葬送のフリーレン短編集   作:風亜

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魔法好きコンビによる実験

 神技のレヴォルテとの死闘が終わり、ゲナウの故郷には、どこか物悲しい静寂が戻っていた。魔族の脅威は去ったものの、一つの問題が生じていた。本来であれば、凄惨な戦いの跡地に眠る教会の村人たちの遺体を引き取りに来るはずだったノルム騎士団の到着が、手違いにより数日遅れることになったのだ。放置するわけにもいかず、かといってすぐに移動することもできない。そのため、フリーレン一行とゲナウ、メトーデの五人は、村の中で比較的被害の少なかった一軒の民家に、暫しの間滞在することになった。

 

「はぁ……。シュタルク様、まだ完全に治ってないのに筋トレなんかして無理をするなんて。怪我の具合を見せて下さい」

 

「いや、大丈夫だってフェルン。いつもより結構控えてるし……って、痛い痛い!」

 

 奥の別室からは、戦いの緊張から解放されたシュタルクとフェルンの、いつものようなやり取りが漏れ聞こえてくる。一方、手前の少し広い部屋には、フリーレン、メトーデ、ゲナウの三人が静かに佇んでいた。部屋を包む空気は冷えていたが、そこには確かな魔法使い同士の空間があった。ゲナウが黙々と自身の戦後の処理について思考を巡らせる傍らで、大半の時間はフリーレンとメトーデによる、熱を帯びた魔法についての会話で埋め尽くされていた。

 

メトーデは多才だ。攻撃魔法から回復、精神魔法や拘束魔法に至るまで、その網羅的な魔法の知識と技術は一級魔法使いの名に恥じない。フリーレンが何気なく振る技術的な問いに対しても、彼女は嬉しそうに、そして理路整然と答えてみせる。その様子を、フリーレンは少し目を細めて見つめていた。彼女の脳裏には、先ほどまでの激戦の最中、的確に魔法を組み替え、状況をコントロールしていたメトーデの姿があった。

 

「メトーデって、魔法が好きみたいだね」

 

 フリーレンは、旅の荷物に腰掛けたまま、ぽつりと呟いた。

 

「私は高みの見物してただけだけど、そんな感じしたよ」

 

 その言葉に、メトーデは少し驚いたように瞬きをした後、いつものおっとりとした、しかしどこか悪戯っぽい微笑みを浮かべた。

 

「そうなのですよ。わたくしにとってあらゆる魔法は楽しいものなのです。民間魔法だって大好きですよ」

 

 メトーデは嬉しそうに目を輝かせ、両手を胸の前で合わせた。彼女の纏う空気は、先ほどまで魔族を葬っていた冷徹な一級魔法使いのそれではなく、純粋に魔法を愛する少女のようだった。

 

「そっか。じゃあ何個か教えてあげようか」

 

 フリーレンが淡々とした口調で、しかし少しだけ誇らしげに提案する。その提案に、メトーデの表情がいっそう華やいだ。

 

「本当ですか!? では、わたくしも代わりに何か───」

 

「ううん、今回はいいよ。私、高みの見物してただけで戦ってないし」

 

 フリーレンは小さく首を振って、その申し出を断った。その言葉に、それまで部屋の隅で静かに気配を消していたゲナウが、微かに眉をひそめた。彼は先の戦いでフリーレン、メトーデ、フェルンとは別行動を取っていた。レヴォルテと刺し違える覚悟で戦っていたゲナウにとって、歴史に名を残す大魔法使いであるフリーレンが、一人だけ全く戦わずに傍観していたという事実は、奇妙な違和感として胸に引っかかった。ゲナウは腕を組んだまま、冷徹な視線をフリーレンへと向けた。

 

「お前は戦わなかったのか、フリーレン」

 

「うん、だって相手は二人だけだし、こっちは三人」

 

 フリーレンは咎めるようなゲナウの視線をどこ吹く風で受け流し、当然のように指を二本、そして三本と立ててみせる。

 

「フェルンとメトーデの実力だけで充分って判断したからね」

 

 その言葉の裏にある、若い魔法使いたちへの絶対的な信頼と、戦況を冷静に見極める老練な眼差しを察し、ゲナウはそれ以上追及するのをやめた。息を一つ吐き出し、視線を落とす。

 

「……そうか」

 

 部屋には再び、静かだがどこか温かい沈黙が流れ始めた。

 

