「異次元の人」——高度魔法文明に住むエルフです、なぜか異世界召喚されました。 作:白木ケイ
——前書き
はじめまして(そうでない方はあらためまして)、私は白木ケイです。
これは私の初作品です。そして一部テンプレで見られる単語がありますが、全体としては他に類を見ないオリジナルの世界観(のつもり)です。
(その割に、どこかで見た状況とか設定は多いかもしれませんが……)
なので素人の私が書くのはとても難しい題材だと思います。
でも頑張って作った小説なので、読んでくださると、すごくすごく嬉しいです。
そしてなんと、このプロローグは続きである1章-1とその裏(全28話)が投稿された後に追加されたプロローグです。
順番が少しおかしいです。そのせいで矛盾してるかもしれません。いずれ修正しますので、まあご愛嬌ということで。
登場人物紹介(ごく一部)
主人公(本名不明)
高度魔法文明エルガルド共同体に住むルガル種(人間種)。ファッションでエルフの姿をしている。
これから、彼が受けている基礎教育課程の課外活動を行うために、転移ポータルへ向かっている最中らしい。
紹介終わり。
ちなみに、白木ケイは感想にて私の作品の批判や否定を行うことは大歓迎です、しかし周囲の目にはご注意ください。
では、よろしくお願いします。
プロローグ 祝福された送別1
俺は今、同居人のラニレアが操縦する航空機に搭乗している。
機内にはもう一人、俺の保護者もいる。
ラニレア曰く、この機体はプロペラのないヘリコプターだそうだ。そして実際にヘリコプターとされる画像を彼女が見せてくれたが、確かに似ていた。
ただし、この機体のエクステリアは資料のものとは異なる。
機体を正面から見れば、ダイヤモンドをひっくり返したような形だ。側面を見ればその先端は鋭角であることがわかるだろう。そして頂点は鈍角で、ローター部分には菱形の大きな尾翼が付いている。
これを製作した芸術家の友人曰く、なんかスタイリッシュでかっこいいからこのエクステリアにしたらしい。
俺もそう思う。バランスよく角張った形状が実にクールだ。
さらに言えば、飛行中の振動はほぼなく、騒音もない。現に俺達は飛行中、会話の際に特に特別な道具や魔法を使用することはなかった。
しばらく飛行していて、会話することもなくなったため、今日初めて機内に静寂が訪れる。
俺は窓の外の景色を見た。しかし特に変わり映えしない。建造中の豪華客船とやらが見えるだけだ。
特に何もすることがなくて暇なので、なんとなく俺の半生でも振り返ってみるか。
出身地であるエルドアル連合国で俺は十数年間も生きた。不幸にも生き残り続けた。
ただし、言語能力は皆無で、醜い化け物の外見を持つ実験生物として。
多分感情の働きも歪だったはずだ。
俺を醜悪な形にしたのは実の家族だ。ゴミ共は実に楽しそうに、俺の魂を弄り回してきた。
これ以上は思い出したくない。
心の内側が気持ち悪いほどに粘り気のある、重苦しい殺意一色に染まるのはよくないからな。
本当によくない。
幸いなことに現在、実のゴミ共はなんの因果か更生しているらしいのだ。
現に、俺の後に両親が生んだ子供については、一般的な家族として差し支えない関係性であるらしい。
さて、唐突に当たり前の常識を確認させてもらうが、人を殺すのは非常によくないし、絶対に許されるべきことではない。
これについて俺は無条件で全面的に同意する。
いくら保護者が、俺の家族案件に関する全ての裁判権を与えてくれたとしても。そのおかげで、俺の復讐に関するありとあらゆる行為が全て合法化されているとしても。
いくらなんでも人殺しはよくない。とてもよくないが、例外はある。
それは俺の実の家族、つまり俺の敵だけだ。
俺は心の底に溜まる暗い復讐心を一旦無視する。
さて半生の続きだ。
俺はふとしたきっかけで出身地からエルガルド共同体への亡命に成功した。
今は亡命してからエルガルド標準時間で27年目になる。
最初の6年ほどはリハビリ生活だ。化け物の外見を元に戻しつつ、言語能力を徐々に獲得していく療養期間だった。
療養を経て、おれは健康に戻れた、というか初めて人間になれた。
俺の人生の始まりはここからだ。
そして俺は、亡命先のエルガルド共同体で義務となる基礎教育課程の学習を始めた。
最初は大変だった。何もわからず、新しい体はうまく動かせず。後遺症でしばらく言葉を発することができなかった。
そんな俺を養うだけでなく、学習のサポートとしてわかりやすい講義までしてくれた俺の保護者には感謝してもしきれない。
そして、少し前に学習開始から20年の節目が経過した。
なぜ節目かといえば、実地での課外活動が開始されるからだ。
あと、その間に複数の友人達もできた。彼ら彼女らには本当に感謝している。一緒に何度か馬鹿なこともやらかせた。
その度に店長や保護者に怒られた。
あとなぜか最高機密閲覧資格を貰い、第七等犯罪者勲章も叙勲された。
仮構成員の俺だと普通こんなの貰えないはずなのに。
まあ、総じて振り返ればいい思い出だ。
そして今日、俺は基礎教育課程での課外活動の一貫として、とある魔法儀式の運営役として仕事をする。仕事といっても、軽い研修のようなものだ。
今俺が乗っている機体の目的地はその仕事先へ繋がる転移ポータルだ。
到着次第、転移で移動する。
やがて機体は目的地付近の空域へと到着した。ここで一時的に、機体は空中で静止する。
