ガッチャードデイブレイクが腕に付いているカードホルダーを開けると、そこから100枚のカードが飛び出してきて、宙に浮く。
彼はその中から一枚を選び、武器のガッチャトルネードにセットする。
「ライデンジ、力を借りるよ」
『デンジ!』
『ケミーセット!』
「はぁぁ⋯!」
彼は武器のガッチャトルネードを水平に持ち、弓矢のように構えて引き金を放つ。
「ハッ!」
『トルネードアロー!』
「ッ!」
その瞬間、一筋の稲妻が大地を駆け抜け、ダークドライブのアーマーに傷がつく。
「…ならば」
するとダークドライブが怪しい光を放つと、骨と化していたトラウムソルジャーたちが動き出す。
「おっと⋯これはちょっと骨が折れるね」
彼は自身の武器の一つであるガッチャージガンでトラウムソルジャーたちを銃撃する。
「『錬成』!」
ガッチャードデイブレイクの目が光ると、トラウムソルジャーたちの真下の地面が盛り上がり、まるで生きているかのように動き出し、次々とトラウムソルジャーたちを潰していく。
「まさか錬成をあのように使うとは…!」
「…強い…!」
それを見たメルドと雫がそうこぼす。
ガッチャードデイブレイクはさらに2枚のカードを選んで取り出す。
「二人とも、行くよ!」
『バーン!』
『ゲンゲン!』
『BULLETBAANG!』
『GENGENCHOUCHO!』
ガッチャードデイブレイクはその2枚のカードをガッチャージガンに読み込ませ、引き金を引く。
『ガッチャージツインバスター!』
するとチョウの形をした無数の銃弾がトラウムソルジャーたちを貫く。
「ギャァァァ!」
それだけでトラウムソルジャーの大半は倒されたが、まだ数体取り残されていた。
「まだいるのか。まぁここ創ったのは僕なんだけど…」
そうつぶやきながら再度引き金を引こうとすると
「ここは任されよ!」
一人のフードを被った女性、ウォズが現れ、ジカンデスピアでトラウムソルジャーたちを蹴散らしていく。
それを見たガッチャードデイブレイクは少し考えたものの気を取り直してウォズに声をかける。
「誰だか知らないけど、助かるよ!」
「なに、我が魔王の心の師は我が師も同然!助けるのは当然のこと!」
「ちょっと何言ってるか分からないけど…ここは頼んだよ!」
「心得た!」
「フン!」
そんなことを話している間に、ダークドライブがブレイドガンナーでガッチャードデイブレイクに斬りかかる。
しかしガッチャードデイブレイクはそれをかわし、二人は斬りあいを始める。
「フッ!」
「…!」
彼はガッチャトルネードとガッチャージガンを駆使して、徐々にダークドライブを押していく。
するとダークドライブはガッチャージガンを払いのけようと、デイブレイクの手をブレイドガンナーで斬りつけようとする。
だが
「甘いね」
「!」
彼は手をくるりと回してそれをかわし、がら空きになったダークドライブの胴体に弾丸を打ち込む。
「ぐっ!」
「行くよ、アッパレブシドー!」
『アッパレ!』
『ケミーセット!』
『ケミースラッシュ!』
「ハァ!」
彼の刃がダークドライブを斬り上げ、そこから剣戟を何度も叩き込む。
「ぐぁぁ!」
「さて、あいにくあまり時間がないんだ。さっさと終わらせよう」
「ふぅ…こちらはもとよりそのつもり…!」
ガッチャードデイブレイクはベルトのレバーを引く。すると待機音が流れ始める。
「フッ!」
彼がもう一度レバーを引くと、彼の姿がマントだけになる。
そしてダークドライブの前に現れ、マントだけの姿から、一瞬だけバッタと機関車が融合したような姿になり、その後にキックの体制をとる。
『スチームホッパー!バーニングフィーバー!』
「ハァ!」
ダークドライブはガッチャードデイブレイクのキックに貫かれる。
「ぐっ⁉まさかこれほどとは…ぐわぁぁ!」
その言葉を最後に、ダークドライブは爆散した。
「ふぅ」
ガッチャードデイブレイクに雫が問う。
「あの…助けてくれてありがとうございました。あなたは一体…」
「言ったはずだよ。名乗るほどの者じゃないって。それに………僕は親友一人守れない弱い人間だから」
ガッチャードデイブレイクは目を伏せて答える。
「え⋯?」
雫はガッチャードデイブレイクの言葉に首を傾げるが、言葉を続ける。
「⋯でも!私たちがあなたに救われたのは事実です!誇っていいと思います!」
「っ⋯!…ありがとう。まさか死んでからこんなこと言われるなんてね。人生何があるか分からないものだね」
「え?」
その言葉に雫は再度首を傾げる。
「それじゃあ。…ありがとう。行こう、ゴルドダッシュ!」
彼は自身のカードを取り出すと、急に一台のバイクが現れる。
『ダッ~シュ!』
眼の前に急に現れたバイクに、その場にいた全員は目を丸くする。
「えええっ!何で急にバイクが⁉」
「あはは…なんかその反応新鮮だな…!」
そう笑い、そのまま彼はバイクにまたがって、どこかへ消えていった。
「あいつは一体…何だったんでしょう」
光輝がメルドにそう問う。
「分からん。もしかしたら、この迷宮の創設者の幽霊だったりしてな」
メルドは冗談めかして言う。
「いくら強いからってそれはないですよ。それにこの迷宮を作った『反逆者』って悪い奴らですよね?そんな奴ら俺は許せない!」
光輝はそう言い、メルドは苦笑する。
「…そうだな」
side ガッチャードデイブレイク
ガッチャードデイブレイクは自分の住処で変身を解き、空を見上げる。
「お疲れ、ゴルドダッシュ」
『ダ~ッシュ!』
ガッチャードデイブレイクはゴルドダッシュをカードに戻し、変身を解除する。
「大迷宮に神の使徒と同じ性質の魔力を持つ者は侵入できないように結界を張ったし……さて…これで君への置きみやげぐらいにはなったかな?」
そして赤い椅子に座って、机に100枚のカードを置く。
『オスカー…もう逝っちゃうの?』
カードの中のケミーの一体であるクロスウィザードが彼にたずねる。
「ああ。後は頼んだよ、クロっち」
『…バイバイ、オスカー』
『ホッパー!』
『スチーム…!』
『ダッシュ…!』
『ビートル…!』
ケミーたちは口々に別れの言葉を告げる。
「ありがとう…皆。おかげで楽しかったよ」
そして彼の肉体が消え始める。
「いつか…どこかでまた皆で集まりたいな…。そうだろ?…ライヴ」
彼は空を見上げて言う。
「君ならきっと掴めるさ。僕たちが掴めなかった、最高のガッチャを。そして…その先の未来を僕たちに見せてくれ。そのときにきっと、また会えるさ」
そして彼は消え、そこには彼の亡骸だけが残る。
ハジメたちがオスカー・オルクスの住処にたどり着く5分前の出来事である。
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