ロヴァノリヤ禽獣旅紀 —広大なる多民族國家の命運、大衆の暗く斃れる先には、何が在るのか—   作:南部 八十一朗

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第Ⅲ章・後編 亡命者の自由生活
暗星夜は白耀星に恨み募るか Ⅰ


少し腹立たしい職員との会話が終わると、個人でさっきの部屋に戻る事に成ったのだが...

「お前ら、何で私の部屋に居るんだ?」

「良いじゃん?隣の部屋だよ、直ぐに帰れる」

「俺も隣では無いが、近いんで直ぐに戻れます」

「まぁ..良いのか?」

「にしても、此処は凄く暑い」

「日差しが強い、まるで軽く槍で突かれるみたいな感覚だ」

「解る、何かチリチリと変な音が聞こえるんだよね」

「おい、其れ翼、発火し掛けてるだろ」

「まじ?引火させるわ」

「何で俺迄、巻き込まれるんだ?」

「皆、仲良く焔で極楽行きだ!!」

「嫌だ!!俺は遠い異国への旅をするんだ!!」

「止めろ、遺言に成るぞ」

「祖国に帰って、母国料理を食べるんだ!!」

「焔の威力二倍に成るぞ」

「此の建物事、全焼するよ」

「自動焼き鳥じゃん」

「喰える肉事、灰に成って散りそう」

「逆に何か覚醒しそう」

「翼が羽から炎だけに成りそう」

「止まれば綺麗、動けば火災、飛べば気温上昇しそう」

「私、大災害じゃん」

「「燃えかけてる時点でもう火災だろ」」

「確かにー!!」

「黒いんだから陽の光集めるんだから、翼納めて置け」

「何か翼の一部?が反射してるんだけど?」

「之、硝子の欠片かな?飛ぶ時に付着したんじゃ無い」

「なるほど」

「結構、硝子片多いな」

「翼が大きいからね、付着する面積も在るから、かなり付いたんだろうね」

翼人(アーリ・ぺルソネ)は飛べるのは羨ましいけど、汚れとか取る時が面倒腐そうだな」

「案外楽だよ、まぁ慣れればの話だけどね、でもミュハもペーテも毛深そうだし、抜け毛とか体臭とか...っね?」

「俺はこう見えて身体とか産毛も生えない身体だから、そう言う処理みたいなのは定期的にし無いね、でも身体洗ったりはするよ?流石に...」

「私はお前らの思う様に髪以外にも肩かた腕の途中に脛とか毛深いね、或る意味、防寒着みたいな体毛」

「其れは自賛して言ってるの?自虐?」

「決まってるだろ、自虐に」

「自賛じゃ無いのか...」

「考えてみろよ、先ず身長が異様に高いから、服のデザインやら大きさは限られるし、其の上、森みたいな体毛のせいで大きく見えるし服の出費は増えるし、夏場は暖房みたいに暑く成るし、利点が少ない」

「じゃあ、頑張って剃れば?」

「剃っても刃の切れ味が弱く成るし、完全綺麗に剃っても、毛が生える速度の方が早いから意味無い」

「永久的なデバフじゃん」

「あげる」

「「 要 ら な い 」」

「何で其処で団結するんだよ、もっと大事な場面でやれ」

「そうは言っても、其の大事な場面が終わったからなぁ...」

「今は言わば、嵐が過ぎた戦後みたいな状態」

「復興の時間何か、そう長々と確保できないぞ」

「其れ位解ってるさ、あくまで早期的な復興だからさ」

 

そんな何処か狂気な生活の歴史の一粍が刻々と過ぎる中で、こんな何も利益の一欠片も無い、日常的な会話が始まった。ただ、其れは外側の奴等の総評だ。内側には金脈でも見つけて儲かる様な大金的な幸福が在るのだよ。

 

こんな誰もが猟奇で奇病を患い、正義と悪を区別しないと癇癪を起す様な空気職人な此の世界にこう言う異種族のあるあると言うか、馬鹿げた内容、話題で互いに巫山戯た様な表情と言葉で灑落な状況の会話は何処か新鮮味を感じると言う、一種の嗜好品、贅沢品の片鱗だった。酒場で酔って、見ず知らずの奴等とじゃんじゃん何か話す様な感じだ。

 

其れからと言う物、約3日の日が昇り落ちて、ミズホ行きの船に乗船する事に成った。前の船よりかは小さくなったが、其れでも大きい部類の船なのでは無いか?

部屋は三人部屋で丁度、私とイデナとペーテで収まった。部屋の第一印象は案外豪華では在った事かな。

 

後、ペーテから教えて貰ったが、声やら音楽が出るあの機械の正体はラジオと言う物らしい。機械よりも伝統に染まってる私は所謂、機械初心者だな、イデナもだがな。

馬鹿みたい金掛けてそうな装飾品、綺麗に磨かずとも本来の姿は一番輝いて居る筈だろ?濁ってても其れが一番の味って奴だ。苦みも臭みも甘くでもそんな過度に香辛料降り落として別味にしてる様な事は良いのか?利益と金の執着心は怖いな、依存性が在ってね。

 

出航は既にして居る。

窓からの景色は異様で、海の中心で浮かんで居るよ言うよりも、池とか湖で舟漕いでるみたいな感じで、大河を船で渡って居る様な状況だ。其れも普通の大河なら蜿蜒と水が流れるだろうに、此の大河は直線的でまるで大規模工事でもして、一から河を創造した様だ。神にでも成りたいのか?

