ワンパンマン世界で影の君主になった、サイタマは居なかった 作:寝心地
「………………………………」
完全に沈黙したガロウの体から怪人の鎧が崩れ去りその中から人間であるガロウの体が現れる。
「おい、ヒーロー狩りのガロウだな」
呆けるガロウに多くのヒーローが怒りの目を向ける。
「死ねぇ!!ヒーロー狩り!!」
「今まで良くもやってくれたな!!」
多くのヒーローがガロウに鬱憤を晴らす中秀が地面に付き着地する。
たったそれだけで多くのヒーローの手が止まり秀がガロウの下へ歩み寄るとモーゼの海割りの様に人が避けていく。
「…………………………………………」
「へっ、俺を伸して良い気分か?No.2、さっさと殺せよ、それで正義完遂だ」
「………………………………」
秀は短剣を取り出すとガロウに向かってその刃を振るう、その直前で刃は止まり周囲の人間は首を傾げる。
「…………止めた、今のお前を兵士にしても精々精鋭級位にしかならなそうだ」
「精鋭級…………」
「俺の兵士のランクだ、下から一般・精鋭・ナイト・精鋭ナイト・将軍・元帥、今のお前は精々が精鋭級、下手したら一般級かもな」
「今の俺はそこいらの雑魚だって言いてぇのか?」
「違うのか?なら俺に言わせてみろ、【お前を兵士にしたい】って、次は正しい方法でな」
秀がそう言うとボロスが腕にバングを連れてやって来る。
「ガロウ、今一度やり直そう、捨鉢になってはいかん、お前はこれから迷惑を掛けた人の数百倍も数千倍も人を助けなければならん」
「…………………………………………チっ」
ガロウは1つ舌打ちを打つと飛び上がり何処かへ消えた。
「バング、迎えに行ってやれ」
秀はバングに治癒ポーションを飲ませそう言うとその場を離れる。
「待て、まだ僕の話が終わっていないぞ、何故奴を逃がした、多くのヒーローが奴の被害に遭いZ市、いやその周辺の町も幾つかこの有様だ、場合によってはS級2位とて許されんぞ」
という訳には行かずA級1位のアマイマスクが秀に怒りを向けてくる。
「もうアイツに力は無い、バングの目があれば今度は正しい力の使い方を学ぶさ、それに、アイツの言葉に少なからず核心を突かれた者も居たはずだ」
秀がガロウをリンチしていたヒーロー達を見るとヒーロー達は図星を突かれ後退る。
「見栄にしか興味が無い、本当に助けて欲しい人の所に向かわない、金にしか興味が無い。奴を生み出したのはそう言うヒーロー達と社会だ、後は正しい心を身に着ければ奴はS級ヒーローにだってなれる」
「そんな希望的観測を聞いているんじゃない、奴がもしまた暴れたらどうするんだと聞いているんだ」
顔全体に青筋を浮かべギンギンの目で睨んでくるアマイマスクに秀は答える。
「その時はまた俺が倒す。更生が不可能だと判断したら兵士になれろうがなれなかろうが殺す。その為の影も植え付けた、問題ないだろう?」
そう言われればアマイマスクも何も言えずこうして【怪人協会】そして【ヒーロー狩り】事件はひとまずの幕を下ろした。