ロヴァノリヤ禽獣旅紀 —広大なる多民族國家の命運、大衆の暗く斃れる先には、何が在るのか— 作:南部 八十一朗
静かな道、ただ一人の静寂道が広がっている。
街の声は黙々で寒風がピューピューよ唸りを上げている。
「今日は風が寒いな...」
季節は冬、今日はまだ雪は降ってないが、風は寒い。定位置がずれた
そうして私は、ヤレンスクの駅に着いた。駅の中も同様に、人の気配が少なく、だが、数人の者を見ることは出来た。私は、列車の乗車券を買わなくてはならぬ、購入所はこの先の窓口に在るだろう。
静々とした、ホームを渡り、購入所に向かう。幾ら掛かるのか...前よりも高くなっているだろうな...
そんな思いの中、購入所に着く。購入は人が担当する。だが、切符は機械が作る。
購入所のカウンター、シャッターが殆ど閉まっており、蕭々なシャッター塗れの市場を彷彿とさせる。だが、
「切符の..購入かい?」
駅員は老いた男性で、顔の皺も深く濃く、立派な髭。綺麗な笑みを浮かべている。まるで、この
「はい、
「ロスヴォフヴルク駅までの切符ねぇ...ちょっと待ってねぇ...」
そう言うと老人駅員は奥の方に行ってしまった。...あの老人、多分、亜人だ。ドワーフか、何かだ。
かなりの
いつか私も100歳を超え、200歳を渡り、300歳へ行くのかな、亜人に平均寿命の資料は無いから、何歳で
奥の方から機械特有の金属音が聞こえる。その数分後、駅員が出てくる。
「はい、切符。乗場は、4番入口で此処から、真っ直ぐ行ったら、案内板があるから、それ見たらいけるよ、時間とかは切符本体に書かれてるから、確認してねぇ、で、金は計で...」
支払い終え、駅のホーム、其処に、佇むベンチに座り、煙草を吸う。
後、外の方から、薄く大衆の叫びが聞こえる。
「はぁ~」
日も上がり、駅内も明るくなっているが、人影は見当たらない。いや、気配はする、見えないだけだ。
活気が無かったら、こんなにも、寒く感じるのか。十分な気温の筈なのに、やけに寒い。
口から吐く白煙も何時もより多く、
「何か不思議な事でも起きるのかな...そんなこと無いか...」
駅に人がいないのは、どうせ、亦、デモとかで使わないだけで、駅員も参加してるのかも、さっきから、外の方から、喧噪な大衆の声が薄く聞こえる、今日もか。列車も遅延して、予定より遅れるだろう、暇だ。こういう時は...煙遊びだ。
口から煙を出し、手でパンを作るかのように捏ねる、伸ばし、捻り、粘土の様に造形する。
煙をあやとりの様に引っ張って形を作る。
正直、其処まで面白くないし、其の場凌ぎに過ぎない。
「はぁ~」
また口から冷たく、多量の白吐息を出す。
つまらない。
「誰か、話し相手でも居ないかな...」
シーンとした静寂が返事をする。煙草も紫煙の排出も弱くなって来た、2本目に突入と言う処で、遠くから、蒸気特有の白煙の匂いに機械音、列車は来たのだ。
「やっとだ、もう眠くなってきたし、寝よう」
列車は、俗に言う寝台列車。乗客は部屋が設けられ、其処で過ごす。だが、食堂車も無いから、停車駅に在る売店等で飯を買う等して、過ごす。
そうこうしている間に、ホームに列車が止まる。
ホームには、私以外の者が居た。たったの一人、見た感じ、ロヴァノ人では無いな。茶髪よりの黒髪で緋色の瞳、小麦寄りの金髪に青い瞳のロヴァノ人とは違う見た目、人間に見える。まぁ、私も獣の耳も尾も帽子と
「まぁ、後から話しかければいいか...」
そして、3両目から入る。
車内は誰もいない。適当に席に座り、車窓から見ゆる駅内の景色を眺める。
退屈だ。何も考えず、石造の如く、固まる。口から白煙を吹き出しながら。
その時、列車は進み始める。車窓の奥から、薄く蒸気の煙が見える。
程無くして、ヤレンスクから抜け、広大なロヴァノリヤの平野が映る。
次の停車駅は、ヴォロジ=ネジ、広大な平原に佇む、要塞跡の在る町、此処で飯でも食べようかな。
続
.........
主人公解説
ミュハーン
本名 ミュハーン・イリノヴィチ=ノルド・ゼムリャツキ
種族 狼獣半人 (獣人と人間の混血)
能力 煙を操る事
聖歴1595年生まれ、25歳。狼獣人と人間の血を継ぐ、
外観は、銀髪のセミロングで、黒い瞳。(正確には黒と茶色)服装は、アルスターコートの上に、毛皮の羽織みたいなのを着て、
精神・・・バフ、スキルの様な物。
ノルドの血・・・ノルド人は他民族より、力に優れ、その血を汲むミュハーンは怪力の持ち主。例を挙げると、数百キロの大木を軽々と持ち上げるぐらい。
能力 煙を操る事
名の通り、煙を操る。使い方は、体を煙と同化して、消えたり、体は保った状態だが、弾丸や剣の攻撃が効かなかったりする事が可能、又、触ったものを煙にして、煙から復元する事や生命体を煙にして、消す(殺す)事が出来、また、出す煙によっては、第三者に一酸化炭素中毒等を引き起こす。
{ミュハーンは一酸化炭素等、成分が異なる煙だろうが、扱う(適応)している為、無害である}
煙は無から産まれている訳では無く、供給源が存在する。主に、煙草・蒸気以外にも、霧や白い吐息(冬季限定)等も煙に換える。煙と言っても、成分は使用する際に異なり、危険物質を含む物や逆に比較的安全な物も有るが、普通に害は在る。特殊な使用方法だが、銃の発射機構に煙を充満させ、発射時に出る煙の排出量を増やし、簡易的な供給源を作ったり、発射された弾丸の軌道上から煙を巻く事が出来る。原理として、弾丸の装填時、弾を触る為、煙と同等の物と成り、発射した時、弾丸を煙に換え、数m先から敵に煙の攻撃(中毒等の身体的な攻撃や視界不良等)ができる。
もし、仮に煙の供給が止まり、能力が使えなくなると、どうなるかというと、前述した物、全て使用不可となり、喫煙やらしないと解消しない。しかし、いつ煙の使用が途絶えるのかは、供給量で決まり、いつ使用不可に陥るか不明なので、勘任せである。使用不可になると、銃撃や物理な攻撃等に成る。環境によっては、その環境を活かした戦術・戦闘を行う。(例 森や林などだと、樹を引き抜いて投げたりする)
また、ミュハーンは人間の知恵・思想と獣人の野生的思考・特徴を持つし、怪力で、強靭なので、其処らの者では太刀打ちできないし、狼時は、人を丸呑みする事も出来るが、そんな事するのは、稀である。
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続