死んでもいいデスゲーム 作:働け蜂
◇
「はははは! 我こそは天下無双の槍使いなりぃ!
貧弱な亜人ども、お前たちの槍捌きなど棒きれ遊び同然よぉ!
束になっても敵いはせん、おとなしく陣地に引きこもっているんだな!」
《バトルクライ》発動
一定時間の攻撃力上昇効果付与
「ちょ、多くない? ベータのときより多くない?
いや絶対多いわ。4匹多い。いけっかなこれ」
押し寄せる犬のような顔をした亜人の群れを前に、アヤは愛用の槍を構えた。
犬顔の亜人、コボルドの中でも中堅クラスであるエリートモンスターからドロップしたコボルド・エリートスピア+5である。名前がまんま過ぎるところがお気に入りポイントである。
突出していた一体目の振りかざす棍棒をかわす。
すれ違いざまに首を穂先で払い、クリティカルダメージにより撃破。
続けて短槍持ちの二体が躍りかかってくる。バックステップにより距離が離れたため向こうは空振り。体勢も崩している。
踏み込み、一体の手首を切り払う。槍を持っていたほうの腕を欠損させ、一時的に無力化する。
健在なもう一体は体勢を戻しつつある。
向こうは短槍、こちらは長槍。リーチ差は歴然。石突で鳩尾を突き、怯ませる。
サイドステップ。二体を前方直線上に捉え、ソードスキルのモーションを起動。
《ペネトレイト》発動
鋭い踏み込み突きにより二体まとめてHPを全損させ撃破。
後続の到着前にソードスキル発動後の硬直が解除。
なお敵はまだ六体いる。うち盾持ち一体、アヤとお揃いのエリートスピアを携えた少し体格の良いやつが一体。指揮官と護衛なのか、後方で余裕をかましている。
「行動パターンが大きく変わってないみたいで助かる。
そのまま余裕ぶっこいておいてくれ」
短槍持ちの四体が陣形もへったくれもなく愚直に襲いかかってくる。
こちらが一人なので数で圧倒すればいけると思っているのだろうか。
腰のホルダーよりアイテムを取り出し放り投げる。
破裂結晶という、衝撃が加わると大きな音を鳴らして砕け散るだけのアイテムである。別にスタン効果や目眩し効果などもない。本当に派手に音を鳴らして砕けるだけの代物だ。
このゲーム、結晶と名のつくアイテムは基本的にレアアイテムであるが、これはそれら結晶アイテムによく似た見た目のハズレアイテムである。ドロップしたときにプレイヤーをがっかりさせるために用意されたものなのだろう。茅場許さん。
が、こういうときには役に立つ。
コボルド種はピンと立った大きな耳からもわかる通り、聴覚が人間よりも優れている。
突然鳴らされた大きな音に身をこわばらせた。
その隙を逃すわけもない。
《バトルクライ》による攻撃力上昇効果とクリティカルダメージを加味すれば一撃でHPを刈り取れることはすでにわかっている。
四体のコボルドたちはアヤの槍によりことごとく喉を貫かれ、切り裂かれ、その身を霧散させた。
部下をやられて怒ったのだろうか。
長槍持ちのエリートが雄叫びをあげた。
そばで控えていた盾持ちも片手斧を振り上げなにやら吠えている。
そんな後ろで余裕ぶっこいてるから......。
まずは盾持ちが突っ込んできた。
この期におよんでエリートは後ろで控えているつもりらしい。
アヤは立ち位置を横にずらした。
コボルドは進路を変えつつこちら目掛けて突っ込んでくる。
「槍で盾を相手すんのは苦手だ。だからまともにはやらん」
ダガーを投擲。
盾持ちが一直線にこちらへと向かってくるその進路上、左手側に立つ篝火に命中させる。
篝火の支柱を絞めていた紐が切断され、器から燃え盛る炭が落ちた。ちょうどコボルドの盾に当たるように。
いくら盾といえど木製。すぐに燃え移るわけではないにしろ火を浴びるのは嫌だろう。
