中指の長姉兼アビドスの二年生、見鷹アリサ   作:柚子古豪二千

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5分で作った妄想

アリサ(親指の姿)
・レイホンと同じ位
・レイホンとご飯行ったりする
・アンダーボスになるのはレイホンのほうが早い
・強い。元から銃使ってるしそりゃそう
・権力で人従わせるの愉し〜って思ってる

アリサ(人差し指の姿)
・代行者の位?
・銃剣を使う
・ヤンと一緒に指令の意思を読み解いたりアドバイスしながら指令の犠牲者を減らすために行動して心を砕きながらすり減らす
・本編より絶望しなさそう(絶望しないとは言ってない)
・キヴォトスに帰ってたとえ都市に入れなくなっても指令の奴隷
・指令の奴隷なので命令されないと自分で行動しない。学校の皆や先生の指示も強い命令口調で言われないと従わないし言われた行動しかしない。

アリサ(薬指の姿)
・身体派は絶対にない
・そもそも入らなさそうだけど野獣派(犠牲になるのは動物だけだし人間をあまり犠牲にしない)
・本編よりよく笑うし楽しそう。花の世話も継続するけどアリサが目覚めた当たりから動物の失踪と悪趣味な事件が多くなる

アリサ(小指の姿)
・中指と兼用する
・星は恐らく天傷星
・情報あまりないから書こうにも書けんけど本編とはそんなに変わらない

ifルートで各指の世界線のアリサも書いても良いかも
人差し指が一番濃い出汁が出そう


失ったもの、手放さなかったもの
見鷹アリサとアビドス砂漠、そしてカイザーPMC


「大将、いる?」

「アリサちゃんか。ちょっと骨折れたけど元気だよ」

「よかった…」

 

都市で家族と駄弁ってストレス発散代わりに執行対象者を殺した翌日、私は大将のお見舞いに来ていた。便利屋はしっかり大将を守ってくれたらしい。信用できないけど。

それに見た所風紀委員共もいないようだし。居ても表で殺るだけだし流石に病室で戦うほど野蛮人ゲヘナじゃない。私は彼奴等とは違うんでね。

 

「お店のことは残念だったね。爆破した奴らをシメる時間あればよかったけど先輩が引っ付いてくるからゲヘナにいく時間取れなくて」

「いや。気にしなくて良い。あそこは元から畳むつもりだったんだ」

「…畳む?」

 

聞けば前々からカイザーの奴らから退去命令が届いており従わないとラーメン屋を潰すとまで言われていたらしい。

何の権利があって口出しできるのか…大企業、これがバレたら避難されるのは目に見えているだろうに。

それともこんな弱小校を乗っ取ったところで避難するやつもいないからだろうか。確かに今目立つのはシャーレしかいない。

これは皆に報告しないとな。

 

「前からこうなることは覚悟してたが…アリサちゃんもそんな顔しないでくれ。店ならまた新しく立て直せる」

「でもあの店は壊された。それに立退き令だって…」

「新しい店は屋台にするんだ。退院したらまた材料を買って…狭くなっちまうだろうけどまた来てくれ」

「……うん。そうする」

 

考えてもどうにもならないか。皆生きてるんだから大丈夫だ。

話はセリカちゃんの話になっていった。曰くしきりに早く借金を返さないと、と言っていたり先輩の事について愚痴を言いながらも大切に思っているとの発言をしているみたい。

口はこういうけど誰も居ないとこうなるんだ…これは心の内に秘めておこう。

それにしてもいい後輩を持ったものだ…

 

「じゃ、そろそろ帰るよ。じゃあね、大将」

「ああ、またな!」

「…さて、私も学校に…」

“あれ、アリサちゃん?”

