ここは…?ああ…そうか。そうだったな。俺は…
「とっととくたばれ!こんのクソ野郎がぁぁぁぁぁ!」
「後は…頼んだ…」
どうしてこんなことになったのだろうか。俺は…
「ん…夢⋯?なんだったんだろう?今の夢⋯って!やばい!上映時間まであと二時間しかないじゃないか!」
僕は特撮好きなごく普通の高校生、門上ツカサだ。
僕は今日、人生で初めて仮面ライダーの映画を見るために映画館へ行っていた。
「なんとか間に合いそう…!せっかくこの三ヶ月ためたお金⋯無駄にならなくて良かったぁ~…!って!」
僕がふと道路に目をやると、赤信号にもかかわらず、ボールを追って大型トラックが向かってきている道路に出てしまった子供がいた。
「っ!危ないっ!」
気付いたときには体が動いていた。
僕は子供を庇い、そして
「死んだと」
「ええ」
今、僕の目の前には女神とでも言うべき存在がいた。何でもデザイアというらしい。
どうやら僕は死んで、ここはあの世への入り口らしい。
「改めてお詫びいたします。我々の手違いであなたの人生を終わらせてしまい、誠に申し訳ございませんでした」
「いや、いいんですよ…とは言えないが」
「お詫びに貴方様を特別に異世界に転生させてあげましょう。もちろん、特典込みで」
「え、いいのか?」
「はい」
「そっか。なら…」
僕はこの世で一番憧れてやまない存在を思い描く。
(もし、あなたのようになれるなら⋯)
僕は幼少期の曖昧な記憶の中の背中を思い出し、決意を決める。
「僕に⋯ディケイドの力をください」
俺はそこからしばらくデザイアに詳細な説明をした。
「ふむふむ。こんなものでよろしいでしょうか?」
「ああ。頼むよ」
僕は自分がしたいことや人と本格的なライダーごっこを楽しむためのことを実現するためにできるだけ詳しい要望をした。ちなみにネオは想定していない。
「それでは転生する世界はどうしましょうか?」
「それも選べるの?」
「ええ」
「でも特に希望の世界とかはないしな…どこでもいいよ」
「ではくじ引きで決めましょうか」
デザイアは恐らく段ボールでできた小さな箱を取り出した。
「そんな適当に⁉」
「ええ。どうぞ」
「えぇ⋯まぁいいか。ほいっと」
僕は箱の中身を1つつかみ、手を引き抜く。
「これは⋯白いボール?」
僕はそれを回して見る。
「なになに?『ありふれた世界(■■■■■■)』…地味じゃない?…っていうかこの■は何?」
「それにはお答え出来かねますが…まさかよりにもよってあなたがこの世界に行くことになるとは…因果なものですね」
「ん?どういう意味?」
「いえ、何でもございません。では次の人生楽しんできてください!」
すると僕の後ろに黒い穴が現れ、僕は吸い込まれる。
「は⁉こんな雑に⁉ってうわぁぁぁ⁉」
そしてその場にはデザイア一人になる。
「あの世界にこの時期に転生するということは彼の運命は決まったも同然。まさか彼が‘‘再び’‘あの世界に降り立つことになろうとは。せいぜい楽しませてもらいましょうか。
‘‘神殺し’‘を」
デザイアは■を消し、その部分を読めるようにした。
そこにはこう書かれていた。
『トータス行き』と。
時は流れ…
「ツカサ~!起きなさい!学校遅刻するわよ!」
「う~ん⋯おはよう母さん」
「はい、おはよう。朝ごはんとっとと食べちゃいなさい。今日から新しい学校でしょ!」
「うん」
『俺』は二度目の小学校生活の転機を迎えていた。そう、今日俺は転校初日なのだ。
うちの親の仕事の都合上、引っ越しが多かったのだが、数年ぶりにこの地に戻ってきた。
「行ってきま~す」
「行ってらっしゃい」