ロヴァノリヤ禽獣旅紀 —広大なる多民族國家の命運、大衆の暗く斃れる先には、何が在るのか— 作:南部 八十一朗
列車は果てなく続く平原を渡り、ついにヴォロジ=ネジに着くのだった。
駅内、蒸気機関の音が途絶え、ホームに停まる。次の発車は、3時間後だ。点検やら簡易整備等でこれくらい時間がかかるとの事だ。列車から降り、駅を出る。
「此処は、デモもストも何もないのか?」
ヤレンスクとは、違う空気、景色。子供の笑い声に人間と亜人が共に話しながら歩き、本当に同じ国の街かと目を疑う。街中をぶらつく中、酒屋を見つけ、立ち寄る。
「何だこれは...」
其処には、多量の種類の酒、ヤレンスクとは比べ物に成らない程、質も良い、そして、安い。
ウォッカ等の度数高い酒でも、数十種類も在る。まるで、天国ではないか...
「之は...いっぱい買うしかないだろうが!!」
計15本のウォッカ系酒を買い上げた。之は之は、嬉しい。
「うへへ、之で、当分酒に困らないぞ」
そう言いながら、酒を煙に換え、吸い上げ、体内に入れる。
こうすれば、無くすことは無いだろう。
「さっ、次は何処に行こうか、時間も全然在るし、存分に視て廻れるしな」
......
「いらっしゃい!!」
愉快で陽気な店員の声、客席は賑やかで、会話で談笑する者たちに、早くから酒飲み、酔い歌う者、新聞読みながら、ケールサラダを口に含める者等、色々な者が集い、食事やら会話やら楽しんでいる。
適当な席に着き、テーブルに置かれるメニュー表を覗く。
「えぇーと、サンドウィッチは...
「はーい!!」
「
「かしこまりました。少々お待ちを...」
店内には、ロヴァノリヤ軍歌の”
ブジョーンヌイ...
「......お腹空いてきたなぁ...」
数分の時が経ち...
「
「
大麦の絵が描かれた大皿の上に、3切れのサンドウィッチが乗っている。之が、
「では...」
一口頂く...!?
「之は...美味い!!」
硬めで歯ごたえの在る鹿肉に、オリーブの爽快感と胡椒のピリピリ感が混ぜ合って、美味しいし、この
「ジンジャエールも飲んでみよう.....良いな」
生姜の辛味が喉を刺激して、心地いいし、口の中に残る、肉の油を取ってくれているようだ。
「こんな旨い物、あっという間に喰べてしまうよ」
サンドウィッチの断面は、上のパンを押すたびに、挟まる鹿肉から、ジュワーと肉汁が溢れ零れる。
それがまた、食欲を引き立てる火薬の様だ。ならケールで巻かれる火薬だから、火薬庫みたいだ。
「いや~、美味しかったなぁ」
その時、ふと周りを見る。其処には、ヤレンスクから列車に乗る時に視た、人間?が居た。
彼女も
「........!!」
その時、目が合う。すぐに逸らすが、何故か妙に惹かれる。やっぱり、周りの者と比べ、異質に魅える。
私もそうだがな...そんな時の事だった。
「君、あの..ヤレンスク駅に居なかった?」
向こうからこっちに話しかけてきた。
「あぁ...居たよ。」
「やっぱり...一つ聞くけど、君は...亜人?」
「...(言っても言わなくていいが...)そうだよ。亜人だよ」
「やっぱり、そうだよな...」
「要件は何だ」
「いや、同じ”
「そうなのか...此処に来る奴はそんなに居ないのか?生憎、私はヤレンスク周辺都市出身でもなければ、
「行ける事は出来るが、
「奇遇だな、私も一応、旅人だ。今は、南下して、
「君も旅人なのか、
「...奇遇だな、私も旅仲間が欲しかったんだ。...まぁ、宜しくな...名前は?」
「私か?私は、イデナウアー、イデナウアー・コルチャフネン。翼人だ。そっちは?」
「私は、ミュハーン・ゼムチャツキ、獣半人だ。イデナウアー、宜しくな」
「こっちこそ、宜しくな、ミュハーン」
そう言い、私は、イデナウアーと握手をした。今日から、二人で旅をする...何とも嬉しい事だ。
「そろそろ、列車の発車時刻では無いか?まだ、飯が残ってるぞ」
「そうだった、急いで食べるわ」
そう言って、イデナウアーは席に戻り、セッセッとサンドを口に運ばせ、珈琲を一気に飲みする。
「これからの旅、楽しくなりそうだ」
続
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人物解説
イデナウアー・コルチャフネン
本名
種族 翼人(東方の地では天狗と言われる)
能力 星天を操る事
ミュハーンと同世代ぐらいの翼人。
身長は177㎝で体重61㎏。好物は、温かいスープ系料理、酒(果実酒等)、煙草(月に3箱消費)得意な事は、急降下飛行、苦手な事は、白兵戦とチェス。好きな事は、飛ぶ事。名前が二つある。イデナウアー・カラシノコフ・コルチャフネンと言う泰西的な名と母方の東方民族の名の泉山星の二つ有る。なお、泉北鵬で通している。
外観は茶髪寄りの黒髪に緋色の瞳。服装は、暗い枯草色のリーファーコートに黒色の長ズボン、時に、山岳帽を被っている。靴は、黒の革長靴でズボンの裾を入れている。
出身はロヴァノリヤ西部の国境部のスモヴェンスク地方、スモヴェンスク市。幼少期は、ミュハーン同様、教育は受けてもらえず、働いていた。15で、逃げるかのように、スモヴェンスクを出て、旅をするようになった。今は、
精神
原始的レーダー・・・聴力に優れ、気配による相手の数等を特定できる・能力応用
飛燕戦術・・・空からの地向けの攻撃・偵察が可能、機銃掃射等
能力 星天を操る事
使い方は、夜、星が踊る中、数多の星の力を抽出し、其れを転じて攻撃、魔法に転換する。
また、星の位置を把握できて、其処から応用して原始的レーダーが可能。精度は日によって変化がある。
青天が高精度で、曇りは普通。雪や雨は低精度。季節によって性能は変わる。其処は聴力で補う。
星は、力や術の源にして、監視衛星の様だ。
基本的な武器は、