ふと目が覚め、時計を見ると夜明け前の時間よりほんの少し手前だった。
すやすやと安らかに眠る愛しい人の寝顔
もしかしたら、あの愛に溢れた時間が都合よく見れた夢だったのではないかと不安だった。
起きたら自分しかいない冷たいだけの矯正局の牢獄に居るのではないかと、思うと背筋が冷え震え、苦しくなる。
「貴方様」
手を伸ばし少しだけ頬を撫でる。手のひらから感じる体温が夢ではない、現実だと伝えてくれる。
「夢では無いのと解っていても不安になってしまうのです」
体をずらし、自分の胸に彼を吹き寄せ、抱く
「暖かい」
震えが止まり、苦しかった心が落ち着いていく。此処にちゃんと居ると。
「貴方様、ワカモは愛しております。ずっとずっと」
抱きしめたまま暫くして、朝日が昇り始めた頃
「名残惜しいですが、朝食を用意を…」
するりと起こさないようにベッドから出て色々とベタベタな体を見て、まだ愛しい暖かさが残るお腹を擦る。
「…その前に少しお風呂で流さないとダメですね」
シャワーを浴びながら、昨日のデート思い返し、顔が熱く火照り、勝手に尻尾が暴れ落ち着きが無いまま体を流し整え、昨日の余り物を使い朝食を用意する中で、まるで新婚の新妻の様と考え、再び勝手に尻尾と耳が暴れ手元が狂いかけながらも終えた
「これくらいであれば、大丈夫でしょうか?…昨日の料理は美味しく食べて頂きましたが、好みの味はこれからです」
起こすには程良い時間であるが、このまま少し寝顔を堪能し、お返しも含めパシャリと写真に収める
「懐かしいです。貴方様とこうして朝を迎えるのが…あの頃は料理はしませんでしたが…まぁ、その…最後までは想定してませんでした」
覚悟はしていたが、最後までいってしまうとは思いもして居らず、キスして抱きしめられて寝る事までと思っていた。
「契りまで…恥ずかしい気もしますが、満たされて、とても心が暖かいです。またデートしたいですね。次は何処へ行きましょうか…貴方様」
おそらく寝起きな人声をかける
「バレてたか、おはようワカモ」
「おはようございます。貴方様、朝食は用意していますから後で一緒に」
「ありがとうワカモ、嬉しいよ」
「先ずは、身綺麗にしてからですね」
「そうだね…」
隙ありと言わんばかりに頬へとキスされ固まり、何か言う前には既にいなくなっていた
「あにゃたしょま!もう!」
胸がドキドキ高まり、尻尾はもふぁ!と逆立つ
「寝起きだと悪戯好きなのは変わらずですね…」
色々と互いに落ち着き、まったりと過ごしていた
「貴方様はこの後は?」
「今日は特に無いかな?シャーレや連邦生徒会からの呼び出しは無いし」
「では、私の家に案内しても宜しいですか?」
「家?ワカモ、今はお屋敷は?」
「あのお屋敷はその、1人だと住むには広すぎて」
「あぁ…そういう理由が」
「はい、手放した訳では無いので管理はしておりますが、少し」
「分かった。もう少しこうしてからで」
「はい」
離れていた期間を埋める様にぴったりと引っ付き、ゆったりと過ごしていった