その日俺たちは、いつものように教会関係者から逃げていた。
「さて…ここらで一息つくとするか」
「そうだね」
俺たちがそんなことを話していると
「待って!あれ!親子が襲われてる!」
ミレディが指差した先には無数の魔物に囲まれた、若い父親らしき人物と5歳くらいの男の子がいた。
「⋯しょうがない。このまま放っておくと寝覚めが悪そうだからな」
俺はネオディケイドライバーを巻いてカードをセットする。
「変身」
『KAMENRIDE DECADE!』
父親は子供をかばう。
「く⋯来るなぁ!」
次の瞬間
「ギャッ!」
俺は魔物たちを斬りつける。
「ハッ!」
「グギャア!」
「あ…あなたは…?」
父親は俺にたずねる。
「気にするな、ただの通りすがりだ」
俺はカードを取り出してセットする。
『KAMENRIDE KIVA!』
俺はキバに変身し、魔物たちを徒手空拳で打ち倒していく。
「やはり⋯強い⋯!」
父親は俺を見ながらそんなことをこぼすが、その時の俺の耳には届いていなかった。
「決めるぜ」
俺はディケイドに戻ってライドブッカーをソードモードにして持つ。
『FAINALATTACKRIDE DE・DE・DE・DECADE!』
「ハァ!」
俺は魔物たちを一気に斬り伏せる。
「グギャアァァ!」
魔物たちは一気に爆発する。
「あ、ありがとうございます!このご恩は一生忘れません!」
父親は息子とともに頭を下げて言う。
「なに、ただの暇つぶしだ。気にしすぎるな」
俺は変身解除して言う。
すると父親は再度頭を下げて言う。
「差し出がましいのですが…私たちの村も救ってくださいませんか?」
聞くと彼の名はタルシュと言うらしい。彼の村が近々大量の魔物に襲われるらしく、それを防げるような人材を求めてここまで来たらしい。
俺たちは小声で会話をする。
「…どうする?」
「そうだね…。この時期に不自然に魔物が大量発生するってことは…」
オスカーは考え込む。
「ああ。100パーあのクソ野郎が関わってるな」
「ああ。奴が何かを企んでいるのなら調べる必要はあるかもしれない」
「なら…」
「ああ。彼について行ってみよう」
「何かあっても俺たちなら大丈夫だろ。相当なことがない限りな」
「油断は禁物だよ、ライヴ。でも…僕たちならきっと大丈夫」
「だろ?」
「なら行くか」
「ああ」
話は決まり、俺達はタルシュに了承の意を示した。
俺たちがタルシュについていくと、廃村のような場所にたどり着いた。
「おい。本当にこんなところに人が住んでいるのか?」
「ええ。おかしいな…ちょっと様子を見てきます!ここにいるんだぞ、シュタ」
そう言ってタルシュは子供をおいて立ち去る。
「パパぁ!」
シュタと呼ばれた子供は涙目で父親の背中に手を伸ばす。
そんなシュタの頭に俺は手をおいて言う。
「大丈夫だ。俺たちがついてる。何かあったら親父さんも助けてやる」
俺達は子供に聞こえないように話し合う。
「…どう思う?」
「信憑性がかなり落ちてきたね…僕たちを陥れるための罠か…それとも…」
そのとき
「ねぇオー君!あれ!」
ミレディがそう言うと、村の入り口である東西南北の門の向こうから無数の魔物が現れる。
「しょうがない。細かいことは後で考えるとしよう」
『ガッチャードライバー!』
オスカーは腰にガッチャードライバーを巻く。
「だな。下がってろ、坊主」
「う⋯うん!」
俺もシュタを逃がして、腰にネオディケイドライバーを巻く。
他の中心メンバーたちも腰にそれぞれのドライバーを巻く。
「北門は僕とライヴで引き受けるよ。ミレディとナイズは東門を、メイルとラウスは西門を、ヴァンドゥルとリューティリスは南門を頼むよ」
「オッケー!任しといて!」
そして仲間たちは各地に散らばる。
「さて…行くか。相棒」
俺はカードを取り出し、オスカーの方を向いてにやりと笑っていう。
「ああ。行こう!」
オスカーはガッチャーイグナイターを操作し、ドライバーにセットする。
『ガッチャーイグナイター!』
『ターボオン!』
『HOPPER1!イグナイト!STEAMLINER!イグナイト!』
『KAMENRIDE』
「「変身!」」
『ガッチャーンコ!ファイヤー!スチームホッパー!アチー!』
『DECADE!』
俺達はディケイドとガッチャードデイブレイクに変身し、武器を持つ。
「通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ」
「選択肢は二つだけ。この場で僕たちに倒されるか、尻尾をまいて逃げるか」
