俺たちはフェアベルゲンを後にして、ライセン大峡谷でライセン大迷宮を探していた。
「やっぱ迷宮の入り口がライセン大峡谷のどこかにあるってだけじゃ、大雑把だな」
「ああ、俺もオルクス大迷宮から出た辺りで探していたが、結局見つからなかった」
そして俺はあることを思い出す。
「ハジメ、実はハジメたちと別れた後に、アナザーライダーと出くわした」
その単語にハジメは反応し、顔を上げる。
「アナザーライダーだと⁉」
「ああ。どうやら神の使徒が陰で暗躍しているようだ」
「なんてこった。あんな奴らをまた相手しなくちゃいけないのかよ」
ハジメが落胆したように言うが
「だが今の俺達は前とは違う。そうだろ?」
その言葉にハジメは頷く。
「⋯ああ、そうだな」
そしてその後も俺たちはライセン大迷宮を探した。
「やっぱ後回しにすべきなのか…?」
俺はこの間の奴の言葉をを思い出す。
『答えは恐らく『ライセン大迷宮』で見つかるはずだ』
「あの言葉が本当なら、無視するわけにはいかないんだけどな」
そのとき、俺は誰かに呼ばれた気がして振り返る。
そこには当然岩があるだけだった。
だが
「なんかここだけ異様に光って見えるな…俺の目がおかしくなったのか?」
俺はその岩を触る
すると
「え」
なんと岩は軽々と動き、迷宮の入り口が現れる。
「…うそ」
「マジかよ…何時間も探してようやく見つかったのが…」
『やっほー!おいでませ!ミレディ・ライセンのドキワク大迷宮へようこそ♪』
という声が聞こえてくる。
「こんなのだとはな」
ハジメはそう呟く。
「この声…どこかで」
俺はこの声に聞き覚えがあり、そう呟く。
頭の中で何かに引っかかって、どこで聞いたのかが思い出せない…。
そんなことは置いといて、シアが引っかかったトラップから俺たちは大迷宮の中に入る。
少し行くと石碑のようなものが中央にあり、少し広い部屋に出た。
『ねぇ~ビビっちゃった?ちびってたりして~!ぷぷぷ~!』
という音声にブチギレて、シアが石碑を破壊したのはまた別のお話。
Side ???
「ついにここにたどり着いたか…。この気配、あいつ生きてやがるな?」
彼は暗闇で一人笑う。
「ああ…仲間は皆死んじまったと思ってたけど…お前だけでも生きててくれたんだな。ミレディ。あのメイド好きメガネは知ってたわけだ」
彼は外の様子を見ながら言う。
「あのからかい好きの性格は相変わらずみたいだな。。さて…さっさとたどり着けよ。解放者の意志を継ぐ者たち」
Side ツカサ
あれから俺たちはライセン大迷宮を進み、ここでは放出系魔法は使えないという情報と、数々の嫌がらせとも言えるトラップとそれに対してウザイ絡みをしてくるため、ミレディ・ライセンはウザイという結論に至った。
もっとも、俺は何故かミレディへの嫌悪感はなかったんだけどな。
俺たちは大広間のような場所までたどり着いていき、奥には恐らくミレディ・ライセンの住処までの入り口であろう扉も設置されていた。
そしてその部屋の横には無数の大きな鎧があった。
「はぁ…はぁ…いかにもって感じだな。ようやくミレディの隠れ家に到着か?」
「いや…多分違う」
俺はそう呟く。
「だろうな。この周りの甲冑に嫌な予感がするのは俺だけじゃなかったみたいだ⋯」
「ん、お約束は守られる」
「だよな~」
「それって…襲ってくるってことですよね!?」
シアが怯んで言う。
「おい、シア!」
「は、はい!何でしょう!」
ハジメとユエはシアに目を向ける。
「お前は強い。俺たちが保証してやる」
確かに、ここにたどり着くまでの活躍は大したものだった。
「だから好きに暴れろ。やばくなったら必ず俺達が助けてやる」
「ん。安心してシア。弟子の面倒くらい見る」
「俺たちは『最強』だからな」
ハジメとユエと俺が順番に励ます。
「ユエさん…ツカサさん…ハジメさん…!ミレディ・ライセンをぶっ倒します!」
シアはハジメに作ってもらったハンマー型の武器、ドリュッケンを構えて言う。
すると予想通り甲冑が動き始める。
「これしき変身しないでも余裕そうだな」
俺はライドブッカーガンモードを取り出して言う。
「だな。行くぞ!」
俺たちは甲冑たちに向かっていく。
ハジメはドンナーとそれと対になるリボルバー拳銃・シュラークの二丁拳銃で甲冑たちをなぎ倒していく。ちなみに今さらだがハジメの主な戦術はドンナーとシュラークを使いながらのガン=カタだ。
「よっと。数が多いのがめんどくさいな…」
シアもしっかり活躍しているし、ユエもそんなシアの手助けをしてるし、思ったよりも早めに片付きそうだな。この先に一体何が待ってるって言うんだ…?
