「異次元の人」——高度魔法文明に住むエルフです、なぜか異世界召喚されました。   作:白木ケイ

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——前書き
 いまさらですが、キャラ設定の大半がアドリブで決定されています。
 あとで修正されるかも。


プロローグ 祝福された送別3

 転移ポータル施設の入り口付近で殴り飛ばされたれた俺に対して、保護者と女性体のナトリム教官は声をかけてきた。

 なんでも、重要な打ち合わせがあるとかで今からしばらくは席を外すらしい。

 その間俺はここで待機しているようにとのこと。

 

 ということで、暇になった俺はこの友人二人と絡むことにする。

 

 アミナとロウリ。

 アミナ、彼女は基本的に黒系統の髪と服を好む。

 ロウリ、彼女は基本的に白系統の髪と服を好む。

 とはいえ、基本カラーが黒と白というだけで、全体で見れば明るくカラフルな仕上がりだ。

 その配色パターンは会うたびに変わり、彼女達が共同体のファッションに心の底から熱中していることがわかる。

 あと、二人とも俺より頭一つほど身長が低い。二人が教えてくれたところによると、これは絶対に譲れないこだわりだそうだ。

 

 彼女達はとある方に紹介されて知り合った。当初から不思議な言動ばかりする二人組だ。

 口を開けば、やれ未来の都合がかくしか、共同体崩壊の危機がやばいだの、そのためにはあれこれしろと指示をしてくる。

 まあ、とても不思議な奴らだが、悪い人物ではない。おそらく厨二病を患っているのだろう。

 

 最近では、話しかけてきた二人を俺が小馬鹿にして、アミナが俺に軽い暴力を振るう。

 そして無様に吹き飛ぶ俺を見ながらロウリは笑い、二人で俺を馬鹿にする。

 俺は言い返すものの、二人の正論に対して黙り込む。

 これが俺達3人でするいつもの挨拶だ。

 実際これは楽しいし、さっきのも良かった。

 

 そういえば、出会った時には一悶着あったな。

 しかし、いまではアミナとロウリは俺の大切な友人だ。

 その証拠に。

 

「我々が贈った腕輪を付けている」

「本当に嬉しい。絶対に外さないでね」

「流石に風呂とかでは外すよ」

 

 じゃあ無くさないで。

 二人は声を揃えてそう言った。

 それからしばらく、三人でたわいもない雑談をした。

 自然と笑みが溢れる。やはり友人との時間は落ち着くな。

 にしてもこの転移ポータル施設……結構でかいな。

 

「あと、その腕輪は仕事先で命綱になるから」

「お前が顔を引き攣らせる必要はない。入口でも告げたが、お前が死ぬことはない」

 

 難易度が低いとされる基礎教育課程の課外活動とは一体。

 

「腕輪をなくさなければ」

 

 あ、そういうこと。

 

「脅かさないでくれ、そこまで念押ししなくてもこの腕輪は死守するさ」

「むふー、その言葉を聞けて我は大満足」

「私も嬉しい。でも命には変えられないから、その時は仕方ない」

「だとしても探すから」

 

 そして今度は二人してむふむふ言い始めた。俺はお二人に喜んでいただけて何よりです。

 すると俺の横から話しかけて来る人物が現れた。正確には、三人の雑談の様子をずっと眺めていて、いつ声をかけてくれるのか俺はそわそわしていたのだが。

 

「あなた本当にすごいわね」

「あ、お疲れ様です。店長もいたんですね」

 

 横から話しかけてくれたのは、療養中に大変お世話になった店長だ。

 彼はルガル種であり、特殊なマインドスタイルを持つ人物である。その名はオネエ。

 体は男性でありながら、性自認が女性である人達のことだ。

 エルガルド共同体において体の性別変更は、俺のように特殊な制限を受けている場合を除いて、容易に行える。

 しかしオネエとはあえてそうしないと人達なのだ。

 以前、俺は店長にこう質問したことがある。

 

「なんで店長のようなオネエの方々は女性にならないんですか?」

 

 店長はこう答えた。

 

「そうねえ、一言で表すなら誇りかしら」

「誇りですか」

「そう、とても大事な誇り」

 

 俺はあまりピンと来なかった。

 それを見かねてくれた店長は語る。

 

「私みたいな変わり者はね、不幸なことに生まれ持った体と心の性別が違った」

「でも、あえて体の性別はそのままにする」

「そうよ、そして心のあり方に従って女性として振る舞うの」

 

 やはりピンと来なかった。

 しかし彼は一流の犯罪者として、全ルガル種から尊敬されているすごい人物だ。

 

