ハーマイオニーとしての5年間は、長いようであっという間だった。明日はついにダイアゴン横丁へ行く日だ。
てことで杖をゲットする前に、今日は修行の成果を発表します、いぇーい!
いつもの修行は人が全然来ない裏山でやっている。さらに、裏山の一部をコンフリンゴで切り拓いて、平地の訓練場をつくった。複数人との戦闘を想定すると、広くて平らな場所が必要だったんだよねー。
今日やるのはタイムアタック!5秒以内に敵を倒さないと、訓練場の足元にかけた爆破呪文が発動するドキドキワクワクのメニューだ。敵は3つのかかし、この3年間で自動的に呪文を撃ってくるよう改良した。まだ機械的な動きしかできないから、自律して走り回って臨機応変な攻撃・防御・回避ができるようにしたいところだ。最近のマイブームは防衛術教師討伐フェスで、手前からクィレル、ロックハートそしてラスボスはガマガエル、間違えた、アンブリッジの姿を模している。ちなみに昨日は石化呪文に当たってしまい、見事に爆破された。もう絶対に失敗したくないし、土だらけのボロボロの状態で魔法界デビューする訳にはいかない。必ず成功させるぞー、おー!
ではでは早速、キッチンタイマーをセットして…はいスタート!
盾の魔法を発動しながら走り出し、まず右前にいるクィレルに無言で石化呪文をかける。その間に左手でつくっておいたエネルギー弾を、ロックハートのみぞおちにぶつけて吹き飛ばす。
─残り3秒
両手をそれぞれクィレルとロックハートに向けてレダクトを発動、二つのカカシの頭部が粉々に砕ける。
─残り2秒
そしてアンブリッジに向かって全力でダッシュ。
─残り1秒
次々に飛んでくる呪文を避けながら詠唱する。
「エクスペリアームス 武器よ去れ!!」
見事赤い光線が命中した!私のほうに飛んできたアンブリッジの杖をキャッチする。
ピピピピピピピ─
メニュークリア!爆破は無事回避できた。
こんな感じで、石化からの粉砕・爆破、武装解除呪文、魔力を変換したエネルギー弾が私の主な戦闘パターンだ。ほとんどの呪文は無言呪文で正確に発動できるようになった。最初の頃は1つの呪文に何ヶ月もかかかっていたけど、魔力操作がどんどん上達したおかげで、呪文を身に着ける速度が格段にアップした。それに加えて、ちょっとした魔法(レパロ、アクシオなど)ならほとんど練習せずに杖無し、かつ無言でできるようになった。最初の計画では、入学前には数個の戦闘呪文ができれば御の字で、入学してからこういう呪文を習得しようと思っていたけど、なんかできるようになってた。成長曲線が2次関数すぎて怖い。でも一番使いたい失神呪文のような他人に作用する呪文・呪いはまだできない。というか練習のしようがなかった。人を練習台にする訳にはいかないから、ちゃんと出来ているのかわからなくってさー。あとは、原作で呪文が出てこなかったやつも身につけようがなかった。検知不可能拡大呪文とか目くらまし呪文とか超便利なのに…まあこの辺は入学してから練習しようっと。
それから、杖無し魔法の新しいメリットも発見した。さっきサラっとやったけど、私両手から別方向に魔法出したり、右手で呪文撃ちながらエネルギー弾つくってたでしょ?これは杖じゃ絶対にできない!
杖無し魔法は魔力を放出する場所を好きに選べるから、両手でも、何なら足とか背中とか目とか可能性が無限大だ。今は1つの呪文を2カ所から発射するのと、呪文を使いながらエネルギー弾を発射するのが限界。でも複数の呪文を無言呪文で同時に乱発できれば、予測するのは難しいし攻撃パターンがめっちゃ広がる!今練習してるとこだけど、1年生のうちにできるようになりたいな〜
おっともうこんな時間、先生が迎えに来ちゃう!準備しないとね。おうちかーえろ。
***
ちょっと小綺麗な服に着替えた私は、1人玄関でソワソワしながら先生を待つ。ちなみに両親はどちらも仕事に行っているので、自分で買い物をすることになっている。中身は大人なので、自立した子だから大丈夫だろう、と親の信頼を得ることができている。
さてさて、誰が来るかな?今日は7月31日なので、ハグリッドはないだろう。ハリーのところにいるはずだ。え、てことは、今日ハリーもダイアゴン横丁に来るってことじゃん。やばいやばい、上手くいけば早めにコンタクトとれるのでは?一言目考えとかないと…
─ピンポーン
来た!「はい!今出ます」ガチャッ
「おはようございます、あなたがグレンジャーさんかな?」
ドアの前に、私の胸くらいの身長の男性が立っていた。メガネをかけていて知的な雰囲気がある。
この特徴は…フリットウィック先生だ!
「おはようございます。ハーマイオニー・グレンジャーです、今日はよろしくお願いします!」
まずは明るく挨拶!第一印象は重要だと前世で学びました〜
「元気があってよろしい!私はホグワーツ教授のフィリウス・フリットウィック、妖精の呪文や呪文学を教えている。」
ニコニコしながら先生も自己紹介をする。なんか、可愛いなこの人。映画ではそこまでだったけど、実際に見るとサイズ感とか、動きがぴょこぴょこしてるところとか癒される。これで決闘チャンピオンとかギャップがすごい。
「それでは早速出発しますよ。今回は姿現しというもので直接ダイアゴン横丁まで行きましょう。」
「おねがいします!」人生初姿現し、人生初ダイアゴン横丁だ!めちゃくちゃ楽しみー!
