「さあて、第2種目よ。私はもう知ってるけど、何かしらぁ?何かしらぁ?言ってるそばからこれよ!!」
ミッドナイト先生の後ろの画面に「騎馬戦」と表示された。
「騎馬戦!?俺ダメなやつだ………!!」
「個人競技じゃないけどどうやるのかしら?」
詳細がミッドナイト先生から語られた。
「説明するわ。参加者は2人から4人の騎馬を自由に作ってもらうわ。基本は普通の騎馬戦と同じルールだけど1つ違うのが、先ほどの結果に従い各自にポイントが振り分けられること!!」
「入試みたいなポイント稼ぎ方式か!わかりやすいぜ!」
「つまり、組み合わせによって騎馬のポイントが違ってくると!」
「ええそうよ。そして与えられるポイントは42位が5ポイントとして5ポイントずつ増えていくわ。そして1位に与えられるポイントは!!
「『1000万!!?』」
「そう、上位の奴ほど狙われちゃう下剋上のサバイバルよ!!」
『1位だけポイントを高く、上に行くものほど受難を多くしているのか』
「それじゃあ、騎馬戦のルールを説明するわ。制限時間は15分、振り当てられたポイントの合計が騎馬のポイントとなり、騎手はそのポイント数が表示されたハチマキを装着。終了までにハチマキを奪い合い、保持ポイントを競うのよ。取ったハチマキは首から上に巻くこと!取りまくれば取りまくるほど管理が大変になるわよ!そして重要なのは、ハチマキを取られても、また騎馬が崩れても、アウトにはならないってところ!」
「ってことは………」
「42名からなる10~12組がずっとフィールドにいるわけか」
「しんど………」
「行ったんポイント取られて身軽になっちゃうのもありだね」
「それは全体のポイントの分かれ方見ないと判断しかねるわ、三奈ちゃん」
「競技中は個性発動ありの残虐ファイト。でもあくまで騎馬戦、悪質な崩し目的での攻撃などはレッドカード!一発退場とします!それではこれより15分!チーム決めの交渉スタートよ!」
15分のタイマーが画面に表示された。
『さて、誰と組む?』
「僕が組んでほしいのは………」
「デクくん!組も!」
「麗日さん!ちょうど声をかけようと思ってたんだ!ありがとう!」
「なるべく意思疎通がスムーズにできる人がいいもんね!」
「実は、麗日さんの個性ともう1人である策が思いついたんだ!」
出久と麗日はとある人に声をかけた。
「飯田くん!」
「ん?」
「飯田くんを先頭に、僕と麗日さんで馬を作る。そして、麗日さんの個性で僕と飯田くんを軽くすれば機動性は抜群!」
「なるほど!」
「騎手はなるべくフィジカルが強い人がいいけど、まだ決めかねてる。とにかく、逃げ切りを可能にする策はこれぐらいしか!」
「………さすがだ、緑谷くん。だがすまない、断る。君には負けてばかり、素晴らしい友人だが、だからこそ君についていくだけでは未熟者のままだ。君をライバルとしてみるのは爆豪くんや轟くんだけじゃない。俺は君に挑戦する」
『その作戦は使えなくなったな。どうするいず………』
「私と組みましょう!1位の人!」
「うわっ!!近っ!!誰!?」
突然知らない人が出久に話しかけた。
「私はサポート科の発目明!」
「あのときの変な人!」
「あなたのことは知りませんが立場利用させてください!」
「あ、明け透け!?」
「あなたと組むと必然的に注目度がNo.1になるじゃないですか!そうすると必然的に私のドッ可愛いベイビーたちがですね大企業の目に留まるわけですよ!それってつまり大企業の目に私のベイビーが入るってわけなんですよ!」
「ちょ、ちょっと待って!ベイビーが大企業?何を………」
「それでですね!あなたたちにメリットはあると思うんですよ!サポート科はヒーローの個性をより扱いやすくする装備を開発します!私ベイビーがたくさんいますのできっとあなたに見合うのがあると思うんですよ!」
『………出久、一旦話を止めさせろ』
「あ、これなんかお気に入りでして、とあるヒーローのバックパックを参考に独自の解釈を入れて作った………」
「それひょっとして、バスターヒーロー「エアジェット」!?僕も好きだよ!!」
「ほんとですか!?」
「………即気合っとる」
『………出久、時間を見ろ』
「はっ!!ごめん!!」
そして出久最後にとあるクラスメートに声をかけ、騎馬に引き入れた。
◇ ◇ ◇
「それじゃあいよいよ始めるわよ!」
