ケロロ軍曹ぷらすいち! 空兵参上であります!   作:性癖大爆発

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第二話 ナルル、出会ってしまう!であります!

「ふーん、結局アンタたちはこの地球を侵略しに来たってわけ?私たちからしたらたまったものじゃないんだけど」

 

「軍曹たちはこれを返してほしいってわけなんだよね?」

 

「そうであります。ケロボールがないことが本隊に知れれば吾輩……死刑になっちゃうであります!」

 

「なっちゃえばいいのよ侵略者なんて。絶対返しちゃダメよ冬樹」

 

 どたばた騒ぎを威厳で納めたケロロ隊長のとりなしで場が落ち着いたので私たちは膝を突き合わせて話し合いをしているところです。なぜかケロロ隊長は何がどうしてそうなったという割と作戦の核心というか軍事機密まで洗いざらい喋っちゃってますけど大丈夫なのでしょうか?いやその、非常事態というのは理解しているんですけど……。

 

「返してもいいけど、条件があるよ。大丈夫?」

 

「ゲロ?侵略をやめろっていうのはできかねるであります。何分吾輩らは軍属、上の命令にはさからえねえってわけで」

 

「ううん、そうじゃないよ。僕たちと友達になってほしいんだ!」

 

「トモダチ……でありますか?その程度なら是非とも喜んでならせていただくであります!」

 

「ちょっと冬樹正気なの!?宇宙人と友達ってあんた……」

 

「いいじゃないか!宇宙人と友達になるなんて地球じゃきっと僕らが最初だよ!?」

 

「その、夏美様とおっしゃられましたか?反応としては貴方が正しいのでどうか落ち込まずに」

 

「……まさか宇宙人に慰められる日がくるとは……ってそっちのミドリはともかくアンタはなかなかカワイイわね?」

 

「ナル?」

 

 異星人交流という奴ですか?しかしケロロ隊長はなぜそんな回りくどいことを……?いや、待ってください。確かにケロン軍ひいてはケロン人は侵略的種族です。ですが、それは武力に限った話ではありません。文化的交流から始める静かな侵略が最近のトレンドだという話を耳にしたことがあります。まさかケロロ隊長は最初からこれを狙って武器を取り上げさせ油断を誘ったということでは……?

 

 あ、危ないところでした!ケロロ隊長が止めてくれなければ私は今ケロロ隊長の作戦を台無しにしたうえ平和的侵略という選択肢がなくなってしまいます!そ、そうとわかれば私も地球(ペコポン)人と仲良くする行動をとらなければ!お、おほん!

 

「ゲロ?夏美殿は吾輩よりもナルル殿がいいと仰いますか!?いやぁ御目が高い!ナルル殿はその卓越した技量と戦果からケロン軍の中でもファンクラブがあったりするくらいには人気なのでありますよ!そういえば一時期広報アイドルの話が出たと思うのでありますがアレどうなったんでありますか?」

 

「クルルが一枚嚙もうとしたら上層部からやっぱなしとの通達が降りました。私はまあ軍務ならやむなしくらいの面持ちだったのですが」

 

「……なんか、宇宙人っていうからもっとこうアレかと思ったんだけどもしかしてあたしたちとそんな変わらない感じ?」

 

「基本的にはそう考えていただいてよいかと。もっと具体的に言うならばあなた達でいう外国人とそう変わらないでしょう。もちろん種族が違うのはそうですが私たちケロン人と地球(ペコポン)人の精神構造は大体一緒です。違うのは文化ですね。というか、ケロン軍にもいますよ、地球(ペコポン)人の軍人は」

 

「ええ!?それほんとなの!?」

 

 ケロン軍の場合になりますが侵略した後の現地の軍はケロン軍に編入されたりすることも間々あれば何かの事情で亡命したりとか星を渡ったとかあれこれあって母星に帰れないとかでケロン軍に入隊することもあります。それでこの星基準でかなり前だったと思いますが地球(ペコポン)人のケロン軍人がいたことがあったそうです。

 

「なんか、拍子抜けだなぁ~~。宇宙人っていうからもっとこう、変わってる感じだと思ってたのに」

 

「変わってる宇宙人ですか……いないこともないですがおすすめはしませんね」

 

「え、どうして?」

 

「そりゃそうでありましょう。冬樹殿が想像している宇宙人という奴は吾輩たちにとっての敵性宇宙人であります。大体理性的なやつらは同盟を結んでいるでありますがそういうのは吾輩たちと中身は似たり寄ったり!当然それ以外になると」

 

「そこから外れるってことになりますので理性的でもとんでもなく敵対的とかそもそも話が通じないとかになりますね」

 

「し、シビアだあ~~~」

 

