ケロロ軍曹ぷらすいち! 空兵参上であります! 作:性癖大爆発
「それではナルルさん、行ってらっしゃい。てゆーか白駒過隙?」
「はい、モア様もケロロ隊長のこと、お願いいたします」
「わかりました!」
柔和で快活な笑顔を浮かべる彼女に見送られて私は日向家を後にします。別に出ていくというわけではないのですがこの度ママ様の許可を得ることができた私は単独でのお出かけの許しを得ることができたのです!ケロロ隊長はまだなのですが……。
そして、私をお見送りしてくれているのはアンゴル=モア様というアンゴル族のお方です。なんでも
星の断罪者として知られるアンゴル族の伝言を後世に残すもののようですが実際にアンゴル族の方が降臨された以上意外とバカにならないものです。で、冬樹様が人間に擬態していた彼女が倒れたのを見て日向家に連れ帰ってきたのが全ての始まりでした。
元は精神生命体であるアンゴル族は実体を持って活動できるのはこの星基準で1日4時間ほどとなります。それを超えてしまった彼女はキャパオーバーで倒れてしまったわけです。それを持ち帰ってきた冬樹様、なぜかバレたと慌てるモア様。さあ大変どうしましょう、となればやることは一つ。そう、地球の終末です。当然ですね。
この星を壊そうとするモア様を止めたのはなんとケロロ隊長、ケロン軍ですら恐れて下手に出るアンゴル族を相手になんと彼はおじ様などと呼ばれているのです。これものすごくとんでもないことでして、全宇宙の裁定者とほとんど同格扱いです、流石はケロロ隊長。
ということですったもんだありましてもモア様はいったん
と、いうわけでありまして私はモア様とケロロ隊長を二人っきりしてあげるべく本日はパトロールの名目でお出かけをすることになった次第なのです。私は恋を応援するケロン人です、むふー。ああ、いつか私にも吹かないかな恋の風。何て言ってみますがまずは
「ナルッナルッナル~~」
ソーサーで出歩くのも悪くはありませんがたまには徒歩も悪くないものです。どうせアンチバリアで
「
「あ、わかる~~。ちなみに俺はこの自販機だとこのミルクコーヒーがすきかなあ」
「なるほど、ではお代は持ちますのでよろしければどうぞ。おすそ分けです」
「……驚かないんだ、つまんないな」
私は誰にも見られないように自販機にお金を入れて缶コーヒーなる嗜好品を購入しました。この飲み物は画期的です。気分によって同じ味をベースにしているにもかかわらずガラッと味を変えることができます。そしてパイロットたる私に欲しい覚醒成分も含んでいるまさに空兵のための飲み物です!
と、いう内容をなぜか私が座っているベンチにわざわざ腰かけた夏美殿と同年代か少し上に見える少年に聞こえるようにわざと言いました。私のいるベンチに腰掛けるまででしたら怪しくはありませんが私を踏み潰すのではなくわざわざ避けて隣に座ったのです。見えているのでしょう、私が。
「ふぅむ、
「大体そんなとこかな。俺は睦実、あるいは623ってんだ、コーヒー御馳走様」
「623様、ああ~~夏美様が好んで聞いておられるラジオのMCですか。それはそれは、芸能人という奴ですね。で、どこまで探り合いを続けましょうか」
「ちょっとこれは……勘弁かな?」
私から見て左に座った623様、わからないようにしているのでしょうが何かを握りこんでいます。握り方から見てナイフ……いや、ビーム兵装の柄が最も長さ的にふさわしいかもしれません。流石に何か武器を持っている相手に穏やかにしてやるほど平和ボケはしておりませんのでガレージから一瞬だけロボを見せてやるとすぐさま降参と手を挙げました。興味本位ですか、質の悪い。
「なるほど、あいつに唆されたんですね。かわいそうに。どうしましょうか、一戦交えますか?」
「ちょ、それはマジでやめとこうかな……あはは、気に障ったなら謝るよ。ごめんね」
