目の腐ったSAO2   作:ウルトラマンイザーク

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その後も俺たちは進んだ。

 

「して八幡、我の新しい小説の設定が出来たのだが?」

 

「エイトマンな、今は」

 

一応、訂正しておいたが、多分治らないだろうな。俺だってこいつを剣豪将軍とか呼びたくないし。

 

「で、それが何?」

 

どーせ「別に見せてもいいんだが?」的な腹立つイントネーションで少し上からで言うんだろ?分かってんだよ。

 

「別に見せてもいいんだが?」

 

一字一句間違えずに完封勝利しちゃったよ。

 

「いやそういうのいいから、まずは完成原稿を持ってこいよ。本当にお前その辺は変わってねぇのな」

 

「今回のは自信作なのだ。これが完成すればアニメ化され、声優さんと結婚出来るかもしれん」

 

「アニメ化されても声優さんと結婚は無理だろ。てか、自信作なら早く原稿を書けよ」

 

と、なんだか懐かしいやりとりをしながら廊下を進む。

 

「何々?剣豪さん、小説書いてるの?」

 

突然、リーファが入ってきた。

 

「えっ⁉︎お、おううんはい」

 

おい、返事三回したよ。つーか一発で素に戻るのなこいつ。

 

「今度見せてよ」

 

「え?や、いや……あ、あれは、その……う、うむっいや、はい……」

 

戸惑い過ぎだろ。高校の時より悪化してんじゃねぇか。見ればチラッチラとこっちを見ている。こんな奴、ほっといてもいいとも思うが、ちょっと可哀想で見てられない。

 

「あー、リーファ。まだそいつ原稿書いてないんだ。完成したら見せてやるから」

 

「ゲェッ⁉︎八幡⁉︎」

 

「分かった!楽しみにしてるねー」

 

すると、材木座が俺の肩をいきなり組んでくる。

 

「お、おいどういうつもり?俺に自殺して欲しいの?」

 

完全に素に戻ってるよ。そのまま巣に戻ってくんないかな。

 

「安心しろ。完成したら、って言っただろ。永遠に完成してないって言っとけばなんとかなるだろ」

 

「むぅ……流石屑の王者……」

 

「お前に言われたくねんだよ。つーかお前こそどういうつもり?せっかく女子がお前に声掛けてくれたのに。もう二度とないんじゃねぇのか?」

 

「むう、確かにそれはあるかもしれん。それに少しならサラマンダーの女性と話すことも可能だ」

 

おぉ、少し成長してるじゃねぇか。

 

「だがしかし、それはリアルで顔が見えないから可能なのだ。しかし、彼女らは八幡の知り合いであろう?もしかしたらリアルで遭遇する可能性も無しに非もあらず……」

 

「いやねーから。そういう希望は捨てろって言ったろ」

 

大体、そう思うならまずその中二キャラを捨てろよ。と、思った時だ。

 

「出して……」

 

声がした。見ると、氷の檻に入れられた女性が中にいた。わ、罠臭ぇーー………。同じ事を思ったのか、助けようとするクラインの襟をキリトが掴んだ。

 

「罠だ」

 

「罠よ」

 

「罠だね」

 

キリト、シノン、リズと謎のジェットストリームアタックが決まる。

 

「お、おう……罠だよな。……罠、かな?」

 

クラインが言う。ちなみに材木座も隣で「罠なの…?」みたいに呟いていた。だが、更にそのバカマンダー2人に、

 

「罠だよ」

 

「罠ですね」

 

「罠だと思う」

 

と、アスナ、シリカ、リーファと言った。いや実際、罠だとは俺も思う。そのまま俺たちが通り過ぎようとした時だ。

 

「幻紅刃閃ァァァァッッッ‼︎‼︎‼︎」

 

気が付けば材木座が檻を壊していた。今まで、何回材木座に殴りたいと思ったかは分からないが、今回はぶっちぎりでイラっとした。

 

「おい、材木座……」

 

文句をいってやろうと口を開きかけた時だ。俺の前にクラインが出て来て、材木座の手を熱く握った。

 

「おい剣豪!お前ならやってれると、思ってたぜィ!」

 

「むは?むははははっ!我くらい偉大になるとこれくらい当然の事であろう!」

 

………バカマンダー同士、分かり合えたようで何より。イイハナシダナー。見れば全員が大きくため息をついていた。

 

「なんか、すまんな……」

 

代わりに謝っておいた。

 

「気にするな。悪いのはエイトマンじゃない」

 

で、材木座は腹立つ声でNPCに手を差し出した。

 

「ありがとう、妖精の剣士」

 

「弱き民を助けるのも、将軍の努めよ。気にするな」

 

あー……こ、殺してぇ……。

 

「私はこのまま城から逃げるわけにはいかないのです。巨人の王スリュムに盗まれた、一族の宝物を取り戻すために城に忍び込んだのですが、三番目の門番に見つかり、捕らえられてしまいました。宝物を取り返さずして戻ることは出来ません。どうか、私を一緒にスリュムの部屋に連れていって頂けませんか」

 

「え?う、うむ……」

 

で、俺を見る材木座。俺に判断を委ねられても困るので俺はキリトを見た。すると、ため息をつくキリト。

 

「はぁ……分かったよ剣豪さん……」

 

「ふむっ…妥当な判断と言えよう……」

 

「む、ムカつく……」

 

「抑えろキリト」

 

そんなわけで、新たな罠丸出しの仲間が出来た。

 

 

 

 

 

 


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