コボルドは反射的に炭を盾で払った。払ってしまった。
ガラ空きである。
胴を突き、怯んだところに体当たりをかます。
コボルドはたたらを踏んだがなんとか転倒はせずに踏み止まり、咄嗟に顔の前で盾を構えた。
しかし、HPの調整は完了している。首を守ってももう遅い。盾に守られていない下半身を連続で突き、HPを全損させた。
「あとはお前だけだぜ。
って言っても、何日かしたらまた湧くんだろうけどよ」
槍持ちのエリートを見やりつつ手招いてやれば、その敵はいっそう高らかに吠えた。
こちらの言っていることがわかっているわけではないだろうが、挑発と捉えたようだ。
このエリートだけは他のコボルドよりも随分と慎重である。堂に入った構えで槍を携え、じりじりとこちらとの距離を詰めてくる。
槍持ち対決である。使っている武器も同じコボルド・エリートスピアだ。リーチに差はない。
先制したのはアヤ。素早く突きを繰り出す。
コボルドは身を捻って避けようとしたが、大柄な体格が災いしたか脇腹を少し抉られた。
しかしながら、それしきでは怯まない。体格に勝るのはこちらだと言わんばかりに大振りに槍で薙ぎ払ってきた。
アヤは《武器防御》という、盾ではなく武器でガード動作をとることができるスキルを取得していない。当たりそうな攻撃は避けるしかないということだ。そして、この攻撃はかわせない。
直撃でなければいい。そう割り切って踏み込んだ。
槍の穂先ではなく柄の部分を受け、吹き飛ばされる。受け身をとりつつ、HPを確認。1/3ほど削れたが動揺はない。
好機とばかりにコボルドが追撃を仕掛けてくる。
さっさとトドメを刺したいのだろう。威力のある踏み込み突きを選んだようだ。
慎重なやつのようだったのでなかなかアグレッシブに攻めてこないと思っていたが、ようやくか。
長槍持ちのコボルドが攻め気の時によく選択する踏み込み突きのモーションは、このゲームの初心者にとっては驚異的な攻撃である。
リーチが長く、速い。防御力、当たりどころ次第では一撃でこちらのHPを全損させるだけの威力まで兼ね備えている。
だが、直線的だ。
来るとわかっているのなら対処は容易である。
「《バトルクライ》はあと10秒。足りるな」
身をかわし、コボルドの横についた。
敵の攻撃をかわした後は反撃の好機となるのはアクションゲームの常である。
ソードスキルのモーションを起動。
《スプレッディング・スタブ》発動。
この時点では数少ない連続攻撃のソードスキルであり、前方扇状に連続突きを繰り出す範囲攻撃である。ゆえに一発あたりの威力はそれほど高くはない。
しかし、槍を突き出し伸び切ったコボルドの当たり判定は今、横に長い。そして向こうは硬直中であり、かわすことは不可能なタイミングで発動した。
コボルドは驚愕の面持ち......と思われる犬顔でこちらを見ている。まずい、とは思っているのだろう。
その通りである。いや、まずいどころではないだろう結果が待っているのだが。
「4ヒットで全損」
全弾命中。敵のHPバーは1ヒットごとに見る見る削れ、最後の一撃でしっかりと全損した。ポリゴン片となり霧散する。
村外れのコボルドの陣地、制圧完了。
クエストクリア。
◇
「ほら見てくれよ。コボルド・エリートスピア+6だぜ。つぇ〜ぞぉこれは。一発で強化素材ドロップしてくれたんだぜ。あのコボルドマジいいやつ」
「よかったナ」
「あ、そうだ。ベータの時から陣地内のコボの数増えてた。短槍持ちが四体。他は変わってない。クエスト報酬も変わらず据え置き。そこも増やせよな。ふざけてやがる」
「んだナ」
「情報提供量いくら?