おおおおええええ、がっっっちで吐きそう。
「あー、大丈夫かい?一旦休もうか?」
先生が心配そうに尋ねる。私のほうはというと、酔いすぎてひと言でも喋ったら吐きそうなのだ。肯定の意を込めて必死でうなずくしかできない。
漏れ鍋で少し休憩したら、何とか回復した。気を取り直して出発!
ダイアゴン横丁には私と同じように学用品を買いに来た家族連れが溢れかえっていた。賑やかでとても明るい雰囲気の場所だ。
ここで1つ困ったことがある。ダイアゴン横丁は、私が映画やテーマパークで見たのとほとんど変わらない様子なのだ。もちろん本物を生で見られたことに対する感動はある。でも、初見ではないため、マグル生まれで魔法なんか知りませんでした!っていう子供の興奮はない。かと言って反応が薄すぎるときっと怪しまれる。
なので私は目を輝かせた、必死で。さらに目に入るものについて手当たり次第質問していった。
「先生!あの箒が飾られている店は何ですか??」
「あれはクィディッチ用品店。箒はクィディッチという魔法界のスポーツで使うんだ。ホグワーツでも盛んに行われているよ。」
「先生!あの正面にある白い建物は何ですか??」
「あれはグリンゴッツ、魔法界の銀行だ。」
まあまあ、楽しいっちゃ楽しいんだけど知らないふりをするのは非常に疲れる。
あ、あとはグリンゴッツのトロッコでも爆裂に酔った。酔い止め魔法とかないのおおお
胃がむかむかする中で、オリバンダーの店へ。握らされた1本目の杖では何も起こらず。しっくり来る感じもないので、取り上げられた。次も、その次も、まだ目的地じゃない♪…間違えた、その次も反応なし。ハリーは杖に出会ったときに火花が出て発光してた。そんな気配ないが…?
積み上がる杖箱が20を超えた頃、横で見守る先生は心配そうな顔をし始めた。私に魔力がないのではと思っているのだろうか。これは私の推測だけど、魔力操作極めたせいで杖がいらなくなったんじゃないかな。だからどの杖も反応しない。だって杖を持ったところで、体が勝手に魔力操作してるから何も変わらないもん。自分自身で魔力の循環が完結している。どうしたもんかな。
「では、この杖はどうですかな?」
オリバンダーは懲りずに杖を握らせてくる。
もう飽きてきた私が、明日の朝ご飯なに食べよっかなーとか考えて油断した瞬間、体内の魔力がぐっちゃぐちゃに掻き乱される。は?え何これ、魔力が全く制御できない。数年ぶりの魔力暴走、暴風が周囲を吹き荒れ、棚の杖箱はドサドサと落ち、建物がすごい音をたててきしむ。たまらず杖を放り投げる。ちょっと頑張ろうと思ったけど無理だった。制御を取り戻す前に店が崩れそうだった。
「あの、何なんですか、この杖?まry、なんかすごく変な感じになったんですけど。」
あっぶな、魔力操作ができないと言いそうになった。あくまで魔法について無知な体でいかないとね。
「それは長さ25センチ、アカシアにドラゴンの琴線。少々暴れん坊だがいたって普通の杖のはずじゃ。こんなことになるのは…あなたが初めてだ。」
なーにが少々暴れん坊じゃい!大暴走のバケモン杖なんですけど。本来魔力操作のためにある杖で魔力が暴走するなんて、意味不明だ。「ではこの杖もダメですな。次は──」だけど、
「オリバンダーさん、この杖買います。」
私は逆境に燃えるタイプだ。どうせ杖無くても魔法使えるし、どうせならこの杖を使いこなしてやろうじゃないか!人生常に挑戦し続けることが大切なのです。
てことでこれからよろしくね、暴れん坊くん♪反発するように杖がカタカタ震えた…気のせいかな。
その後は特に問題もなく学用品を揃えていった。
本屋ではこっそり教科書以外の、超分厚い呪文集や魔法理論の専門書、杖無し魔法や魔法使いの戦闘、魔道具の作り方について書かれている本などを買い込んだ。今まで独学だったからできないことが多かったけど、これ全部読んだら何でもできるようになるぞーヒャッホウ!店主の目が少し気になるけど…いや、気にしない気にしない。
あとは先生に魔法のことを聞いてみたりした。フリットウィック先生は呪文のスペシャリストだから何でも教えてくれた。
「グレンジャーさんはとても勉強熱心なようですね。入学してからが楽しみだ」
詳しく聞きすぎたかも、と思っていたが怪しまれてはいないっぽい。
こうしてショッピングは無事終了。おうちに帰りまーす。え、またあの姿現しをしないといけないの!?もうすでに気分が悪くなってきたけど、しょうがない。先生の肩に手を置くと、あの胃が締め付けるような感覚がしてきた。
その時、視界の端に大男とくしゃくしゃの黒髪の少年が見えた。
あ、え、ハリー忘れてた。私のお馬鹿〜〜〜〜っ!!
しかし時すでに遅し、私とハリーの初対面はまだまだ先になりそうだ───
フリットウィック先生の口調が迷子です。
毎話4000文字前後にしているんですが、適切な文字数ってどのくらいなんですかね。文字数そのままで投稿頻度上げていけるように頑張ります。
感想・評価など頂けると嬉しいです!
追記 誤字脱字・変なとこ多かったので編集しました。