中指の長姉兼アビドスの二年生、見鷹アリサ   作:柚子古豪二千

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赤バーになって感想が見たことない量もらえて震えてる
感想はマジ切なのでもっとください
評価、誤字報告もありがとう…



中指と風紀委員会 2

「アコ行政官…?」

「天雨アコ…」

 

胡散臭い笑みを浮かべながら天雨アコがホログラム越しに表面上は友好的に話しかけてくる。本体はゲヘナでこの蹂躙を素知らぬ顔で見ていたんだろう。

 

「行政官ということは、風紀委員のナンバー2……そんな人がここに……」

『あら、実際は大したものではありません。あくまで内務の面で委員長を補佐する秘書のようなものでして……まあ、それはさておき、ですね』

 

水色の瞳が私達を見つめる。

後ろを警戒しながらも行政官の姿を投影している機械をいつでも壊せるように弾を込めた。

 

『さて、皆様は私達の即時撤退をもとめておられるようですが、こちら側としては、その提案は受け入れかねます』

「へぇ。それは…ずいぶんと自信があるんだな。私がコイツらを倒す所見てこなかったのか?」

 

冷静に…そう。あくまでも冷静に敵を狩る。油断した隙を狙って殺してやる。

後ろ手に銃弾を装填する準備をしながらも目は天雨アコを見る。

 

『はい。こちらの目的はその便利屋を捕縛するためです。たしかにあまり好ましくない出来事もいくつかは起こりましたが…』

「あまり好ましくないこと?ふざけてるの?こっちは風紀委員会なんて一瞬で殺してしまえるから発言には気をつけろ」

「ん、アリサ…せいぜい格の違いを分からせる程度にね」

「二人ともやりすぎはだめですよ〜?」

 

ノノミだって撃つ準備してるくせに……人のこと言えないよ…

やっぱり皆も怒ってるんだな。

 

“アコ。私は帰ってもらえると嬉しいんだけど”

『先生も、ですか…困りますね…イオリ、戦えそうですか?』

「この怪我で戦えると思う?」

『そうですよね。イオリは今すぐ救急班の救護を…』

「それを私が許すと思う?」

 

銀髪が後ろに下がろうとしたのですかさず背中の傷口に弾をプレゼントする。

…気絶だな。一名無力化。

 

『どういうつもりでしょうか?』

「なんかめんどくさいしもう風紀委員会ぶっ潰す?シロコも手伝ってよ」

「銀行強盗なら手を貸すよ」

 

じゃあやめとこう。めんどくさいのは嫌いだ。

先生とかからもすごい目で見られてるけど先に手を出したのはあっちだし。私だって砲撃しなければ穏便に済ませたのにさ…手を出したのはあっちだ。私は悪くない。

中指は基本そういうスタンスだしね。

 

「嘘をつかないで。天雨アコ」

 

便利屋から声が上がった。いつのまにか立ち上がっていたらしくこっちも交戦準備が整っている。

白髪はいつの間にかいなくなってるが。帰ったな。

 

『探す手間が省けましたね。一人いないようですが…?』

「ムツキは怪我をしているわ」

『そうですか。しかし嘘とはどういうことでしょうか?私は嘘など吐いていませんよ?』

 

行政官の顔には相変わらずの笑みが貼り付いているがすこし口角が引きつっているように見える。

動揺しているのが見え見えだ。

 

「中指も言っていたけどこんな辺地まで風紀委員会が追ってくるはずがない。私達を捕まえるためだけに部隊を何個も動員するなんてあの委員長がそんな事するはずがない。アコ。……あんたの目的はシャーレ。この独断的な行動も抵抗されることを見越していたから。最初からシャーレを追ってここまで来ていたんだ」

『………』

 

目的は先生。行政官は何も言わなかった。それが何よりの答えだった。

 

◼️◼️◼️

 

『ええ。シャーレの力を手に入れられれば……』

「そうか」

 

ホログラムを投影している機械を壊しそのムカつく顔を目の前から消しさる。

剣を抜くとスパークのせいでバチバチいう機械を踏み潰し剣を風紀委員会に向ける。

とたんにこちらに向く多数の銃口を見ながら笑った。

 

「そのムカつく角がへし折られるのが楽しみだよ」

 

そう呟いて剣を雑魚に突き刺す。銃口が切り払われ無防備になった胸を切り裂いて後ろを向き殴り飛ばす。

そして音楽を再生し返り血がかかったサングラスを掛け直した。

 

「この剣の力、しっかり身に刻み込めよ!」

「なにこれ…気分が…気持ち悪い…!」

 

完全に封印が解除された剣を目にした風紀委員会がふらつき攻撃の手が止まる。

あの鉄塊かと思うような鞘もなくなり青く光る細い刃が姿を表す。この剣を目にしたものには軽度の精神ダメージを負うらしい。義理巡礼のときには苦労したよ。名前は…ティルフィングだっけ?