破裂結晶使っちゃったからトータルで見たらちと赤字なんだよね。少し色つけてもらえると嬉しいんだけど」
「その前にちょっといいカ」
「ん。どした?」
はじまりの街の片隅にある小さな酒場。
アヤとアルゴは以前にも来たこの酒場の個室にて、近況報告会を行っていた。
まずはあいさつ代わりにと自慢の槍を見せびらかし、そして受注したクエストの詳細報告を行うアヤのテンションは高い。
一方でアルゴはなんだか冷たい目をしている。
「難易度増してるのに報酬が据え置きなのは確かにふざけてるケド、オマエのその格好もちょっとふざけてないカ?」
「どこがだよ。蛮勇の仮面、これは攻撃力にボーナスがつく貴重な頭防具だ。胴はシャドウスーツ、ほらベータの時に忍者ロールしてるやつらいたろ。あいつら愛用のこの防具、なんと敏捷にボーナスがつく。防具なのに、だぜ。んで、脚は普通だな。アイアングリーヴだ。ま、脚の欠損は怖いからな。ここは防御力重視ってことで。でさ、一番レアなのがこの腕の」
「その早口やめロ。
ちがうそうじゃなイ。性能は全部知ってル。
ふざけてるのは見た目ダ。ちぐはぐ過ぎるだロ」
アルゴの目が冷えている理由は明らかであった。
対面に不審者がいるからである。
骨の仮面に忍者装束、しかし脚周りは座り直すたびにガシャリと金属音が鳴る甲冑である。テーブルの上に乗せた手にはめられた薄い素材でできた手袋は、光の当たり具合で七色に輝いているのがまた目を引いた。
「見た目気にして性能を犠牲にしちゃいかんだろ。
この装備構成だからこそ一撃で倒せる敵の種類が増えるんだぞ」
「わかるんだけどサぁ......」
「ま、それはそれとして平服に着替えるわ。
待ち合わせ時間ギリだったから着替える時間も惜しくてな」
「ちょっとくらい遅刻しても待つってバ。
惜しむべきところがズレてるヨ」
メニューを操作し、不審者から至って普通の布の服装にアヤは変身した。
見慣れた姿になってくれてアルゴも一安心である。
「見た目に関しちゃ、どうせガチで戦うときはあの格好になるんだから気にしてもしょうがないだろ。
数日後には攻略会議とやらに出ることになるんだぜ。ちゃんと装備構成とか共有しとかないと不義理だろうよ」
「こう見えてめっちゃ真面目なんだよナァあーやんは......」
◇
SAOの開発者、茅場晶彦によるデスゲーム宣言よりはや一ヶ月。
その間に死者は2000人にものぼりかけており、しかし生き残っているプレイヤーたちによる攻略はというと、未だ第一層で足踏みをしていた。
それも当然といえば当然のこと。
最初のステージゆえ難易度は高くないとはいえ、ただの一度も死ねないというのはあまりにもプレッシャーが大きすぎるのである。
それはすべてのプレイヤーを同様に縛る枷であり、本来ならば強気に出られるはずの場面でも尻込みしてしまう状況を多々生み出していた。
攻略は遅々として進まない。
本当にこのゲームはクリアできるのか。
クリアできたとして、一体どれほどの時間がかかるのか。
プレイヤーたちが抱える不安はあまりにも大きい。
が、そんな中でも不自然なくらい自然体なやつもいる。
「みんな! 今日は呼びかけに集まってくれてありがとう!」
「どういたしまして!」
「......おほん。
俺はディアベル。職業は......気持ち的にナイトやってます!」
「そして俺はアヤ。職業は見た目通りバーサーカーやってます!」
「......うん、ありがとうアヤ。
一緒にスベってくれてる感が出てるよ」
「え、スベってんのこれ」
「空気凍ってるだろ。
俺ら並んでホールの真ん中に立ってるから場末の漫才コンビみたいになってるじゃないか」
ところどころから乾いた笑いが起こった。
笑ってくれている感があった。
第一層迷宮区前の街《トールバーナ》
その円形広場にて、このゲームの攻略に臨まんとするプレイヤーたちは集まっていた。
今壇上ですごい苦笑いを披露している青髪が特徴的なプレイヤー、ディアベルが大々的な情報発信と共に召集をかけたのだ。
「えー、話を戻すけど。
