中指の長姉兼アビドスの一年生、見鷹アリサ   作:柚子古豪二千

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本来はヒナ戦やる予定じゃなかったのでヒナ戦は短めです
レイホンも使ってたあのタバコの設定はブラックマーケットでのアリサの呟きで発案しました
というわけで序盤だけど大怪獣バトル勃発です
全体的に短めです
感想ください


中指と風紀委員会 3

空から襲い来る紫のビームを避けティルフィングを投げてそれに追従するように跳び、空崎ヒナの後ろに回って剣を叩きつける。

 

「くっ!」

「しぶといな…!」

 

右腕に紫の光を纏わせ望を一輪つけ、風紀委員長を殴る。翼がついているけどできるのは滑空だけみたいだな。

腕の鎖を一時的に解いて風紀委員長に投げつけ動きを封じる。

鎖が壊されないように慎重に…

 

「こっち来い!」

 

多少の銃弾を受けながら引き寄せ銃身を殴る。本当は腹を狙いたかったがガードされた。

にしてもあの銃はどうなってるんだ?デカいし出る弾はビームみたいにもなる。

こんなのが都市にあったら一発アウトだな。

 

「ここで騒ぎは起こしたくないのは貴女も同じよね」

「でもやったのは中指だ。アビドスじゃない。私がたまたまここにいてラーメン屋を壊された腹いせにやってるんだ」

 

ガラスに風紀委員長の身体を叩きつけて廃墟の中にもつれ込むと同時に身体を起こして剣を風紀委員長の首に突き刺そうとする。

けれど当然受け止められ剣は逸らされる。あの銃をなんとかしなければ…肉弾戦に持ち込めたらこちらの勝ちなのに。

でもたがが銃な以上弾切れとリロードはある。その隙を狙えば良い。

 

「だかあアビドスはこれっぽちも関係ない。文句言いたいんだったらブラックマーケットで怪しいやつ片っ端からとっ捕まえるかブラックマーケットを打ち壊して数多の生徒を路頭に迷わせるんだな」

「あなたも早く降参したらどう?」

 

ビームを避けて後ろに回る。後頭部を狙った一撃は食らわせらなかったしお返しだと言わんばかりに蹴りが顎に入る。

今のはちょっと効いたな…!ビルの柱を蹴りおって遮蔽物にし隠れ、望を両足に纏わせる。

 

「うおっと…」

 

とたんに弾が柱を狙い当たりが煙に包まれる。好都合だ。今のうちに近づこう……

 

「そこね」

「きっしょ…」

 

仕方なくビルをぶち破って大空のもとに行きついてきた風紀委員長をつかみ腹に銃弾を受けながら引き寄せる。

ようやく思い通りに駒が進んできたな!

 

「げほっ…これは高くつくぞ…!」

「なんで至近距離で受けて意識を保っているの…?」

 

頭を望を纏わせた足で蹴り落としティルフィングを投げて私も重力に従って落ちていく。

当然遺物を警戒してティルフィングを蹴り飛ばすが本命はそれじゃない。私がそれと一緒に暴れ回る姿を見てきたんだったらそうするだろう。

でも…ふぅ、作らせてよかったよ。麻痺と毒の効果のある特殊弾丸。

 

「私だってキヴォトス人なんだ…銃くらい持ってて当然でしょ?」

「ぐっ!」

 

口から血を吐き出して愛銃を風紀委員長の口内に突っ込み全弾連射する。

あ、流石に弾切れ早いな…もともと銃弾多く込めてなかったからな。一応持ってたけど。

 

「これは…あの弾のせいね?」

「痺れるだろ!?だいぶな!」

 

予想通りあの量の弾を喰らえばさすがの風紀委員長サマと言えども痺れが出るようで銃がうまく持ててない。

この隙に一気に制圧する。そしてさっさと殺す。

よし、完璧だ。

脳内でその行動を思い浮かべながら顔面を蹴り飛ばし砂の中に倒れ込んだ身体を蹴り起こして首を掴む。

これでさっきとは状況が違うな…麻痺弾は多めにストックしておくか。都市での執行に便利だ。

あーでもあれだけの連射喰らったから流石に痛いな……

そう考えながら風紀委員長を蹴り殴り切りつけているといつの間にか市街地に到着していた。

 

