ワンパンマン世界で影の君主になった、サイタマは居なかった 作:寝心地
「それで?俺を待っていたってのは?」
秀はコーヒーを淹れながらゾンビマンに尋ねる。
「ああ、アンタも新しいヒーロー組織とヒーロー協会の汚職についての情報を掴んだと思うが…」
「ああ、最近スカウトされたし今も説教してきた帰りだ」
「俺もスカウトされたな」
秀とジェノスがそう答えるとゾンビマンはやっぱりかと言った顔でため息を吐き差し出されたコーヒーを飲む。
「俺も童帝と一緒に両方の件を調べていたんだが、童帝の奴が名前の意味を知っちまったんだ」
「ん?」
「は?」
急な変化球にジェノスも秀も一瞬思考が停止する。
「いや、お前らに相談する様な事ではないと俺も思うんだが、どうもそのせいで周りの大人が信用出来なくなってしまったらしくてな、どうすれば良いかと思って相談に来たんだ」
「帰れ」
ジェノスはそう言うとゾンビマンを無理矢理押し出し追い返す。
『何だよ冷てぇ奴らだな!!童て…じゃなかった、イサムに助けられた場面もあったろ!?アイツが悩んでるんだからちったぁ手助けしてやっても良いだろ!?』
ゾンビマンがそう言いながら悪態をつき帰って行く。
「先生、俺との約束、覚えていますか?」
そんなゾンビマンを見送ったジェノスは扉を閉めコーヒーカップを洗う秀にそう声をかける。
「ああ、帰ってきたら手合わせ、だろ?」
「はい!!お願いします」
それから2人はそこそこ広い場所に移動し秀は短剣を取り出す。
「ルールは前と同じな、コイツを弾いて地面に着いたら開始」
秀はそう言うと石ころを指で弾き石が地面に着くとジェノスの体から極光が浮かび秀は目を閉じる。
その隙にジェノスは距離を詰め蹴りを放つが極度に発達した感覚から蹴りを回避し短剣でジェノスを背後から襲う。
ジェノスもそれを躱し掌の火炎で一帯を破壊する。
「…………………………………………」
やがて煙が晴れ次第に秀の姿が浮かび上がって来る。
ジェノスは追撃に備えエネルギーを集中させるが煙が晴れた所に居るのはボロスだった。
「ッ!!」
「超火力は強力な分自他共に煙幕を張る事になる。俺の様に瞬間移動出来る相手には奇襲のチャンスを与えてしまうから気を付けておけ、後お前は火力ブッパした後周囲の探知を疎かにする癖がある。俺然りこの前の黒い精子然り数で押してくる敵はこうしてお前の背後を取ってくるぞ」
「………………………………はい、ありがとう御座いました」
ジェノスはそう言うとエネルギー砲を下ろし秀も短剣を収めた。
「先生、俺は強くなれているのでしょうか?俺に足りないものは何でしょうか?」
「先ずは視野だな、さっきも言った通り視覚外からの攻撃に弱過ぎる。他にも戦闘継続能力にパワー、何もかもだな」
「……………………そうですね」
こうして2人の手合わせは終わりを迎えた。