で、こいつらは完全に動けない。動けないならくたばればいいのに。

 

「アリサ先輩止まって!」

「紫ちゃん!」

 

踏み潰すように足を腹に置き顎を蹴り上げ浮いた身体に剣を投げる。そして飛んで剣を蹴り込んだ。

 

大当たりブルズアイだな!」

「かはっ…!ごっ…」

 

苦しげな悲鳴を上げるゴミの首を掴んで気絶を確認し後ろに迫る数多の銃口を背中越しに感じる。

撃ってもどうにもならないのは一番わかっているだろうに。

地面を殴って土煙を巻き起こしそれに紛れて一体一体確実に排除していく。

拳を血に染めながら走って顔を殴って鳩尾を刺青の入った蹴りをお見舞いする。骨折して戦闘不能になったやつの足首を踏み潰して後ろにいるやつの銃ごと剣で殴り銃を落とさせる。

 

「あっ!待って…やめて!」

「それを言うんだったら……」

 

恐怖に震える少女の口の中に銃口を入れ引き金を引く。花の香りが充満して口が切れたのか気を流しながら気絶した少女を蹴り飛ばして地面に殴りつける。

 

「遅すぎたんだよ」

「総員早く撃て!」

「分かってるよ!」

 

小石が当たっているかのように感じる銃弾を片手で掴み取る。一般的な弾の種類だ。

都市では壁を砕く銃弾は禁忌だったからロケットランチャーは新鮮に感じるな…

 

「アイツ、素手で弾を…!?」

「こっちに来るよ!こ、殺される…!」

 

身体中の刺青を紫に光らせながら鎖を鳴らしてこちらに来る私のことを恐怖して銃口を向けることしかできない姿に憐憫を覚える。憐憫、か…私もそんな感情を抱ける立場になったなんてな。

感慨深いやら、憎らしいやら。

 

「…心」

 

呟くと身体から金色のオーラが出て体を包む。中指の強化刺青とはまた違う強化の方法。

発動方法は不明だが…こうやって自由に使えるのはありがたいな。

そう思いながら剣を掲げる。さっきから銃弾がうざいがこんなものせいぜい何かが当たった程度だ。

 

「これはとある所の深部で手に入れてね。姉さん達が私に譲ってくれたんだ」

 

そう言いながらその遺物、終末の存在が振るった剣の一つであるティルフィングに望を一輪纏わせる。

まだこれの制御はうまくないけど…試運転と行こう。

足を踏み込んで距離を詰め複数人を切り裂く。

銃が切られて使い物にならなく形無防備になった隙をついて拳に纏わせたもう一つの望を駆使して返り血を浴びながらも笑い、敵を倒していく。

 

“皆、私達も早く行こう!”

「うん!アリサ先輩を止めないと!」

 

ふと気になったので銃弾を耳の穴に当て引き金を引いてみる。あ、流石に鼓膜破れるか…キヴォトス人と言えどそういうのは弱いんだな。良いことが知れた。

目に至近距離で当てたらどうなるかな?気になったら試してみるのが吉だ。

銃口を目玉に押し当てて引き金を思いっきり――

 

「今だ!」

「…?迫撃砲…!」

 

迫撃砲の放火が私を包み込む。味方にも当たっているな…フレンドリーファイヤーするなんてまだまだだ。

にしても並のキヴォトス人だとくたばってたな…こんな火力を一人に向けるなんてどうかしてる。

あ、タバコない…ポケットにまだ隠してるのあったかな?

 

「当たった!味方を巻き込んじゃったけど…」

「でもダメージは入ってるから今のうちに!」

「ふぅ…今のはちょっと効いたな?」

 

砕け散ったアスファルトの中から姿を表す。スーツは破れて刺青の入った腹が見えてしまっているしコートもだいぶボロボロだ。はぁ、服まで汚すとは……

帳簿に書くべきことがまた増えたな?