「いえ、お気になさらず。私が怒ってるのは貴方ではなく……一般人相手に現実改変兵器を渡したどこぞの通信兵ですからね」
「ク~~ッックックック……だから俺様はやめようって言ったんだぜぇ623ぃ……。どーせど真面目に説教始めるに決まってるんだからなぁ……」
「おや、説教されると分かってるのですね。今の今までこちらの周波数には応えなかったのに」
「悪かったなぁ。俺も俺でまさかケロボールで連絡入れねえとは思わなかったんだよ」
「むぐっ、それを言われるとこちらは何も言い返せませんが……」
両手をあげた時点で見えましたが彼が持っていたのは実体化ペン、私の同期の通信兵の特許兵装です。使用者の画力と想像力をそのまま実体に変える超強力な現実改変兵器。そんなものをあっさりと
「お久しぶりです、クルル曹長。ご無事で何より」
「あぁ、会いたくもねぇ面拝みに来てやったぜぇ。まぁお前が死んでるなんてあり得ねぇからな。これで死んでたら俺様の発明品の試乗でとっくに死んでるだろうしな」
「まったく口の減らないことです。では623様、次から戦意を喪失したと主張したい場合はペンを手放してください。私たち軍人は相手が武装を持っている限り警戒は解きませんよ」
「ケッ、言っとくが623、お前がこいつにちょっかい出そうとすんのが悪いんだぜぇ。命を捨てたいのかって忠告しただろ?良かったな、俺様が関わってるってこいつが気づかなきゃそのままハチの巣だ」
「ええ、敵性宇宙人の可能性が大いにありますからね。排除するに越したことはないでしょう」
「クルル……君の友達って案外怖い人?」
「怖いんじゃねえ、真面目なだけだ。安心しな、確定するまで手はださねぇよ。お前さんの変な興味も子供のおいたで済ましただけさ」
嫌みな笑い声と共にどこからともなく私たちの前に表れたのは黄色のケロン人、クルル曹長です。いやはや何処にいるかと思えば案外近くにいたのですね。自分は悪くない、と主張してはいますが623様に私にちょっかいをかけるように誘導はしているのでしょう。相変わらずねちっこいことです。
この男、私と同期なのですが発明家及び技術屋として頗る優秀で一時期はこの若さで少佐の地位についていました。ですがケロン軍のメインコンピューターへのハッキングや任務で悪だくみに普段の素行の悪さなどが合わさっていつの間にか階級を曹長まで落としてしまっていたのです。もったいない。私とのかかわりですが私が本気で操縦した場合適切なオペレーションができるのがケロン軍だと彼だけですので必然的にコンビを組んでた形になりますね。
「それで、クルルが言ってたんだけどナルル、キミってケロン軍で一番乗り物の操縦が上手いって本当?」
「さあ?としか言えませんね。確かにそんじょそこらのパイロットよりかはデキる自覚はありますが一番かと問われれば首をかしげます」
「ノンケロン№6に認定されておいて謙遜はマジでただの挑発だぜぇ。お前さんがケロン軍からいなくなればすぐに有効になるだろうよ。軍にいるから周知されてねえだけだ」
「と、いいますが私の操縦が上手いこと「上手いんじゃねえおかしいんだよ」だまりなさい。それが623様とどう関係あるのでしょう?」
「あー、うん。実は今スランプって奴でさ。なんか刺激的なことして感性って曖昧な感覚を呼び覚ましたいんだけど……クルルに頼んでも治んなくてさ。じゃあどうしようかってなったときにクルルが君の名前を出したんだよ」
なるほど、クルルが私を………………っっ!?!?!?クルルが私を!?この偏屈でかつ嫌がらせに生きているようで尚且つ同期の私に対してすら適当にあしらうような男であるクルルが私の名を出したのですか!?そんな馬鹿な!?いつだったかのオペレーションでガムを噛みながら一度たりとも私の通信画面で目を合わさなかったこの男が私の名を評価し口にだしたと!?
