「ここは…?」
俺はいつぞやの白い空間で目を覚ます。
「よう。俺」
振り向くとライヴが逆さに立っていた。
「なんだお前か」
「反応薄くねぇか?」
ライヴは地面に降り立つ。
「何の用だ?俺はもう記憶を全て取り戻した。あんたに導いてもらう必要はないぞ」
するとライヴは人差し指を立ててふる。
「それは違うな。お前は一つ、大事なことを忘れている」
「大事なこと?」
「ああ。お前の…いや、俺の出生に関することだ」
俺はそう言われて考え込む。
「…確かに出生に関する記憶は曖昧だ。なんでだ?」
「俺にとって忘れたいことだったから…かもしれないな」
ライヴは顔を伏せて言う。
「ろくなことじゃなさそうなのは分かったよ」
「それと一つ。これは完全に別件だ」
「なんだよ」
「⋯お前は何のために戦う?」
「⋯急になんだよ」
「いいから答えろ」
「…そうだな。元の世界に帰るため?」
「不正解」
「…この世界の人間のため、なんて言わないよな?」
「お察しの通り不正解」
「じゃあなんだよ」
「そいつは俺との手合わせで思い出せ」
「うん。なんで?(笑顔)」
「戦ってみれば分かるさ。変身」
『KAMENRIDE DECADE!』
ライヴはネオディケイドに変身する。
「ほら、来いよ」
「はぁ⋯気は乗らねぇが…しょうがない。変身」
『KAMENRIDE DECADE!』
俺たちは変身して向かい合う。
「…行くぜ」
「…ッ!」
ネオディケイドは一瞬で俺の後ろに回り込んで俺をライドブッカーソードモードで斬りつける。
「お前…ホントにその状態で一割なのか?」
「さぁ?どうかな?」
『KAMENRIDE W!』
『サイクロン!ジョーカー!』
ネオディケイドはダブルにカメンライドする。
「行くぜ?」
「チッ!」
『KAMENRIDE KUUGA!』
対する俺はクウガにカメンライドする。
「はぁ!」
「おりゃあ!」
俺の右腕の拳とダブルの左腕の拳がぶつかる。
「くっ…!」
俺達の拳は拮抗する。
「ハハッ!なかなかやるじゃねぇか!ちなみにここだと俺の五割の力が発揮されるから一割っていうのはブラフだ」
「マジかよ…!」
「ただ…お前は今何のために俺と戦ってる?」
「それは…」
「そう!それだ!お前に戦うことに対する炎が弱火なのはなんでだと思う⁉」
「俺は…俺は…!世界なんてどうでもいい…!俺を暗がりから連れ出してくれたあいつらのために戦ってるんだ…!」
「それじゃあ65点だ」
「はぁ⁉」
『FAINALATTACKRIDE DO・DO・DO・W(DOUBLE)!』
『 ジョーカー!マキシマムドライブ!』
「ジョーカーエクストリーム!」
「なっ!うわあぁ!
