森の中、少年が地面に膝をついていた。
叶炊「オロロロロロロ……ウェー……!!」
顔面蒼白で額を拭う
叶炊「気持ち悪い……なんだあの空間はぁ……
酔ったぁ……」
地面に手をつき、胸に手を当てる
バクバクバク…
叶炊(い、生きてる…)
叶炊「あの女の人……絶対わざとだ……!!」
少しすると吐き気は落ち着いた。
周りを見回してみると…
叶炊「…森の中?」
しばらく歩いて探索することにする。
何度か魑魅魍魎の類と戦闘になったが撃破。
案外レベルが高い怪異が相手で手に汗を握る
歩いていると湖面が見えてくる
叶炊「湖…?」
その時。ガサリと、背後の草むらが揺れる。
叶炊「……!」
ゆっくり振り向く。
刀の柄に手をかける。
叶炊「誰かいるの?」
草むらから、小さな少女が顔を出す。
大妖精「うーん……?」
叶炊「……うーん……?」
目を擦り、もう一度見る。
羽。
叶炊(……羽?なんの類だ……?)
大妖精「…人間?」
叶炊(でも……殺気がない。
むしろ……なんか……ゆるい?)
大妖精「あのー……だいじょうぶですか?
顔真っ青ですけど……」
叶炊「……え、ああ……」
叶炊「ちょっとその……乗り物酔い的な?」
大妖精「のりもの?」
さらに首を傾げる。
叶炊「いや、気にしないで。
……っていうか、ここどこ?」
大妖精「ここ?“霧の湖”の近くです!
妖精たちの遊び場ですよ〜!」
叶炊「霧の湖……?妖精……?」
少し黙る。
叶炊「……地理は知らないし。
妖精も初めて見たけど。ああ、つまり……」
紅い空を見る。
叶炊「もう幻想郷に来たってことか。はぁ…」
ため息。
叶炊「……っもう。なんだったんだあの人は……」
少し歩きながら話す
叶炊「霧の湖……か。ねえ君。
なんか人間がいるところはある?」
大妖精「うーん……近くに人里と……
あ、遠いけど博麗神社っていうのもありますよ!」
叶炊「神社……ふーん。そういえば君、名前は?」
大妖精「私ですか?名前はないですけど…
みんなからは大妖精とか
友達からは大ちゃんって呼ばれてます!」
叶炊「大ちゃん……いいね。」
軽く笑う。
叶炊「僕は塰霧叶炊。えっと、人間だよ。
妹を探してるんだけど……」
大妖精「へー……そうなんですね。」
(あまぎり……どこかで聞いたような……?)
首を傾げる。その瞬間。
???「おい!!そこの人間!!」
霧の中から飛び出す影。
氷の羽を持つ小柄な少女。
チルノ「つよそーだな!!アタイと勝負しろ!!」
大妖精「チルノちゃん!?
また人間に突っかかってー……!」
チルノ「だって!!
あたいより強そーだったんだもん!!そんなの許さん!
アタイがサイキョーなんだから!」
叶炊(これが他の妖精。
なるほどなるほど……側は元気な子どもだね。)
苦笑しつつ刀に手をかけるふりをする。
叶炊「そっか。いちばん強いんだ?
なら、手加減しほしいな〜」
チルノ「バーカ!!
人間なんかに負けるわけないでしょ!!」
叶炊「あ、話聞いてないな…」
大妖精「あぁ〜もう……!人間なんだから…
チルノちゃん加減してね〜!」
チルノ「喰らえー!アイシクルフォール!!」
氷弾が飛ぶ。初めて見る攻撃だ
叶炊「っなにそれ……!」
刀で氷を斬る。
弾が割れ、綺麗な断面が現れる
チルノ「どうだ!!アタイの氷弾幕、キレイだろ!!」
叶炊「綺麗なのは認めるけど……
当たったら確実に痛いやつだなぁ…」
大妖精「チルノちゃん!もうやめようって!」
叶炊は周りの弾幕を避けながら刀で斬る。
チルノ「ならコイツだ!パーフェクトフリーズ!!」
突如、弾幕が凍る。
そして新たに弾幕を展開。
叶炊(…上手い。)
凍らせた弾幕が邪魔をして行動範囲が狭まる。
叶炊「なら、こっちもやらせてもらうとしようかな」
叶炊「……肆式。」
静かに構える。
叶炊「【凪祓い】」
一瞬で弾幕が消える。
刀は抜いたようには見えない
チルノ「な、なんだとー?!」
大妖精「弾幕が……消えちゃった……?!」
叶炊「当て身。」
シュン
恐ろしく早い手刀が落ちる
チルノは思った。アタイでなきゃ見逃しちゃうね!
が、現実は非情である。
チルノ「わー……」
ぐるぐる目。ドサッと倒れる。
大妖精「チルノちゃん!?!?」
叶炊「ごめん……ちょっとやりすぎたかも。」
大妖精「い、いえ……
チルノちゃんが悪いんです……たぶん……」
沈黙。
叶炊「大変だね…」
大妖精「はい…世話のかかる友達です。」
叶炊「……そういえば今何時?」
大妖精「なんじ?えっと……お昼ですよ?」
叶炊「……え?」
空を見る。
叶炊「今……夜じゃないの?」
大妖精「はい……いつもはお日様が出てるのに……」
森を出る。
叶炊「……」
空を見る。赤い霧。
空を覆う異様な色。
冷静に分析しようとするが…あまりに、超常現象と言わざるおえない。
叶炊「ん、ん?」
ルーミアかと思った?
たしかに最初はルーミアで行こうと思った。
しかしチルノ。
チルノは出オチ。だがそれでいい。
紅霧異変の真っ只中に落とされるって感じになりました〜
だからまだスペカ制度が異変解決には浸透しきっていない。
今の弾幕ごっこなんて知らん叶炊には
良くも悪くも最適解だと思われり〜