 

大将に手を振り返して病室の扉を閉め、聞き覚えのある声に振り向いた。先生だ。

手にはお見舞いの品があり私は手ぶらで行ってしまったことを思い出した。

ま、この様子だと先生もお見舞いに来たみたいだし私はさっさと去ろう。

 

「先生もお見舞い?大将起きてるから」

“そうなんだ…アリサちゃんもお見舞い終わった所?”

「そんな所。じゃ、私は学校行ってくる」

 

短い会話を交わして私は病院を出る。それにしてもここは変わらない…いや一週間で変わったらたまったもんじゃないけど。

大将の入院していた部屋が約一週間前私がいた病室とは感慨深いやら……

 

◼️◼️◼️

 

「それでは定例会議を始めます」

「うへ〜」

「はい〜☆」

 

いつも通りの朝、いつも通りの定例会議が始まった。皆から拒絶されないかと思っていたが有難いことに触れられることもなかった。

それにほっとしながら席に座り先生が地図らしき紙を広げるのを見る。

どうやら地籍図のようだ。そこに書かれているのは土地の所有者の名前で書かれているのは当然アビドス高校のはずだが……

 

「なんだ、これ?」

「土地の権利がカイザーコンストラクションの物に…!?」

 

大将の言っていたことは本当だったようだ。自治区の殆どはカイザーの名前に置き換わっておりアビドスの名を冠す土地はこの校舎周辺しかない。

当然柴関ラーメンもカイザーの名前に変わってしまっている。皆も顔を引きつらせて地図のが眺めている。

 

「ハァ〜……」

「どしたの?」

「考えることと脅威が増えたなって…三大校の侵略に加えてカイザーにも気を配らなきゃならなくなったから…」

 

ただでさえ先生の存在でアビドスがあぶないのにそこからカイザーも加わったらさすがの私でも対処できない。

こんな弱小校に発言権なんてあるはずもなくこのまま悠長にしていたら待っているのは支配と崩壊だ。

悪い方向に考えすぎがとも言うが最悪を想定しておいて損はない。それはここでも都市でも同じ事だ。

 

「で、でもなんで自治区を取引なんて…そんな事できるはずが…」

「アビドスの生徒会でしょ」

 

気分を変えようとして失敗したノノミの疑問に答えたのはホシノ先輩だった。その声はいつになく硬い。

生徒会が土地を売った…その結果が莫大な借金?そもそもこんな土地を買うやつなんて……

 

「…アビドスは砂嵐の対処に莫大な金をかけその結果9億の借金を負った…その負債を返すために土地を売るように仕向けられた?」

「仕向けられたって…誰に?」

「カイザーでしょ。きっと生徒会も始めはいらない土地を売っていったんだよ。そうしているうちに重要な自治区も売られるようにされて気づけば……」

 

私のつぶやきを拾ったホシノ先輩によって自治区問題はひとまず分かった。

分かったと言っても空想に妄想を重ねた机上の空論だが。

 

「そういえばホシノ先輩も生徒会のメンバーでしたよね?確か副会長を努めてて…」

「うへ、そんな事もあったね〜」

 

そういうホシノ先輩の目はどこか遠くに思いを馳せるかのようだった。

 

「……まあ、副会長だったとは言うけど実際は生徒会なんて肩書だけで、学校でも随一の無鉄砲な先輩と嫌な性格の新入生の私っていう2人のおバカさんが集まっただけで…何の間違いだか引継ぎ資料なんてものもなくよくわからないままで生徒会なんかに入っちゃって……いや~あの時はあちこちに行ったり来たりだったねぇ」

 

口調こそ少し棘があるがその表情は戻れないものを懐かしんでいるようで寂しそうでもあった。

きっとホシノ先輩も同じなんだろう。もう一度見たくても見れない夢があって、犯した過ちが心を蝕んでいる。

 

「ホシノ先輩は強いなぁ…」

“え、何の話?”

