ブルーロック 凡人憑依の大魔王   作:サッカーの魔王

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もう少し、落ち着いて考えれば良かった。

 

《【高校サッカー】松風黒王高校、まさかの決勝戦にて敗退》

 

(……ッ)

 

 ……俺は負けた。

 

 コンディションは悪くなかったと思う。特段、油断もしていなかった。……いつも通りの対策に、いつも通りの準備もした。

 

 相手は一難。去年に二点差で勝利したチーム。…楽勝とまではいかなくても、全国を前提に考えていた僕は、油断さえしなければ勝てるだろうとその時は思っていた。

 

 試合が始まり、前半12分に一点の先制を取られてしまい、チームに動揺が少し走ったが『俺がゴールを決めていくから大丈夫』と言い、チームの動揺はすぐに収めた。

 

 

 

 いつも通りにゴールを決めれば、大丈夫だと思っていた。

 

 

 だが相手のマークはキツく、ボールが俺に来ることが少なかった。

 

 

 長時間、点が動かない中、仲間の懸命なパスでどうにか一点をもぎ取り。

 

 

 タイムの途中でチームで気合いを入れ直し、フィールドに立った。

 

 

 ……だが時間が刻々と、逆転の為に時間が足りないのに。

 

 

 ボールを追い求め走って、走って、走って……

 

 

 チャンスを作ってくれた先輩にパスした時、同時にミスを自覚した。

 

 

『潔世一がそこに居た』

 

 

 ……背筋が冷たくなり、すぐに追いかけたが、ボールは既にゴール前まで運ばれた。

 

 『どうして』『何で見えていなかった』『先輩の顔、焦っていた』『俺だけ見えていなかったのか』『そう言えば、視野が広かったな』ぐるぐると頭の中を思考が巡った。

 

 

 

 

ピーーー

 

 

 

 

『おかしいな。……なんでみんな、同じ方向を見ているんだ?』

 

 

 

 

 

残り時間、5分

 

 

 

 

 

 チーム、……俺の中の糸が切れる音がした。

 

◾️

 

 試合に勝った俺は、勝利の余韻に浸りながら家に帰って行った。

 本当に嬉しかった! あの日本の宝! 吉良涼介に勝ったことに。本当にあの時、監督を説得し、チームのやり方を変えて良かったァ!!

 

 ……まぁ、未だにチームのパサーとして動いているけど。

 

 いやね? 俺だって本当はエースとして個人三得点(ハットトリック)とか決めたかったよ。だけど監督とチームの理念がマジでブレない! つーか何で俺以外の全員がここまで考え方が一致してんだよ、めちゃくちゃ怖ぇよ! 運命共同体か!? 本当にこの高校選んだの間違いだったかもしれねぇ。強豪なのと家がかなり近いのと推薦貰ったのと練習スペースと設備が整っている以外に良いところがねぇし! ……それでも俺は諦めずに何度もCFW()主体のやり方のメリットとデメリット、デメリットのカバー案、そして俺がそんだけ頑張りたいって説明した…のに。……それなのに、『ははは! 目立ちたがりかー?』って……

 

 

 

 

 

あぁ、そうだよ!!! 目立ちたいよ!! 吉良みたいにバンバン点取りまくって、取材とかされたいよ。未だに中学の時の『潔すげー!』とか『カッコいい』とか言わた時のちょっとした自尊心とか、スーパーゴール決めた時の快感をもう一度味わいたいよ!!!

 

はぁ はぁ はぁ 

 

 少し叫んだせいで小学生に逃げられた。やべ、近所にクレームとか来たら怖ッ。

 

 その後、俺は何であんなアホなことをしたのかを、後悔しながら家に帰った。

 

 

 

 

 え? 日本フットボール連合に手紙!?

 

◾️

 

 

JAPAN FOOTBALL UNION

日本フットボール連合

 

 

(……多分、ここだよな?)

 

 正直、何で俺が選ばれたのか……。一応あるは、俺、吉良倒したわ。それが理由か?

 

 

 「……あっ」

 「ん?」

 

 

 声に振り返ると、吉良涼介が居た。

 

 

「……」

「……」

 

 

 いや、気まずッ!! この前、試合で負かした相手と会話するなんて、口下手な俺にはキツッ。

 

 

「……あー、潔くんだよね、一難の」

 

「………うん」

 

「こないだは参ったよ。いきなりいるんだもん。あーてかっ俺、知ってる?」

 

「…松風黒王高校、吉良涼介。こないだに勝った……」(あっ、勝ったって言っちゃった)

 

「そうそう。てか、潔くんも貰ったの。招待状」

 

「……」コクッ

 

「やっぱり! 俺も貰ったけど何の為に集合したのか全然わかんねーし。知ってる人がいて少し安心したよ」

 

 ……吉良涼介、めっちゃ喋る!! 日本の宝ってテレビや新聞の取材に出てるせいかコミュ力が高ぇー。気まずい雰囲気にしない為に色々と話しかけてくれているのか?

 

「これからヨロシク、潔くん!」

 

 吉良は手慣れたように道を進み、指定された場所の扉を開けた。

 

「なーんか見たことある奴いるなぁ……」

 

 ……そうだな。後、やっぱり見た目が派手な奴が多いなぁ。赤、青、黄色、緑、橙色、紫……、髪と目色だけでも、とんでもないなぁ。……まぁ俺と吉良も人のこと言えないけど。

 

「おっ、青森のメッシ。西岡もいるじゃん」

 

 後、吉良はよくそんなスラスラと人の紹介できるな。

 

 

フッ

 

 

 明かりが消えた? 

 

 

ゴッ

 

 

「えーあ、あーあ

 

 おめでとう才能の原石共よ。

 

 

バン

 

 お前らは俺の独断と偏見で選ばれた優秀な18歳以下のストライカー300名です。

 

 そして俺は絵心甚八。

 

 日本をW杯優勝をさせる為に雇われた人間だ」

 

 ……マジでか?

 

 そこからの絵心の演説……いや、イカレタ暴論が始まった。

 やれ、世界一のストライカーだ。

 点を取ったやつが一番偉いだ。

 世界一のエゴだ。

 

 

 

 

 だが。コイツの理論には筋が通っていた。もし日本に、ノエル・ノア──世界一のストライカーが居たとしたら。……そんな、日本中のサッカーファンが、無意識的に、……いや口にするのも馬鹿馬鹿しい理想を、コイツは無理やりにも作ろうとしている。俺たち300人を使って。

 

 

 ……青い監獄(ブルーロック)の言葉。この瞬間、この男が漫画の人物であることは理屈で理解した。

 

 

 そしてそれ以上にこの男の言葉にどうしても心臓が動かされる。

 

 

 ……俺は世界一のストライカーに、特別な興味も感情もある訳じゃない。

 

 

 

 

 

 

 たが

 

 

 

 

 「そんなイカれた人間(エゴイスト)だけ、この先を進め」

 

 

 この先になにがあるか! この先で俺は強くなれるのか!!

 

 

 

 

 

 

 

 それが”ストライカー”だろ?」

 

 

 

 何があるか見てみたい!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◾️

 

 おかずが納豆だけとか死ぬは!!!

 

 

 

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