「ゲホッ…刺青と心あってこれかよ…」

 

そう呟いている間に麻痺が治ったのか一瞬で風紀委員長が視界から消える。

逃がした…いや逃げたのか?面倒事にはしたくないって言ってたし…人質…は先生達に止められる。

いや、もし私を倒す方向になるんだとしたら後ろ…いや。

 

「上だよな!」

「くっ…!」

 

上を向くと同時に望を両腕に纏わせ刺青を光らせて攻撃を耐える準備をする。あれを生身で食らったらいくら私と言えども無事ではすまないだろう。

面白いしこのまま受けてみるか。

 

「くっ…流石に痛いな…」

 

痛覚が死んでるわけじゃないので普通に腕が痛い。この程度だったら消毒して放置でいいか。

そう考えている間にも廃墟が崩壊し崩れ砂が視界を覆っていく。

さて…面白いものも体験できたしお礼でもしてやろう。

 

「さっきのはなかなか効いたぞ…だが!」

「まだ倒れないのね…!」

「お前の負けだ!」

 

ティルフィングで銃を斬りつける。当然離さないので拳を顔面に一発入れ手が震えた隙に斬りつけ手を離させる。

重い音を立てて銃が地面に落ちる。

それに優越感を覚えながらいよいよ風紀委員長を切り心地とやらを体感する。

…こう表現するとなかなか気持ち悪いな。

 

「なるほど…キヴォトスの奴らはこんな感触なんだな!」

「…っ!」

 

蹴り飛ばしてビルの壁面まで風紀委員長を叩きつけ壁面に壁を擦らせながら走る。

そして顔面をガラスに叩きつけてビルの内部に入り顎を殴りつける。銃は直ぐ側の地面に落ちているからもう何もできない。

 

「……!」

「おっと、行かせないぞ!」

 

一瞬の隙を突かれて銃を回収しに行かれたが別に問題はない。攻撃が脅威にならないことは最早分かっている。

戻ってきた風紀委員長の姿が見えると同時に剣で斬りつけ小綺麗な顔を蹴りつける。

そして後頭部を掴み上に放り投げる。重力に従って落ちていく風紀委員長を見ながら一服した後私も飛び降りた。

ティルフィングを逆手に持ち風紀委員長の腹を目指す。

串刺しの完成になればいいけれど!

 

「そのまま動くなよ!そして…!串刺しになっちまえ!!」

 

叫んで剣を突き刺そうとし、煙の中をサングラス越しに見る。早くこの剣を喉元に突き刺さなければ…!

足音がする。後ろだ。銃を回収しようとしているな……じゃあその隙を突いて!

剣を音の位置に突き出す。聞こえたのはティルフィングが肉を裂く音ではなく剣が何かに当たった硬い音だった。

何の音だ?銃で受け止めた…可能性もあるがこんな一瞬で移動できるか?

いや…そうだとしたらこの土煙の先にいるのは……

そこまで考えて処刑対象を逃してしまったかもしれないことに気が付きまた足を踏み出した。

 

「まったく…どこに行った…空崎ヒナめ…」

「ストップだよ〜アリサちゃん」

「え?」

 

足が止まった。煙の向こうにいる人物が動き剣が落ちる。

煙の向こうからピンク色の髪が見え、私は目を見開いた。

ホシノ先輩だ…なんでこんな所に、いや…風紀委員長はどこに行った?

 

「え〜っとさっきの子ってゲヘナの風紀委員長だよね…?」

「……うん」

 

私の剣を見てそっと返した先輩は悩むような顔をしながらあ、と声を上げて手を振った。

つられてそちらを見ると肩で息をしている皆がいた。

 

「風紀委員長はどこ?」

「アリサ先輩…これ以上は外交問題になりますからやめてください…!」

「そういうわけにもいかないでしょ。責任はちゃんと取らせないと」

 

状況を理解したホシノ先輩も先生側に加わりあっという間に言い負かされてしまった。

これを許したら今度はトリニティから来るかもしれないのに何を悠長にしているんだ?

