仮面ライダー555 外伝 ―灰翼のモルフォ―   作:木崎真帆

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# 仮面ライダー555 外伝

# 灰翼のモルフォ

## 第3話「選択」

**人間だから善い。**

**オルフェノクだから悪い。**

**そんな簡単な話なら、私は苦しまない。**

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第3話「選択」

## Scene.1 誘い

 

翌日。

 

仕事を終えた真綾は、相沢から渡されたメモを取り出していた。

 

午後七時

 

○○倉庫街

 

行くべきなのか。

 

迷った末、真綾は倉庫街へ向かう。

 

相沢はすでに待っていた。

 

「来たか。」

 

「……約束ですから。」

 

相沢は笑う。

 

「今日は"仲間"を紹介する。」

 

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## Scene.2 もう一つの日常

 

廃工場を改装した古い建物。

 

中には数人の男女がいた。

 

一見すると普通の人間。

 

会社員。

 

大学生。

 

花屋の女性。

 

工場勤務の男性。

 

年齢も職業もばらばらだった。

 

「紹介する。」

 

「みんなオルフェノクだ。」

 

真綾は言葉を失う。

 

「……え?」

 

花屋の女性が笑う。

 

「そんな顔しないで。」

 

「普通に生活してるだけ。」

 

大学生も笑う。

 

「講義は眠いよ。」

 

工場の男性は缶コーヒーを差し出した。

 

「飲む?」

 

昨日までなら信じなかった光景だった。

 

怪物ではない。

 

普通の人たちだった。

 

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## Scene.3 食卓

 

夕食。

 

狭いテーブルを囲む。

 

誰も人間を襲う話などしない。

 

仕事の愚痴。

 

恋人の話。

 

失敗談。

 

笑い声。

 

真綾は思わず言う。

 

「普通なんですね。」

 

花屋の女性が笑った。

 

「元は人間だもの。」

 

「変わるわけないじゃない。」

 

しかし。

 

部屋の空気が少しだけ重くなる。

 

一人の男性だけが黙っていた。

 

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## Scene.4 思想

 

その男性が立ち上がる。

 

四十代。

 

無精ひげ。

 

「綺麗事だ。」

 

部屋が静かになる。

 

「人間は俺たちを受け入れない。」

 

花屋の女性が言う。

 

「そんなこと……。」

 

「ある。」

 

男は即答した。

 

「正体がバレた瞬間。」

 

「家族も。」

 

「会社も。」

 

「全部失った。」

 

誰も反論できない。

 

男は真綾を見る。

 

「お前もそうなる。」

 

「まだ人間を信じるか?」

 

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## Scene.5 答えられない

 

真綾は静かに俯く。

 

事故以来。

 

誰にも真実を話していない。

 

もし話したら。

 

博物館は。

 

同僚は。

 

どう思うのだろう。

 

「私は……。」

 

言葉が出ない。

 

相沢が助け舟を出す。

 

「答えは急がなくていい。」

 

「みんな最初は迷う。」

 

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## Scene.6 襲撃

 

突然。

 

ガラスが砕けた。

 

「!」

 

黒い戦闘服。

 

スマートブレイン特殊部隊。

 

「確認。」

 

「オルフェノク反応多数。」

 

「排除ではない。」

 

「捕獲を優先。」

 

一斉に建物へ突入する。

 

部屋は混乱する。

 

花屋の女性が叫ぶ。

 

「逃げて!」

 

相沢は真綾を見る。

 

「変身するぞ!」

 

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## Scene.7 モルフォオルフェノク

 

ドクン。

 

リバースハートが鼓動する。

 

皮膚がひび割れる。

 

灰色の甲殻。

 

背中の石化した翅。

 

胸には蝶の翅脈を思わせる紋様。

 

腰にはオルフェノクレスト。

 

白く輝く複眼。

 

モルフォオルフェノク。

 

一方、相沢もキングフィッシャーオルフェノクへ変身する。

 

特殊部隊が叫ぶ。

 

「目標確認!」

 

「モルフォオルフェノク!」

 

「捕獲開始!」

 

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## Scene.8 人間を傷付けられない

 

隊員たちは電磁ネットを撃つ。

 

真綾は避ける。

 

しかし攻撃できない。

 

相手は人間だ。

 

相沢が叫ぶ。

 

「ためらうな!」

 

「でも!」

 

「向こうは俺たちを殺す気だ!」

 

「違う!」

 

「捕まえる気です!」

 

真綾はなおも反撃できない。

 

隊員の一人が至近距離まで迫る。

 

銃口が向けられる。

 

「動くな!」

 

その瞬間。

 

一人のオルフェノクが隊員を突き飛ばした。

 

無精ひげの男だった。

 

「逃げろ!」

 

男は集中砲火を浴びる。

 

体中に弾丸を受ける。

 

それでも立ち続けた。

 

「俺たちは……。」

 

「生きたいだけなんだ。」

 

最後の一撃。

 

男の身体に無数の亀裂が走る。

 

風が吹く。

 

灰となって崩れ落ちた。

 

真綾は目を見開く。

 

「そんな……。」

 

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## Scene.9 すれ違う正義

 

特殊部隊は撤退を開始する。

 

「目標の回収失敗。」

 

「次回作戦へ移行。」

 

彼らもまた命令に従っているだけだった。

 

相沢は灰を見つめる。

 

「また一人……。」

 

花屋の女性が泣き崩れる。

 

真綾は何も言えない。

 

誰が悪いのか。

 

分からなかった。

 

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## Scene.10 決意の芽

 

帰り道。

 

夜風が吹く。

 

相沢が言う。

 

「今日見ただろ。」

 

「人間にも。」

 

「オルフェノクにも。」

 

「守りたいものがある。」

 

真綾は静かに頷く。

 

「でも……。」

 

「私は、どちらも傷付けたくない。」

 

相沢は少し笑う。

 

「難しい道だ。」

 

「だけど。」

 

「それがお前の答えなら。」

 

「貫いてみろ。」

 

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## ラストシーン

 

その頃。

 

スマートブレイン本社。

 

会議室。

 

幹部が報告する。

 

「モルフォオルフェノク。」

 

「予想以上に戦闘能力が高い。」

 

別の幹部が静かに言う。

 

「捕獲は中止だ。」

 

部屋が静まる。

 

「排除に変更する。」

 

モニターに映る真綾の写真。

 

赤い文字が重ねられる。

 

**TARGET**

 

**MORPHO ORPHNOCH**

 

**ELIMINATE**

 

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真綾はまだ知らない。

 

人間にも。

 

オルフェノクにも。

 

居場所を持たない自分が、

 

これから本当の「選択」を迫られることを。

 

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**第4話「灰翼」へ続く。**

 

 

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