 

ボクボクと黒煙放つ蒸気機関の声が船内からも僅かに聞かれる。其れは何方かと言うと、まぁ若干五月蝿い様なだが、其れが逆に惹かれる様な意味の解らない状態だ。

 

機械と言う物は本当に凄いと感じる。

銃に車に船、後ラジオもだが、魔法の使え無い者達の智慧で此処まで色々な物が発明とか進化するんだから、其内、何か訳解らない不可解な機械も産まれそうだな。其時まで生きてるかの問題だがな。

「...喫煙者宴会か?此処は..」

 

三つのソファ、三人座り、三人別の煙草を銜え、テーブルの上に置かれる硝子の灰皿には未だ、何も一粒の灰の埃も無しの純白の硝子の平野が拡がって居る、其れは処女的でロマンチストにして、別生命で構成されたトロイカだ。

 

三種の煙草紫煙の大彗星は、尾を棚引かせながら、模様の刻まれた天井と言う星夜を追う。何処と無く渋い白襯衣三人、私は足を組ながら、低いソファに窮屈に座る。

イデナは足を直線状に伸ばし、ペーテはソファに凭れ、腕置きにダランと力抜けた様な状態で煙草を吸って居る。同時に目が濁り、無意識な表情を浮かべて居る。

 

ソワソワと河の飛沫の音が窓の走行を突き破って此の耳に聴こえて来る。

此の零落さがやはり、私の日常さ。互いに違う種族、違う外観、違う銘柄の煙草の紫煙が此の飛べば掠れそうな天井星夜と三つの煙草の曇り星雲を出す地の天壌は何処か一種の作品の様だ。

 

眼や体を持たない煙草なら一つの増大な煙に成れるのに、三人は本当な仲良しには成れないだろうか?装飾品的なサイドテーブルの上、白い網目の薄い絨毯が乗せられ、其の上には畝る波型の硝子花瓶、デルフィニウム数輪が浸って居る。

 

白黒で粗悪な画質な映画の淡々と情景が流れる様な感じで少し縦長な窓の先、河の碧と奥に聳える建物や細長い樹々に砂の土壌の風景の連続、何枚絵の紙をパラパラと高速に捲る様な感覚だ。

 

白と濁りの銀が僅かに見える煙草、灰皿に積もる灰の冬、降る曇や満天の星空を彩る星の大河の靄の様に浮かぶ三つの煙の大雲。

「何かまるで、星空みたいだな」

「何の季節の星空ですか?」

「無難に冬とか良いじゃない?未だ15月だし...」

「ある意味、煙の星空何だから、四季も無い星空でしょ」

「まぁ、在るか如何か解らない星空だしね」

「じゃあ、第二の白夜ですか...」

 

本当なら何かしら陽気で素朴な楽器で奏でられそうな情景、少し傷の在る蓄音機とかがそう言う味が出るのでは無いか?

 

ちょっと具体的な言葉が出て来ない。

何というか異文化圏の國と言うのも相俟って、どう言う表現が最適解なのかも解らない状況上、此処とは別の文化を同じ様に表現したら、違和感と言う奴が蔓延って来るだろう?

 

そんな身体を持つ様な生物では無いから、食い千切る事何て出来無いし、手で払って仕舞えば儚く消えて仕舞うし、軽く風を吐くだけで大穴は開く。

「何で煙吸っちゃうんだよ」

「良いだろ?栄養補給みたいな事だ」

「凄く違和感しか無い」

「何時も通りのミュハだよ」 

「あっ、そうなんだぁ..?」

 

天井星夜に募る煙の原始星雲は此の星を掠め飛び去る彗星の様に長く白い尾を煙らせ、私に吸収される。星塵の煙一粒も零さず様に粗悪な素振りで丁寧に煙が身体に染み渡る。

「そう言えば、二人は何処まで行くんだ?」

「私もミュハも終着港の播津大輪田港まで乗る予定だよ、ペーテは?」

「俺は其の終着港の一つ前の大鵬南港で降りる予定だ」

「じゃあ、別れるのか」

「そう言う事だな」

「でも、今が別れでは無いから、そんな哀しい事では無いじゃ無いか?」

「確かに後、数カ月も此の海の上で共に生活するんだし、未だ未だ先の事何か想像しても、意味無いしな」

 

ペーテもユジノーにも在る事だが、旅人は何時か別れる。其れは永遠的か一時的なのかは解らないが、人生なんて多年草みたいな物何だから早々に一年草の様に枯れ果てる事は潅水と言う選択を間違ったぐらいの事だろう。海と言う水の上だから睡蓮の方が合って居るかも知れないな。

 

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