 

「というわけで本当に申し訳ございません」

「いえびっくりはしたけど特に問題はないわ。アビドスは関係ないんでしょう?」

「懐が深い事で…」

「ん、ちゃんと謝るべき」

「はいはい申し訳ございませんでしたー」

 

心のなかで中指を立てながら渋々謝罪の言葉を羅列する。

明日にでもゲヘナに行って“お礼”でもしよう…え、帰ったらお説教?

全員から?ホシノ先輩は関係ないでしょ…

 

「それと先生に言いたいことがあるのだけど良いかしら」

“うん”

「……これって私が悪い?」

「「「「「うん」」」」」

 

納得できない…

 

◼️◼️◼️

 

「一歩間違ったら外交問題だったんですよ!」

「だからアビドスは関係ないって。一度もアビドス生って名乗ってないし」

“そういう問題じゃないと思うよ…”

「ホシノ先輩助けて〜」

 

血と戦闘でボロボロになった服を着替えて学校に戻りお説教を受けながら先輩に助けを求める。

全員養護する気はないらしい……

 

「でもあれ許したらアビドスはどんどん攻め込まれるよ。現に三大校の一つが来たんだしさ」

「それをしたら立場が悪くなりますし砂漠の土地を占拠する理由もないですよ?」

「天雨アコが言ってたでしょ、文字通り何でもできる先生…それがこんな弱小校にとどまってるんだから多少のリスクを犯しても獲りに行く。先生を手に入れたら敵の学校の生徒を退学だってできるんだし。先生がアビドスにいる限りこういうのは来ると思うよ。いずれ」

“私にそんな価値は…”

「あるよ。あるからこそゲヘナが自治区に侵入して物ぶっ壊してでも先生を攫いに来たんでしょ」

 

やっぱ殺しとくべきだったな…全員とは言わずとも天雨アコと空崎ヒナは。

あれを許したらどうせどんどん来るんだし。

それか先生には早めにお帰りしておくか。アビドス消滅のリスクを負ってまで先生に世話掛けられない。

先生に悪いしさ。

 

「それは悪い方向に考えすぎなんじゃ……」

「悪い方向に考えて損はないよアヤネちゃん。……で、シロコは何そんな聞きたいことがあります、って顔してんの」

「ん…その金色のオーラとか輪っかとか聞きたい。あ、言いたくなかったら言わなくていいけど」

「…ま、少しだけなら」

「いいの?」

 

心と望のことくらいなら良いだろう。これは都市の技術だし扱える人もいないし。

私は都市にいすぎたせいなのかすっかり都市の人という風貌になってしまったが。

 

「このオーラは心って言って出すと早くなったり攻撃強くなったりする」

「これ出せれば先輩に勝てる?」

「まだ勝つ気でいたの…?無理だと思うよ…私だってどう出したか分かんないし。昏睡で脳がおかしくなったのかな?」

 

シロコの頭を撫でながら今度は望について教える。

銀行強盗好きはどうも矯正できなかった。ホシノ先輩が一年前によく頭を悩ませていたような。

 

「で、輪っかの方は望。心をうまい感じに制御するとこれに変化する。腕に纏わせてダメージ減らしたり足につけて高くジャンプしたりとか……あ、メール…ちょっと待って」

 

目をキラキラさせているシロコをなだめながらスマホをいじる。目に飛び込んできたのは何度も見た例のメールだった。

実験させろ金払うここにこい。

よし、無視で良いな。メアドもブロックしとこう。

 

「うん何もなかった。それじゃ私は怒られたくないしここらへんでさよなら」

“あっまだお説教終わってないよ!?”

「アリサ先輩待ってください!」

 

お説教は明日聞くことにしよう…ちょっと今は疲れたから…

 

◼️◼️◼️

 

「言っちゃいましたね…」

「先輩も人の話聞きなさいよ!」

 

パタンと閉じられた扉と拒絶するかのような目に無理やり追うこともできずアヤネが椅子に座り直す。

そのまま話題はアリサのことへと写っていった。

 

「いろいろ気になるけどやっぱりあれなんだろう」

「姿も色々違いましたしあんなに肉弾戦強いなんて聞いてませんよ」

 