 

「お遊びはここまで」

「嘘、まだ動けるの!?」

「行政官!助けて!撤退を……」

「全員!」

 

ヒースの真似事をして飛び上がる。心の影響からか軽くなった身体の爽快感を感じながら笑い剣を逆手に持つ。

 

「処刑だ!!」

 

地面にクレーターができまた一部隊が壊滅した。

 

◼️◼️◼️

 

「ん、アリサがここまで強かったなんて…」

“これは…ちょっと予想外だったね”

 

地面ではアリサに倒され苦痛にもがいている風紀委員達が救護を受けて各自撤退している。

アリサがどんどん敵をなぎ倒して便利屋含むアビドスも各自撃破しているから残る風紀委員の数も減っていった。

あとは暴走しているアリサをどう対処するかだが…

 

『皆さん、今すぐ撤退を!ルートはこちらで算出します!』

 

通信機器を新しいものに接続したのかいつの間にかアコの声が再び聞こえるようになっていた。

だがそれは敵に自身の位置を知らせるということで。

 

「そこにいるのか!」

 

予想通りの喜色が滲んだ声を発するアリサが投影されたアコの方に向かった。

 

「アリサちゃん!今すぐ止まってください!」

“待ってアリサちゃん!”

 

ノノミと二人で声を張り上げてアリサを静止させる。

ピタリと動きは止まって血まみれになったアリサがこちらを向いた。

 

「ノノミ…ちっ、今良いところなの。邪魔しないで」

「この人に何をするつもりですか?」

「別に…あの機械をぶっ壊すだけ。ここからじゃどうもできないでしょ」

 

アリサも少なくない血を流しているのにも関わらず痛くないかのように平然と立っている。

 

「なんで二人はそんな冷静でいられるの?柴関ラーメンが壊されて大将が大怪我したんだよ?」

“でもここまですることじゃない。君だってチナツ達に怪我を負わせている”

「……あーそっか…そうだよな…ここは違うんだし…そっかぁ……」

 

突然顔を下げてブツブツつぶやき始めたアリサを狙うようにまだ残っている残党が一斉射撃を始めた。

それを意に介さずにアリサは言葉を紡ぐ。

 

「私だってここがこうならなければこんな事だってしなかった」

“でも明らかに君の攻撃はやりすぎだよ。わざわざ攻撃せずに撤退の意思を示せば良かった”

「私だってそうするつもりだった。これ以上戦闘するつもりもなかったけど……」

 

ここで言葉を区切って後ろで攻撃し続けて言う風紀委員会を殺気だけで行動を止めた。

その目には疲れが見える。

 

「けれど中指は忘れないから。受けた怨は何倍にも変えてお返しする。それがウチの……あ」

“アリサちゃん、後ろ!”

 

後ろからありさを狙って銃底の殴打が迫る。先生は瞬時にアリサを引き寄せて殴打から庇った。

恐怖のせいで全力の殴打、先生の身も無事ではすまないと思われたが銃底が弾かれたように砕け攻撃は先生に届かなかった。

 

「は…?なんで庇ったの?私は別に大丈夫だって。見てたでしょ?あの戦い…」

“うん…だけど君が危ない目に合いそうだったのならせめて私が少しでも守ってやらないといけないから”

「……なにそれ」

 

心底理解できないものを見る目で先生を見る。しばらく場を沈黙が満たし先に動いたのはアリサだった。

 

「先生もせいぜい気をつけてね。ヘイローないんだし」

“アリサもあんまり怪我しないでね”

「…善処する」

 

どこに隠し持っていたのか新しいタバコの煙を吐き出すアリサを見ながら指揮に集中する。

そしてふと思い出した。

あのタバコはキヴォトスでは売られていない銘柄だったな、と。

 

◼️◼️◼️

 

なぜか先生から怒られそうな雰囲気を感じながらさっきの声が聞こえた方に歩く。

ホログラムだとは言え姿も見たくないからさっさと壊してしまおう。通信越しでもダメージを与えられたら良いんだけど……それは難しいか。

 

「まだ通信機器はありそうだし…処刑の準備がてらさくっと壊そうかな」

 

そしたらいよいよゲヘナに言って風紀委員長も処刑だ。ここにいれば移動の手間が省けるんだけど。

首元を狙って手刀をいれてやっぱりやめる。拳のほうが良い。

胸ぐらをつかんで地面に叩きつけて浮いた身体にティルフィングを叩きつけ蹴り込む。

足に刺青の力を込めて敵を蹴り飛ばすとビルに埋まりながら気絶した。

息をついて煙を払いながら姿を表す。確かに過剰戦力すぎるな…風紀委員会はこんなに戦力があるのか。

これは壊滅させる時苦労するな…

 

「天雨アコめ…」

 

本当にめんどくさいことをしてくれる…!