今日みんなに集まってもらったのは他でもない」
「他でもない⁉︎」
「......うん。合いの手はやっぱやめようか。
君からの提案に一瞬“いいかも”と思ってやってみてもらったけど、正直俺がキツイ」
「じゃあこっからはアドリブかぁ」
「いや違う。君ももうあちらに行ってくれ。
ここからは予定通り俺が話すから」
「OKボス」
ガチ装備・骨仮面忍者装束甲冑武者のアヤはすごすごとはけていった。
みんなが彼を目で追っていた。
ぽつんと端のほうに座っていたソロプレイヤーらしき人物のそばに腰を下ろすアヤ。
若干、そのプレイヤーからは距離を取られたような気がするのは気のせいではないだろう。
「すまない。テンポが悪くなって。
今日、俺たちのパーティが迷宮区でボス部屋を発見した。
ちなみに先ほどのアヤというプレイヤーは外部協力者だ。うちのパーティの人員ではない。これだけは覚えておいてくれ」
「なんでそこ念押ししたの」
「改めて、今日みんなに集まってもらったのは他でもない。
ボス攻略会議のためなんだ。
このデスゲームが始まってから一ヶ月。俺たちはようやくここまで辿り着いた。
攻略の最前線を走る俺たちは、すべてのプレイヤーに示さなければならない。
何を? 決まっている!
このゲームは、決してクリアできないゲームではないということをだ!
俺たちの力で第一層フロアボスを討伐し、はじまりの街で待つプレイヤーたちに希望を示すんだ!」
ディアベルの語りに熱が入る。
広場にいるプレイヤーたちはみんな彼に注目していた。
先ほど悪目立ちしたアヤの存在が消えたかのようだった。
実際には全然そんなことなくて幾人か横目でチラチラ見てきているのだが、当人は気づいていなかった。
アヤは素直にすごいな、と思った。
凍りついた空気をモノともせず会場の熱気を上げることのできるあの話術、人身掌握術。ディアベルはただものではない。
「ボスの情報は情報屋からすでに仕入れてある。
今から詳細をまとめてもらった冊子を配るから各自で目を通して欲しい。重要な点はさらに補足する」
準備の良いことに、ディアベルは資料までしっかり用意していた。
情報屋とは無論アルゴのことであり、これから配られるのはネズミ印の攻略本・第一層ボス編である。
「あ。ディアベル、冊子俺が持ってるんだったわ。
もう配っていい?」
その攻略本の作成に一枚噛んでいるアヤは紙束を抱えながら立ち上がった。
「......そうだったね。頼むよアヤ」
存在感を消したくてもやたらと前に出てくる男である。
とりあえず、すでにいくつかパーティができているようなのでそこに人数分を渡していこう。
と、アヤが動き出したその時だった。
「ちょぉ待ってんか!」
怒号が上がった。
みんなが一斉にそちらを振り返る。
「すまんの。攻略会議ぃする前に、どうしても言わしてもらいたいことがある」
やたらとトゲトゲしい頭髪をした男であった。
防具はタンレザーメイル。この時点の中量級防具の中では優秀な一品である。張りのある声といい、一廉の人物であることがうかがえた。
身のやり場を失ったアヤは中腰の姿勢のまま固まっていた。
「......それは何かな? 自己紹介をしてから発言をお願いしたい」
こんな空気の中でも冷静なディアベルはやはりただものではなかった。
威風堂々の仁王立ちトゲ頭と中腰のバーサーカーがいてもしっかりと響き渡る凛とした声音であった。
「ああ。ワイはキバオウってもんや。
言いたいことっちゅうんは他でもない。
こん中に、いくらかワイらに詫びぃ入れなあかんやつがおるはずや」
キバオウと名乗るその男は何故かアヤを睨みながらそう言い放った。
少し身に覚えのあったアヤは依然中腰であるがしかとキバオウを見つめ返す。
「キバオウさん。あなたの言う、詫びを入れなければならない人というのは......ベータテスターのことかな?」
アヤとキバオウの視線が交差しているのを知りつつも、ディアベルは至って穏便に問うた。こいつらに会話させるのはやばい気がする、と。
「そうや!