 シビア、確かにそうかもしれません。というか、文明レベルならばともかく精神構造自体が地球(ペコポン)人の場合宇宙基準で割と平均的なのでそうそう変わっているということには出会えないのかもしれません。期待を裏切ってしまって少々申し訳ないですがそういう事です。

 

「ね、ねえねえ!もっと色々聞かせてよ!君たちのこととか、宇宙のこととか!」

 

「ふーゆーきー。こいつら自称侵略者なのよ。さっきだってなんか危ないことしようとしてたじゃない」

 

「ゲロ、まあ吾輩らは軍人でありますからな。()()()()()()とはいえケロボールは隊長のみににしか支給されない万能兵器。やろうと思えば地球(ペコポン)ごとボンッとすることも可能であります。まさかとは思うけど色々押したりしてないでありますな?」

 

「はい、見た目からはそうは思えないかもしれませんがケロボールをこちらに向けるということは明確に私たちを殺すと宣言したようなものです。なのでできれば向けたくありませんでしたが私としても武器を向けざるを得なくなったわけです」

 

「そうだったんだ……ごめんね、僕そういうの全然わからなくって……いろいろ試しちゃったんだ」

 

 ケロボールが武器っぽく見えないのはしょうがないとは思います。なにせ何でもできるように色々つけたら結果ボタンだらけで武器の見た目じゃなくなってしまったのですから。未知のものをいろいろ触ってみたくなる気持ちはとてもよくわかります。私も新型の機体なんかを支給されたり実費で買ったりしたときはそれはもう曲芸飛行なんかを楽しんで……ってそういう話じゃなかったのでした。

 

「あー、触っちゃったもんは仕方ないでありますが、一応確認させてほしいであります。例えば自爆スイッチなんかもあるでありますから……まあ今なんもないってことは大丈夫でありましょうが」

 

「う、うん。押したのは覚えてるのだとここと、ここと、ここ……もっとたくさんかも」

 

「そう心配しないでも大丈夫でありますよ冬樹殿。物理スイッチの押し方の順番が奇跡的に一致してない限りそうそう危険なことにはならんであります」

 

「なんか、侵略って割には気が抜けるわ……一応敵よね、あんたたち」

 

「ちなみにケロボールの使用は有料なのでケロロ隊長はそこら辺の心配もしているかと。侵略予算がまだついてないので使用料は隊長の給与から天引きです」

 

「そうなんだ!?なんか、余計にニクめないような事情だわ……」

 

「だーから~~!そういうことは言わなくていいんでありますよナルル殿!」

 

 敵か、敵ではないかと問われれば確かにケロン軍と地球(ペコポン)は敵同士かもしれません、が。武力で一挙制圧という侵略手段は最終の最終手段です。やったとたんに周辺の星域から抗議の声とか宣戦布告とかが飛んできてほんとに武力戦争の始まりになりかねませんから、侵略とはいってももっと穏便な手段をとりたいものです。

 

 武力侵略が許されるのはその星が宇宙にとって有害であり、被害がでており、なおかつ放っておいたら危険極まりない場合初めて合法になるのです。そうなれば宇宙警察案件のもとで軍がうごくことになりますから。地球(ペコポン)の場合はまだそんなことはないので武力に頼らず平和的侵略をしたいものです。願わくば私が機体にのることがないように。

 

「ねえ、あんたたちそれ返したらまた侵略するつもりよね?」

 

「ゲロ、それは当たり前であります。吾輩たちはそれを目的にしてここにいるわけでありますから?」

 

「じゃ、やっぱそれ没収ね。あんたたちにとっては悪いんだけど一応私も地球人だから。侵略されたくないもの」

 

「まぁ、正論ですね。ケロロ隊長、どうされますか?」

 

 譲歩、という形にはなりますがケロロ隊長の作戦を考えると確かにケロボール自体を渡してしまうのはアリです。本隊にバレないという前提ではありますが冬樹様もケロボールが危険な兵器かつ使用にお金がかかるというのは理解したと思うので好奇心に駆られていじくるようなことはしないでしょう。ただ、ですが。

 

ケロロ隊長に意思決定をゆだねようと意見を促してみます。ケロロ隊長は額に汗を浮かべて頭を回している様子。しかし突然ケロボールが緊急通信を知らせるサイレンを鳴らし始め私とケロロ隊長の思考は中断されました。まさか、地球(ペコポン)人に気づかれたのですか!?

