仮面ライダー555 外伝 ―灰翼のモルフォ―   作:木崎真帆

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# 仮面ライダー555 外伝

# 灰翼のモルフォ

## 第4話「灰翼」

**私は何者なのか。**

**人間なのか、オルフェノクなのか。**

**その答えを探していた。**

**でも、本当に必要だったのは――自分が何者かではなく、どう生きるかだった。**

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第4話「灰翼」

 

 

## Scene.1 追われる存在

 

スマートブレインによる「モルフォオルフェノク排除命令」。

 

それから数日。

 

九条真綾は、人目を避けるようになっていた。

 

博物館には行けない。

 

同僚に会うこともできない。

 

街を歩けば、誰かに見られている気がする。

 

ベンチに座り、人々を眺める。

 

笑う家族。

 

帰宅する会社員。

 

友人と話す学生。

 

昨日まで当たり前だった光景。

 

今では遠い世界のものに感じる。

 

「……私は、もう戻れないのかな。」

 

手を見る。

 

人間の手。

 

しかし、その奥には異形の力が眠っている。

 

---

 

## Scene.2 失われた日常

 

真綾は夜の博物館へ向かう。

 

誰もいない展示室。

 

暗闇の中、かつて自分が修復していた標本を見る。

 

モルフォチョウ。

 

青い翅。

 

死んだ後も、美しさを残す存在。

 

真綾は静かに呟く。

 

「あなたも……一度死んでいるのに。」

 

「どうして、こんなに綺麗なんだろう。」

 

その時。

 

背後から声。

 

「君も同じだ。」

 

振り返る。

 

相沢透。

 

「相沢さん……。」

 

「死んだ後に生まれ変わった。」

 

「でも、それで前の自分が消えたわけじゃない。」

 

真綾は黙る。

 

---

 

## Scene.3 オルフェノクとして生きる者

 

相沢は真綾をある場所へ連れて行く。

 

そこは以前訪れたオルフェノクたちの隠れ家。

 

しかし。

 

そこには誰もいなかった。

 

壁。

 

家具。

 

生活の跡だけが残っている。

 

「……みんなは?」

 

真綾が尋ねる。

 

相沢は答えない。

 

しばらくして。

 

「移動した。」

 

「スマートブレインに知られたから。」

 

真綾は息を呑む。

 

「私のせい……?」

 

「違う。」

 

相沢は首を振る。

 

「俺たちはずっと追われていた。」

 

「お前が来る前から。」

 

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## Scene.4 灰になる理由

 

相沢は続ける。

 

「オルフェノクっていうのは、強い奴だけが生き残る世界じゃない。」

 

「覚醒に耐えられない奴もいる。」

 

真綾は第2話で見た光景を思い出す。

 

灰になったオルフェノク。

 

「生きたいと思っても、生きられない奴がいる。」

 

「だからこそ……。」

 

相沢は真綾を見る。

 

「力を持った奴が、何をするかが重要なんだ。」

 

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## Scene.5 スマートブレインの刺客

 

その時。

 

街灯が消える。

 

暗闇。

 

聞こえる足音。

 

「九条真綾。」

 

低い声。

 

「スマートブレインの命令により、拘束する。」

 

現れたのは、一人のオルフェノク。

 

黒い甲殻。

 

鋭い角。

 

巨大な翼のような腕。

 

「コードネーム――グリフォンオルフェノク。」

 

相沢が警戒する。

 

「高位個体か……。」

 

グリフォンオルフェノクは淡々と言う。

 

「お前たちは理解していない。」

 

「オルフェノクは人間を超えた存在だ。」

 

「ならば、人間に戻ろうとする必要はない。」

 

真綾は睨む。

 

「私は人間だった。」

 

「今も、人間の心を持っている。」

 

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## Scene.6 力を求める者

 

グリフォンオルフェノクは笑う。

 

「心?」

 

「弱さだ。」

 

「力を得たなら、支配するべきだ。」

 

