来週の金ローは8番出口らしいです、見ますよ私は。
※サブタイは内容と関係ないこともあります。結構無理につけてるので気にしないでください。
ダイアゴン横丁で念願の魔法書をゲットした私は家に帰って早速、ミランダ・ゴズホーク著『基本呪文集(一学年用)』を開いた。
ふむふむ、最初は簡単な呪文とその理論が書いてあるのね。杖はこう振って、発音はこうで⋯いや、ダッッッルいんだけど。理論わからん!細かい!めんどくさい!こんな簡単な呪文普通にできるし飛ーばそ。この呪文はできる、これも知ってる、おっと知らないの出てきた。いやでもこれ呪文唱えなくてもパパっと魔力操作でできるやん、読まなくていっか。パラパラとページをめくり続けると⋯あれれー?もうめくるページがないぞー?
ということで、1年生の妖精の呪文終了しましたーパチパチ。
なんか1年生用だから本当に基礎的な呪文しか載ってなくって(浮遊呪文とか)、戦闘向きの呪文とか呪いは全然無かった。はーーーつまんな。
もう上級生用の呪文集読んじゃお。あ!目くらましの呪文載ってんじゃん、ありがたいありがたい。
こんな感じで買った本を一通り読み終わった私は、朝から晩まで睡眠・食事を最低限にして呪文を練習し続けた。もちろん全部の呪文は練習しなかったけど、便利そうなやつをたくさん習得できた。独学に比べたらスムーズすぎてびっくりしちゃった。難しくてどうしてもできない時には、不眠不休でひたすら練習して無理にでも習得した。うーん脳筋最高!
ちなみに他の教科書は開いてすらない、というかもうトランクに詰めた。どうせ学校でアホほど勉強させられるんだから今はいいやー。
そんなこんなで1ヶ月が経ち、ついにホグワーツへ出発する日がやってきた。
私は今、あの9と3/4番線に立っている⋯!!しみじみと感動を噛み締めている私を、パパが奇怪な目で見つめる。ママはもう諦めて見てすらいない。汽車での旅なんて素敵ね〜とかなんとか言っている。
家での私は、学校から帰ったらすぐに裏山に行き、休日も1日中裏山生活をしていた。毎日土だらけで帰ってくる私を、最初は両親も心配していたが、だんだん慣れてきたのか放っておいてくれるようになった。変な子でごめんね。
「休暇には帰って来るんだぞ」「ちゃんとご飯は食べるのよ」と言う両親に手を振りながら、トランクを持って列車に乗り込む。
いくつか入れそうなコンパートメントがあったけど、そこは素通りして最後尾の車両までズンズン進んでいく。キョロキョロしながら車内を歩いていると⋯いた!
黒髪にメガネ、ダボついた服を着た男の子が1人でコンパートメントにいる。ハリーだ。まだ汽車は発車していないから、ロンがやってくるまでに時間がある。
彼には申し訳ないけど、ハリーにとっての友達1号の座は私が頂く!緊張してきたぞ⋯深呼吸をして戸を開ける。
ガラッ「ごめんね。他空いているところ無いんだけど、一緒に座ってもいい?」荷物を網棚に上げていたハリーは振り返って「もちろん、どうぞ」と言った。よしよし、第一関門クリア。
「ありがとう。私は今年入学するハーマイオニー・グレンジャー、よろしくね!」
笑顔で、棘の無い柔らかな喋り方を意識する。決して映画のハーマイオニーみたいに、きつい口調でまくし立てたりはしない。
「僕はハリー・ポッター、よろしく。僕も1年生なんだ。」
ここで「あなた生き残った男の子!?本で読んだわ!」とか言わない。ロンがどうせ同じようなこと言うし、マグルのおいらは知らんぷりするのさ。ハリーにはあくまで普通の同級生として接する。
「実は私、両親がマグルだから、魔法界やホグワーツについて何も知らなくて、すっごく不安なの。」
「僕もだよ!両親は魔法使いらしいけど、マグルに育てられたから、何もわからないんだ。きっと落ちこぼれて退学になっちゃうよ。」
「そんな退学なんて!私、先生からマグル生まれでも優秀な魔法使いはたくさんいるって聞いたの。だから、ご両親が魔法使いのあなたならきっと大丈夫よ。」
「そうかな…だと良いけど。」
あら、しょんぼりしちゃった。序盤のハリーは卑屈やなー。まあまだ自分では何もしてないから当然か。いじめられ虐待された子供の自己肯定感が高いわけない。そういやメガネも割れてる⋯
映画でハーマイオニーはハリーのメガネを魔法で直してたけど、どうしよっかな。私がもう魔法使えるって知ったらますます自信喪失しそうだから、隠しておいたほうがいいかも。
てかよく考えたらハリー以外にも知られたらまずいのでは??あっぶねあっぶね。だってマグルの世界しか知らないはずの子供が、ゴリゴリに魔法使えるとかおかしいもんね。疑われて開心術でもかけられたら、前世の記憶見られて転生者ってバレてアウトじゃん。神秘部に連れてかれて解剖されるんだあああ!!!