俺はディケイドへと、強制的にカメンライドが解除される。それと同様にネオディケイドもダブルからネオディケイドへと戻る。
「思い出せ!お前はあの暗がりで何を欲していた⁉」
「俺は…俺は…!」
『誰か…いないの?お友達…僕にはいないの?』
「!」
俺は目を見開く。
「そうだ…!俺はあのとき、何よりも仲間を…友達を渇望していたんだ…!俺は『仲間』ってやつが大好きなんだ…!」
「そう」
「俺は俺の宝を…仲間を傷つける奴を許さない…!そうだ…!あいつらが死んじまっても新しくできた仲間のために俺は戦い続ける…!それが俺の戦う理由だ!」
「お見事。合格だ。最後の試験は俺を倒すことだ。じゃないと永遠に起きられないぞ?」
「上等だ。過去の自分だからって容赦はしないぜ?」
「容赦させる気もないけどな」
「なら⋯」
俺はケータッチを取り出す。
「っ⋯!?まさか⋯!」
ネオディケイドは目を見開く。
「ああ。ここのことは大体分かった。おそらく⋯ここは深層心理。つまり⋯思いの力さえあれば、こういう事もできる!」
俺はケータッチを起動する。
「ッ!…フッ。やっぱりお前は想像通りであり、想定外な奴だ!」
「言ってろ」
俺はケータッチのクレストをタッチする。
『KUUGA!AGITO!RYUKI!FAIZ!BLADE!HIBIKI!KABUTO!DEN-O!KIVA!FAINALKAMENRIDE DECADE!』
俺の胸にクウガ~キバまでのライダーカードが付き、俺の頭にはコンプリートフォームのカードが付く。目は緑からマゼンタに変わる。俺はディケイドライバーのバックル部を取り外し、そこにケータッチをはめて、バックル部を右腰のホルダーにつける。
これがディケイドの強化フォームである仮面ライダーディケイド コンプリートフォームだ。
「俺は…通りすがりの仮面ライダーだ!」
ネオディケイドは笑って言う。
「そんなこと、誰よりも昔から知ってるさ」
「行くぜ、ライヴ・デトロイ!」
「来い!矢門ツカサ!」
俺たちは互いにライドブッカーソードモードを交わし合う。
「ハハッ!今までで最高に楽しい戦いだ!」
「フッ…!そうかもな!」
「ぐっ…!」
俺はネオディケイドを斬りつけて、ケータッチのブレイドのクレストをタッチする。
『BLADE!KAMENRIDE KING』
すると俺の隣にブレイドの最強フォームであるキングフォームが現れ、胸のカードも全てキングフォームのカードに変わり、ブレイドは俺の動きに連動して動く。
「あのクソ野郎が定めた運命なんてぶっ潰してやる!」
『FAINALATTACKRIDE B・B・B・BLADE!』
すると俺とブレイドの前に等身大のカード状のエネルギー体が現れ、俺たちはそれぞれの剣を構えてその先にいるネオディケイドへと向かっていく。
「来い!」
「はぁぁ!」
「ぐわぁ!」
俺たちはネオディケイドへと斬撃を繰り出し、ネオディケイドは吹っ飛ばされる。
「ハハッ…!さすが俺…!」
「まだまだ!」
『DEN-O!KAMENRIDE LINER』
すると俺の隣に電王ライナーフォームが現れ、胸のカードもライナーフォームのものに変わる。
「俺は決して忘れない。過去の思いも、未来を生きるはずだった命のことも⋯
『FAINALATTACKRIDE DE・DE・DE・DEN-O!』
「はぁぁ…!」
俺はライドブッカーにエネルギーをためる。
「来い!全力で受け止めてやるよ…!」
『FAINALATTACKRIDE DE・DE・DE・DECADE!』
ネオディケイドはライドブッカーにエネルギーを溜めて迎え撃とうとする。
俺と電王の間にレール状のエネルギー体が現れ、俺たちはそれに飛び乗ってデンライナー型のオーラを纏いながら進み、ネオディケイドと刃をぶつける。
「はぁぁぁ!」
「…くっ!」
俺達の剣戟は拮抗する。
だが
「だぁぁ!」
「ぐぁ!」
俺が押し勝ち、ネオディケイドを切り裂く。
電王は消え、俺たちも変身を解いて背中合わせでその場に座り込む。
「ハハッ…!お前なら本当にあのクソ野郎をぶっ殺せるかもな…」
「当たり前だろ。俺だぞ?」
「ハハッ…そうだな…一つ…聞いてもいいか?」
「…なんだ?」
「この先どんなことがあっても…折れないと、己の憎悪に飲まれないと言い切れるか?」
「…無理だな。『どんなことがあっても』言い切れるとは限らない。俺はそこまで強くなれない」
「…そうか」
「だけど…何があっても目的だけは見失わない。それは誓えるかもしれない」
「…そうか…はぁぁ⋯久しぶりに⋯疲れたなぁ…しばらく休むとする…か…」
そう言ってライヴは消える。
「どうせすぐ帰ってくるんだろ…ホント、気分屋なやつだな」
『自虐だぞ?それ』
なんか聞こえた気がするが無視する。
こうして、俺の長い朝は終わった。
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