「メトーデ、頼みがある」
大陸魔法協会にあるゼーリエの謁見の間。その絶対的な威厳を前にしても、メトーデの微笑みが崩れることはなかった。彼女は優雅に一礼し、一切の躊躇なく、とんでもない条件を口にする。
「はい、1時間以上なでなでさせて下さるならなんなりと」
「今はふざけてる場合ではない」
ゼーリエはわずかに眉をひそめ、冷ややかにその申し出を却下した。いつもなら呆れて追い返すところだが、今日のゼーリエの声音には、どこか割り切れない重みが混じっている。メトーデは瞬時にその変化を察し、悪戯っぽい笑みを収めて背筋を正した。
「ゲナウとペアを組んでくれ」
告げられた名前に、メトーデは小さく小首を傾げた。
「ゼーリエ様の側近のお一人でもある、ゲナウさんとですか?」
「そうだ。お前にとっては反面教師になるだろうが、あの子にとってお前は“教師”になり得る」
ゼーリエは視線を落とし、自身の小さな手のひらを見つめた。全知全能に近い魔力を持ちながらも、その手はあまりにも多くの弟子を、その命ごと取りこぼしてきた。
「……私では、あの子の心を救ってやれん」
ぽつり、と漏れ出た言葉は、人類最高峰の魔法使いのものとは思えないほど、無力感に満ちていた。
「“嫌な奴でいろ”と言うのが精一杯だった。だがお前なら、あの子を死なせずに済むかもしれん」
ゼーリエの脳裏には、いつも険しい表情で任務を遂行する一級魔法使い、ゲナウの姿があった。彼は冷酷を装い、他者を突き放すことで、己の傷つきやすい心を必死に守っている。それはゼーリエが彼に授けた、過酷な世界を生き抜くための防衛策だった。しかし、それだけではいつか心が摩耗し、命を落とす。メトーデは、ゼーリエの瞳の奥にある、不器用極まりない“情”を正確に読み取った。
「……承知いたしました、ゼーリエ様」
メトーデはいつもの柔和な笑みを浮かべ、しかしその瞳には確かな決意を宿して言った。
「ゲナウさんの心の防壁を解き、しっかりと生かしてみせます。───その代わり、任務から無事に戻った際は、2時間のなでなでを要求いたしますが」
「……好きにしろ」
ゼーリエはふいと顔を背けたが、その口元はわずかに緩んでいた。
数日後。北部高原の荒野を進む二人の影があった。一人は、常に周囲を警戒し、冷徹なオーラを纏う男、ゲナウ。そしてもう一人は、その後ろを軽やかな足取りで追うメトーデである。
「おい、遅れるな。足手まといになるなら置いていく」
振り返りもせず、吐き捨てるように言うゲナウ。その言葉は鋭く、冷たい。しかし、メトーデは全く怯む様子もなく、むしろ楽しそうに距離を詰めた。
「ふふ、そんなに急がなくても、わたくしはちゃんとついていけますよ、ゲナウさん。それにしても、貴方からはとても“なで甲斐”のありそうな、頑なで愛おしい魔力を感じます」
「……ふざけた女だ。ゼーリエ様は何を考えてお前を私につけた」
ゲナウは忌々しそうに顔をしかめ、再び歩調を早めた。その背中を見つめながら、メトーデはゼーリエの言葉を思い出していた。
(お前にとっては反面教師になるだろうが、あの子にとってお前は“教師”になり得る)
確かに、彼は他者を拒絶する嫌な奴かもしれない。けれど、その頑なさは、誰よりも優しく、傷つきやすい心の裏返しだ。
「さあ、ゲナウさん。死なせない魔法の授業を始めましょうか」
メトーデは小さく呟くと、柔らかな光をその手に宿し、不器用な男の背中を追って、深く危険な夜の帳へと歩みを進めた。
