ロヴァノリヤ禽獣旅紀 —広大なる多民族國家の命運、大衆の暗く斃れる先には、何が在るのか— 作:南部 八十一朗
王の死は同時に蜂起軍の指揮を上げる要因に成った。
蜂起軍は王の宮殿に突入し、従者や王族を射殺、金品や肖像画は破壊し、燃やした。
「俺たちの勝利だ!!」
万歳!!万歳!!と叫ぶ正義の行進軍。
冬宮と呼ばれる、広大な宮殿内に蜂起軍は侵入、物の数時間にして、陥落した。
だが、問題は此処からだ。まず、今この蜂起軍は朱軍と呼ばれている。帝都は朱き自由の民たちによって塗り替えられ、此処はチェラーグラードと称される様に成った。残党はまだ残っている、王亡き今、反動主義の者がシャベリン地方で勢力を造っている。其れにこの帝国は崩壊し、何時自治国が独立するか、不明だ。ならば...自治国を併合するのみ!!
そうして、自治国遠征軍が南部の自治国群
列車や騎馬を用いて、迅速に移動する部隊。革命の余波は、その自治国政府内の議会にも影響が有り、一部の自治国では同志たちが政権を握ろうとしているところがある。
冬宮は朱軍の本拠地となり、広大な建物の中で政治を行う。
ロヴァノリヤ臨時政府は、このロヴァノリヤの土地を得るまで、戦う。
しかし、敵は反動主義のロヴァノリヤ帝国方面軍や旧自治国、以外にも泰西の国家達も居る、彼らは裏で支援する。兵器や食糧の支援を受けている。しかし、我らの団結は質では適うまい。
自由・平等・食糧を求め、我らは行進する。
現時点で、自治国遠征軍はヴォロジ=ネジ占領後、チリチリと別れ、各地の農村等で襲撃や焦土作戦を展開している。奴らは不意の攻撃で此方に反撃してこない。今が好機、
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「ふぅ...何とか、止血出来たぞ」
「有難う、イデナ」
何とか、片足から血が出るユジノーを止血出来た。私も蟀谷辺りをグルグルと巻き付け、止血は出来た。だが、今、何が起きているんだ?急に建物が崩れて、地震か?そうして、瓦礫から街の方へ行く。
「ミュハーンはどっか行ったし、如何すれば良いんだ...」
いや、だが揺れた感覚も無かった。じゃあ、何だ?
調子狂った脳を高回転させて、思考を巡らす。
(蜂起...革命...この国は広大、情報が渡るのに数日掛かる...)
「そう言う事か...このままだと色々と不味いぞ...」
もう革命は始まった、革命軍は自治国群を討伐する気だ。
(此処で、死ぬ訳には逝かないが、如何する...ミュハーンは何処かに行き、ユジノーは足を怪我して、移動に手間と時間が掛かる。このまま、時間過ぎても、革命軍に捕まる。
如何すれば良い、如何すれば良い、此処で二人を置いて逃げるなんて卑怯な事は出来ない、ユジノー担いで遠くへ飛ぶか?だが、ミュハーンを如何する。彼奴なら...裏切りもしそうでもあるが、そう簡単に死ぬような奴でも無いし、裏切る程、卑しい人物ではない筈...
「此処は...とりあえず、ユジノーを守るぞ」
ユジノーが横たわる瓦礫の寝具の方へ戻る。
「ユジノー、少し移動するぞ」
「...」
「ほら、手を出せ」
「はい...」
ユジノーの手を肩に乗せ、肩組む様に立ち上がる。よし...
「じゃあ、足元気を付けながら、安全な所まで逃げるぞ」
「...あ、有難うぅ...」
「今は、感謝を言う場合じゃない、急いで慎重に行くぞ...」
激しい鉄砲音の嵐が響く中、私とユジノーは慎重に、何処か物陰の在る場所へ
暫くして、一つの大樹の傍、ユジノーをそっと寝かせ、私は、大樹の大きな根の上に乗り、周りを確認する。
「酷い、何と言う惨状だ...」
其処には、崩れた瓦礫、燃え広がる炎、そして、蠢くチホレツクの住民の姿。
目を細め、更にその惨状を覗く。
血色の地面、泣く子供の馬人の姿、瓦礫から馬人を抜こうとする馬人、止血帯で腕の出血を止める者、だが、その更に奥の深緑の原野。朱旗掲げる軍隊らしき物が見える、あれが革命軍なのか...
革命軍がチホレツクに行進して居る。再度、街を覗く、其処には...
「ミュハーン...」
町の一角、燃え広がる建物の前にミュハーンが観える、だが、毛皮の羽織や
ミュハーンは何処かに指差し、親子はその方へ避難?していった。ミュハーンは、白
(とりあえず、ミュハーンは無事だな...良かった良かった...)
だが、危機が迫っている。
(ミュハーンを如何にかして、此処まで避難させないと...)
幾ら、
「救出するしかない」
今、何かしたら、何か罰せられる事は無い、不動は重罪。何か、する事が大事。
ユジノーの方を観る。
「少し待っててね、ミュハーンを連れて来るから...」
そうユジノーに告げる。ユジノーは薄らかに頷くように見えた。
私は
「...今すぐ行くからね」
そう言いながら、黒い鵬翼広げて...飛び立った。
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続