Side ツカサ
「ハァァァ!」
「⁉」
ベヒモスと戦っていた俺の前に急にジオウが現れる。
「大丈夫?ツカサ!」
「その声…!お前…もしかしてハジメなのか⁉」
「うん!これで僕も一緒に戦える!行こう。ツカサ!」
「…ハハッ!お前には驚かされてばかりだな…!行くぞ!ハジメ!」
「うん!」
俺たちは互いの武器でベヒモスを翻弄する。
「すごい…!力が湧き上がってくる!これなら!」
「決めるぞ、ハジメ!」
「うん!」
『FAINALATTACKRIDE』
『フィニッシュタイム!』
俺はファイナルアタックライドのカードをドライバーにセットし、ハジメはD‘9スロットのライドウォッチのボタンを押し、ベルトの中央部の上のボタン・ライドオンリューザーを押し、ベルトを傾ける。
俺はバックルを閉じ、ハジメはドライバーを回転させる。
『DE・DE・DE・DECADE!』
『タイムブレーク!』
俺の目の前に、等身大の黄色いカード状のエネルギー体が現れ、ベヒモスの周りに大きな『キック』の文字が現れ、それと同時に俺たちは飛び上がり、キックの態勢をとる。
するとキックの文字がハジメの足につき、カード状のエネルギー体はベヒモスに向かって降りる。
「「ハァァァ!!」」
「グォォ!!!」
俺たちのキックが当たると、ベヒモスは爆散した。
「一件落着ってところか」
「だね」
Side 光輝
クラスメイトのツカサと南雲がいきなり、誰しもが知っている正義のヒーロー、『仮面ライダー』に変身した。
「マジかよ…!ベヒモスを倒したぞ…!」
「どうしてあの二人が…!」
「ど、どういうことなの?」
メルド団長は心底驚いたような表情で固まっている。
その事実は光輝にとって受け入れがたい事実だった。
(何故…?何故自分ではなくあの二人なんだ…?この世界を救う勇者に選ばれた俺こそ、ヒーローである『仮面ライダー』の素質があるはずだ!何故『無能』の南雲たちが俺よりも力を手に入れるのだ!)
そのとき
「⁉」
二人のライダーに白い羽根のようなものを使った攻撃が飛んできた。
Side ツカサ
「…ッ!誰だ!」
俺は爆撃による煙の中、自分に攻撃してきたものへ言う。
「創造主の使徒。イレギュラー、あなた方は主の盤上に不要。よってこの場で退場してもらいます」
そこには全身を白い甲冑に身を包んだ女がいた。
あの顔……どこかで…それにあの声って…
「使徒だか水戸だか知らねぇが、お前にやれるかな?」
口ではそう言いつつも、俺の額には汗が浮かんでいた。
こいつは強い。恐らく今の俺よりも。
「ハジメ、気ぃ引き締めろ。こいつは恐らく俺たち二人がかりでもないと倒せない」
「うん…!行くよ!」
「ああ!」
俺たちは使徒に向かっていく。
「はぁ!」
俺はライドブッカーソードモードで使徒を切り裂く。
しかし
「チッ!」
使徒の大剣によってライドブッカーは止められていた。
「今だ!ハジメ!」
「はぁぁ!」
ジオウは使徒の真上からジカンギレードを振り下ろす。
だが使徒は刃が当たる前に体を捻り、俺たちに斬撃を繰り出す。
「ぐあっ!」
「うわぁ!」
俺たちは二人してその場に転がる。
「チッ!こいつで行くか!」
『KAMENRIDE KABUTO!』
『CHANGE BEETLE』
俺の姿は赤いカブトムシの仮面ライダー、カブトに変わる。
「おばあちゃんが言っていた。自分が格上だとおごるものは、自分の上を見れてないだけだってな」
俺は天を指して言う。
「それはどちらでしょうかねっ!」
使徒は俺に向かってくる。だが俺はライドブッカーから一枚のカードを取り出し、ドライバーにセットする。
『ATTACKRIDE CLOCK UP!』
「クロックアップ!」
『CLOCK UP』
すると周りの動きがスローモーションに見え始める。超高速移動を可能とするカブトのクロックアップだ。
「ハァ!」
俺は使徒を翻弄し、カブトクナイガンを取り出して斬りかかる。
「なるほど、高速移動ですか」
「なっ!」
するとは俺のクロックアップで移動する俺の軌道を読んで、斬撃を飛ばしてくる。
「くっ!何でもありかよ!」