「グオオ!」
「どうやら交渉決裂みたいだね。なら…」
『ガッチャージガン!』
『ATTACKRIDE BLAST!』
俺達は挨拶代わりに銃砲を放つ。
「全力で迎え撃たせてもらうよ」
「行くぞ!」
「ふぅ片付いたかな?」
「まぁこんなもんだな」
俺たちはものの数分で大量の魔物を駆逐しきった。
俺たちは変身を解いて、話し合う。
「さて…ここまでの状況を鑑みて、どう思う?」
「100パーセント罠だろうね」
「だな…」
そのとき
「うわぁぁ!」
「「!」」
生き残りの魔物がシュタに襲いかかっていた。
「『黒傘二式・障壁』!」
オスカーがなんとか魔物の放った攻撃を防ぐ。
俺は即座に魔物の首を狩る。
が、そのとき
「ッ!オスカー!」
「死ねぇぇ!」
「⁉」
俺はタルシュが短剣を持ってオスカーに向かって突っ込んでいくのを見て、とっさにオスカーの方へ向かう。
「~ッ!」
「ライヴッ!!」
オスカーを間一髪で庇ったことで、俺の腹からは血が滴り落ちていた。
その様子を、魔物たちを殲滅して戻ってきたミレディたちも目撃する。
「ラヴくん!!」
「ッ!馬鹿野郎が…!」
「ハハハハハッ!馬鹿は貴様だ!私は忠実なエヒト様の信者!こんな簡単にだまされるとは!解放者最強の男の名も地に落ちたな!」
「お前…!そんなことのために息子ともども魔物に襲われて⋯挙句の果てに息子の命すら囮に使ったのか…!」
「当たり前だ!そもそもエヒト様は私たちのことをいついかなる時でも守護してくださっている!この作戦を命じられたときもためらいなどなかったわ!貴様らを待っているのは全滅という名の悲劇だ!我が神に逆らったことが間違いだったのだ!」
「…ッ!こんの大馬鹿が!」
「ガッ!」
俺はタルシュの首に手刀を打ち込んで気絶させる。
「はぁ…はぁ…」
「ライヴ!」
「ラヴ君!」
オスカーたちは俺に駆け寄る。
「メイル!今すぐライヴに再生魔法を!」
「その必要はない…」
オスカーがメイルにそう言うが、俺は手でそれを制す。
「何を言ってるんだ!この出血量だと…!」
「落ち着け。どうやらこの短剣にはクソ野郎によって『俺を必ず殺す力』が込められているらしい。だからこの傷は魔法では治らない」
「そんな…!」
「ウソ…!」
「…オスカー…ミレディ…皆…俺の最期のわがままを聞いてもらっていいか?」
「…なんだ?何をしてほしい?」
「なぁに簡単なことだ。…エヒトをぶっ倒してくる」
「なっ!無茶だ!万全な状態ならともかく、その体で神に挑むなんて…!」
「死にに行くようなもの。分かってるさ。自分の命の終わりぐらい自分で分かる」
「でも…!」
「ここが俺の旅の終着点なんだ…!俺はこのままあのクソ野郎を一発殴らずに死ぬなんてごめんだ…!頼む…!行かせてくれ…!」
「…分かった」
「オー君!」
「オスカー!」
ミレディやナイズがそう止める。
「…ただこれだけは約束してくれ。絶対に⋯何があっても僕たちの元に帰ってくること」
その言葉を聞き、俺は笑う。
「…!フフッ…。ああ。どんな形であれ、必ず俺は帰ってくる!」
「そんな…!」
俺はミレディの頭に手を置く。
「泣くなミレディ。俺は絶対に戻ってくる。約束だ」
「ううっ…!絶対…絶対絶対ぜ~ったいに!帰ってきてね…!」
「ああ…!」
そして俺は皆に向き直って
「皆…今まで本当に世話になった。こんなこと人生で一回しか言わねぇけど…俺一人じゃ絶対に手に入れられなかった思い出を…ありがとう!」
皆涙をこらえていた。俺の目からも涙がとめどなく溢れた。
俺はオーロラカーテンを出して言う。
「すぐに追手がくる。その前にこれを使ってどこか遠くへ行け!ここから遠く離れた場所につくようにしてある」
皆は別れを惜しみながらも、オーロラカーテンの中に消えていく。
最後に残ったオスカーとミレディはこう言った。
「ライヴ…永遠に等しい時間が流れたとしても、たとえ魂だけになろうと、僕は必ず君に会いに行く。また僕は君を見つける」
俺はその言葉に笑みをこぼす。
「…ああ。待っててやるよ、そのときを」
「ラヴ君…!絶対…!絶対に待っているから!」
「ああ…!また会おう…!」
そして二人はオーロラカーテンの中へ消える。
「悲劇…?フッ、笑わせるな。ハッピーエンドに変えてやるよ…!さぁて!クソ野郎に一発かまして逝くか!」
俺は神界につないだオーロラカーテンを通って神のところへカチコミも行った。
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