北部高原の空気は、北へ進むほどに冷気を増していく。かつて相棒だった男を失ってから、まだ幾日も経っていない。さらに、彼らの目的地であるゲナウの故郷は、魔族の脅威に晒されていた。
「歩調が乱れている。もっと魔力を均一に保て」
ゲナウの声は、低く、どこまでも平坦だった。声を荒げることなど決してない。感情の起伏を完全に削ぎ落としたかのようなその横顔は、一見するといつも通りの冷静な彼そのものだった。だが、隣を歩くメトーデには分かっていた。
(……張り詰めすぎていますね)
ゲナウの魔力は、一見すれば普段と変わらず強固に隠蔽されている。しかし、メトーデの鋭い魔力探知は、彼の内側で魔力が微細に、そして激しく爆ぜるように明滅しているのを捉えていた。故郷への焦燥、かつての相棒を救えなかった悔恨、そして魔族への激しい殺意。それらすべてを冷静という名の漆黒の鎧で無理やり押さえ込んでいる。その鎧は今、いつ砕け散ってもおかしくないほどに、限界まで軋んでいた。
「ゲナウさん」
「なんだ。無駄口なら後にしろ」
「少し、休憩にしませんか。そこの大岩の陰なら、風も防げます」
メトーデが穏やかに提案すると、ゲナウは足を止め、冷徹な視線を彼女に向けた。
「断る。魔族共の動向が掴めない以上、一刻の猶予もない。私の故郷が滅びかけているのだ。お前が泣き言を言うなら、私は一人で行く」
淡々と、しかし突き放すような言葉。普通の人間なら萎縮するか、あるいは怒るような冷酷さだった。だが、メトーデはただ静かにゲナウを見つめた。
(ああ、そういうことですか、ゼーリエ様)
メトーデの脳裏に、あの日のゼーリエの言葉が鮮やかによみがえる。
『私ではあの子の心を救ってやれん。嫌な奴でいろと言うのが精一杯だった。だがお前なら、あの子を死なせずに済むかもしれん』
ゼーリエはゲナウを突き放したわけではなかった。感情に溺れれば魔族に隙を突かれて死ぬ。だからこそ、心を鬼にして“嫌な奴(冷酷な魔法使い)”であり続けることを強いたのだ。それが、あの大魔法使いが弟子に与えられる精一杯の生き残るための術だった。けれど、それだけではいつか心が擦り切れて破滅する。
ゲナウは今、相棒を失った傷を抱えたまま、故郷を守るために自らを限界まで追い詰めている。彼には今、冷酷な魔法使いとしての自分を肯定しつつも、その張り詰めた糸が切れないように、そっと寄り添う“教師”が必要なのだ。メトーデは、あえてゲナウの冷たい言葉を気にした様子も見せず、ふわりと微笑んだ。
「お一人で行かせるわけにはいきません。わたくしはゼーリエ様から、貴方とペアを組むよう命じられていますから」
彼女は一歩、ゲナウに近づいた。その距離は、彼が普段なら他人に許さないはずの、パーソナルスペースの内側だった。しかし、ゲナウは避けることすら忘れたように、ただ冷たい瞳でメトーデを見つめ返している。それほどまでに、彼の意識は前方の危機へ集中しきっていた。
「ゲナウさん、貴方は“嫌な奴”のままで構いません。故郷を想う心を冷酷さで隠していても、わたくしはそれを責めたりしません」
「……何が言いたい」
「ただ、これだけは覚えておいてください。貴方の隣には今、相棒ではなく、貴方を死なせないための“教師”がいます」
メトーデはそっと、ゲナウの肩に手を置いた。衣服越しに伝わる彼の身体は、驚くほど硬く強張っていた。
「貴方がどれほど頑なに心を閉ざそうと、わたくしは貴方を置いていきませんし、死なせもしません。魔族達は、二人で討ち倒しましょう」
ゲナウは、メトーデの手を振り払うことはしなかった。ただ、ほんの少しだけ、視線を落とす。
