真面目にゲーム作ってもらえます?   作:アウグスティン

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第15話

 どうも明日奈も許可を得たみたいで、本日初ログイン。

 事前にユーザー名は教えていたので、しばらくゲーム内で待っていると、彼女からフレンド申請が来る。

 もちろんすぐに承認。追跡機能をオンにすると、ウンディーネを選んだようで、そちらの初期地点にいるようだった。

 

 さてと。

 

「で、これ、どうやって合流するんだ?」

 

 メインはソードアート・オンラインだし、ここ数日のプレイも近隣で飛び回りながらたまにモンスターに魔法ぶち込んでたくらいだから、知識がない。

 システムが同系統ならフレンドのとこにワープとかはないだろうし、ちょっと調べるか。

 

 ■◆■

 

 ネットで調べた情報をまとめて、アスナにメッセージを送る。

 他種族との合流に、一番都合がいいのは、マップの中央にある街、アルンだとか。

 

『アルンってとこまで来れる? ワールドのちょうど真ん中』

『飛ぶ練習しながら行ってみる』

 

 ……なんでMMOで、こんなフレンドと遊びづらい仕様なんだ。アルンが初期地でいいだろ。

 フレンドと協力プレイ、ってやるなら同種族を推奨ってか。種族ごとに特性が違うのに。

 

 さっそく作り直せというのもあれだし、仕方ない。アルンまで飛んでいくか。

 

「もしも~し、どなたかアルン目指してる人います? 一緒に行きませんか~」

 

 大通りで同じ目的のプレイヤーを何人か集めて、出発することにした。

 すでに到達済みのプレイヤーが快く道案内を買って出てくれたので、感謝してついていくことにする。

 

 十人そこらの集団が、羽根を広げて、舞い上がった。

 全員が全員、マニュアル操作で飛べるわけではなかったので、コントローラー操作の人達に合わせて飛んでいく形になる。

 

「ちなみにどんくらいかかるんだ」

「数時間は覚悟しておけ」

「……先に飛んでっていいか」

「道がわかるんならな」

 

 なんで開始早々こんな面倒なことをしなくちゃいけないんだ。

 

 シルフ領の首都スイルベーンを出て、森の上をまっすぐと飛んでいく。

 眼下を緑が高速で流れていく。

 あー、やっぱこれだけでだいぶ楽しいわ。

 この飛行するって要素だけのゲームでも十分売れるだろ。なんてぼやーっと考えながら、ついていっていると。

 

「上昇しろ!」

 

 と、鋭い声の指示が出て、すぐさま飛び上がる。

 もちろん全員間に合うわけもなく、何人かは、急に飛んできた炎魔法に被弾した。

 

 危ない危ない。VRMMOで油断はよくないな。

 ん? あれ。

 

「モンスターじゃなくてプレイヤー? PK?」

「そうだ! 気を付けろよ!」

 

 この、妖精になって空が飛べます、って看板でPKが許されてるんだ、このゲーム。

 ともあれPK集団、見たところ赤いからサラマンダー達は再び魔法の詠唱に入ったようで、アバターの周囲を光の文字が舞い始める。

 戦闘なら配慮はいらないし、俺は最高速度で突撃。詠唱の終わった魔法が放たれる。

 

「よ、ほっ」

「はぁ!?」

 

 魔法は多少の追尾性能があるが、勢いよく上下に振って回避。

 再び急上昇しながら、まずは一人目の腕を斬る。

 そのまま速度を落とさずに通り抜けて、彼らの周囲を旋回しながら、少しずつ削っていく。

 少しして、最後の一人までポリゴンになって砕けた。

 

「雑魚が。一昨日きやがれ」

「お、おお。アンタ強いんだな」

「どんなもんよ」

 

 簡単、簡単! 

 

「それにしても、ここはPK可能エリアだったのか。もっと安全なルートはないのか?」

「街の外は基本どこもPK可能エリアだぞ」

「なんでだよ」

 

 どうして妖精になって空が飛べるゲームで、そんな殺伐としてるんだ。ターゲティングずれてるって。

 ただ空が飛びたいだけのライトユーザーがやめちゃうだろ。

 

「なんでって、そりゃまあアルヴヘイム・オンラインはPK推奨ゲームだからな」

「マジか」

 

 なんでこう、ソードアート・オンラインといいターゲット層に合致しない要素を入れたがるんだろう。

 それからまたしばらく移動を続け、ちらほらと現れる敵をぶちのめしつつ、かなりの時間をかけてようやくアルンにたどり着く。

 移動中にメッセージが来ていたが、既にアスナはログアウトしたらしい。

 

「はぁ〜。まったく」

 

 そりゃそうだ。

 ゲームは一日一時間、なんてノリでやってたら、生活するだけでも果てしないな。

 

 ■◆■

 

 次一緒に遊ぶときは、俺の方もアルンからウンディーネ領に向けて迎えに行く、という約束を立て、それはそれとしてアルヴヘイム・オンラインについて調べることにした。

 人気もあるのだろう、そこそこ攻略サイトは充実してきていたので、初心者向けページを見てみる。

 

「あ、マジでPK推奨のPVPゲームなんだ」

 

 アルヴヘイム・オンラインはキャラレベルが存在せず、各種スキルレベルだけが、スキルを使い込むごとに上がっていくというシステムのゲームだ。

 俺はてっきりこれを、気兼ねなくスローライフしてくれ、みたいな意図だと思っていたのだが、どうやらPS上げて殴り合え、が正しかったらしい。

 

「……ひねくれ者が作ったんだろうなぁ……」

 

 取っつきにくいゲームになってんなぁ。

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