ロヴァノリヤ禽獣旅紀 —広大なる多民族國家の命運、大衆の暗く斃れる先には、何が在るのか— 作:南部 八十一朗
市役所までの道
メダリオン絨毯模様の石造りの道を歩く、宿から近くに市役所は有る。便利だね、歩いてちょっとで着く。
「此処が市役所か...」
止まらず、そのまま、中に入る。入口入れば受け付けが有るはず...あぁ、あっちか...
其処に一人の人間の男が立っている。受付役だろう...
「今日は何の用で?」
「
「
「何回かしたことが有るので、大丈夫です。」
「分かりました。では、どうぞ、行ってください。」
左を向き、歩く。階段を見つけ、昇る。壁には、市専用の
そんな階段通路を上る。
右の方、あっちか...
「それにしても、静かだな。朝早い時刻だが、受付役が居るのに、他の職員は居ないのか?...」
妙な静寂、市役所だよな...? ...職員はストライキでもしているのか...なら、さっきの奴は、凄いな。一人で職を懸命にしている。いや、でも...まぁ、いい。私は
私の足音が、廊下に響く。人気の無い、閑々とした、廊下。そう進みながら、奥の部屋に着く。
この部屋も、誰もいない。電気は点いているが、私一人のみ、早々の終わらせよう。
「紙はこれか...」
傍に有るペン立てに刺さる、ペンを取り、紙に書く。
「...
ロヴァノ系ノルド人...それが私の人種だ。ノルドと言うのは、帝国から北西に位置する、地に棲む民族だ。あの辺は、”北方”と言われている。父はその北方の一国、スオフェンラントという国出身の獣人だ、母はロヴァノの人間。獣人、簡単に言えば、動物が二足歩行した見た目。そんな獣人と人間が交わると、その子は、獣半人と呼ばれる。人型に、獣の耳に尾が生えた様な感じだ。私の事だ。しかし、大半の人間は獣人と獣半人を統一して、獣人と呼ぶ。だが、獣人や私の様な獣半人は互いに区別する。と言うか、普通に見るだけで、獣人・獣半人って見分けが付くからね。人間位だよ、統一して、獣人って呼ぶは...他の亜人、ドワーフにしろ、エルフにしろ、ちゃんと区別して獣人・獣半人って呼んでる...
また、つい深く考えてしまった。...
「後は、この機械に入れるだけ...よし、後は待つだけか。暇だな...」
作成時間は20分、完成時は何かしらの音が鳴る。機械や
一体、どんな仕組みなのか...私には、さっぱり解らないな。
壁にもたれ、腕を組み、時間が過ぎるのを待つ。
翼人...人型に翼の生えた種族。
煙、それは考えを変えれば、危ない能力、魔術かもしれない。
御伽噺にしろ、物語には、悪役が必要だ。私はそっち側かもしれない、物語に正義や悪が在るかは、知らぬが、この世には正義が正義を悪を決める世界なのだから、私の思想は悪かも知れないが、それが正義なのかもしれないな。私は馬鹿だから、正義と悪を見分ける事が出来ないから、この世は”正常”なのか解らないね...
そんな自分で築き上げた哲学はさておき、そろそろだろう。
「.....ガシャン」
「出来たか...」
準備は出来た。後は、列車に乗るのみ。
「では、往こう。」
そんな独り言を残し、此処から出るので在った。