「……勝手にしろ。足手まといになれば、その時は本当に置いていく」
声のトーンは相変わらず低く、冷たかった。しかし、メトーデの探知する彼の魔力は、先ほどまでの刺々しい明滅を潜め、かすかに落ち着きを取り戻していた。
「ええ、それで構いません。……ふふ、任務が終わったら、今度こそたっぷりなでなでさせてくださいね」
「くだらん。行くぞ」
背を向けて再び歩き出したゲナウの足取りは、先ほどよりもわずかに地を踏みしめる力強さを取り戻していた。メトーデはその背中を見つめ、自身の魔力を優しく広げながら、頼もしい相棒の後を追った。
張り詰めた空気の中、二人は黙々と歩みを進めていた。周囲を警戒し、いつでも魔力を放出できるよう一分の隙もなく身構えるゲナウ。その張り詰めた横顔を見つめていたメトーデは、ふと思いついたように、人差し指を一本立てて見せた。
「ゲナウさん、教師として一つ提案、いえ、忠告があります」
その厳かな響きに、ゲナウは魔族の奇襲か、あるいは新たな戦略の提案かと身を硬くした。彼は視線だけをメトーデに向け、低く静かな声で応じる。
「なんだ。言ってみろ」
「ゲナウさんが普段、夜食をとられているかは知りませんが、一応忠告しておきますね」
メトーデは至って真面目な顔で、しかしどこか楽しげに言葉を続けた。
「夜食は身体によくありません。消化器官に負担をかけ、眠りも浅くなってしまいますから注意して下さい。一級魔法使いたるもの、体調管理も重要な任務の一部ですよ」
「…………」
ゲナウは足を止めることなく、ただ正面を見据えたまま、しばしの沈黙を保った。あまりにも場違いで、あまりにも突飛な内容。激しい戦闘を予期していた彼の脳内が一瞬、完全にフリーズしかける。しかし、彼は一級魔法使いとしての自制心を働かせ、至極冷静なトーンを崩さずに問い返した。
「……なぜそれを今、この状況で言う」
「これもわたくしが貴方の教師としての一環ですよ」
メトーデは、ゲナウの困惑などどこ吹く風で、あくまで美しい微笑みを崩さない。
「ゼーリエ様はわたくしに、貴方を死なせないための“教師”になれとおっしゃいました。死なないためには、健全な肉体と万全な睡眠が必要不可欠です。ですから、これは非常に重要な授業なのです」
「屁理屈だな。今は魔族達の脅威に備えるべき時だ。そんな下らん私生活の管理など、お前にされる筋合いはない」
淡々と、しかし明確に拒絶するゲナウ。だが、メトーデの追撃は止まらなかった。彼女は少しだけ歩調を早めて彼の前に回り込むと、いたずらっぽく目を細めて釘を刺す。
「いいですか、ゲナウさん。もし夜中にこっそり夜食をとったら、わたくし本気で怒りますから覚悟しておいて下さいね? 怒ったわたくしは、なでなでする時と同じくらいしつこいですよ」
普通の男ならその美貌と距離感に気圧されるか、あるいはその奇妙な脅しに調子を狂わされるところだろう。しかし、ゲナウの鉄の理性が揺らぐことはなかった。彼はメトーデの視線を正面から受け止め、眉一つ動かさずに一蹴する。
「下らん。私は夜食をとる習慣などない。……行くぞ」
ゲナウは彼女の脇をすり抜け、再び冷徹な足取りで歩き出した。その背中を追いかけながら、メトーデの唇は自然と弧を描いていた。声を荒げることもなく、感情を爆発させることもない。彼はいつも通り、至極冷静に“嫌な奴”を演じている。けれど、先ほどまで彼の内側で爆ぜるように明滅していた、あの危うい魔力のトゲは、このくだらない会話の間にすっかり鳴りを潜めていた。
(ふふ、本当に不器用で、可愛い人)