ベータテスター......っちゅーかジブン確実にベータテスターやろアヤとかいうの! すんごい奇天烈な装備しよってからに!
ワイら無課金プレイヤーみたいになっとるやろがい‼︎」
「このゲームは買い切りだから課金要素はないぜ」
「そゆこと言うとるんとちゃうわい!
どうなんや? ジブン、ベータテスターか⁉︎」
「そうだけど。
何を隠そう、歩く攻略本とは俺のことさ」
認めちゃうのか。
ディアベルは心の中でツッコんだ。
明らかにベータテスターを敵視してる風だけど大丈夫なのか?
いや、もう見た目からしてただものじゃないから隠すのは無理か彼の場合.......。
一人ではらはらして一人で納得した。
「歩く攻略本ン? ほな、それ書いたんジブンなんか?」
「いや違うよ」
「ちゃうんか⁉︎
ほな歩く攻略本て何やねん⁉︎」
「その本を書いた、情報屋をやってる子に情報流したのは俺。
ベータテスターの中では検証勢だったからね。データは頭ん中だよ。
裏取りができているクエストのデータとかは粗方流したかな。
ほんの心ばかりの情報量はいただいたけどさ、俺も身を危険に晒しながら正式サービスの仕様を検証したんだ。それは許してほしいな。
ああそうだ。その情報屋がすごくわかりやすくまとめてくれた攻略本なら各街の道具屋で無料配布してるよ」
「そ、そか。そらぁ、おおきにな......」
予想に反してなんだか丸く収まりかけている空気を察したディアベルがすかさず合いの手を入れる。
「キバオウさん。あなたが言いたかったことは察しがつく。
一部の心無いベータテスターたちによる情報の出し渋りや、初心者を救済しようとしない立ち回り。
そういったことが気にかかっていたから、それが解消されなければ一緒には戦えない。
という主張をしたかったんじゃないかと思ったんだけど、どうだろう」
ディアベルの推測がおおよそ的を射ていたのだろう。
キバオウは言葉を詰まらせた。
「今のアヤの発言からも分かる通り、ベータテスターにもみんなのためにがんばってくれている人はいる。
キバオウさんの主張を否定はしない。だけど、今はみんなで手を取り合って攻略に臨んだほうがずっと建設的じゃないかと俺は思う。
持っている情報に差はあれど、ここにいる人は全員、このゲームをクリアして、すべてのプレイヤーをこの世界から解放するために集まったのだから」
悪くなりそうな流れをかっさらい、綺麗にまとめ切ったディアベルの手腕たるや拍手喝采ものであった。
というか実際アヤは拍手喝采していた。
なんだか空気に流されたようであちこちからまばらに拍手が上がり始める。
キバオウのいたたまれなさがやばいことになっているがそれはコラテラルダメージであろう。
「キバオウさん。他に発言がなければ、会議を進めてもいいかな?」
「お、おう。ええで。悪かったな、ちゃちゃ入れて」
「構わないよ。誰かが言わなければならないことだった。
では、会議を進めようか」
こうして穏便に会議は進む。
第一層ボスのステータスや要注意行動、そもそもこのゲームにおけるボス戦の仕様とは、といったところまで事細かに澱みなく説明がなされていく。
そして。
「じゃあ、6人1組でパーティを組んでいってもらおうか。
ああ、すでに組んでいるところはそのままでいい。人数が足りないところは少ないところと合わせていい感じに融通してくれると助かるな。
ここには45人集まってくれているから、1レイドフルには惜しくも届かなかったけど、8パーティは作れるね」
ボス攻略のため、パーティを組めとディアベルよりお達しがあった。
アヤの周りから人がいなくなった。
情報提供者: aaaaaaaa
《バタフライ・ピアッシング》
分類: 軽装腕防具
効果: 回避行動後、次の攻撃モーションの威力が上昇する
備考: 蝶の羽みたいにメッチャうすっぺらいから防御力は皆無だゾ。さらに言えば、無駄に七色にきらめいてるから隠密ボーナスも実質死ぬゾ。