風紀委員会を蹂躙していた姿を思い返す。

銃を殆ど使わずに謎の剣らしきものと拳だけで風紀委員会を複数相手にして傷はほとんどなかった。

腕の傷は風紀委員長を銃撃を受けたと言っていたがなぜこれだけですんでいるのか…

 

「やっぱアリサに聞きに行く?」

“やめたほうが良いよ。シロコちゃんだって言いたくないことあるでしょ?アリサちゃんにとってはあれがそうなんだよ。だから自分では話す勇気が持てるまでそっとしておいてあげよう”

「先生の言うとおりだよ〜アリサちゃん怖がっちゃうし」

 

年長者二人の言葉で場の空気は柔らかくなった。

確かにあれらは気になるが無理に聞き出すこともないだろうと先生は思い立ち上がった。

 

“私も気になること調べなきゃいけないから帰るよ。じゃあまた明日”

 

生徒たちに手を振って校舎をでる先生の脳裏に過るのはヒナの言葉だった。

カイザーが怪しい動きをしているらしい。

 

“アロナ。カイザーについて知ってる?”

『はい!もちろんです!』

 

手元のタブレットに呼びかけると先生にしか見えない水色の髪の少女が現れる。

シッテムの箱のOSでありスーパーアロナちゃんを自称するOSはすぐさま調べ始める。こういう時にも頼りになるな、と先生は思った。

 

『カイザーはキヴォトスで様々な事業で有名な起業です!アビドスにも子会社がありますよ!』

“アビドスにもあるんだ…ありがとね。アロナ”

 

そう言うと嬉しそうに頬を緩ませたOSはふと何かを思い出したような顔をした。

 

『あとアリサさんのことなのですが…』

“アリサがどうかした?”

『心、望と呼ばれていた技術とアリサさんが持っていたあの剣はキヴォトスに存在しませんよ!』

“え、そうなの?普通に話してたからあるかと……”

『あんな金色のオーラ出すだけで早くなるなんてありえないですよ!それにアリサさんは一ヶ月昏睡していたとはいえ急に不思議な力を使えるようになるなんて怪しいです!』

“私から見たら銃弾受けてなんともない君達の方がちょっと怖いけどね…”

 

だがもしアロナの言っていたことが本当だとしたら疑問が確かに湧いてくる。

一ヶ月昏睡していたのならその間に何かが起こったのか?でも脳に以上はなかったみたいだし…

それ以上考えてやめた。生徒たちに言った言葉とヒナに言われた言葉が脳を過ったからだ。

 

“先生って難しいなぁ…”

『アロナもサポートします!』

“ありがとねぇ…”

 

駅に付き誰も居ない電車に乗りこむ。一旦シャーレに帰って書類を片付けるか、ちょっと徹夜してカイザーについて調べるか悩んでいると向こう側になにかが見えた。

暗い都市に似つかわしくない紫の光。そしてその前に立つのは…

 

“アリサちゃん…?”

 

一瞬そう見えただけだ。白と赤の髪が見えただけで走り去る電車は一瞬でその姿を見えなくした。

だが妙に見覚えのある背中だったのだ。

 

“気のせい…だよね?”

 

そう自分を納得させて今度こそ席に座ってD.Uまで到着する時を待つ。明日も早いんだし今のうちに寝て置かなければ。帰ったら家事で忙しいんだし。

強くなっていく眠気に抗うこともせず先生は眠りに落ちた。

それを運ぶ電車は夜の中を走っていった。




しれっと風紀委員長の攻撃を面白いからという理由で受ける主人公…これが都市で死を見すぎた者かぁ
次回はアリサのプロフィールです
すぐに出せますがその次の掲示板が滅茶苦茶苦戦することが大確定しています

【ティルフィング】
都市の一定の深さまで潜るとそこは都市に属しなくなり化物や遺物と呼ぶべき力を秘めた者が転がっている
ティルフィングもその一つ。かつて終末の存在が振るったと言われるレーヴァテインの片割れのような存在であり蒼い刀身は誰かの血で濡れるまで鞘に戻ることはなく、また見るものに精神ダメージを負わせる
その持ち主である少女は何を思いその剣を振るうのだろうか

アリサの一人称視点か三人称視点どっちがいい?

  • アリサの一人称時点のまま
  • 三人称視点
  • 視点変更したりしなかったり
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