メトーデは、ゼーリエが自分を彼につけた理由を、より深く理解していた。正論や慰めの言葉では、ゲナウの頑なな心は開かない。むしろ、こうした日常の、どうでもいい“生(せい)”のやり取りこそが、死の淵に足を踏み入れかけている彼の心を、現世に繋ぎ止める錨(いかり)になるのだ。
「待って下さい、ゲナウさん。本当に夜食は駄目ですからね? 信じていますよ」
「しつこいぞ、メトーデ」
冷たい声の応酬。しかし、二人の間に流れる空気は、先ほどよりも確実に、生きる人間の体温を宿していた。
メトーデは歩きながら、旅立つ前に交わしたゼーリエとの、もう一つの会話を思い出していた。あの日、冷徹な大魔法使いは、自身の小さな手のひらを見つめながら、絞り出すようにこう告げたのだ。
『メトーデ。私は、ゲナウに呪いをかけてしまった』
実際に魔力を使った呪詛を浴びせたわけではない。だが、言葉の呪縛は時に、どんな上位魔法よりも深く魂を縛る。
『……ゲナウ、お前は嫌な奴だ。優しさの欠片も無い。ずっと、そのままでいろ。あの子にそう言ってしまったことを、私は後悔している』
ゼーリエの瞳に宿っていたのは、神話の時代から生きる絶対者としての威厳ではなく、あまりにも人間らしく、不器用な後悔の色だった。
『戦場において、優しすぎる者は真っ先に死ぬ。あの子の脆い優しさを知っていたからこそ、生きてほしい一心で、嫌な奴でいることを願ってしまった。……だがそれは、あの子の心を殺すのと同じことだった。私の言葉に従うように、あの子の感情はより欠如してしまったのだ』
数多の弟子を育て、その死を見届けてきたゼーリエ。そんな彼女が初めて吐露した、呪いという名の“祈り”。
『メトーデ、お前にはあの子の心を生かして欲しい。そして、もしあの子が死にそうになったならば……お前の女神様の魔法で、その身体を癒してやってくれ』
それは、人類最高峰の魔法使いゼーリエなりの、精一杯の親心であり、不器用な師としての情愛だった。
「───メトーデ。また足が止まっている。置いていくと言ったはずだ」
前方から、ゲナウの低く冷ややかな声が響く。振り返りもしないその後ろ姿は、ゼーリエの呪い通り、確かに優しさの欠片もない冷酷な魔法使いに見える。けれど、今のメトーデには、その漆黒の外套が、己の脆い心を必死に守るための鎧にしか見えなかった。かけられた呪いが彼を凍りつかせているのなら、溶かして見せるのが教師の役目だ。
「ふふ、すみません。ゲナウさんの背中があまりにも頼もしくて、つい見惚れてしまいました」
「くだらんことを言うな。緊張感を持て」
「はいはい、持っていますとも」
メトーデは軽やかな足取りで彼の隣に並ぶと、いつでも人類の至宝たる“女神の魔法”を発動できるよう、その胸の奥に温かな魔力をそっと灯した。身体の傷はわたくしが癒す。そして、ゼーリエ様が凍らせてしまったその心は、この旅の間に、わたくしがじっくりとなでて、解きほぐしてみせる。
「ゲナウさん、やっぱり夜食の代わりに、今ここで少しなでなでさせてくれませんか?」
「……本気で言っているなら、一度その頭を叩き割って中身を確かめたくなるな」
「あら、手が出るのは良い傾向ですよ」
冷徹を装う男と、その奥にある心を決して諦めない女。二人の奇妙な旅路は、いよいよ魔族達の潜む、血と硝煙の戦地へと近づいていく。
数日後、二人がたどり着いたゲナウの故郷は、すでに凄惨な戦場と化していた。かつて景観の良かった村は無残に破壊され、崩れた石壁とくすぶる硝煙が、魔族の襲撃の激しさを物語っている。生存者の姿はなく、静まり返った廃墟に風の音だけが虚しく響いていた。