『15分のチーム決め兼作戦タイムを経て!!フィールドに12組の騎馬が並び立った!!』
『なかなか面白い組みが揃ったな』
『さあ上げてけ、
「麗日さん!」
「うん!」
「発目さん!」
「はい!」
「常闇くん!」
「ああ!」
「鏑!」
『ああ!』
「よろしく!」
『いくぜ、残虐バトルロワイヤルカウントダウン!!』
『3!!』
『2!!』
『1!!』
「スタート!!」
ミッドナイトの声と共に周囲を警戒すると、A組とB組の騎馬が一斉に近づいてくるのが見えた。
『計6チームか、ほぼ囲われているな』
「いきなり襲来とはな、追われし者の定め。選択しろ緑谷!」
「もちろん、逃げの一手!!」
同時に地面がぬかるみ足が沈んだため、B組の個性によるものだと推理しつつ発目のアイテムを起動させた。
「麗日さん、発目さん、顔避けて!」
『後方から攻撃!!』
ジェットパックによりぬかるみから抜け出し、追尾した耳郎の攻撃を常闇の
「いいぞ!!ダークシャドウ、常に俺たちの死角を見張れ!!」
「アイヨ!!」
「すごいよかっこいい!!僕らに足りなかった防御力、それを補って余りある全方位中距離防御!!すごいや!!常闇くん!!」
「………選んだのはお前だ」
「着地するよ!!」
麗日以外を浮かすことで総重量を減らし、アイテムを長時間使えるよう負担を減らす。よく考えたものだ。
「どうですか私のベイビーたちは?可愛いでしょう!可愛いは作れるんですよ!」
「機動性バッチリ!!すごいよベイビー!!発目さん!!」
「でしょう!!」
「………浮かしとるからやん」
『さあ!!まだ開始から2分と経ってねえが、早くも混戦混戦!!各所でハチマキ奪い合い!!1000万を狙わず2位から4位狙いってのも悪くねえ!!』
着地すると、障子が走ってきた。
『出久!!障子の背中に人影が2つ!!』
「あの覆われた手の中に2人隠れてるのか!?」
『形状からしておそらく峰田と蛙吹だ!!』
「一旦距離を取れ!!とにかく、複数相手に立ち止まってはいかん!!」
「何?取れへん!」
「『これは!!』」
麗日を浮かす装置の裏に、障子の背中から投擲された峰田のもぎもぎがくっついていた。そこから峰田のもぎもぎと蛙吹の舌による攻撃が襲来した。
『峰田チーム!!圧倒的対格差を利用しまるで戦車だぜ!!』
「緑谷!!離れろ!!」
『離脱に集中しろ!!誘導する!!』
私が首を引いて全て避けきった間に、無理やり麗日の履くアイテムを起動した。無事に空中に回避することはできたが、代わりにそのアイテムが壊れた。
「ああーー!!ベイビーが千切れた!!」
「ごめん!!でも離れられたよ!!」
『出久来るぞ!!勝己だ!!』
空中にまだいるのにもかかわらず、勝己が騎馬を捨てて飛んできた。
「調子乗ってんじゃねえぞ!!クソが!!」
「常闇くん!!」
勝己の攻撃をダークシャドウが代わりに受けて無効化し、その間に勝己は瀬呂のセロハンによって回収されていった。
『ああァ!!?騎馬から離れたぞ!?いいのかアレ!!』
「テクニカルなのでOKよ!地面に付いてたらダメだったけど!」
地面に降り立つと、私たちに轟の騎馬が近づいてきた。
『さあ!!残り時間8分を切ったぞ!!いよいよ騎馬戦は後半戦に突入!!予想だにしないB組優勢の中、果たして1000万ポイントは誰に
「そう上手くはいかないか」
「そろそろ取るぞ」
「もう少々終盤で相対するのではと踏んでいたが、随分買われたな緑谷」
「時間はもう半分!足止めないでね!」
「飯田、前進!」
「ああ!」
「周囲に気を付けて!仕掛けてくるのは1組だけじゃない!」
他の騎馬も近づこうとしてきたとき、身体の鱗同士の静電気を不意に感じた。
『まさか!!出久!!電気来るぞ!!』
「常闇くん!!」
「ダークシャドウ!!」
「アイヨ!!」
「無差別放電130万V!!」
上鳴によって無差別放電が成されたが、ダークシャドウが代わりに受けきってくれたことでほぼ無傷だった。さらに空気が冷えるのが見えた。
『轟の氷結来るぞ!!』
「飛んで!!」
飛んで氷を回避したが、他の騎馬は氷で身動きが取れなくなっていた。
『なんだ!?何した!?群がる騎馬を轟一蹴!!』
『上鳴の放電で確実に動きを止めてから凍らせた。さすがというか、障害物競走で結構な数に避けられたのを顧みてるな』
『ナイス解説!!』
そのまま逃げ続けていたが出久の背中のアイテムが壊れてしまった。