恐ろしや⋯早く閉心術習得しなきゃ、あーでも記憶見られて平気な練習相手もいないしな。え、終わった?私のウキウキウィザーディング・ワールド人生終わった??
1人は暗い顔でうなだれ、もう1人は頭を抱えてブツブツとつぶやくという地獄みたいな絵面が完成してしまった。
そんなコンパートメントに、ついに彼がやってきた。
コンコンガラッ「失礼、ここ座ってもいいかな?他が空いてなくて。」コンパートメントに入ってきた男の子は、私の顔を見ると目を見開いた。なんですか…?私の顔に何か付いてたのかな。まあいいや。私たちは快く受け入れた。
のっぽの赤毛、顔にはそばかす。ロン⋯だよね、よく見るとなんか雰囲気違くない??ゆったりとハリーの隣に腰掛ける様子を見ると、大人びているというか、落ち着いているというか。映画のロンみたいに子供っぽいのを想像してた。言葉遣いもちょっと違うし。あとロンはもっと不躾だ。ノックしないし、わざわざ「失礼」とか言わないはず。あ、鼻の汚れもない。
「俺はロン・ウィーズリーだ、よろしく。君はさっき会った子だよね。」
「うん、助けてくれてありがとう。僕はハリー・ポッター、よろしく!」
そういえばハリーとロンは9と¾線の入口で会ってたのか。え待って、今俺って言った?ロンの一人称僕じゃなかったっけ?何かがおかしい気が─
「君の名前も聞いていい?」あ、自己紹介するの忘れてた。
「えっと、私ハーマイオニー・グレンジャー。よろしくね!」
数秒の沈黙。⋯え、ロンはなんで何も言わないの?よくわからない表情で私のことをじっと見つめている。それはどういう感情なの?
「⋯あぁごめん、よろしくな。」
うーん、まあ別にいいか。
その後は車内販売のお菓子を分け合い、各々自分の話や組分けの話、ホグワーツでの授業の話などで盛り上がり、親睦を深めた。魔法の話にもなったけど、私はハリーと同じく、まだ全く使えないという設定で話した。実際教科書はほぼ読んでないしね。そういえばロンがスキャバーズに偽呪文かけるくだりは無いのかなー。
すると、汗だくの男の子がやって来た。
「ごめん、僕のヒキガエル見なかった??いなくなっちゃったんだ…」ネビルだ!
私とハリーは見ていない、と言ったけどロンは違った。
「君の蛙、名前はなんて言うんだ?」「トレバーだよ」
「オーケーありがとう、アクシオ トレバー!」ロンが杖を一振りすると、数秒して通路から茶色い物体が飛んできて、ネビルの顔にべたッと張り付いた。
「トレバー!!」おいおい嘘だろ、ロンが呼び寄せ呪文使えるなんて。「お日様ひな菊~」って言ってるおバカなロンはどこ行ったのおおお
ネビルは何回もお礼を言って、ニッコニコで戻っていった。
「ロンすごいね!もう魔法が使えるの?」ハリーは目をキラキラさせている。
「さっき話したけど、俺の家はみんな魔法使いだからな。兄さんたちの杖で小さい頃から練習してたんだ。ハリーもすぐできるようになるよ。」
どうだろう、ハリーは4年生のときに頑張ってアクシオを習得してたけど。
もしかして、この世界ってハリポタ原作じゃなくて、パラレルワールドだったりする??それか、バタフライエフェクトか。ロンが優秀なんて想定外だなー。原作から展開がずれるかもしれないのは心配だ。原作知識意味ないかも…?まあどうせ私がこれな時点で、早々にレールから外れることは決まってるし良いか。
そうそう忘れてはいけない。もちのロン、アイツらもやって来る。
「ほんとかい?このコンパートメントにハリー・ポッターがいるって。それじゃ、君なのか?」プラチナブロンドの髪に青白い肌、ドラコ・マルフォイだ。
あーこっから原作通りなら喧嘩になんのかー、ダルい。仲良くしてほしいから仲裁したいけど、穢れた血(笑)の私が口を出そうものならドラコの純血主義スイッチが入って大変なことになりそう。一旦静観しよ。
「僕はドラコ・マルフォイ。こっちがクラッブで─」
あれ、ドラコが名乗ってもロンが笑わない。ロンさん、マルフォイ嫌いじゃないの?これ喧嘩回避かも!
