まあ、俺を見ていてくれ
ゆっくりしていってね‼︎
第一話《幻想入り》
チュン…チュン…チュミミーン
ギェー
周りがやかましい。
そんなやかましい鳴き声に一人の少女が起こされる
叶恵「う…うーん…」
周りは見渡す限り森である。
叶恵「ここ…どこ?」
今日は一人で家に帰って…それから…
叶恵「思い出せない…あ、叶炊…!」
スマホを学校カバンから取り出すが…
叶恵「け、圏外…そんなぁ…」
叶恵はよく状況を見る。
叶恵「あ…!?」
よく見たら自分の制服がボロボロ。
そして、訓練用の竹刀袋が無い
叶恵「あ、竹刀が…!ど、どうしよう…
いつも叶炊に注意してるのに…」
くよくよしててもしょうがないので森の中を歩いてみる
叶恵「だ、誰かー…」
返事はない
あまりにも静かな森の中にいてなんだか心細くなってきた
小型妖怪「…パミパミ?」
叶恵「わぁ?!」
小型妖怪「パミ〜!!」
謎の動物?は森の奥へと逃げていった
叶恵「なんだったんだろう…」
ガサガサっ…
叶恵「あ、誰かいるの?!」
金髪で赤いリボンを着ている幼女が目の前に現れた。
叶恵「あ、あなたも…迷子?」
ルーミア「ん?違うわよ。」
叶恵「じゃ、じゃあ…ここってすごいところなの?」
道中で見てきた魑魅魍魎の類を思い出し、少女に問う
ルーミア「へー…そーなのかー?」
叶恵「う、うん…?」
ルーミア「あんた…どこから来たの?」
叶恵「えっと…街から。」
ルーミア「じゃあお名前は?」
叶恵「塰霧…叶恵」
ルーミア「ふーん…じゃあ叶恵って呼ぶね。」
叶恵「あ、あなたは?」
ルーミア「私?私はルーミア。」
叶恵「ルーミアちゃん…」
ぐぅー…
ルーミア「お腹すいた…」
叶恵「お腹すいたの?」
ルーミア「ねえ、叶恵。」
叶恵「え?」
ルーミア「あなたは…とって食べれる人類?」
目が赤く光り、無邪気な殺気を帯びる
叶恵「へ…?」
次の瞬間攻撃をされるがいつのまにか
叶恵はルーミアと距離をとっていた。
ルーミア「あれ…避けられちゃった。
楽に殺してあげようと思ったのに。」
叶恵「へ…え?」
膝から崩れ落ちる
ルーミア「いつもは人間を襲うの面倒なんだけど…
今はお腹すいてるし目の前にあなたがいるもの。
たまには人間を食べたくなるのよね。」
叶恵「人間を…食べる…?もしかして、妖…?」
自分は今丸腰。
竹刀があればよかったが学校に置いてきてしまった。
ルーミア「動かないでね?動かない方が楽だと思うから。」
ルーミアは自分の肩を掴んで口を開ける
ルーミア「じゃあ…いただきます。」
恐怖のあまり立ち上がれない。
抵抗できない。
このまま食べられてしまう。
叶恵「ま、まって…やめ…」
叶恵(…叶炊…!助けて…兄さん…)
目をギュッと閉じる
ルーミアが牙を突き立てたのか肩に激痛が走る
叶恵「痛ッ…」
左肩が冷たくなるのを感じ、顔が青ざめる
ルーミア「美味しい〜…
外来人って大体美味しくないんだけど…今回当たりね。」
ルーミア「…あ〜」また口を開ける
叶恵「…黙って…見てると…思ってるの…!」
抱きついて地面に押さえつける
ルーミアの体が、地面に押さえつけられたまま軽く揺れる。
ルーミア「……あれ?倒されちゃった…」
叶恵「はぁ……はぁ……っ」
伊達に妖と戦っていない。
戦闘をする技術はある程度備えている。
しかし、肩からは未だにドクドクと血が流れている。
ルーミア「あんた、人間でしょ?
どうしてそんなに力あるの?」
ルーミアは叶恵の拘束からすぐに抜け出す
叶恵「き、鍛えてるの……!
あなたみたいな怪異と戦うために……」
肩がズキズキと痛む。
噛まれた部分から、じんわりと血が滲んでいる。
ルーミア「へぇ?なんで?」
叶恵「私や…大事な人が死ぬのは
……やだから……!」
その瞬間視界が少し歪む。
ルーミアの動きが“読める”
読めるというのは次にどこへ動くか、
なんとなく分かると言うことだ
叶恵(……見える…)
ルーミア「じゃあもう一回」
ルーミアの姿がふっと消える。
次の瞬間、背後から現れる
叶恵「…っ!」
顔を背後に向け、ルーミアをしっかり見る。
すると、体が勝手に動いた。
“見えたから避けた”それだけだった。
ルーミア「え?」
叶恵はすでに数歩先に立っていた。
ルーミア「また避けた……?」
叶恵「……!」
自分の足が震えている。
怖いのに、体だけが勝手に正解を出している。
ルーミア「ふーん……おもしろいね」
ルーミアの声が少しだけ変わる。
さっきまでの“遊び”じゃない。
ほんの少しだけ、本気に近い気配。
ルーミア「じゃあ、楽しくなってきたから本気で食べるね。」
周りの景色から光が消える。
まるで夜が、常闇が“落ちてきた”みたいに。
叶恵(……暗い?!)
見えない。感じるのは肩から流れる血の生暖かい感触のみ。
見えないものはわからない。
わからないということは避けられない。
ルーミアの気配が、四方に分裂したように感じる。
叶恵「どこ……どこに……!」
ルーミアの声が耳元で囁く。
ルーミア「ここだよ」
ガッ
今度は避けきれなかった。
地面に倒れ、息が詰まる。
ルーミア「ほら、人間ってこんなもんだよね」
叶恵(……見えない……避けられない……怖い)
その時。
脳裏に浮かぶ顔があった。
叶恵(叶炊…っ!)
あの、少し抜けていて、それでも頼りになる兄。
叶恵「……っ」
ぎゅっと拳を握る。
叶恵「……まだ」
ルーミア「?」
叶恵「まだ……終わってない……!」
ルーミアの腕を掴む
視界は暗い。
でも“恐怖の形”だけは見えている。
叶恵「見えないなら……
当たらなければいいだけでしょ……!」
ルーミア「……狼に捕まえられた野うさぎみたいに
抵抗しない方が楽なのに。」
すぐにルーミアに押さえつけられてしまう
ルーミア「ふーん…髪、綺麗だね。
さっき噛んでみたけど、美味しかったし。
じゃあもう終わろう?
ただの人間にしては楽しかったわ」
叶恵(死ぬんだ…私…)
霊符【夢想封印】
複数の光球がルーミアを弾き飛ばした。
ルーミア「わはー…」
霊夢「まったく…何やってるのよ。」
叶恵「あ…あなた…は…?」
霊夢「…立てる…わけないか。
悪いけどうちの神社に連れてくわね?拒否権はないわ」
自分と同じくらいの小さな背中に背負われるのを境に
叶恵の意識は暗い場所に沈んでいった
二次創作あるある
オリ主の初遭遇は大体ルーミア
そして、本当は怖い幻想郷
私の中のルーミアはこんなテンションなんすよね。