「店長も保護者に呼ばれて?」

「そうよ、ワタシもあなたの見送りに来たのよ」

 

 そうか。それは単純に嬉しいな。

 俺がまともでなかった頃からお世話になっている店長には本当に感謝している。

 俺の保護者と同レベルで。

 

「ありがとうございます」

「……初めての課外活動、きっと慣れないことだらけで大変だとも思うわ。でも、頑張ってね」

「はい!皆さんの期待に応えられるように頑張ります!」

「そうね……ごめんなさい」

 

 しかし店長はなぜ泣いているのだろうか。なぜ謝るのだろうか。

 

「これはお前が悪い」

「まあ、店長が泣くのもしょうがない」

「なんで?」

 

 二人して、教えなーい。だそうだ。

 やけに様になっているその仕草がムカつく。

 ちょっと痛い目に合わせてやろう。

 俺は二人の頭に拳骨をくらわせるべく、おもむろに位置取りを進めた。

 

「しかし残念、君の浅はかな思惑は成功しなかった」

「ちなみにそれが叶うのはお前が帰還してからだ」

「ぐえ」

 

 俺が両手を掲げた途端に反応しやがって。

 アミナが複数の魔法の行使すると同時に足を掛けて俺のバランスを崩し、生じた隙を見逃すことなく横からロウリに掴まれ、そして投げられた。

 結果、魔法行使による防御が間に合わなかった俺は冷たい無機質な床に倒れている。

 

 ナトリム教官の訓練を受けて成長しても、一生こいつらに勝てる気がしないのはなぜだろうか。

 俺も結構頑張ったのに。

 そして伏したまま立てない。これは感触的にロウリの魔法か。

 

「戻った……なぜ床に倒れている。ほら手を貸してやる」

「ありがとうございます教官」

 

 保護者とナトリム教官がこの場に戻ってきた。

 

「これは時間がかかりそうだな」

 

 これで魔法解除の作業が捗る。教官はそっちをお願いします。

 うん、元々わかってたけど、これ自力解除は絶対無理。

 二人がかりでもかなり厳しい。

 

「ちょっとー、ナトちゃんから最低限は戦えるように鍛えたって聞いたのに。早速倒れるなんてどういうこと?」

 

 俺の様を見た保護者の疑問の矛先は店長だ。

 例の二人組は実にわざとらしく顔を逸らして口笛を鳴らしているのに。原因は明らかにアミナとロウリだろうに。

 俺を心配してくれているのは、そんなにちらちら見なくても十分伝わってるから。

 

「あそこで謎にヘッドスピンをしながら踊っている二人に対して、イタズラを仕掛けた結果こうなってるわね」

「そうなんだ。え、本当に?」

「本当よ」

 

 なんで保護者は俺に化け物を見る目を向けるんですか。あとナトリム教官なんて戦慄しているし。

 魔法の解除をお願いします。やっぱり無理ですか、そうですよね。

 そしてアミナとロウリは手を合わせてイェーイじゃねーよ。

 

「暇なロウリは魔法を解除しろよ、なあ」

「それはちょうど暇しているから、我が解除してあげる、ってロウリは妨害しないで」

「無駄、弱りきったアミナ如きでは私の魔法は解除できない」

「それはロウリもじゃない!」

「おい、無視するなロウリ。というか解除してくれるならアミナでもいいから」

 

 そのまま二人は無言で俺を確認した後にキャットファイトを始めやがった。

 しばらくかかりそうだな。

 なので俺はもう一人解除できる可能性のある人物へと呼びかける。

 

「保護者!」

「ねえ、少しは名前で呼んであげなさいよ」

「いやです店長、これは俺の人生最大の恩人に対する最大限の敬意を込めた呼び方です」

「この子、これ本気で言ってるのよ。可愛いでしょ」

「はあ、処置なしね」

 

 俺の保護者はシステムオペレーターだ。あえて知能を下げた表現をすると、なんかすごい権限を持つかなり偉い人物だ。

 俺の要求はシンプル。俺に掛けられたロウリの魔法を解除すること。

 システムオペレーターである保護者なら、無限に等しいリソースの力押しで魔法の解除ができるはず。

 

「ごめんそれは無理」

 

 嘘だろ。

 

 ——システムより通達。専属担当オペレーターより連絡あり。

 ——応答します。

 ——了解、専用チャンネルを開設。専属担当オペレーターとの会話を開始します。

 ——よう兄弟。お困りのようだな。俺なら解除できるぜ。やろうか?