「……???本物ですか?」
「おい、確かに柄じゃねぇがその反応はいくら俺でもクんぞ。しょうがねえだろ、色々やっても刺激が足んねえんだよ。正確には俺とコイツが出会ったとき以上のインパクトが出ねえ。やることっつったらもう臨死体験くらいだ。で、確実に生き残れる臨死体験がお前の操縦だろ」
「確かに私の操縦は時たま懲罰に利用されますが聊か不本意です」
「おい、クソ真面目頑固パイロット。普通のやつは通常航行でも戦闘軌道でも光速なんか出さねえんだよ。慣性制御しても普通ならぐちゃぐちゃになって死んでる。まず情報処理が追い付かねえ、操縦も機体の反応速度も間に合うわけねえ。いい加減てめぇは普通じゃねえって学習すんだな」
「なるほど、疑ってましたが本物のようですね」
「嫌味で判断するんだ……クルルの言う通り変わってるね」
私の操縦をそんなことに利用されるのは正直不本意ですが……まあ623様を威圧してしまったお詫びとこの男が遠回しとはいえ私を頼ったという事で相殺といたしましょう。まあ、メンダクでいいでしょうか。ママ様を乗せて以来ですが
「なんつーブサイクな改造してんだ。これじゃあ出力加重比が崩れんだろうが、ああ?テメーの機体はテメー用にカリッカリのチューンにしてんだから余計な重量を乗せる余裕なんてねーんだよ」
「その程度で崩れるほどやわな腕をしていません。機体の問題をカバーするのがパイロットの腕です」
「わかったうえでいってんだこっちは。あとで渡せ、マシにしてやるからよ」
「……なんかいつものクルルとは違ってしんせうわっ!?」
「さて、舌をかまないようにどうぞ」
確かにクルルはいつも厭味ったらしくてわざとらしいねっとりした口調で話しますが私を相手にするときはなぜか真面目に話すことが多いです。きっとこれは長年のクルルへの説教が届いた結果だと思います。頭を掻きながら副機長席に着いたクルルと増設した座席についた623様がシートベルトをしたのを確認して私はメンダクを発進させ宇宙へ飛び出しました。
とりあえず速度は623様が認識できる程度まで落としまして、曲芸飛行を開始しました。後ろから623様の悲鳴とクルルが喉を鳴らしながら笑ういつもの声がまじりあっています。さて、加速いたしましょう、光の彼方へ連れて行ってあげますとも!
「……なんか新しい扉が開いた気がするよ。スランプもたぶん脱出できた!よし、早速一筆したためてくるよ!ナルル、ありがとう!今度ゆっくり話をさせてくれ!」
「それはよかったです。クルル、あなたは623様と生活するのですか?それとも私たちのところに戻るつもりですか?」
「聞くまでもねえだろぉ?侵略作戦は続行中だ。隊長のもとにいたほうが面白れぇことが転がり込んでくるだろうしなぁ。クックック~」
「はぁ、あまりやり過ぎますと私がお灸をすえますよ。さっきは加減しましたが今度は本気で」
「おっと、それは勘弁だぜぇ」
手を振って公園をかけて去っていく623様を手を振って見送ります。振りすらしないのがこの男ですがまあ、どうやら623様とは波長が合う様子ですしこれからも勝手に仲良くするでしょう。さて、あとはこいつに嫌がらせをして終了ですかね。
クルルに向き直り、両手を広げて彼に抱き着きます。
「会いたかったですよ、相棒」
「んがぁっ!?」
おやまあ、煙をあげて爆発してしまいました。
ナルルとクルル
お互いがお互いを皮肉りつつつ能力を底上げしあうベストバディ。ただ、最近はパワーと物理で突破してくるナルルにクルルが押され気味。ナルルからクルルは親愛、クルルからナルルへはおもしれ―奴という印象。ただ、小隊内で一番距離が近くワンチャン恋人同士の距離感になりかけることもしばしば。お互いそんな興味ないし対象外だって言い張るけど。
ナルルはケロロ、ギロロ、ドロロについては軍の先達としての尊敬、タママについてはしごき甲斐のある後輩として接しているため同期でバディを組んでいたクルルとの距離感が必然的に近くなるだけである。
さらっとモア殿も登場させましたがあんまり出番は多くないかもです。四字熟語調べるの難しいですし。モアケロワンチャンはあります(断言)