「こっちの話」

 

少し羨ましくも感じてしまう。未だうずくまったままで立ち直れていない私と違ってどうして先輩はこんなにもうまく笑えているんだろうか。

深く消えない後悔と憎悪がこの身を焼いているのは同じだと言うはずなのになぜ……

 

「いや…詮索は野暮、か」

「それでは話を戻すんですが…どうして生徒会は土地を売ったんでしょうか?」

「大体アリサちゃんが言ったのと同じだと思うよ。カイザーが大金を貸してそれを返そうとした生徒会に土地を売るように仕向ける」

“最終的には土地がほとんどカイザーのものに…”

 

アビドスを存続させようとした結果がこれとは先代の先輩も浮かばれないな…

どんな心情でこれらをやっていたのか分からないが完全に行動が裏目に出てしまったのが事実だ。

 

「この取引って合法な物?もしそうじゃないならカイザー全員……」

「アリサ、止まって」

「私は犬じゃない…」

「それにまたあの姿で行くのなら止めなきゃな〜」

 

全員から静止させられ渋々席に座り直す。黒服ならなにか知っているだろうか…アイツになにか聞くのは非常に癪だが使えるものは何でも使っておきたい。

答えなかったら当然その場で処刑だ。利用できるものは利用し尽くしてから捨てないと。

ティルフィングを立てかけ直してコートのフードを被り思案に耽る。

カイザーの行動は気になる所だ。わざわざこんな砂漠の土地を安値とは言え買って何をする気なのか…

だが今の借金は眼を売ったことと地道に指名手配犯狩りをしていることでだいぶ減っている。

むやみに面倒事を起こすのは避けたい。

中指として活動するのも本来はあまりしたくないのだから。

だが殺すことでアビドスが、皆を守れると言うなら私はいくらでも殺して守ってやる。

 

「で、これからどうする?カイザーの所に行って怪しい行動を調べるか…」

 

ゲームだったらそうするんだろう。闇の会社の企みを暴き悪事を白日のもとに晒す。

きっと皆もそう考えているはずだ。シロコは今にも飛び出しそうになっているし。

 

「それか見なかったことにして早く借金を返すことに注力するか」

“え?”

「…何驚いた顔してるの。首を突っ込んだことで状況が悪化するのはよくあることでしょ。私は見ないふりをすることをおすすめするけど…好奇心は猫を殺すんだし気づかなかったふりをしていれば半年ちょっとで借金は完済できるんだから尚更見なかったふりをするのが良いと思うけど」

 

都市だって同じだ。すこし裏路地を覗けば殺人、食人、おまけに五本指が歩いてる。

この帳簿にも中指に手を出して殺されてきた人物の名前が多く刻まれている。一歩間違えれば皆がそうなってしまう可能性もあるんだ。

…私はそうはなってほしくない。だから見ないふりをしたほうが身を滅ぼさずに済む。

もうこれ以上私の目の前からいなくならないでくれ、と言いたくなる口を必死で閉じて皆を見渡した。

 

「私は後者を勧めるよ。これで難癖つけられて借金増えたりなんてことしたくないからね」

「確かにこのままアリサちゃんと一緒に返済していればいずれ返せますね…」

「でもこのままカイザーを無視していたらアビドスが危ない目に遭いませんか?」

 

ノノミは私の案に賛成してくれたがホシノ先輩とアヤネちゃんは秘密を暴きたいらしい。

…いざとなったら暴れまわってアビドスにいるカイザー全員殺せばいいか…

 

「まぁ、皆がやりたいならそれでいいけど」

“あっさり引き下がるね”

「私も気にならないと言ったら嘘になるし」

 

◼️◼️◼️

 

どこまでも続くように思う砂漠はかつて砂祭りが行われていたらしい。

もっとも水は全く無く活気もあったものじゃないが。

本当にこんな所にオアシスがあったのかと疑いたくなるけど先輩が上機嫌で語っているんだしきっとそうなんだろうな。

誰も居ない廃れた駅を越えて歩いていると前から壊れかけのドローンとオートマタが進軍してきた。

邪魔だし殴り飛ばしてやろうと先輩と共に走り出す。

 

“シロコちゃんは二人の援護!ノノミちゃんはドローン部隊を掃射して!”

