side ユエ
「久しぶりだな、ジャマ坊。元気してたか?」
「ジャ~マ~♪」
突然現れた謎のライダーは怪物に親しげに話しかける。
「それはそうと…さ~て、ジャマ坊。選択肢は二つだけだ。俺たちを通すか、俺にキツ~いお仕置きをされるか」
「ジャ~マ~!!!」
「だよな~。お前は昔から『あいつ』大好きだし、責任感もあったから、『あいつ』に任せられた最後の仕事を適当にこなすなんてできねぇわな」
「ジャ~マ!」
「よしよし、いい子だ、ジャマ坊。なら…無理矢理にでも通らせてもらうとしよう!」
「ジャ~マ!!!」
「はぁ!」
彼は怪物に向かって駆け出し、矢印型の意匠が入った銃で怪物を銃撃する。
「ジャ~マ~!!!!」
「ッ!」
しかし、怪物の攻撃によってハジメと私が隠れていた物陰がなくなり、流れ弾が一気にこ
ちらに向かってくる。
「!」
「ハジメ!」
私はハジメを庇おうと、覆い被さり、思わず目を閉じる。
すると
「『黒傘二式・障壁』!」
「⁉」
「ジャマ⁉」
私が恐る恐る目を開けると、先ほどのライダーが私たちの前に立ち、傘のようなエネルギーを持って攻撃を防いでいた。
その傘は攻撃を防ぎ終え、消滅する。
「勢いでやってみたけど意外と上手くいくもんだな。…お前の技術、使わせてもらったぜ」
そして彼はまた怪物に向かっていく。
「私も…守られてばかりじゃダメ…!」
私はハジメのドンナーを手に持って走り出す。
「今度は私が助けてみせる…!」
私は怪物に向かって走り出し、ドンナーで撃つ。
「ジャ~マ~‼」
「いい根性してるじゃないか!吸血鬼のお姫様!」
「合わせて!」
「了解!」
私は怪物の目に向かってドンナーを撃つ。
「ギャァァァ!」
「おお…!なかなかエグい攻撃だな…」
彼が何か言っているが気にしない。
すると
「ジャマ~タノ~オロチ~!!!!!!」
「ッ!」
「おいおい…!マジかよ!」
怪物は口にエネルギーをためて熱線を放つ。
「きゃぁぁぁ!」
「チッ!」
熱線が大地をえぐり、ライダーが私をかばってどこかへ吹き飛ばされるが、私も余波によって吹き飛ばされ、ドンナーもどこかへ飛んでいく。
怪物が私を目掛けて熱線を放とうとしているのを肌で感じる。
「ハジメ…ごめん…!」
目じりに涙を浮かばせながら私はハジメに詫び、目を閉じる。
だが
「えっ?」
想像していた痛みはなく、恐る恐る目を開くと
「泣くんじゃねぇよ、ユエ。安心しろ、お前の勝ちだ」
「え⋯?」
「もっとも⋯『俺達』の勝ちにしてやるけどなぁ!」
「っ…!ハジメっ!」
私はハジメを抱きしめる。
「ジャマ〜!!」
すると魔物は私たちに向かっていくつもの光弾を飛ばす。
「ハジメ!逃げて!」
「モーマンタイ!」
そう言いながらハジメは怪物に近づく。
Side ハジメ
俺は意識がもうろうとしていた。
(俺は何をしているんだ⋯!いつまで寝てれば気が済む⋯!こんなところで⋯大切なパートナーを失っていいのか?こんなところで⋯!俺の⋯大切な⋯!)
