ロヴァノリヤ禽獣旅紀 —広大なる多民族國家の命運、大衆の暗く斃れる先には、何が在るのか— 作:南部 八十一朗
後頭部の強打による脳震盪で全治8日の診断を貰った。
其れも三人共、怪我で8日は此処で療養生活さ。怪我三人組の出来上がりだ。
病室は禁煙で禁酒、当たり前か。
そう言えば、船が大きく揺れたり、物凄い轟音が起きた原因は、船の蒸気機関もといエンジンがぶっ壊れたらしい。壊れた反動で船体が傾いてあんな事に成ったらしい。如何いう事なんだろうな、蒸気機関何か、一粍も知らないから壊れたそんな大きな振動とか起きるのか?大海原とかで起きたら死亡確定だろ、走る棺桶かよ。
何か不運な事ばかり起きてる様な気がする。
悪運に好かれ過ぎて居る様に感じるよ、お前らにも上げるよ、誕生日にな。
まぁ、一旦話は此方に戻そうか、此処は蓬莱民國の南雄
「其の新聞、後で私にも読ましてくれよ」
「嫌だよ」
「何で?」
「だって、ミュハ、体毛凄いじゃん?毛で咽るんだよね」
「喉に詰まらすぞ」
「ほらね」
「何、変な会話をして居るんだ?でもイデナも毛が凄いから、人の事言えないけどな」
「今日のご飯は馬刺しだね」
「馬じゃない、騾馬だぞ、訂正しろ」
「先ず、喰われる事に異議を通せ」
「もう、ペーテちゃん//そういう事が好きなの?//」
「気持ち悪」「気持ち悪いな、流石に...」
「可笑しい、何で私が悪いみたいに成ってるの?」
「「元から」」
「ねぇ、何で其処で団結するの、闘いでして」
まぁ、平常運転な何時も通りの会話だった。
窓から見える景色は異世界と呼べるくらいには見知らぬ土地風景で、何もかもが別風景で建物は此方に似てるのに、其の建物群を駆ける者達が全然違う。何かイデナに似てると言うか、何と言うか...具体的な言葉が出て来ないが、そんな処かな...
こんな三人でも閑静とした処から出て、さっさと煙草やら酒が飲みたい処だ。
退屈と暇の漫ろの雨漏りが体に滴って来る。時間が濃密で重い布の様に伸し掛かって来る。凄く時刻感覚が猟奇的な舞を踊りそうだ。
他愛も無い会話が続き、八日間の時間は少し遅いが、泥沼の様な濃密さと滑りの悪路な時間感覚だった。他の病人達や医学関係者からの視線が凄かった。まぁ、何と言うか、此処の人達は人間にしろ、亜人にしろ、身長が小さいね。そりゃ、2mも越えた者が居たら、誰だって気になるよね...
無事、完治した其の日の事だった。
「なぁ、私達は之から如何すれば良いんだ?」
「私にも解らない」
「困ったなぁ...」
あの航海会社、客よりも利益を優先しやがった。
客の医療費どころか、何もこっちに通達しない儘、消えたんだけど...
お前らに解り易く言えば、船に故障に巻き来れて、怪我したのに謝罪どころか、穢した乗客を無視して、消えたって言えば解るかな。色々と終わってる、之は酷いな。
とは言え、此処で立って居ても、時間が浪費されるだけだ。しかし、私は此処の事等、全くと言って知らない。其れ所かまるで異世界に飛ばされた様な気分だ。
でも、幸いな事にペーテが居る。ペーテは元々、此処で降りる予定だった。
もしかしたら、此処での旅行かも知れないし、友人でも居るのかも知れないが、多少は此処の事は知って居る筈だろう、多分...
「..之から如何すれば良いんだ?」
「俺は此処から北に行って、
「「有難い...」」
此の時のペーテの台詞には、本当に救いとしての薫りがした。
私達は此処、榮樂區を出発し、其のペーテの友人が居る蓬門と言う所に行く。
ペーテの言う事通りに足を進める。泰西の建物に似た建築物の群れの中を蕭々的に歩く弱性動物様にひそりひそりと歩くが...
