あそこはもう人がいねえからな……それ以外の国の占い師は紛い物だらけでダメだろうよ」

 

「ったく。邪悪を察知するレーダー機能に限定的ながら通信機能もあって、早期警戒に抜群に役立つという現代兵器も真っ青な優秀ぶりなのに……」

 

(本当に占い師はすげー使えるのにもったい無い。情報戦が死ぬほど有利になるチート職なんだぞ! しかも武力にならないからテランの国是にも反しないのになぁ……軍事利用云々はさておいてもほぼ独占業なら外貨を稼げまくると思うし他人の役にも立てると思うのに……テランってほんとよくわからないや)

 

原作でも影夫はあまりあの国のあり方が理解できなかった。

影夫には諦念と無気力が支配する国にしか見えない。

 

別に武器の発展を危惧して厭うのは自由だと思う。理想主義がすぎる気もするが、影夫にも平和は大事で争いが嫌だという王の気持ちは理解できる。

だからって道具や技術の発展までを否定するのはどうかと思う。

 

(その結果、残り人口わずか50人足らずで後は滅亡していくだけ。人間ってのは家族を子々孫々受け継いでこそ、絶やさず存続してこそだろうに)

 

影夫は両親にそう言われ、お前もいつか愛する人と出会って結婚して次に世代を紡ぐのだと教わった。無理はしなくていい、ただ人並みにいきてさえくれれば、それが幸せなんだからと。

 

彼が尊敬している教師も、ある日自らの平凡さや普通の人生を送ってよいかを悩む彼に熱く語り諭していた。

そのことを影夫は思い返す。

 

―――

放課後の校舎。中学生の影夫は進路に悩んでいた。

彼は自分はもっと特別で親や皆を幸せにできるはずだと思っていたが、彼の学力は理数が若干優れているものの平均より多少上くらいの平凡なものでしかなく運動面もみるべきものはない。これでいいのか、どうすればいいのか悩んで恩師に相談していたのだ。

 

『影夫君。人類はゆっくりとだが、日々輝かしい理想の未来へ向かって歩んでいる。その歩みはとても遅くなったり一時的に後ろを振り返って止まることもある。だが歩むのを止めたり、後ろに向かって歩いてはいけないんだよ』

 

『先生。でも、私は普通の人間でしかないみたいなんです。醜い欲もあって清く正しくないし、発明や発見なんかでも人類の歩みに貢献できるなんて思えないんです』

 

『それでいい。皆の一歩が積み重なって人類は前に進んでいるからだ。影夫君、君もその人類の一員だ。ささやかに家庭を作り、ありふれた職について慎ましく暮らすことになったとしても、他人を害さないかぎりそれは立派な人類への貢献なんだ』

 

『普通で、いいんでしょうか……?』

 

『歩みさえ止めなければね。人間たらんとし、人の営みを続けるのならばだ。皆の一歩が君のためになり、君の一歩もまた皆のためになる。人類史とは獣である事を辞めた人類が血と涙と汗を流して前へと進み、築きあげてきたものだ。歩みを止めることは千億もの彼らの軌跡への冒涜だ』

 

『生きるって重いんですね……』

 

『そうだ。だからこそ命は尊く大事なんだ。生き方は個人の自由だ、しかし、自分の命だから好きにしてよいということはない。君は大丈夫だと思うが自殺だけはしてはいけないよ』

 

『はは、そんな勇気ありませんから大丈夫です』

 

『それは安心だ。なあ影夫君、私が生きているうちは人類が辿り着くべき理想の社会、文明は訪れないだろう。現実は辛く厳しい。だが。もしかしたら君が生きているうちに誰も争わず皆が幸せで平和な世になるかもしれない。それを私の代わりに見て欲しい。無理だったなら君の子、孫に託して欲しい』

 

『はい先生! 人類のために平凡に生き抜いてバトンを渡して死んでみせます!』

 

『はは。君は素直で賢い本当に素晴らしい生徒だ。君のような生徒と出会えてよかった。困ったこと悩んだことがあればいつでも相談に乗ろう。そして君が社会人になった時、誰かにそうしてあげてくれ。今日より明日は素晴らしい。そうなるように皆で生きようじゃないかと』