そして俺はユエが泣いていることに気付く。
「潰す!」
あのとき俺の体に何かが起こった。
俺はジャマタノオロチに近づいて言う。
「ユエ、なぜなんだろうな。あいつの攻撃がさっきに比べて、やけに遅く感じるんだ」
「遅いんじゃない。ハジメが⋯早くなった!」
俺はユエを見て言う。
「血を吸え、ユエ!お前の魔法が頼りだ!」
「…うん!」
すると
『ガッチャージバスター!』
「「⁉」」
どこかから銃撃が放たれ、ジャマタノオロチに当たる。
「やっとお目覚めか」
するとそこにいたのはオレンジ色のライダーだった。
「誰だ⁉⋯ってガッチャードデイブレイク⁉」
「この人、私たちを助けてくれた」
「はぁ…!?もう何がなんだか⋯!」
「俺はもう限界だ。あとは『三人』でどうにかしろ」
「三人って言ったってツカサが…ッ!」
そして俺はあることに気付く。
ガッチャードデイブレイクのドライバーはガッチャードライバーではなく、ネオディケイドライバーだった。
するとガッチャードデイブレイクの姿がディケイドに戻り、ドライバーも元のディケイドライバーに戻る。
「あれ…俺何してたんだ?」
「ツカサ!」
「噓…!」
「ハジメにユエ⁉」
「お前…どういうことだ?」
「ん⋯?何がだ?」
「…まぁいい。さっさと片づけるぞ!」
「うん!」
「あ、ああ!」
Side ツカサ
俺は気が付けば夢の中、暗い空間で誰かと話していた。
『ここは…?あんたは…?』
『言えないな。多分近いうちに分かると思うぞ?』
『度々俺の中で騒ぎ出そうとしているのはお前か?』
『ああ…それはすまない。許しがたいことが聞こえてしまってな』
『許しがたいこと?』
『友を…仲間を侮辱された、とでも言っておくか』
『そうか…ならしょうがないか』
『責めないのか?』
『親友を馬鹿にされる気持ちは分かるからな。それに俺はそれしきのことでキレるほど器が小さい男じゃない』
『そうか…お前はこれから何を見る?何を成し遂げる?』
『故郷に帰る、それか…』
『なんだ?』
『こんなところに連れて来た元凶の顔を一発殴りに行くのも面白そうだ』
『…フッ。やっぱお前はお前だな。こいつは詫び代わりだ。受け取れ』
『…なにこれ?』
顔の見えない誰かは、俺に光るエネルギー体のようなものを投げ渡す。
『俺の力の一つだ。せいぜい上手く使えよ』
『ああ…っていうか俺は俺って…お前が俺の何を知ってるんだよ』
『ハハッ…!それもそうかもな。…仲間は大切にしろよ』
『はっ、あんたに言われるまでもないさ』
「ユエ、合図をしたら蒼天を頼む。それまでは回復に徹してくれ。ツカサ、あいつを頼めるか?」
「ん!」
「もちろんだ」
「ハジメは?」
「俺は下準備だ!行くぞ!ツカサ!」
「ああ!」
俺たちはジャマタノオロチに向かって走っていく。
「変身!」
『仮面ライダー!ジオ~ウ!』
ハジメはジオウに変身し、ジカンギレードジュウモードとドンナーでジャマタノオロチを撃ちまくる。
「ジャ~‼」
「はっ!」
ハジメは天井を銃撃して、それによって生まれた空洞に手榴弾を詰めていく。
「俺も負けてられないな!」
俺はジャマタノオロチの注意をそらしながら、先ほど手にしていた技能『瞬光』を使い、ジャマタノオロチの頭を斬りつけていく。
「ツカサ!」
「!」
俺はジャマタノオロチから離れると、ハジメは手榴弾に狙いを定めて言う。
「ユエをもてあそんでくれた礼だ。存分に食らいな!」
すると手榴弾が爆発し、天井の一部がきれいな円状になってジャマタノオロチの頭上に落ちてくる。
「ジャアアアア⁉」
ジャマタノオロチががれきを押しのけ、顔を出す。
「今だ!二人とも!」
俺は瞬時に理解し、一枚のカードをドライバーにセットする。
『FAINALATTACKRIDE DE・DE・DE・DECADE!』
「『蒼天』!」
「ジャァァァァ!」
「デヤァァ!」
俺は蒼天を受けて弱ったジャマタノオロチ目掛けてキックを打ち込む。
「ジャアアアア!」
ジャマタノオロチは爆発し、俺は地面に降り立つ。
「はぁ、はぁ、そうだ!忘れてた!」
俺はブランクのケミーカードを取り出す。
すると黄色のエネルギー体がジャマタノオロチの遺体から離れて、カードの中へ入る。
俺がカードを見ると、そこには燃えるような色のヤマタノオロチのようなモンスターの絵と、『JYAMATANOOROCHI』という字が書かれていた。
「やっぱり…!お前はもともといたこの階層のラスボスに取り付いてたんだな!しかもデイブレイクの方のジャマタノオロチだったなんて…」
『ジャマ~♪』
「こいつ⋯なんでこんな⋯と⋯こ⋯」
「ツカサ!うっ⋯」
限界が来て俺が倒れると、同時にハジメも倒れる。
「ハジメ!ツカサ!」
「「さすがにもう…限界…」」
「フフッ。二人とも、よく頑張りました」
「そいつはどうも」
「お前もな」
俺の意識はそこで途絶える。
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