N3x7 d15a5732   作:vic.

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いつも『N3x7 D15a5732』をお読みいただきありがとうございます!
今回は、他国のアナウンサーの言語に、わかりやすくしようと日訳したものを追加しましたが、本文の文字数がどうしても多くなってしまうため、今回は特別編となります。何卒ご了承下さい。


第8.5話(特別編)「ララの研究」

2026年5月14日、惑星サマーン・ララの調査ルーム。

 

宇宙の深淵に浮かぶ惑星サマーン。その高層データ解析センターの一室で、羽衣ララは数光年離れた地球から送られてくる膨大な観測データをホログラムモニターに展開していた。

 

半透明のパネルに次々と浮かび上がるのは、地球から提出されたあの「100年前の紙」の走査データと、直近で起きた惨劇の照合記録である。

 

4月29日、いちご坂でのスタージェット555便墜落事故。

5月5日、はぐくみ市での火山噴火による犠牲者91名。

 

画面上に表示された数値、座標、時刻、そして被害の規模。それらすべてが、100年前の紙に記された冷酷な数字の列と1ビットの狂いもなく完全一致している事実を示していた。

 

「オヨ……嘘ルン……! この紙と地球の災厄が深い関係にあるなんて……!」

 

ララは触角をピンと跳ね上げ、あまりの衝撃に息を呑んだ。サマーンの超高性能AIによる確率計算の判定は「偶然の一致である可能性:0.00000000%」。

 

それは、単なる自然現象や偶発的な人為的ミスではなく、不可逆なプログラムのように固定された「決定された運命」が地球上で実行されていることを意味していた。

 

ララがさらにデバイスを操作してグローバルネットワークの解析を進めると、この日本の異常事態がすでに世界中で報道され、地球規模の大混乱を引き起こしている状況が浮かび上がってきた。ララのデバイスには、世界各国の主要放送局が打った緊急特報のアーカイブ映像が資料データとして蓄積されていた。

 

〇 ララのAIデバイスに記録された世界各国の緊急報道アーカイブ

 

【イギリス:BBS(British Broadcasting System)】

画面右上に『JAPAN PREDICTION TRAGEDY』のテロップ。厳格な表情のアナウンサーが淡々と、しかし重々しい声調でニュースを読み上げる。

 

アナウンサー

"Good evening. The bizarre series of events in Japan is now capturing global attention. Following the catastrophic plane crash on April 29th, the volcanic eruption in Hagukumi City on May 5th occurred with absolute mathematical precision, exactly as dictated by a century-old document. Scientists around the world remain baffled, as the tragic loss of 91 lives matched the predicted figures flawlessly. The world watches with bated breath as the ominous countdown continues."

(日本語字幕:こんばんは。日本で相次ぐ怪奇な事象が、いまや世界中の注目を集めています。4月29日の壊滅的な航空機墜落事故に続き、5月5日にはぐくみ市で発生した火山噴火は、100年前の文書に記された通り、完璧な数学的精度で現実となりました。予測通りに失われた91名の尊い命に対し、世界中の科学者たちが絶絶絶句しています。不吉なカウントダウンが続く中、世界が固唾をのんで見守っています)

 

【アメリカ:US-NW(United States Network)】

緊迫したニュースルームのバックに、炎上するいちご坂と黒煙に包まれたはぐくみ市の映像が流れる。キャスターが語気を強めてカメラを見据える。

 

キャスター

"Breaking news. What was once dismissed as an obscure urban legend has officially turned into a national crisis in Japan. The Japanese government's unprecedented evacuation order failed to alter the predetermined outcome, leaving 91 casualties in the wake of the May 5th eruption. Experts from Washington to Tokyo are calling this an unexplainable anomaly that defies modern physics. Is human destiny truly written in stone?"

(日本語字幕:ニュース速報です。かつて不透明な都市伝説として片付けられていたものが、日本において正式な国家危機へと変貌しました。日本政府による前例のない避難指示も、定められた結果を変えることはできず、5月5日の噴火では91名の犠牲者を出す結果となりました。ワシントンから東京に至る専門家たちは、これを現代物理学を否定する解明不能な異常事態と呼んでいます。人類の運命は、真に動かすことのできないものなのでしょうか?)