「で、民間魔法の事だけど……まずは《鳥を捕まえる魔法》教えてあげよう」

 

 フリーレンが人差し指を立ててそう言うと、思わぬところから声が上がった。

 

「鳥を捕まえる魔法だと? 一級魔法使い選抜第一試験の報告書でお前が隕鉄鳥シュティレに使ったという民間魔法か」

 

 何故かゲナウの方が、鋭い反応を示した。普段の彼からは想像もつかないほど、その声には確かな引っかかりが含まれている。

 

「そうだよ、効果範囲は50㎝でかなり短いけどね。大きい鳥型の魔物にも効くよ」

 

「ほう……」

 

 フリーレンの解説を聞き、ゲナウは腕を組んだまま、フム、と小さく顎を引いて考え込んだ。その様子を、フリーレンはじっと見つめる。

 

「何か興味ありげだけど、ゲナウにも教えてあげようか?」

 

「いや、いい……」

 

 図星を突かれたのか、ゲナウはふいっと気まずそうにそっぽを向いてしまった。二人のやり取りを横で見ていたメトーデは、その時、ある一つの可能性に思い至り、ぱあっと表情を輝かせた。

 

「鳥を捕まえる魔法ですか……。という事は、黒金の翼を操る魔法《ディガドナハト》発動中のゲナウさんも捕まえられるんでしょうかっ?」

 

 何故かもの凄く嬉しそうなメトーデ。その視線は、獲物を見つけた猛禽類のように爛々と輝いており、ゲナウの背中にちくりとした緊張感が走る。

 

「うーん、どうだろうね。基本人間だし。試してみようか」

 

 フリーレンは顎に手を当て、少し興味深そうに首を傾げた。

 

「という事でゲナウさん、黒金の翼を出して頂けませんっ?」

 

 メトーデが待ってましたとばかりに身を乗り出し、ゲナウへと迫る。

 

「私で実験しようというのか……。まぁいいだろう、付き合ってやる」

 

 ゲナウは一つ、重いため息をつきながらも、上着の裾を払って立ち上がった。その様子を見ていたフリーレンは、少し意外そうにパチパチと瞬きをする。

 

「へぇ、意外だね。断ると思ったのに」

 

「ご自分がどこまで鳥に近いか、ゲナウさんなりに気になっているのではっ?」

 

 嬉々として推理を口にするメトーデ。またしても図星を突かれたゲナウは、苦虫を噛み潰したような顔のまま「………」と言葉を失ったが、それ以上は何も言い返さなかった。彼は静かに精神を集中させると、背中から魔力を噴出させる。直後、彼の背に現れたのは、鋭利な金属光沢を放つ翼───黒金の翼を操る魔法《ディガドナハト》だった。

 

「“この世ならざる物質”で出来てるっていう翼だね。かっこいいじゃん」

 

 フリーレンは間近に迫る魔力の構築を見つめながら、素直に感心の声を漏らした。だが、当のゲナウは気恥ずかしさからか、あるいは緊張からか、どこか居心地悪そうに視線を鋭く尖らせる。

 

「いいからさっさと鳥を捕まえる魔法を試せ」

 

 ぶっきらぼうに促すゲナウの言葉に、フリーレンは「はーい」と緊張感のない返事をしながら、彼との距離を詰め始めた。

 

……至近距離から放たれた鳥を捕まえる魔法は、ゲナウの身体の中心の周囲から淡い光の輪二つを発生させた。その輪は瞬時に収束しながら、彼の背にある黒金の両翼を巻き込んで、ゲナウの身体を上下きっちりと拘束した。翼を羽ばたかせることも、身動きを取ることもできない。

 

「………」

 

 完全にホールドされたゲナウは、無言のまま凍りついた。

 

「あらあらゲナウさん、魔法に鳥さんと認識されましたね!」

 

 メトーデが嬉しそうに手を叩き、拘束されたゲナウをまじまじと見つめる。

 

「ふーん、効くんだ。面白いね」

 

 フリーレンは感心したように頷いた。効果範囲は狭いとはいえ、一級魔法使いの強固な防御をすり抜け、その身に発動した魔法ごと縛り上げる民間魔法のポテンシャルを再確認した形だ。一方のゲナウは、自分が“鳥”として判定された事実に、なんとも言えない複雑な表情を浮かべている。

 