しかしそれでもドラコは嫌味ったらしい口調でロンに突っかかる。
「君、その赤毛はウィーズリー家だろう。パパが言ってたよ、育てきれないほど子どもがいるんだって?」
「よく知ってるね。ご明察の通り、俺はロン・ウィーズリー、よろしくドラコ。」え、怒んないの?ドラコに友好的なロンとか怖い。
ドラコは片眉を吊り上げて吐き捨てるように言った。
「馴れ馴れしく名前を呼ぶな。僕はお前とよろしくするつもりは無いぞ、ウィーズリー。
ポッター君、魔法族にも家柄の良し悪しがあるんだ。こんなやつとはつき合わないことだね。そのへんは僕が教えてあげよう。」
握手を迫られたハリーは困惑していて、どうするか決めかねているみたい。この状況じゃ原作みたいに冷たく突き放すのも違うよね。
「えー、ひどいじゃないか。みんなで仲良くしようぜ〜」
ロンが2人の間に割って入った、どんだけ友達になりたいの?ドラコもちょっと引いてるし。
「あーわかった、もういい。お前がいると彼と話せないじゃないか。ポッター君、また後でゆっくり話そう。」
ドラコは腰巾着2人を連れてそそくさと退散してしまった。ロンは相変わらずニコニコして、ドラコたちの後ろ姿に向かって手を振っている。
「ねえロンったらどうしたの?あんなにグイグイ行くなんて、私びっくりしちゃった。」
「んーおもしろそうな子だと思ってさ。ね、ハリー?」
「うーん⋯結構君に失礼なこと言ってたけどね。」
「はは、そうだったか?きっと根はそんなに悪い子じゃないと思うけどな。お、そろそろ着くみたいだ。制服に着替えよう。」
こうして汽車はホグズミードに到着した。
ホグワーツ城へのボートでは私たち3人にネビルが加わった。さっきはトレバー探しに協力できなかったから申し訳ないな。結局無事に見つかったらしくて良かった。これから仲良くしよーっと。
組分けは、汽車の中で私もロンもグリフィンドールに行きたいと話していたので、ハリーもスリザリンに行くことなくグリフィンドールへ。あともたぶん原作通り進んだでしょ。
食事のときには、近くの席にいたラベンダー・ブラウン、パーバティ・パチルと仲良くなった。原作ではハーマイオニーとあまり仲が良い描写がなかったから、寮の部屋同じなのにギスギスしたらやだなーと思っていた。でも実際話してみたら明るくて可愛いらしい子たちだった。真面目堅物なハーマイオニーとはソリが合わなかっただけだろう。自分的には普通に友達になれそうで良かった!
さて、長い一日目もようやく終わりだ。早く寮に戻って寝たい。子供の体はすぐ眠くなる。
うとうとしながら監督生に続いて廊下を歩いていると、何者かに後ろからローブを強く引っ張られた。
声が出せない、体も動かせない。誰も私が列から外れたことに気づかないまま、すぐそばの空き教室に連れ込まれた。何何何、怖い、まだ初日なのに殺されるの!?
乱暴に教室の床に転がされた私は、やっとそいつの顔を見ることができた。その正体は私のよく知る人物だった。でも
「なんで、あなたが──」
「黙れ、俺の質問にだけ答えろ。」
酷く冷たい目をした彼は、
ロン・ウィーズリーは、
私の首筋に杖を突きつけながら、静かに問いかけた。
「お前は⋯誰だ?」
前回投稿から10日も経ってて戦慄しました。
難産の末に大変なことになってます。なぜかちょっと長いし。もともとプロットもクソもないので生き当たりばったりですが、そのライブ感を楽しんでもらえたらと思います。
次回はロン視点からです。ガチで急ぐので、少々お待ちください。