「ん!」

「は〜い☆」

 

オートマタの顔面を貫いて機構を握りつぶして鉄くずと化した身体を放り投げ別のヤツの胸部を撃ち抜く。

ホシノ先輩は盾でドローンを殴り、撃墜させショットガンで複数体を倒している。

私も負けてられないなと三体の頭部を一気に拳で貫き串刺しになったそれを蹴り投げティルフィングで砂に叩きつけた。

弾をティルフィングを盾にして受け止め頭部に一撃を与え、一気に機能停止させる。

 

“アリサちゃん後ろ!アヤネちゃんはホシノちゃんを支援して!”

「うへ〜、ありがとね」

 

後ろに迫ったドローンとオートマタをティルフィングで一掃しそれを回復したホシノ先輩が撃ち壊して倒していく。

砂には一瞬で殴り壊されて地面に墜落したドローンと数体残るのみのオートマタがいるのみだ。

そしてそれもノノミのガトリングが掃討してこの場に立つのは私達のみになった。

先生が追いついてきて私もティルフィングを背負い最後にオートマタの頭部を蹴り、頭を踏み潰して先に進んだ。

 

“……”

「何?」

“いや…容赦ないなって……んんっ、先行こう!”

 

どうしたんだと疑問の思うも特に口にすることはなく前へと靴に砂が入る感覚に顔をしかめながら進む。

これがあるから砂漠は嫌いなんだ。そこを除けば静かで良いところだけど。

そして進み続けていると目の前には巨大な建物が見えていた。

周囲に有刺鉄線が張り巡らされたフェンスとオートマタ、戦車が見える。

H社に見えるのはきっと気のせいだろう。形も似てないし。

 

「こんなの昔はなかった…」

「何があるのか気になるところだけど挨拶に来てくれたのがいるみたいんだな」

「いたぞ!あっちだ!」

 

オートマタが数体群れをなしてこちらに向かってくる。次から次へと忙しいな…

そう思いながら跳び、上から拳を敵に叩き込んだ。

 

◼️◼️◼️

 

「それじゃ、これで終わりだ!」

 

最後の敵の胸部装甲を殴り貫いたところで敵影が一旦いなくなったことを確認する。

 

「ん、強かったね…」

「そうか?ただウザかっただけだと思うけど」

「アリサ先輩が強すぎるのよ…」

 

そしてまた一歩施設に近づき壁にデカデカとあるマークに近づいた。

三角形の下にはKAISER PMCと書かれている。カイザーには聞き覚えがあるがその横の文字は知らないな。

 

「ホシノ先輩。PMCって何か知ってる?」

「民間軍事会社。つまりさっきまでのチンピラとは格が違う…プロだよ」

「なるほど…どうりでめんどくさかったわけだ」

 

どこまで行ってもカイザー…さらには軍隊まで……なかなか潰しがいがあるな。これは。

その時新たにヘリの音が加わった。…いや、ヘリだけじゃない。装甲車…戦車…

盛りだくさんだ。そして倒したにも関わらず更にオートマタがぞろぞろ姿を表し始めている。

 

「これは面白くなってきたな…」

『皆さん!まずは一旦離れてください!それか包囲が完成する前に…先生、指揮を!』

“うん、まかせて!”

 

私はティルフィングを持ち、目の前の敵に振りかぶった。

盾に切り傷が刻まれ一瞬で使い物にならなくなり無防備になった身体を蹴り砕いた。

 

“皆、アリサちゃんに続いて!シロコは遮蔽遺物に隠れている敵をドローンで倒してホシノちゃんは前衛で地上の敵をアリサちゃんと一緒に撃破して!”