 ——あんたは呼んでねえよ。というかなんで兄弟呼びなんだよ。いい加減理由を教えてくれよ。

 ——水臭いこと言うならよ兄弟。よし決めた。少し待ってろ、いま助けてやる。

 

「お!」

「ん?」

「「あ、それ待て!」」

 

 相変わらずお前ら息ぴったりだな。

 

 ——とと、お二人からの要請だ。悪いな兄弟。俺にはどうしようもできない。じゃ。

 ——チャンネルが閉じられました。

 

 役立たずの無能オペレーターめ。

 

「選べ、我に解除させるかを」

「アミナを差し置いて私を選べ」

「もう早い者勝ちでいいよ、互いの妨害はなしで」

「ぐぬにー」

「うむもー」

 

 よし、どちらがやったか知らないが魔法が解除された。これで動ける。

 

「立てたか、よかったな。もう一生そのままかと思ったぞ」

「教官、それは大袈裟です」

「本当によかったわね」

「店長、なんか涙もろくなりました?」

「感謝は?」

「なしか?」

「二人ともありがとうね」

「まあよし」

「いいだろう」

 

 おい胸張って偉そうにするな、この原因どもが。

 そして、床に押さえつけられていた部分の肌が久々のシャバの空気を感じている。

 上手いぜ。

 

◇◇◇

 

 なぜか転移ポータルの使用について準備必要とのことらしく、それまで待つことになった。

 しかし、なにもすることがなかったので、アミナとロウリとじゃれあったり、教官と店長と雑談をして暇をつぶした。

 

「よし準備できた」

 

 そしてこの場を設けた保護者がシステムを通じて何事かのやり取りをしたのち、終わりの言葉を告げた。

 

「じゃあ全員とお別れしてねー」

 

 なんか俺の保護者、軽いな。移動中あんなに心配していたのに。

 ということで、この場の五人からの送別だ。

 まずは店長から。

 

「本当にあなたはこれで大丈夫なのよね。今なら引き返せるわよ」

「心配してくれてありがとうございます店長。でもまあ大丈夫です」

 

 それでも店長の心配は真に迫っていたので、追加で言葉を添えておく。

 

「これは俺の意思なので」

「そう」

 

 それっきり店長は黙ってしまった。

 というか、左手を胸に当てて黙礼をした。それは俺が知る限りでは漢の覚悟に最大限の敬意を表するポーズだ。

 申し訳ないけど、俺にそんな覚悟はありません。

 一応、戦闘訓練が必要らしい内容とはいえ、基礎教育課程の課外活動なので。あと、現地に着いたらシステムが保証した信頼できるガイドもいるはずだし。

 

「再度の意思確認は野暮だな。教官として私から言えることは……そうだな」

 

 俺は姿勢を正してナトリム教官の金言を待つ。

 

「お前の仕事で想定される敵の能力は低い。しかし絶対に油断はするな。脇の甘いお前では足元を掬われるぞ」

「はい」

 

 訓練中の癖から反射的に返事をしてしまった。しかし、俺の内心は困惑により暴れ狂っていた。

 え、排除すべき敵がいるの?嘘だよね、何度も繰り返すけど、これ基礎教育課程の課外活動だよね。

 おかしくないですか?

 

「あとは……共同体への貢献に感謝する。以上だ」

「はい!」

 

 それは教官の立場としての送別の定型句だ。なので俺は再び反射的な返答をした。

 

「付け加えるとな、あまり気の利いたことを言えなくてすまん」

 

 どうやらナトリム教官はこういう時になにを言えばいいのかわからないらしい。

 恥ずかしそうに頬を掻きつつ、しかしそのことについてはっきりした謝意を述べた。

 

「問題ありません。教官の言う通り油断しませんが、課外活動ですから」

 

 こういう時は教官自身の素直な思いが伝わればいいんです。それは十分できていますから。

 しかしなおも不安そうにしている教官がいたので、俺は再び言葉を添えた。

 

「もしかしたら教官は知らないかもしれませんが、基礎教育課程の課外活動にはシステム保証のガイドが付くんですよ」

「そうか、ガイド付きか。なら、安心……か」

「ナトリム、ガイドに不満があるのか」

「ナトリム、ガイドを信頼できないのか」

 

 横入りした上に失礼な物言いをしたアミナとロウリに、俺は魔法を行使することで、その場から拳骨を落とす。

 まずは《2行程・因果改変》を行使して拳が当たるという結果を確定させる。

 そしてしっかりと頭の芯に響くように、《加重》および《動作加速》、《衝撃浸透》を行使した。

 よし、くらえ。

 

「痛い」

「まさか」

 

 初めての成功だ。いつもは避けられ、ついでに反撃されているのだが。

 

「不覚にも油断した」

「やられた」

「お前……本当に大丈夫そうだな」

 