「見て、あの狼さん、凄く大きいよ!!」
「凄いなぁ...」
「でけぇ...」
「...」
凄い目立つ、何ならイデナやペーテもかなり大きく見える。
街中の者達にそうヒソヒソと聞こえるが、私に驚いて居る声がチラホラと聞こえる。
人間に亜人も私の事を視て居る。殆どが「凄い...」みたいな悶絶?驚愕?みたいな表情を浮かべて居る。
「凄いな、皆、ミュハに釘付けじゃん」
「恥ずかしい」
「良いじゃん、俺ももっと身長が大きければ、注目の光を浴びれたのになぁ...」
「其れ、私には煽りにしか、聞こえないぞ、其れとも肩車でもして欲しいのか?」
「止めろ、其れは俺のプライドが消える」
「ミュハがペーテを肩車して、私が二人事、持って飛ぶわ」
「三人とも注目の光浴びれるぞ」
「馬鹿としての注目がな」
そう街の者達の視線の銃弾が私に飛び交って居る。今の私は石像だと思い込んでペーテの先導に付いて行って居る。其の内、何か皆、腹が減ったから、食事を取る事に成ったのだが...
「此の二本の木の棒か金属棒二本で喰えと?」
「やっぱり、俺には使えないね...」
眼の前には、色々な料理が広がって居る。麦粒の様な炒め物?に何かのソースに付けた肉料理に枯れた植物色の丸い木材?の器には大きい葉の上に..白い渦巻きみたいなパンみたい等が有る。
店内は、物凄い多色な装飾と模様が広がって居る。何かこう、一つ一つ細かなデザインと言うか装飾絵が有って、本当に異国の文化を瞬間的に感じられる事かな。数束に纏められた花や大きく花を咲かす何かの華の絵とか、良く解らないが花らしきの様な何かが一杯描かれて居る。
幸い、箸以外にもスプーンとかフォークが有って良かった。私に掌サイズ以下の銀色の食具だがな。後、少し何か傷とか有るけど、食べ
滑ったり、何か独特と言うか嗅いだ事の無い匂いが鼻を刺して来るが、口の中へ運び込む。
.....うーん、何と言ったら良いかな?率直に言えば、なにこれ?って感じかな。
味がね、う~ん、まぁ香辛料と肉汁やらするんだけど、私の好みな味では無いかな。ちょっと味が薄いと言うか、物足りなさを感じる。でも不味い訳では無い、何か後付けで香辛料でも降り掛けたら良いかも知れない。
異文化の食文化だから、味が合わなかったり、微妙に感じるは在ると思うよ。
良い事ばかりでは無いでしょ、自分の感性に合わない事だ何て、今まで何度も経験して来た事だ。と言うか、此のスプーンにフォーク、普通の人のサイズしか置かれて無いから、私は持てば人差し指と親指で十分なんだけど...
逆に食べにくいな...
量事態は其処まで多くないし、其処まで時間は掛らないと思うが...
「ねぇ、あの人、凄く大きいよ」
「俺もあんな感じで高い身長に成りたいなぁ...」
「カッコいいなぁ...」
黙れ、心で思え、わざわざ、言わなくて良いんだよ。
食事に集中力が一気に回らない。大口で数噛みで呑み込み、盃に注がれた茶も強欲的に飲み干す。喧騒な客達の声、調理中の料理達の火や切られる音、風が店内にそよめき、皺影が鮮やく白襯衣が僅かに棚引く。其れとは別で椅子には外套がピソリと掛けられて居る。
約二十数分で食事は終わって、そそくさと私達は店を去った。
燦々煌々の橙色の日差しが舞い込み、白襯衣の袖を捲り、外套を煙にして、瞬時に仕舞い込む。
其れからと言うもの、列車で何とか蓬門まで行く事が出来た。
其の日の夜方、列車は蓬門には着いて居ない、未だ未だ之からだ。
角角とした文字列が紙に刻まれて居る、全くと言って読め無い。
新聞も本も全部、此の角々とした文字で書かれて居る。
読み方も何もかも解らない、時間が重く沈んで居る。
列車の喫煙室、私以外、誰も居ない、壁に貼られた注意書きも何一つとして解らないが、取り敢えず、此処以外の場所での喫煙禁止でも書かれて居るのだろう。
巨体から放たれる大きな紫煙と煙草は山の濃霧様に濃く、豪雨の様に多量の白煙粒が舞って居る。渋々しい雰囲気が体も煙草からも醸し出されて居る。
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続