 

『先生……そうですよね、平凡でも良い明日のために…わかりました!』

 

 

―――

 

もちろん彼自身も彼らの言葉をただ無批判に受け入れたのではない。おかしなことを言っていないか自分なりに考えたけど、彼らに悪意や誘導の類はないと感じたし何より彼らは心から善良だった。

彼らに諭されるたびに、そうなんだろうか?と考えてみるものの、やっぱりそうなんだろう。と思えた。そしてその度に影夫は立派で凄いと彼らへの尊敬を強めてきた。

 

そうやって大きくなった影夫の心の中では信奉する彼らの教えや言葉は『正しい』ものだった。

 

前世では、影夫は結婚して子を為すどころか恋人さえ作れなかった。

生まれ変わっても、子を為すことが出来そうのない魔物になってしまった。

 

彼はもう両親と教師に託された想いは守れない。だからせめて、その手伝いがしたい。前世で立派だった大人達のように自分もなろうと思っていた。それが愛されたのに正しくあれなかった自分の罪、贖罪だと感じていた。

 

 

だからこそ影夫から見たら、テランの人々の在り方は理解不能だった。何故正しく生きられないと思ってしまう。生き方は自由だけど、生き延び、先に紡ぐこともできるはずなのに滅びに向かって生きるなんて身勝手で人類全体への冒涜だとすら思ってしまう。

 

 

逆にテランの人々から見ると影夫の考えは異様だろう。緩やかな日本の伝統的家意識と、理想主義的進歩史観者のチャンポンなどという思考の人間は。

 

彼らからすると何故自然にありのまま生きようとしないのかと思うだろう。種族としての分を超えた領域に人間を進ませようなどおこがましい。神への冒涜であると思うだろう。

 

 

神が居て人類に苦難を与えたとするならば。影夫はその苦難は人類への試練であり挑戦であり、人類は団結し手を携えあって克服し乗り越えねばならないと思う。

 

テランの人々は神が人類に苦難を与えたとするならば、それは罪であり罰であるとありのまま受け入れるべきと考える。

 

そういう違いにすぎないが、双方は分かり合えない。

育った環境や思想が違いすぎるからだ。

 

どちらが良いとか悪いではなく、ただ違っていて、大きな隔たりがあるだけ。

 

(まあいい。わけが分からないし気に入らないし腹が立つけど、無理じいや強要はしちゃダメだからな。自由だ。なら義務もといいたくなるけれど、考えてもしょうがない)

 

考えてもきっと理解は不能だろう、彼らは彼らだと影夫は意識を戻した。

 

「ふぅ。とりあえず魔王軍の初期侵攻はどうする? そこは基本的には変わらないと思うから、詰めれば対応はできそうだけど。じゃあ初期侵攻についての対策プランは……」

 

途中からうとうとし始め、寝始めたミリアをよそに影夫達は詳細プランをつめていくのだった。

 

 




人間の思想や個性の違いの幅はもしかしたら魔族や竜族よりも顕著である人間特有の特徴なのかもしれませんね。
原作の描写を見ると魔族はもう少し思想的に統一が取れている感じですし。魔族は力こそ正義弱肉強食 みたいな共通点があるようです。魔界の環境が一律に厳しいが故かもしれませんが。

多様性は、環境に適応できる可能性を増やし、種を存続させる武器でもあります。
魔族から見ると、ひ弱なのにまとまりなく愚かで欲深くて俗物的で理解しがたい部分があるでしょうが、きっと種として存続する力が高いのは人間なのでしょう。

そうじゃないと竜や魔と人がごった煮世界だった時代に生き残り続けるのは難しい気がします。


戦乱や苦難の時代には影夫のような考えの人が必要です。

でも、発展を追い求めるあまり過ちから災禍を招いた際には発展から一歩身を引いた位置にいるテランのような人たちがいないともろとも絶滅しかねません。

個性個人の違い、多様性は種族存続の合理的側面でも尊重すべきなんでしょうね。

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