 今のやり取りのどこに安心できる要素が?」

 結局、教官の顔が柔らかくなった理由はわからない。

 そして教官はしみじみと、深く頷いている。

 俺的には腑に落ちませんが、まあナトリム教官の不安を取り除けたのならよかったです。

 次は無礼な二人、アミナとロウリ。

 

「また必ず会える」

「その時はまた」

「ああ、よろしく」

 

 言葉は短く、しかし三人で強くハグをした。これで十分だ。

 

「私がしようと思ってたのになー」

「保護者も混ざります?」

「やめとく」

 

 そうですか。

 

「じゃあ私からは、これあげる」

「あげるも何も、移動前に奪った俺の荷物じゃないですか」

「あげる!」

 

 あ、はい。

 俺は受け取った荷物からいくつかの物を取り出して、背嚢を背負う。あと複数の小袋を《収納》しておく。

 小袋の中身は、念の為に用意した食糧や生活用品だ。

 そして水筒を腰のベルトに《接着》して、目を隠すバイザーデバイスを装着しておく。

 耳にかける通信端末は保護者が付けてくれた。

 しかし、元々着ていた紺色ローブと合わせた時の服装のバランス、すごく悪くないか?

 

「ありがとうございます」

「せめて顔を引き攣らせないで」

「ごめんなさい」

 

 なぜか俺は頭を下げて謝罪した。

 そもそもが盗られたものを返されただけなので、少々納得できない。

 

「許します」

 

 まあ、これは餞別と思っておこう。無理筋だが。

 

「それと、初めての仕事だけど頑張ってね。慣れないことだらけで大変だろうけど」

「いや単なる魔法儀式の運営役ですよ。システムとは異なる形の能力強化方式についての。昔は検証が目的でしたが。今は単なる文化遺産の保護以外の何者でもないやつです」

「うん知ってる。魔法儀式関連の仕事だよね」

「そうですよ」

「いざという時は生き残りを最優先にね、基本的には安全が確保されている前提だけど、万が一があるから」

 

 不安になることを言わないでください。

 アミナとロウリは突然俺の側に来てどうした。

 そして二人してなぜ俺を凝視する。

 

「もう一度告げる」

「お前は死なない」

「気休めの言葉をありがとうな」

 

 俺の言葉に対してアミナとロウリは揃って首を横に振った。

 それは強い否定の意思表示だ。

 

「お前の認識には誤解がある」

「これは根拠のある確度の高い予測」

 

 しばらく二人と見つめ合う。そうか、ありがとうな。

 

「余計な肩の力は抜け」

「心配しすぎだ」

「ありがとう」

 

 アミナとロウリが俺の心を軽くした。

 そして、保護者が俺の両肩に手をおいて告げる。同時に、店長とナトリム教官が物理的に背中を押してくれた。

 

「じゃあ、いってこい」

「いってらっしゃい」

「また後日、必ず会おう」

 

 俺は皆に温かく見送られて、転移ポータル施設の無機質で平らな床を前に進む。

 冷たくて硬いな。

 では転移の申請を。

 

 ——システムへ要請、基礎教育課程の課外活動の案件コードを入力。転移ポータルの使用許可を申請。

 ——区域管制システムオペレーターより、案件コードを確認、本人情報を確認。有効資格を確認。施設使用における事前手続き代理人として第六外征任務群・システムセクターの主席参謀長を確認?……元第四部署長を確認⁉︎

 ——はい⁉︎ え、えー!!

 ——システムより通達。区域管制システムオペレーターの一時的な錯乱を確認。彼女が落ち着くまでお待ちください。

 ——システムより通達。彼女は無事冷静になりました。

 

 よかった。

 そして今の保護者は第六外征任務群・派遣部隊でのナンバー3なのか。

 統合システム中枢第四部、署長の仕事はどうするのだろうか。流石に後任がいるか。

 そしてこれは俺が知っていい情報なのか?

 

 ——区域管制システムオペレーターへ質疑。俺の保護者についての情報は非公開情報では?

 ——区域管制システムオペレーターより、質疑内容への検閲を確認しました。私はあなたの質疑内容への閲覧資格を持ちません。以後、案件コードを参照し、その責任者へ繋ぎます。

 ——引き継いだ専属担当システムオペレーターより、兄弟への転移ポータルの使用許可を付与。よう兄弟。質疑を確認したぜ。

 ——あんたかよ。意味のわからない兄弟呼びの人。

 ——そうかっかするなって。そして質疑への返答な。お前に関してはオールグリーンだ。

 ——全てが緑?どういう意味ですか?