俺たちは甲冑を倒しながら、奥の扉の方へ進む。
「チッ!きりがねぇな…!」
ハジメがそう言うように、意外と甲冑は複数あり、端的に言うとめんどくさかった。
「うぉらぁぁ!」
するとシアが扉をドリュッケンでたたく。
「!」
「開いた⁉」
「お前ら!飛ぶぞ!」
ハジメがそう言い、俺たちは扉が開いた先にあった、浮いているブロックのようなものに飛び乗る。
そのブロックは上へと上がっていき、上にはひときわ大きなブロックの集まりがあった。
「やっほ~!おいでませ~!」
そこには先ほどの甲冑よりも巨大な甲冑がいた。
「マジかよ…!」
「大きい…!」
「いかにも親玉って感じですね…」
「あの声…誰だ?誰なんだ?」
俺はその間も聞き覚えのある声に心をかき乱される。
「み~んな大好き!ミレディ・ライセンちゃんだよ~!」
ハジメは甲冑に問いかける。
「何者だ?お前。ミレディ・ライセンは人間で、とっくに死んでるはずだ。オスカーの手記に書いてあったぞ」
「っ!もしかしてもしかして!オー君の迷宮の攻略者⁉」
「質問をしているのは俺だ。答える気がないのなら戦闘に入るが⋯」
俺はハジメの言葉を遮っていう。
「…本物だ」
「あ⋯?」
「俺には分かる。あのゴーレムは…ミレディ・ライセン本人だ…!」
俺はそう断言する。
「…!もしかして君って…!」
ミレディは何かに気付いたように驚く。
「分かるって…何で断言できるんだよ?」
「分からない…だけど俺の中の誰かが…こいつはミレディ・ライセンだと断言している…!」
「…そっか。君の中にはどうやら『彼』がいるようだね。そして君は『彼』としての記憶を失ってるのか…」
ミレディは悲しそうに言う。
「!お前はこいつのことを知ってるのか⁉」
「ん~とね~⋯教えてあ〜げない」
「潰す」
するとハジメがロケットランチャー型の武器、オルカンを出してミレディに発砲する。
「核を狙え!心臓と同じ位置だ!」
「しょうがない!話は後でゆっくり聞くとしよう!変身!」
『KAMENRIDE DECADE!』
俺はディケイドに変身して駆け出す。
「こいつ、使ってみるか!」
俺はディエンドライバーを取り出し、カードをセットする。
『ATTACKRIDE BLAST!』
ディエンドライバーの周りに4つの幻影が現れ、銃砲を放つ。
「おっとっと!」
ゴーレムはかわそうとするが間に合わず被弾する
だが
「傷一つついてないな⋯なら!」
俺はもう一枚のカードをセットする。
『FAINALATTACKRIDE DE・DE・DE・DECADE!』
ディエンドライバーの周りにマゼンタのカードのようなエネルギーが何十にも現れ、強力なエネルギー砲となって発射される。
「ハァ!」
「うわぁ!」
ゴーレムの体に命中したものの
「有効打は与えられないか⋯!」
一応へこんではいるが、大した手応えは感じられない。
すると
「う~ん。やっぱりこの体、防御力は高いけど、動きづらいな~。なら…!」
『レジェンドライバー!』
「は⁉」
「何⁉」
ミレディが突然レジェンドライバーを取り出し、腰に巻く。一枚のカードを取り出してベルトにセットする。
『CHEMYRIDE!』
ミレディの背後にレジェンドライバーのような形のエネルギー体が現れる。
「ゴージャスに~変身!」
『LE・LE・LE・LEGEND!』
ミレディがドライバーを開くと、ミレディの体が人型にまで収縮し、複数の灰色の像が重なり、色がつく。
広くあまねく世界を照らすライダー、仮面ライダーレジェンドだ。
「なんでお前がレジェンドに⁉」
「あのライダー、ツカサに似てる…!」
「どうなってるんですか~⁉」
ハジメたちは困惑するが、ミレディは戦意をあらわにする。
「とりあえず、無理矢理にでも思い出してもらうよ?」
「!」
俺が気付いたときには、レジェンドはいつの間にか背後に立ち、俺にキックをしようとしていた。
「ッ!」
俺は間一髪でかわし、ライドブッカーで反撃する。
「ッ!さっすがラヴ君!記憶をなくしても強いね!」
レジェンドはそう言いながら何度も蹴りを繰り出す。
「ラヴ君!?誰だよ!そいつ」
俺はそう言いながら蹴りを必死でよける。
レジェンドは俺のパンチをよけて後退する。
「けど…いい加減思い出してもらおうかな…!」
『GORGEOUS ATTACKRIDE!LE・LE・LE・LEGEND!』
レジェンドはドライバーを開き、飛び上がる。
「ハァ!」
「ッ!」
レジェンドが俺に向かってキックを繰り出し、正面から食らった俺は変身が解除され、転がる。
「くっ…!」
「まだ思い出せない?」
「だから何がだよ!」
「…本当に忘れちゃったの?私のこと、オー君たち『解放者』の仲間のこと、そして…あなたと出会った時の『アライヴの花』のこと」
「!」
そのとき、俺の頭の中で何かが呼び起こされた。
『門矢士。通りすがりの仮面ライダーだ』
『仮面…ライダー?』
俺の心臓が大きく脈打つ。
『僕はオスカー・オルクス』
『ミレディ・ライセンちゃんだよ~!』
『自分はナイズ・グリューエン』
『私はメイル・メルジーネよ』
『リューティリス・ハルツィナです』
『ヴァンドゥル・シュネーだ』
『改めて…ラウス・バーンだ』
段々と鼓動が大きく、早くなっていく。
『俺は…』
そうだ…!思い出した…!
「どうやら取り戻したらしいな。記憶を」
「!」
気が付くと俺はあのときの空間にいて、目の前には当然あの男がいた。
「…改めて聞く。お前は一体誰なんだ?」
「おいおい…思い出したんなら名乗らなくても分かるだろ?」
「…」
「だけど…記憶の整理をつけさせるためにも、『改めて』名乗るとしよう」
すると辺りが段々明るくなっていき、話し相手の顔が見える。
その男は奇抜なマゼンタの髪に、ボロボロの黒いコートを着ていた。
「俺の名はライヴ・デトロイ。かつて神代と呼ばれた時代、その少し後に神に挑んだ解放者の一人にして、そして前世…正確には前々世のお前だ」
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