クソォ!明日やってやるぜ!
《第三話:神社の生活》
叶恵はオドオドしながら布団から出る。
視線を下に向けると…
叶恵「…」
下着姿である。
思考が一度停止する
叶恵「ひゃぅ?!」
霊夢「あ、服ボロボロだったからもう捨てちゃったけど」
叶恵「えぇ?!」
霊夢「え?」
叶恵「あれ……学校の制服……」
霊夢「がっこう……?何それ」
叶恵「え、えっと……みんなで勉強する場所で……
あ、あと…剣の修行…とか…!えぇっと…」
あきらかに顔が赤い。
霊夢「寺子屋と道場みたいなもの?」
しかし霊夢は全く気にしていない様子
叶恵「ちょっと違うけど……そんな感じ……」
霊夢「ふーん」
興味なさそうに頷く。
霊夢「まあどっちにしろ、
あんなボロボロじゃ着れないでしょ」
叶恵「うぅ……」
霊夢「ってことで、はい」
差し出されたのは、綺麗に畳まれた衣装。
叶恵「これ……は?」
霊夢「昨日私の知り合いが作ったのよ。
あなたかなり寝てたからね」
叶恵「知り合い……?」
霊夢「あなたの荷物に入ってた本に載ってた
服を参考にしたらしいけど」
叶恵「本……あ、雑誌……!」
霊夢「ざっし?」
叶恵「えっと……服とかが載ってる本で……」
霊夢「へー、便利ね」
叶恵「それで……この服……隊服…」
霊夢「巫女服っぽいでしょ」
叶恵「っぽいっていうか……完全に巫女服じゃん……」
赤と白の、見慣れないけどどこか神聖な服。
叶恵「……着るの?」
霊夢「他に何着るのよ」
叶恵「う……」
少し迷ってから――
叶恵「……着てみる」
数分後。
叶恵「……どう?」
少し恥ずかしそうに出てくる。
霊夢「ん」
一瞬だけ視線を向けて、
霊夢「似合ってるじゃない」
叶恵「ほんと?」
霊夢「まあ、神様っぽいし」
叶恵「神様っぽいって……」
自分の袖を見つめる。
不思議と、違和感はない。
むしろ――
叶恵「……なんか、落ち着く……?」
霊夢「でしょ」
霊夢はあっさり言う。
霊夢「そういうの、結構大事なのよ」
叶恵「……?」
霊夢「巫女はね、“場”と繋がる仕事だから」
叶恵「場……」
霊夢「この神社とか、この土地とか」
叶恵「……」
少しだけ、風が吹く。
霊夢「ま、私面倒なこと嫌いだから気にしないけど!」
叶恵「一々しまらないなぁ…」
その瞬間。
叶恵「……あれ?」
空気が、流れ込んでくる感覚。
暖かく、優しい。
叶恵「……なにこれ……」
霊夢「感じた?」
叶恵「う、うん……なんか……ここが“分かる”感じ……」
霊夢「それよ」
霊夢は少しだけ真面目な顔になる。
霊夢「あなた、やっぱり現人神ね」
叶恵「……」
実感が、少しだけ湧く。
霊夢「じゃあさっき言ったけどまずは掃除ね」
叶恵「やっぱりそれ!?」
霊夢「当然でしょ」
箒を渡される。
叶恵「うぅ……」
しぶしぶ境内へ。
サッ……サッ……
叶恵「広い……」
思ったよりもずっと広い。
叶恵「これ一人でやってたの……?」
霊夢「そうよ」
縁側でお茶を飲みながら答える。
そして、掃除していたとは思えないほど
落ち葉が散乱している石畳
叶恵「サボってたでしょ絶対」
霊夢「バレた?」
叶恵「バレるよ!」
思わずツッコミを入れてしまった。
そのとき。
――ヒュン
何かが飛んできた。
叶恵「っ!?」
体が勝手に動く。一歩ずれて回避。
地面に落ちる小石。
叶恵「……え?」
霊夢「へえ」
霊夢は石を持っている。
霊夢「やっぱそれ無意識でやってるのね。」
叶恵「い、今の……!」
霊夢「あなたの能力よ」
叶恵「……能力……」
霊夢「昨日も避けてたでしょ」
叶恵「……」
確かに。
考えるより先に、体が動いた。
霊夢「視認した攻撃を避ける……ってところかしらね」
叶恵「でも今……見えて……」
霊夢「たでしょ」
叶恵「……」
叶恵は思い返す。
“来る”って分かった。
だから避けた。
霊夢「ただし――」
霊夢がもう一つ石を投げる。
今度は、死角から。
――ゴンッ
叶恵「いたっ!?」
直撃。
霊夢「こういうのは無理みたいね。」
叶恵「痛いんですけど!?」
霊夢「見えてないでしょ」
叶恵「うぅ……!」
霊夢「まあでも」
少しだけ笑う。
霊夢「使いようによっては厄介ね」
叶恵「……」
叶恵は自分の手を見る。
叶恵「……私、こんなところで戦えるのかな……」
霊夢「戦う気あるの?」
叶恵「……」
少し迷って。
叶恵「……ある」
霊夢「なんで?」
叶恵「……兄さんを、探したいから」
霊夢「……」
一瞬だけ沈黙。
霊夢「……そう」
それ以上は聞かない。
霊夢「じゃあ決まりね」
立ち上がる。
霊夢「ここでの戦い方、教えてあげる」
叶恵「ほんと!?」
霊夢「ただし」
にやっと笑う。
霊夢「掃除終わってから」
叶恵「結局それ!?」
笑い声と風の音が、境内に混ざる。
初めは恐怖しかなかった幻想郷で
少しだけ、“居場所”ができた瞬間だった。
あとがき
叶恵の言葉からわかるようにしてるつもりだけど叶恵とまだ登場してない
叶炊兄が通ってる学校は普通じゃ無いよん。
いつもは修行も教えるのもめんどくさがる霊夢がなんでこんなに叶恵に何かを教えてあげたりしてるのか、それは親も兄弟も物心ついた時から会ったことのない一人っ子の霊夢になんか妹ができたみたいで嬉しいから姉貴風吹かせてやろうってのを無意識でやってる。