「パックパクがイカれた!?」
「ベイビー!改善の余地あり!」
「あかん!逃げきれへん!」
「牽制する!」
常闇のダークシャドウによる牽制は八百万によって創造された鋼に防がれた。
「八百万さんの創造厄介すぎる!」
「いや、それ以上に上鳴だ。あの程度の装甲、太陽光ならばダークシャドウで破れていた」
「そうか!上鳴くんの電光!」
「やつの放電が続く限り、攻めでは相性最悪だ。ダークシャドウが及び腰になっている」
『ダークシャドウも及び腰になるんだな』
ここで白線ギリギリに追い詰められた。
『ああーっと緑谷チーム!!もう後がない!!』
「………攻撃力低下、それ向こうには知られてないよね?」
「おそらくな。この欠点はUSJで口田に話したのみ、そしてやつは無口だ」
「知られてないなら牽制にはなる!大丈夫!何としても1000万は持ち続ける!」
『残り時間1分!!轟、フィールドを颯爽としあっという間に1000万を奪取!!とか思ってたよ5分前までは!!緑谷、なんとこの狭い空間を5分間逃げ切っている!!』
轟が左の炎を使わないことを利用し、常に轟チームの騎馬の左側を陣取ることで5分もの間攻撃を避け続けることができていた。
だが、突然飯田の足の温度が上がった。
『何か仕掛けてくる!!』
「え?」
「トルクオーバー!!」
『出久!!来るぞ!!』
「いい………」
出久が返事する間もなく、飯田が突っ込んで来るのが見えた。私は即座に反応し、出久の額のハチマキを捨てて轟の頭に巻き付くハチマキを逆に咥えて奪い取った。
「レシプロバースト!!」
私の対処が速すぎたのか、轟は取られたことに気づいていなかった。
『ぬぅあーー!?何が起きた!?速っ!!速ぁっ!!飯田!!そんな超加速あるんなら予選で見せろよ!!』
「………トルクと回転数を無理やり上げ、爆発力を生んだのだ。反動でしばらくするとエンストするがな。クラスメートにはまだ教えていない、裏技さ。言っただろ緑谷くん、君に挑戦すると」
『逆転!!ライン際の攻防!!その果てを制した轟が1000万!!そして緑谷!!急転直下の0P!!』
「っ!!突っ込んで!!」
「上鳴がいる以上攻めでは不利だ!!他のポイントを取りに行く方が堅実では!?」
慌てて突っ込もうとする出久の頬を叩き、咥えたハチマキを見せた。
「鏑!?いつの間に………ごめん、ちょっと焦ってた」
『轟は取られたことに気づいていない。だが、このポイントで4位以内に入り通過できるのかどうかもわからない。このまま攻撃を続けよう』
「わかった、確実に通過できるように!」
私がハチマキを首に通すと、私がハチマキを取ったことを知らない麗日たちが出久の背中を押した。
「取り返そうデクくん!!絶対に!!」
「うん!!」
一気に轟の騎馬に近づき、出久がワンフォーオールを使った。
「フルカウル15%!!」
「っ!?」
出久は攻撃を実際には当てず、ギリギリを攻めることで轟の防御を崩していった。その攻撃が当たると判断して左の炎を使った轟が一瞬止まった隙に、出久がハチマキを取った。
「これだ!!」
『残り11秒!!こちらも怒りの奪還!!』
「待ってください、このハチマキ違いませんか!?」
「っ!!やられたっ!!」
よく見ると取ったハチマキは1000万Pではなく70Pのハチマキだった。
「万が一に備えてハチマキの位置は変えてますわ!!甘いですわ緑谷さん!!」
『そろそろ時間だァ!!カウントダウンスタート!!』
そしてB組との戦闘を終えた勝己が空を飛んで突っ込んできた。
「クソデク!!」
三つ巴で戦うのかと考えた瞬間、終了が宣告された。
『TIME UP!!第2種目、騎馬戦終了!!早速上位4チーム見てみよか!!』
1位 轟チーム
2位 爆豪チーム
3位 心操チーム
4位 緑谷チーム
『以上の4組が!!最終種目へ!!進出だァ!!』
「よかった………」
「デクくん!?1000万ポイント取れんかったんちゃうん!?」
「鏑のおかげだよ、飯田くんの速さに唯一反応してハチマキを取ってたんだ」
「鏑くんすごっ!!」
「あれに反応したのか!?」
「ありがとう、鏑」
『ギリギリ反応できただけだ。もう少し飯田が速ければ、もう少し私の判断が遅ければ取れてなかった』
『それじゃあ1時間ほど昼休憩挟んでから午後の部だぜ!!じゃあな!!
雄英体育祭が一段落し、昼休憩に移った。