 

【韓国:KBL(Korean Broadcasting Limited)】

スタジオの大型モニターに「100年前の予言」と日本の地図が表示される。アナウンサーが緊張感の走る声で報道する。

 

アナウンサー

"속보입니다. 일본에서 발생한 일련의 대참사가 100년 전의 예언 문서와 정확히 일치한다는 사실이 밝혀지며 전 세계가 충격에 빠졌습니다. 4월 29일 항공기 추락 사고에 이어, 5월 5일 하구쿠미시에서 발생한 화산 폭발 역시 예언된 숫자 그대로 91명의 사망자를 냈습니다. 일본 정부가 사전에 구체적인 피난 명령을 내렸음에도 불구하고 참극을 막지 못했다는 점에서, 다가오는 5월 21일 신칸센 사고 예언에 대한 공포가 극에 달하고 있습니다."

(日本語字幕:速報です。日本で発生した一連の大惨事が、100年前の予言文書と正確に一致しているという事実が判明し、全土が衝撃に包まれています。4月29日の航空機墜落事故に続き、5月5日にはぐくみ市で発生した火山噴火もまた、予言された数字通り91名の死亡者を出しました。日本政府が事前に具体的な避難命令を出したにもかかわらず惨劇を防げなかったことから、迫る5月21日の新幹線事故の予言に対する恐怖が極限に達しています)

 

【中国:CC(Channel C)】

赤字で打ち出された『日本"百年预言"危机』の文字。アナウンサーが淡々と、しかし鋭い口調で論評を交えて伝える。

 

アナウンサー

"据本台综合报道,日本近期发生的连续重大灾难正引发全球范围内的的高度恐慌。从4月29日的客机坠毁,到5月5日羽育市的火山喷发,所有灾害发生的时间、地点乃至最终的伤亡人数,皆与一份百年前留下的数字记录完全吻合。这种超越现代科学认知范畴的现象,正对国际社会的灾害防御体系带来前所未有的冲击与考验。"

(日本語字幕:当局の総合報道によりますと、日本で近年発生している連続重大災害が、世界的な規模で極めて高度な恐慌を引き起こしています。4月29日の旅客機墜落から、5月5日のはぐくみ市の火山噴火に至るまで、すべての災害が発生した時間、場所、さらには最終的な死傷者数に至るまで、100年前に残された数字の記録と完全に合致しています。現代の科学的認知の範疇を超えるこの現象は、国際社会の災害防御体系に対して未曾有の衝撃と試練を与えています)

 

画面を流れる各国の報道を見つめながら、ララは小さく体を震わせた。

サマーンの高度な科学力をもってしても、この「予言」という名の現象のメカニズムは一切解析不可能。データはただ、地球という惑星で「過去に決定された未来」が機械のように機械的に再現され続けているという事実だけを突きつけていた。

 

「このままだと……5月21日の新幹線事故も、8月末の観星町の惨劇も……全部データ通りに起きてしまうルン……!」

 

ララは端末のキーボードを激しく叩き、ひかるたちの住む観星町への通信回線を接続しようと試みる。

 

しかし、空間の歪みなのか、あるいは予言そのものが持つ不可解な干渉なのか、サマーンから地球への超空間通信には激しいノイズが混じり始めていた…。

ララは、ずっとひかるの無事を祈ることしかできなかった…。

 

そして、ついに運命の日が訪れた。

2026年5月21日・午前、下谷の森駅・ホーム。

 

雲ひとつない青空の下、風が爽やかに吹き抜ける下谷の森駅のホーム。

 

ソラ・ハレワタールは、ホームのベンチの傍らに立ち、遠く伸びる線路の先を見つめていた。

 

かつてスカイランドを襲った突然の天候変異——あの未曾有の危機から世界を守るため、彼女は変身アイテムであるスカイミラージュの力を限界を超えて解き放った。その壮絶な代償として変身機能は失われ、彼女の青い髪は足元にまで届くほど長く、毛先に向かって鮮やかなピンク色へとグラデーションする水色のツインテールへと姿を変えていた。

 

幸いにもスカイミラージュはペンとしての機能を残しており、彼女の胸元で静かに収まっている。

 

ソラ「もうすぐですね……! あげはさんたちが乗った新幹線が、ここに到着します!」

 

ソラは髪を揺らしながら、嬉しそうに手元の時計を確認した。これからやってくるあげはたちを笑顔で出迎えるため、彼女は期待に胸を躍らせていた。

 

しかし、ソラはまだ知らなかった。

 

今日が、100年前の予言に刻まれた運命の「2026年5月14日」から繋がる、惨劇の「5月21日」であることを。

そして、あげはたちが乗り込んでいる新幹線「すばる45号」が、まさにこの下谷の森駅周辺で起きると予言された衝突事故の渦中へと向かっているという事実を——。

 

ホームに流れるのどかな到着予告のアナウンスとは裏腹に、運命のカウントダウンは、ソラたちのすぐそばまで迫っていた。

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