「ん!」

 

銃弾がオートマタの身体に当たり倒れていく。シロコのドローンとノノミのガトリングが敵を薙ぎ払っていく。

敵を頭を踏み潰して確実に機能停止させる。

背中にあたった無数の銃弾が飛んできた方に狙いを定めティルフィングを振り投げ封印を解除する。

今度は5体まとめて串刺しになった雑魚から剣を抜き空を飛ぶヘリを見る。

そこから飛んでくる攻撃を回避しながら地上の雑魚を壊していく。

私は遠距離の攻撃手段は銃以外に持たなくてその銃も最近腕が衰えてきたからこういうのはシロコ達に任せよう。

人は適材適所に使わないと。

 

“アリサちゃんはそのまま突撃してアヤネちゃんはアリサちゃんが危なそうだったら回復してあげて。ホシノちゃんはヘリが倒れ次第アリサちゃんの援護を!”

「有難いな…」

 

空から来た補給品を受け取り傷を癒す。攻撃は痛いものはやはり痛い。

敵の頭にかかと落としを食らわせへこんだ頭部に蹴りを入れ頭と胴を泣き別れさせる。

いつのまにか私の身体にも結構な傷跡ができていた。回復したばっかりなのに…やっぱり突っ込みすぎるのが悪かったかな?

 

「ま、これで終わったから良いか」

「アリサちゃんもお疲れ様〜」

 

最後の戦車が壊れていくのを見てやっと息をついた。大勢来た意外とがなんとかなった…これも先生の指揮の賜物だな……

 

「ふむ、侵入者と聞いていたが…まさかアビドスとは」

「今度は誰だ?」

 

新しいオートマタだ。周囲を護衛らしきオートマタに囲まれているからかなり上位の位置にいるんだろう。

中間管理職…いや理事長クラスくらい?いや、何であろうと関係ない。

 

「な、何よコイツ…」

「ここで盛大に暴れてくれたからな…君たちの借金に加えてやっても良いのだが…そんなに変わらないな」

「待て待て…先に名前を名乗れよ…誰だ?お前」

 

返答によってはすぐにそのデカい身体引き裂いてやる。きっと気持ちいいことだろう。

 

「そうだな。私はカイザーコーポレーションの理事を務めているものだ。そして君たちが借金をしている相手でもある」

「ご丁寧にどうも!」

 

ティルフィングを投げ、それが護衛に弾かれる。その隙を狙って拳を叩き込み別の護衛に取れた右腕を放り投げ液晶に突き刺さった腕を深く押し込み二名を無力化、そのままこちらに銃口を向けるもう一体の身体を縦に切り裂いてあっという間に護衛を壊す。

 

『アリサ先輩!?何やってるんですか!?』

“アリサちゃん、落ち着いて!”

「ここで殺すなり何なりしといたほうが……ふむ。理事、アビドスの土地はカイザーのものだった。この取引は違法なものか?」

「血の気が早いな。ああ、その取引は合法だよ。数年前、カイザーとアビドス生徒会が取引したのだ。君なら知っているだろう?副生徒会長」

「……うん」

 

理事の喉をつかみ持ち上げる。この取引は合法…つまりカイザーを壊滅させても土地問題は解決しないってことだ。

ま、壊滅させるだけやってみるか?

 

「話は変わるが…君たちの学校の借金がかなりの額減っているそうじゃないか。そして同時にこんな物がブラックマーケットに流通し始めた」

「…眼」

 

理事がポケットから取り出したのは確かに眼だった。

あれはこの世界じゃアンティークコインという扱いになっているはずだが…もしかしてバレたのか?

 

「銀と金の流通量が以上な値になってきてね…調べたらこれに行き着いた。どう思う?中指」

「もうここで殺しとくか…」

 

喉に力を込め、機器を壊していく。そして首を握りつぶすと胴体がボトリと砂に落下した。

当然これで終わりじゃないんだろう。どうせ替えがある。

 

“何してるの!?”