これがコイツの独断だというのなら風紀委員長の執行は少し軽めにしてやろう。天雨アコに裂く労力が惜しい。

ここらで一旦キヴォトス人の耐久テストをしたいが人目が多すぎるな。さすがに指名手配犯になるのは勘弁したい。

 

 

「アコ、何をしているの?」

 

 

再び襲ってきたゲヘナの砲撃音に紛れて新しい誰かの声が聞こえてくる。

そしてまた機器を移したらしい天雨アコの声も。

 

『委員長!?それは、その…!』

「酷い荒れよう…その制服、アビドスよね。何があったの?」

 

小さい白髪…髪の量すげぇな。こいつが風紀委員長か?

 

「天雨アコが独断でアビドスの自治区で兵器を運用しその影響で民間人が怪我を負った。これは風紀委員長の意思ではないな?」

「その格好…中指ね。なぜここにいるのかしら?」

「そんな事だどうだって良いだろ。これはお前の意思か?」

「落ち着いてくださいアリサ先輩。相手はゲヘナの最高戦力なんですから話し合いを……」

 

いつのまにがそばにいたアヤネが耳打ちしてくる。それもそうか。

手に持っていた風紀委員を地面に投げ飛ばして腹を踏んでから姿を表す。

 

「しかしアビドスもこちらに重大な被害を与えた。もしかすれば死人も出かねないほど強力な…それに便利屋を捕縛するという公務の妨害もしたそうね」

「関係ない。先にやったのはそっちだ。それに天雨アコが言っていたがこの部隊の運用目的はシャーレの先生の誘拐だ。便利屋は表の目的…そうだろ天雨アコ」

 

紫に光る巨大な銃口をいつでもこちらに向けられるようにしながら風紀委員長に問いかける。

私もティルフィングを背中に背負い直して一旦形だけ停戦の意思を伝える。

 

「それは本当なの?」

『あっ…委員長…それは……』

「反省文10枚」

『はい、本当です…』

「そう。反省文100枚ね」

『いえヒナ委員長のためなら1000枚だって書いてみせます!』

「……じゃあ1000枚」

 

アホだ。アコじゃなくてアホだコイツ。

自ら墓穴を掘ってその墓穴に気づいてない。

こんなバカが風紀委員のNo.2とは…程度の低さがよく分かる。

…いや風紀委員長限定でアホになるのかもしれないけど。

 

「通達なしの兵器運用と他校自治区で騒ぎを起こしたこと。今回の非はゲヘナ学園風紀委員会として謝罪させて――」

「ふむ…それは良いけど…なにか足りなくない?」

「え、アリサ先輩?」

“足りないって何が…?”

 

もう一本のタバコに火をつけ背中に背負ったティルフィングを持ち直した。

青い刀身に望を2つ纏わせる。

 

「気になってたことがあるんだ」

「…!」

 

一瞬で空崎ヒナに詰め寄り剣を突きつける。銃身で受け取れられてしまった。

だがそれでこそ最強の名を関するのだろう。そして私は切らなければならない。だって…

 

「…これはどういうつもりかしら?」

「なんてことはない。気になっただけだ…ゲヘナ最強はどんな切り心地がするんだろうってな!」

 

風紀委員長も連帯責任で処刑対象なのだから。




あんな事されたらキレるよね…それが一番キレさせちゃいけなかった人だけだっただけで
おかげでだいぶハイになってます。冷静だったらヒナと戦うという選択肢は取らなかったでしょう
コイツ…ハイになってる?
因みにアリサの先生の好感度は低くもなく高くもなく、です
一応支援という形で助けてくれた先生にはある程度の恩を感じでいますがただ都市で綺麗事を吐いて死んでいった人をたくさん見て来たので理想論者の先生をどう感じるかは……
次回、ヒナ戦です
問題が…問題が発生してしまう…!
そしてホシノは遅れます
これもゲマトリアのせいです

アリサの一人称視点か三人称視点どっちがいい?

  • アリサの一人称時点のまま
  • 三人称視点
  • 視点変更したりしなかったり
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