東方海神録   作:ゆっくり杠葉

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もう伝わるかわかんなぁい…
ゆっくりしていってね‼︎


第六話《時を裂く剣》

 

カチリ。

懐中時計の音が鳴る。

次の瞬間――静止。空気が止まる。

霧が止まる。

チルノの羽も、大妖精の瞬きも止まる。

音が消える。時間が消える。

その中で動くのは、

メイドだけ。

咲夜「さて……」

静かな足取りで歩く。

咲夜「今度は少し多めにいきましょうか。」

指の間にナイフ。袖の中にナイフ。

空間にナイフ。床にナイフ。

天井にナイフ。

まるで世界が刃で満ちる。

咲夜「あなたは避けられるかしら?」

ナイフを投げる。一斉に。

全方向から。時計を閉じる。

カチン。

時間が動く。瞬間。

ザシュッ!!!!

無数のナイフが叶炊へ収束する。

大妖精「ひゃああああ!!」

チルノ「うわぁ!?」

しかし。

キィィン!!!

金属音に火花。

ナイフが弾かれる。

咲夜「……!」

叶炊と妖精二匹の姿が消えていた。

後方。廊下の奥。

2匹の妖精を抱えている叶炊が立っている。

叶炊は2人をおろし、刀を振り払う。

叶炊「ふぅ……危ない危ない。」

咲夜「……今のは何?」

叶炊「さあ?」

肩をすくめる。

叶炊「ただの反射神経だよ。」

咲夜「嘘(ブラフ)ね。」

一歩踏み出す。

咲夜「時を止めたのよ?その間に

無数のナイフを配置した。

動けるはずがないわ…普通の人間なら。」

沈黙

叶炊が目を細める。

叶炊「じゃあ、今のはこういうことだね。

止まる前に動いた。か、」

咲夜「……」

叶炊「止まった後に動いた。」

咲夜「……」

叶炊「それか――」

一瞬。姿が消える。咲夜の真横に現れる。

叶炊「時間が動き始めた直後に別の場所にいた。」

咲夜の瞳がわずかに開く。

咲夜「……瞬間移動?」

叶炊「解答は知らないけど、多分正解。」

刀を構える。気配が揺れる。

叶炊「…正直、一か八かだった。

完璧にこの能力を自覚したのは

あの門番の人と戦ってる最中だ。」

咲夜「……嘘。そんな能力で

時を止めた世界で動ける訳ない」

咲夜の目が鋭くなる。

咲夜「あなた……何者?」

叶炊「ただの人間。」

間。

叶炊「妹のことが心配で、

居ても立っても居られないただのお兄ちゃんだ。」

静寂。霧が揺れる。

咲夜「……そう。」

時計を構える。

咲夜「なら、確かめるしかないわね。人間かどうか。」

カチリ。

時計が鳴る。

咲夜「次は、本気で殺すわよ。」

叶炊「いいね。」

刀に手を添える。

蒼い刀身の反射光が揺れる。

叶炊「僕も少しだけ、

機転を効かせた戦い方をしなきゃね。」

次の瞬間、目で追えない戦闘が繰り広げられる。

大妖精「え、ええええええ!?」

チルノ「なんかすごいことになってる!!」

しばらく戦闘をするが、埒が開かない。

実力は拮抗している。

叶炊(予測線を予測するってのはよく言ったものだ…

そう簡単にできるなら苦労しないね!)

腕にナイフが掠る

叶炊の戦闘スキル、咲夜の能力の応用、

それらが相手との差を埋め合わせて拮抗しているのだ。

叶炊は刀を収め、一歩下がる

叶炊「戦う理由は無いでしょう?

僕はただ、空の赤い霧を調べに来ただけだ。」

咲夜「…だとしても、今お嬢様はとてもお忙しいの。

行くなら私を倒してからにして。」

銀のトレイを背に、微笑みながらナイフを抜く

叶炊「望むところだ。決ちゃぐっ…」

チルノ「……あ、噛んだ。」

沈黙。

大妖精(ださい……)

叶炊「ちょっと大ちゃん!今何考えた?!」

咲夜「ふふ……口より先に動くタイプかしら?」

くすっと笑う

叶炊「うるさいな!笑ってる暇あるのかな?!」

咲夜が瞬時に数十本のナイフを投げる。

軌跡が銀の糸のように走る!