「これは…帰ったらまたお説教だね…」

「……あの場で有利なのは私だった。それに……」

『いや?依然有利なのは私だ。まだそれがわからないのか?』

 

思った通り、すぐ近くのスピーカーから理事の声が流れ始める。録音じゃなさそうだしスペアに移し替えたらしい。

 

『あの身体は高くつく…この落とし前はどうつけるつもりだ?アビドス…!』

「アビドスじゃない。中指が独断でやったんだ」

『これは…こうするしかなさそうだな』

 

すると通信の向こう側のアヤネちゃんから悲鳴のような声が聞こえてきた。

よく聞こえないが…カイザーに与えた損害とそれに伴う信用墜落で利子増大?

 

「アビドスは関係ないだろ!」

『あるとも。君はアビドス高校二年生の見鷹アリサでアビドスの制服を着たアビドスの生徒だ。どこにアビドスと無関係の証拠がある?生徒名簿を見てみるんだな!!』

「くそっ…!」

 

カイザーの勝ち誇った笑い声が耳に届き思わずスピーカーに引き金を引いていた。

一瞬声が止むがすぐに別のスピーカーから理事の声が聞こえてくる。

 

『だが君たちがある提案を飲めばこの借金を帳消しにしてやろう。そして不要な土地の返還も約束する』

「そんな都合のいい話があるわけない!」

『それがあるのだよ砂狼シロコ。たった一つの提案を飲めば君達五人・・・・は何事もなく学生生活を謳歌できる。悪くない提案だと思わないか?』

“5人…?”

『見鷹アリサ。君の身体は神秘に満ちている。身体に刻まれた光る刺青。前例のない光るオーラに金色の輪。そして異次元の力を持つその剣……私のスポンサーもその身体を欲しがっている。だからこの紙にサインをしてくれ!そうすれば大切な学友は平穏な学校を手に入れる!君も本望だろう!?』

「お前達…!初めからアリサちゃんのことが狙いで!」

“アリサちゃんは渡さないよ!”

 

提案は私に実験動物になれ、か…スポンサーも十中八九ゲマトリアの黒服…

目の前に紙とペンが置かれている。

後方では全員がカイザーの兵に銃口を向けて先生もかつてない敵意をにじませている。

そして私はその契約書を破り裂いた。紙片が砂の上に散らばり、風に吹かれてそれに消えていく。

もう見つかることはないだろう。

 

「これが答えだ。生憎私はそこまでバカじゃないし破滅願望を持っていない」

『そうか…残念だ…本当に残念だ!こんなチャンスを自ら捨てるとは!』

「んでスポンサーはゲマトリアだろ?じゃあ伝えてくれ。カイザーとゲマトリアには近々弟達が世話になるだろう。って」

『…伝えておこう。それでは、いつも通り来月の返済をよろしく頼むよ。お客様』

 

背後では理事の笑い声と兵が退却する音が耳に入る。

私はティルフィングを背中に背負い直した。

 

「帰ろう」

“うん”

「………ごめん」

 

返事はなかった。答えられなかったのか、聞こえてなかったのか。

フードを被った。顔が見えないそれに安堵しながらアビドス高校に戻る。

後ろではホシノ先輩とセリカちゃんの声が聞こえる。だが今日はこれ以上皆と話す気になれなかった。




オデュッセイアにバカグレゴール…もう石も箱も狂気もねぇ…
サユリちゃんかわいいかわいいね…絶対お迎えするからね…と思ってたらココロに心奪われました
ここで第一のオリチャー発動!借金増額&利子増大!
自らの行動でアビドスがピンチ!お前のせいだなアリサ!
因みにアリサは何かあったら「関与してるのはアビドスじゃなくて中指」と言って責任を抱え込むクセがあります

アリサの一人称視点か三人称視点どっちがいい?

  • アリサの一人称時点のまま
  • 三人称視点
  • 視点変更したりしなかったり
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