今、越境審査が行われている。それはこのエリアと先のエリアの境に設けられた検問を越えるためのものだ。
といっても特に時間はかからない。
俺が飲み物を一口含めばそれだけで、目的地を含むエリアの航空管制を担当するシステムオペレーターより侵入許可の連絡が入る。
そして機体はラニレアの操縦により、再度加速を開始する。
ラニレアの操縦を横目で観察する俺は思う。
彼女はもうマニュアル操縦であっても慣れたものだ。いつかのような墜落事故が起こることはないだろうと。
まもなく目的地だ。
先ほどの俺の安心に応えるように、ラニレアは管制システムオペレーターからの誘導に従い、流れるように指定されたプラットフォームへと機体を着陸させていく。
その際に不快な衝撃はない。機体に内蔵された空間位置および重力を制御するリアクションホイールがその動きを緻密に制御しているからだ。
むしろ、あえて滑らかな振動を機内に伝えることで、ストレスなく機体が着陸したことを教えてくれる。
そして機内で俺の横の座る保護者が着陸を確認した後、手元の作業を止めて声を出す。
「じゃ、行くよ。あとラニは機体を博物館に持って行ってね」
「了解しました」
俺と保護者はそれぞれ左右側面のドアをすり抜けて、機体の外へ出る。
当たり前だが全ての機体制御システムがダウンするような緊急時以外、わざわざドアを開ける必要はない。
ラニレアは片目で俺たちが降りたことを確認した後、即座に機体の上昇させる。そのまま空中で180度回転し、加速し始めた。
そしてそれは1秒とたたずに音速を超え、さらに速後を上げながら飛び去る。
「ラニは相変わらずだね」
「俺は事故さえ起こさなければ、何も文句はないんですけどね」
これも当たり前だが、加速によるソニックムーブが発生することがないように、機体の周囲の空気は完璧に制御されている。
ついでに、あいつは別れの挨拶を一つも寄越さなかった。同居人のくせに白状な奴め。
まあ冗談だ。家からここに来る移動中に別れは済ませてある。
プロローグ 祝福された送別1、終わり
——備考
・エクステリア
外観のデザインとかのことです。
・最初の航空機の見た目
横から見たのはプロペラのないヘリコプターに似ています。尾翼は一枚の菱形(形状変更可能)です。
参考資料は、最近カナダの次期潜水艦として調達契約がされた、ドイツ海軍、ノルウェー海軍の212CD型潜水艦です。
正面から見た形状がまさにダイヤモンド型で、底面はもう少し平らに近いイメージです。
側面から見る角張った形状のイメージとしては実質爆撃機として運用されてたF117-ナイトホークかな。
よろしければ検索してみてください。
・建造中の豪華客船
別名、宇宙戦艦とも。
全領域対応型。
又の名は、すぐに壊れる鈍重な棺桶。
これに対する主人公の感想
→「軍用の攻撃魔法を行使すれば一発で爆発四散する構造物。まあ、個人の趣味だし作るのは自由だよね」
・主人公にとっての家族(トラウマ注意‼︎)
鬱注意!!
本当に辛い経験(トラウマ)をお持ちの方はこの項を読み飛ばしてください。
主人公は一般的な家族の関係性(親子関係のこと)について、それが一般的なものであることは知識として理解している。しかし、プロローグで語った経験より、心の底からその存在を認めたくない。
つまり、壮絶なトラウマから自身の心の平穏を守るための緊急措置。
Q、つまり主人公にとっての家族とは?
A、人を対象にするには残酷な生物実験を行う科学者と、実験結果によっては死亡するマウスのような関係性。科学者は決してマウスを憐れまない。そこにマウス側の暗い情動を混ぜ合わせたもの。
したがって、非常に良くしてくれた保護者(身元保証人兼、身元引受人)とは、決して家族の関係性ではない。
主人公
→「保護者はあれら(実の家族)とは根本的に異なる大切な恩人」
・保護者「ラニは相変わらずだね」
ここで彼女が起こした事故を振り返ってみましょう。
1、墜落事故件数: 数十件(その度に主人公の友人の一人、製作者である芸術家の女性が快く修理してくれた)
2、人身衝突事故件数: 十件前後(この程度の運動エネルギーでは死傷者は出ません。ただし迷惑はかかるので主人公は毎回頭を下げに行きます)
3、器物破損等の事故件数: もう数えたくない(その度に損害額をラニレアの財布から強制的に補填させた。現在のラニレアにはそこそこの負債がある)
4、交通規制違反: 数回(エルガルド共同体には速度規制はない。お前は一体何を違反したんだ)
以上を踏まえて、高速域でのアクロバッティックな機動飛行を好むラニレア。
これには保護者も半分呆れて、半分面白がっている。
主人公はもう、はるか昔に全てを諦めた。
Q、機体に事故防止用の安全装置やソフトウェアはついていないんですか?
A、もちろん高性能なものが複数ありますよ。でも、ラニレアが操縦する時は全てオフにしているに決まってるじゃないですか。
——後書き
1章-2でエルガルド共同体での日常が書けたので、最初のプロローグを書いてみました。なんか書けました。
おかしいな、昔書こうとした時には既にこのプロローグで出る設定と展開は全てあったんだけど。
まあ作者も成長したんでしょう。
プロローグはその3まであります。
この続きも矛盾が生まれないように少しずつ修正していきます。
いつか、きっと。
白木ケイ