叶炊「四式【凪祓い】!」

刀を抜かず、棒立ちのまま――

全てのナイフを弾き飛ばす…

ことはできず一本だけ腕を貫通する。

叶炊「っ…!」

咲夜「っ!?……“刀を抜かずに弾幕を消す”だなんて……!」

叶炊「見えないでしょ。抜刀してるように。」

踏み込み、瞬間移動!5メートル先に咲夜の背後を取る!

叶炊「実際はすごいスピードで

刀を振り回して相殺するっていう脳筋技さ!」

咲夜「でも甘いわ。」

パチン、と指を鳴らす。時が止まる!

咲夜「……っ!(またか…!)」

自分が時を止めて、

攻撃を避けるために飛び退いた先に必ず剣士がいる。

完全にドックファイト

交錯する二人の影。

ナイフと刀の鞘がぶつかり合い、火花を散らす!

咲夜「もらったッ!!」

無数のナイフが叶炊の身体を貫く

ドスッ!!

咲夜「……終わりね。」

勝利を確信して口角を上げる

だが。

 

幻刀【海市気楼】

 

叶炊「あぁ、やっぱり刺さると痛そうだな。」

咲夜「なっ……刀?! いつの間に……!!」

視界の中で、刺したはずの人影が“空気に滲んで”消えた。

代わりにそこに立っていたのは刀。

自分の背後には拳を握り迫る“本物の叶炊”。

叶炊「残念だったね。デコイだよ。」

叶炊は薄く笑い迫る

咲夜「……っ!」

間髪入れずに懐中時計を掲げる

カチッ。

時が止まった…逃げられるはずだった

咲夜「なっ!?」

手首が“何か”に掴まれていた。

叶炊はすでに、昨夜の手首を掴んでいたッ!

咲夜「まさか…私の動く位置と

時を止めるタイミングを見計らって…?!」

振り払おうとするも叶炊の手は離れない。

残った片手でナイフを取るも、

突然刃が根本から折れる

咲夜「なっ…?!」

間髪入れずに他のナイフをとるも、

バキィッ

咲夜(ナイフがすべて折れてる…?!

いつの間に…?!まさか…!)

『四式【凪祓い】!』

咲夜(あれか…!)

咲夜「…チェックメイト、ってところかしら。

私の負けね。」

咲夜は観念して時間停止を解除する

叶炊「…その感じ、ナイフは無限じゃないでしょ?」

咲夜「…ええ。どれだけ収納できようと

ナイフは有限。いつか底を尽くわ」

叶炊「…とりあえず、気絶させるけど。いい?」

咲夜「…勝手になさい」

叶炊「当て身。」ストン

咲夜「っ…」ドサッ

叶炊「ふぅ…」

咲夜を支えながら寝かせる

叶炊「よーし妖精少女二人組。先へ進むぞ。」

チルノ「おー!!」

大妖精「まだ行くの〜?!」

叶炊「ふぅ……今のメイドさん、強かったな。

完全に殺し合いの間合いだった…ッテテ…」

腕に刺さったナイフを抜き、紐で縛り止血する。

叶炊「僕には…腕にダメージが行く

呪いでもついてるのかなっ…」

大妖精「そ、そんな平然と……

あれでまだ“入口”ですよ!?」

チルノ「あははっ!アタイら最強トリオだからなっ!」

叶炊「……僕は巻き込まれただけなんだけどね?」

軽口を叩きながら彼らは奥へと進んでいった。

 

あとがき




叶炊が力を無意識で扱うのは蒼炎海神だけだゾ☆
あと、海市蜃楼は鬼滅の日の呼吸 幻日虹を元にしたよ。
瞬間移動で時間停止の攻略
叶炊の瞬間移動は現実とは違う空間を通って
自分を中心半径5メートル以内の座標に移動してるから。
異空間にまで時間停止の効果は反映されないと仮定すると
瞬間移動の効力自体は時間停止しても続くのだ
出てきた瞬間を攻撃するか瞬間移動前に停止してぶん殴ったり
咲夜にもやりようはあったよ。多分次は通じない
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