 

『本隊より先行部隊へ、本隊より先行部隊へ。同胞の一部が地球(ペコポン)人に接触、我我の存在が気づかれた可能性が浮上。本隊は作戦を中止し地球圏より離脱する。なお、緊急決定のため諸君らの救助は断念、健闘を祈るものナリ』

 

「…………お友達であります♡」

 

「ほ、本隊から見捨てられてしまいました……」

 

「……流石に可哀想だわ」

 

「ね、姉ちゃん……なんとか泊めてあげたりとか……」

 

「急だけどしょうがないわね~~~。あんたら掃除とかするなら泊めてあげるわよ」

 

 100%私たちのことですねこれは、と頭が真っ白になりながら赤いマフラーを握ります。流石に本隊に見捨てられるのは想定外です。ケロロ隊長もまさか本隊からの支援がなくなるとは思っていなかったようで地球(ペコポン)人お二人の手を握っている始末。

 

「でも今日はともかくずっとってわけにはいかないわよ?ママには秘密にできないもの」

 

「ママ……お母様ですか?」

 

「ゲロ、確かに家主に知らさないわけにはいかないでありますな」

 

「あー、それもなんだけどさ……うちのママ、極度の生き物嫌いなんだ。インコもらったときがあったんだけど突然居なくなって夜ご飯がなぜか焼き鳥だったこととかがあって……」

 

「あれは疑惑よギワク!それは別にしてもカエルは……どうなのかな……?違うってのは分かってるのよ!?だけどビジュアルが近いからどうなるのか想像がつかなくて!?」

 

 夏美様が気を使っていただいてるのは分かっていますがさすがに殺されるのは勘弁願いたいところです。ケロボールを返していただければ私たちもここを離脱するという選択肢は取れるものの夏美様達は侵略されたくないので返すわけにはいかず、私たちも武力に頼るのは本隊に見捨てられた今問題外になってしまいました。八方塞がりというわけです。

 

 ど、どどどどうしましょう!?いやその最悪の手段はとれるんですけどとったら色々終わるというか軍法会議にかけられるといいますかやれるのにやれないんです!ケロロ隊長はなぜか細長い宇宙生物を取り出している始末。拘束する気ですか!?子供の目の前で母親を!?

 

「まあ、滅多に帰ってこないからだいじょ「ただいま~~~」なんで!?このタイミングで!?」

 

「夏美~~冬樹~~帰ってきたわよ~~。犬とか猫とか連れ込んでないでしょ……うね?」

 

「ママ、待って!?」

 

「まあ?まあまあまあ!?あなた達なにかしら!?」

 

 滅多に帰ってこないという滅多が今日であったわけです。ドアが開いてお二人のお母さまはばっちりしっかりと私とケロロ隊長を見てしまいます。ですがお二人から聞いていた話とは違いお母さまは私たちを前に膝をつくと嬉しそうに私たちに何者か尋ねてきました。おや?どういうことなのでしょう?とりあえず事情を説明することにいたしましょう。えーとこれこれこうのかくかくしかじか……。

 

「なーんだ!そういうことなの!いいわよ、是非ともこの家に住んで頂戴!」

 

「え、ママいいの!?だって生き物どころか宇宙人……」

 

「だからよ~~!もうここまで違っちゃえば生き物もなにもないわ!この丸っこいフォルム!強烈な個性!これこそ私が見たかったインパクト!大歓迎よ!」

 

「よ、よかったね軍曹にナルル……」

 

「か、解決でありまむぎゅぅ!?」

 

「よかったでむぎゅっ?」

 

「とりあえずケロちゃんはリビングで寝てもらうとしてナルちゃんは……女の子だし今日は私の部屋で寝ましょうか!お風呂は入れる?」

 

「ケ、ケロン人は水に強いのでご心配なく……」

 

「グレイト!じゃ、夏美私はナルちゃんとお風呂入るからお話はあとでね~~」

 

 ギュムゥとケロロ隊長と一緒にママ様に抱きすくめられて呼吸が止まりそうになります。ですが、家主の許可は取れたということでよろしいのでしょうか?とママ様にお湯で丸洗いされながら私はそう思うのです。シールに見えますがケロンスターははがさないでください!?




この作品のケロロ

 中身は変わっていないがデキる後輩がきてしまったため全力で見栄を張って有能に見えるよう誤魔化している、がちょくちょくボロが出てきてしまっている。若い女の子の後輩にいいところを見せたい勤続年数が長いおじさんみたいなポジション。見栄の張り方が『あの頃』を参考にしてるので見せかけは有能っぽくなる。

 ケロロたちについてはそれぞれパートナーになる地球人がいますがナルルの場合は秋ママがそれにあたります。二人を組ませたら大体のことはどうにかなってしまうジョーカーカードです。でも基本そんなことは起こらない。秋ママは仕事ばっかりだしナルルは武力を封じられてるのでやれることと言ったらアッシー君ぐらいだから。
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