「それが進化した者の使命だ。」

 

相沢が前へ出る。

 

「お前みたいなのがいるから……。」

 

「人間も俺たちを恐れる。」

 

二体のオルフェノクが激突する。

 

キングフィッシャーオルフェノク。

 

グリフォンオルフェノク。

 

激しい戦い。

 

しかし。

 

グリフォンの力は圧倒的だった。

 

相沢が吹き飛ばされる。

 

---

 

## Scene.7 モルフォの覚醒

 

グリフォンが真綾へ迫る。

 

「選べ。」

 

「人間を捨てろ。」

 

「我々の側へ来い。」

 

真綾は立ち上がる。

 

身体は傷ついている。

 

それでも。

 

「嫌。」

 

「私は、あなたたちの言う"進化"を選ばない。」

 

「でも、人間だけの味方になるつもりもない。」

 

グリフォンが止まる。

 

「何?」

 

真綾の胸が強く鼓動する。

 

ドクン。

 

ドクン。

 

リバースハート。

 

「私は……。」

 

全身へ亀裂が走る。

 

灰色の甲殻。

 

石化した翅。

 

白く輝く瞳。

 

しかし、今までとは違う。

 

背中の翅状装甲が完全に展開する。

 

灰色の石の翼。

 

そこには蝶の翅脈のような模様が浮かぶ。

 

腰のオルフェノクレストが輝く。

 

モルフォオルフェノク。

 

完全覚醒形態。

 

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## Scene.8 灰翼

 

グリフォンは驚く。

 

「その姿……。」

 

「ただのオリジナルではない。」

 

真綾は静かに答える。

 

「私は怪物になった。」

 

「でも。」

 

「だからって、怪物として生きる必要はない。」

 

背中の灰翼が広がる。

 

空気が震える。

 

舞い散る灰色の粒子。

 

それは破壊ではなく、まるで蝶の羽ばたきのようだった。

 

---

 

## Scene.9 決着

 

グリフォンが突撃する。

 

真綾は避けない。

 

真正面から受け止める。

 

力比べではない。

 

意志の戦い。

 

「なぜ戦う?」

 

グリフォンが問う。

 

真綾は答える。

 

「守りたいから。」

 

「人間も。」

 

「オルフェノクも。」

 

「どちらかを選ぶんじゃない。」

 

一撃。

 

グリフォンの甲殻に亀裂が走る。

 

「そんなもの……幻想だ。」

 

「かもしれない。」

 

「でも。」

 

真綾は拳を握る。

 

「幻想だとしても、私は信じる。」

 

グリフォンは静かに崩れ落ちる。

 

灰になりながら。

 

「……理解できないな。」

 

「そんな生き方……。」

 

風が吹く。

 

灰が夜空へ消える。

 

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## Scene.10 決意

 

戦いの後。

 

相沢が尋ねる。

 

「後悔してるか?」

 

真綾は首を振る。

 

「怖いです。」

 

「これからも。」

 

「ずっと追われるかもしれない。」

 

「でも。」

 

夜空を見る。

 

「私は九条真綾です。」

 

「モルフォオルフェノクになった九条真綾。」

 

「それが、今の私です。」

 

相沢は微笑む。

 

「やっと決まったな。」

 

---

 

## ラストシーン

 

スマートブレイン本社。

 

モニターには、完全覚醒したモルフォオルフェノクの姿。

 

研究員が震えながら報告する。

 

「能力値……想定以上。」

 

「彼女は危険です。」

 

画面を見つめる男。

 

「違う。」

 

「危険なのは力ではない。」

 

「彼女が……。」

 

「オルフェノクの未来そのものになる可能性だ。」

 

---

 

真綾はまだ知らない。

 

最終的に問われるのは、

 

人間か。

 

オルフェノクか。

 

ではない。

 

ただ一つ。

 

**この命を、どう使うのか。**

 

---

 

**最終話「灰翼の行方」へ続く。**

 

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