 ——あー、伝わんねーのか。じゃあ、言い換えるぞ。

 ——はい。

 ——この案件について、お前には全ての情報への有効閲覧資格が無制限に適用される。お前への非公開情報はない。

 ——はい?

 

 俺はそれを聞いてフリーズした。

 

 ——まあ安心しろ兄弟。俺が責任を持って安全な場所へ送り届けてやる。じゃ頑張れよ、兄弟!

 ——だからなんで兄弟呼びなんだよ!意味わかんねー!

 

 クソこいつ、俺が混乱している隙をついて無理矢理転移させやがって。

 帰還したら一発グーだ。

 それで許してやる。

 

 そうして俺はエルガルド共同体から《転移》した。

 

 プロローグその3 終わり

 序章 祝福された送別〈完結〉




——備考(長くなりました)
・転移ポータルの風景
 可変。そこはどのような風景でも生み出せる。空間容積の広さも可変。
 主人公は特に指定していないので、一面に平らな床が広がるだけ。ちなみに、謎の光で奥の壁は見えない。
 転移の際、魔法陣が浮かび上がる演出などはない。なお希望すれば作ってもらえる。
 閑話休題。
 例えるならここは、出国審査のための検問施設。エルガルド共同体の特殊エリアや、生存圏外へ向かう際に使用するもの。なお、入国審査に該当する施設はまた別にある。
 主人公は課外活動として、エルガルド共同体内での特殊エリアへ向かう予定だった。

・犯罪者(普通の人は就けない、超すごいエリート職業)
 エルガルド共同体に脅威を与えうるとされる存在。そして、共同体において犯罪者とは由緒正しく完全に合法な職業である。
 主なお仕事は、共同体で使用されている統合システムの脆弱性の検証と改善の提言。
 この職業は、決して食い詰めたからなるものではありません。むしろ、システムオペレーターや匠称号を持つデザイナーと並んでとても尊敬を集める職業です。(日本でいう医者や弁護士とかの高度専門職に相当するイメージ)
 共同体では一般に、犯罪者を目指す(⁉︎)人物は各種資格や実務経験など非常に厳しい条件をクリアしなければならない。
 なお、現代日本でいう法を犯した犯罪者については、その存在が許されることはない。
 法に背く行為(日本での犯罪行為)を行う意思もしくは可能性を持った時点でシステムよりその人物の視界はジャックされ、強制的に視界内で明確な警告が表示される。
 警告に従うか、適切な合法化手続き(学術研究や保安演習などの行為目的に関する申請手続きなど)を行わない場合は、厳正な司法判断と即座の法執行を持って必ず粛正される。
 これに逆らうことは基本的に不可能。反抗できる存在に対しては、共同体はその総力を持って排除しにかかる。
 ちなみに、法に基づく司法判断については、とある理由で異常なまでにクリーンである。いわゆる汚職や恣意的運用は存在することができない。
 ついでに、そんなことをする可能性のある人物は、共同体ではそもそもあらゆる職業に就けない。
 そんな彼らに残された道は供給(生産)過剰で崩壊し尽くした市場経済での専業消費者(ニート)のみである。
 ちなみに、ほとんどのモノ・サービスがただ同然です。ついでに、ニート(専業消費者)は結構な割合を占める職業という設定です。

・暇つぶしについて(なんで雑談?)
 Q、高度文明なのにSNSとかゲームとか無いんですか?
 A、もちろん似たようなものを個人で制作するのは簡単ですよ。それこそ誰でもボリュームがあってクオリティが高いものを制作できる環境は作れます。
 しかし、エルガルド共同体の社会ではその系統のものは徹底して排除されています。ルガル種の時間をそのようなことに割くことは安全保障上、システムが許可する行為では無いのです。
 もしあなたが地球のスマホをそのままの形でエルガルド共同体に普及させようとした場合、即刻システムから止めるように警告されます。
 従わない場合は即粛清です、跡形もなくなります。気をつけましょう。

 まあ、スマホとか付随するアプリはすごく便利だけど、時間が溶けますよね。
 エルガルド共同体ではそのような状態を極端なまでに許容しないだけです。

・主人公の知る基礎教育課程の課外活動について
 主人公の知る魔法儀式については別作品にて主題として紹介するつもりです。
 作者がこの世界観と共通した作品をいくつ考えているのかについては聞かないでください。
 いま、異次元の人の完結すら見通せない状況なんです。嘘です、書きたい映像のパターンが多くてどれを採用するのか迷走しているだけです。

——後書き
 この先の1章は、少し既出の情報もあります。これは投稿の順番のせいですね。
 というか作者の怠慢です。
 でも許してください。続きを書きますから。

白木ケイ
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