「駐留していたノルム騎士団の要請が北部支部に届いた頃には、村は滅んでいたようですね」
「……いくら急いだ所で、間に合うはずがなかったか」
ゲナウが呟いた。その声は、驚くほど平坦だった。故郷が滅び、同胞たちが命を落としたというのに、彼の瞳には涙も、激しい怒りすらも浮かんでいない。声を荒げることもなく、ただ至極冷静に、無感情に周囲の惨状を観察している。だが、メトーデの目は騙せなかった。ゲナウの纏う魔力が、まるですべての光を拒絶する漆黒の氷塊のように、急速に凍りついていく。
それは悲しみを感じることすら己に禁じ、ゼーリエの呪い通りに“感情の欠如した嫌な奴”に完全になりきることで、心が決壊するのを防ごうとする、悲壮なまでの自己防衛だった。ゲナウは冷徹な眼差しのまま、落ちていた瓦礫を無感情に踏み越え、さらに奥へと進もうとする。
「ゲナウさん、待ちなさい」
メトーデは彼の腕を掴んだ。その手には、いつもより強い力が込められている。
「放せ、メトーデ。感傷に浸っている暇はない。魔族の痕跡を探すぞ」
「拒否します。今の貴方は、戦える状態ではありません」
ゲナウは振り返り、凍りついた瞳でメトーデを射抜いた。声を荒げることは決してない。しかし、その静寂はかえって鋭い刃のように冷たかった。
「私は冷静だ。故郷の滅亡など、一級魔法使いの任務において想定の範囲内に過ぎん。感情に振り回されて死ぬのは三流だ。ゼーリエ様もそうおっしゃった」
「いいえ、違います。貴方は冷静なのではなく、無理やり心を殺そうとしているだけです」
メトーデはまっすぐにゲナウを見つめ返し、掴んだ腕を絶対に離さなかった。
「ここは貴方の故郷です。悲しまないわけがない、悔しくないわけがないでしょう。ゼーリエ様は貴方に“嫌な奴でいろ”と言いましたが、それは心を完全に死なせろという意味ではありません」
「下らん……! 私に何を求めている。泣き叫べとでも言うのか」
初めて、ゲナウの言葉にわずかな、しかし決定的な“揺らぎ”が混じった。至極冷静に努める彼の仮面の下で、押し殺した悲痛が軋む音が聞こえるようだった。
「いいえ。泣かなくてもいい、叫ばなくてもいい。ただ、その痛みを無かったことにしないでください」
メトーデは一歩近づき、もう片方の手で、ゲナウの強張った頬にそっと触れた。衣服越しではなく、肌に直接触れる彼女の手は、驚くほど温かかった。
「わたくしが貴方の隣にいるのは、貴方の身体を癒すためだけではありません。貴方が一人で呪いに沈んでいかないよう、その心を生かしておくためです。……教師の言うことを聞きなさい、ゲナウ」
あえて“教師”として、一人の人間として、慈愛に満ちた声を届ける。ゲナウの瞳が、わずかに大きく見開かれた。彼女の手から伝わる体温が、彼の心を凍らせていたゼーリエの呪いを、境界線から少しずつ溶かしていく。
「……お前は、本当に、しつこい女だ」
ゲナウは視線を落とし、小さく吐き捨てた。しかし、その声からは先ほどまでの刺々しい冷徹さが消え、ただ一人の人間としての、深く重い疲弊と哀愁が滲み出ていた。彼はメトーデの手を振り払わなかった。ただ、彼女の温もりに支えられるように、静かに拳を握りしめた。
「……行くぞ、メトーデ。まだ、ここで死んだ奴らの無念を晴らす機会は残されている」
「ええ。貴方のその怒りと共に、魔族達を討ち倒しましょう」
凍りついた心を現世に繋ぎ止め、二人は再び歩き出す。その先に待ち受ける、元凶の魔族との決戦に向けて。
End