俺はなんとか躱しながら、カブトクナイガンで使徒に斬りかかる。
だが
「少々本気を出しましょうか」
使徒の動きが俺と同じスピードに変わる。
「ぐわぁ!」
俺はディケイドに戻り、地面に再び転がる。
するとメルドは我に返り、指示を出す。
「ボサッとするな!あいつらだけに戦わせるわけにはいかん!」
その言葉でクラスメイトたちも我に返り、陣形を整える。
「終わりです」
「ッ!ツカサ!危ない!」
「ッ!」
ノイントは俺目掛けて、エネルギーを集めた斬撃を繰り出す。
だが
「なっ!」
ハジメが俺を庇い、攻撃を食らう。
「うわぁ!」
ハジメは変身が解除される。
「ハジメっ!」
それを見たメルドはクラスメイトたちに指示を出す。
「いかん!後衛部隊、打てぇ!」
クラスメイトや騎士団は火球を放つ。
だが
「「!?」」
1つが軌道をそれてハジメに当たり、ハジメは橋から落ちていく。
「なっ⋯ハジメぇ!」
「ハジメくぅぅん!!!」
白崎は奈落の底に落ちていくハジメを見て叫ぶ。
「くっ!ならこいつで…!」
俺はビルドのホークガトリングのカードを取り出し、ドライバーにセットしようとすると
「………ッ⁉」
またもや軌道をそれた火球によってカードがはじかれ、奈落に落ちる。
「ッ‼誰だ!」
俺は魔力弾が放たれた方向、クラスメイトたちがいる階段を一瞬見る。何故かそこにはウォズもいたが、そんなことは関係ない。
「〜っ!檜山ぁ!お前かぁぁ!」
俺はそのときもう一枚のカードの存在を思い出す。
「チッ!これなら!」
『ATTACKRIDE HARDTURBULER!』
俺はダブルのマシンであるハードタービュラーを召喚し、ウォズに言う。
「ウォズ!ハジメを頼む!そしてあいつにこれを!」
俺はウォズにマゼンタの時計のようなものを投げ渡す。
「これは⋯!」
「失くすなよ!そいつは高く付くぞ!」
「もちろん!そして承知した!ツカサ君!」
ウォズはハードタービュラーに乗り、二人を追う。
「頼んだぞ…!ウォズ!」
「余所見とはいい度胸ですね」
「ッ!」
すると俺は使徒に斬りかかられ、変身が解除される。
「うわぁ!うっ…!」
そして俺の意識は沈んでいった。
「ツカサ!」
雫は気を失ったツカサのもとへ駆け寄る。
「ツカサ!しっかりして!ツカサ!」
するとツカサは急に目を開き、起き上がる。
「ツカサ…!良かった…」
しかし何かが変だった。やけにキョロキョロと辺りを見回しているし、雰囲気がいつもと違った。
「どこだ?ここ」
「つ、ツカサ…なの?」
「ツカサ?⋯あぁ、そういうことか」
するとツカサの髪色が急にピンクに変わる。
「つ、ツカサ?何で急に髪がピンクに?」
「ピンクじゃない。マゼンタだ」
「………は?」
「敵を前に雑談とは…随分と余裕ですね」
「ああ?」
すると彼がぎょろりと、創造主の使徒と名乗った女を睨む。
「うん?あ~、誰かと思ったらエーアストと同じ『あいつ』の使徒か。エーアストと同じで、無愛想っぽい顔したな奴だな」
「どちら様でしょうか。私はあなたと初対面だと思うのですが」
「あぁ、気にしなくていい。単に俺の状況把握能力と情報収集能力が途轍もなくいいってだけだからな」
彼はさりげなく自画自賛をする。
「あ、あなたは…?ツカサじゃないの?」
「あぁ…『今は』な」
「さっさと始めましょう。イレギュラー」
「ああ。そうだな」
そう言うと彼はツカサが使っていたドライバーを取り出す。
だが彼は取り出したドライバーを不思議そうに見つめる。
「……?……つい癖でやっちまったがまさか持ってるとはな」
すると彼はこめかみに手を当てて目をつぶる。
「⋯そういうことか。デザイアの奴、なかなか粋な計らいじゃないか。こいつは…あいつの形見みたいなもんだからな…」
そう言ってどこか悲しげに笑いながら彼はドライバーを腰に巻く。すると彼の腰のバックルの色が彼の髪色と同じマゼンタになり、バックルの左右のサイドハンドルは黒に変わる。
彼は、カードを取り出す。
「 変身 」
『KAMENRIDE DECADE!』
すると彼の姿が、先ほどツカサが変身したライダー、ディケイドに変わる。
「あなたは…」
「なに、ただの通りすがりさ」