「もういいだろう、魔法を解け」

 

 低く、しかしどこか納得した様子の声でゲナウが促す。

 

「はいはい」

 

 フリーレンがパチンと指を鳴らすと、鳥を捕まえる魔法は光の粒となって消え去った。拘束から解放されたゲナウは、やれやれと言った様子で首を振り、黒金の翼を背中へと仕舞い込んだ。

 

「メトーデなら、今見た感じでもう覚えたんじゃない?」

 

 フリーレンが尋ねると、メトーデは不敵な、しかし上品な笑みを浮かべて頷いた。

 

「はい、大体判りました。民間魔法はそれ程難しくないですもんね」

 

 その表情の裏で、メトーデはいずれ自分でゲナウにこの《鳥を捕まえる魔法》を使って見ようと心に強く決めていた。彼が《ディガドナハト》を発動した瞬間を狙えば、いつでも彼を合法的に(?)拘束できるのだから。

 

 

「じゃあこんな魔法知ってる? 《服が透けて視える魔法》」

 

 フリーレンが事もなげに言うと、メトーデは少し頬を染めて微笑んだ。

 

「あらあら、ちょっとえっちな響きですね……」

 

「そんな破廉恥な魔法など覚えるな、メトーデ」

 

 不快感を隠そうともせず、横からぴしゃりと口を挟むゲナウ。しかし、フリーレンは気にした風もなく、むしろ合法的で実用的な技術なのだと言わんばかりに淡々と説明を続ける。

 

「えっちでもないよ、相手が隠し持ってる物とか事前に見つけられるし便利だよ。これもそんな難しくないし……えっとね、あーでこーで」

 

「ふむふむ、なる程ですね……」

 

 ゲナウの制止も虚しく、メトーデはフリーレンの手元と魔力の流れを真剣に見つめ、すぐに構造を理解していく。そして、新しく覚えた魔法があるとなれば、次に起きることは一つしかなかった。

 

「ゲナウさん、今教わった服が透けて視える魔法を試したいので大人しくしていて下さいね?」

 

 メトーデが嬉々とした表情で、じっとゲナウを見つめる。その瞳は先ほどの《鳥を捕まえる魔法》の時以上に怪しく輝いていた。

 

「おい、やめ」

 

 ゲナウが制止の声をかけるより、メトーデの魔法の発動の方が速かった。彼女はじぃっとゲナウを見つめると、その視線をある一点へと固定し、とんでもない事を口にした。

 

「あらゲナウさん、体格の割に意外と小さいのですね?」

 

「なッ、どこを見て言っている!」

 

 ゲナウは驚愕に目を見開き、咄嗟にそこを両手で隠した。冷徹な一級魔法使いの面影はどこへやら、耳まで真っ赤にして狼狽している。そんな彼の反応を見て、メトーデは楽しそうにクスクスと肩を揺らして笑っている。その様子を眺めていたフリーレンは、ゲナウへと視線を移した。

 

「……ほんとだ。大柄な割に意外と───フェルンの言葉を借りると、“ちっさ”ってやつだね」

 

「フリーレン……お前まで言うかッ」

 

「服が透けて視える魔法、ゲナウにも教えてあげようか?」

 

「……要らん」

 

 苦々しく、そしてどこか恨めしそうな声で吐き捨てるゲナウ。

 

「あれ、おかしいな。男ってこういう魔法好きそうなのに」

 

 心底不思議そうに首を傾げるフリーレンに、メトーデはさらに追い打ちをかけるように悪戯っぽく微笑んだ。

 

「わたくし、ゲナウさんになら見られても平気ですよ?」

 

「あのな、メトーデ……」

 

 一級魔法使いとしての威厳を完全に奪われ、ゲナウは低い声を絞り出す。しかし、隣の千年以上生きる大魔法使いが、さらに容赦のない追撃を加えた。

 

「私も平気かな。長年生きてるから今さら減るもんじゃないし」

 

「お前ら、少しは恥じらいというのを覚えろ……」

 

 ゲナウは深いため息をつき、片手で頭を抱え込んでしまった。

 

 

「あ、《かき氷を出す魔法》も教えようか」

 

 フリーレンが思い出したようにそう言うと、メトーデはぱっと顔を輝かせた。

 

「あら素敵です! わたくし、実はシロップを出す魔法は知っているのですが、かき氷を出す魔法はまだ知らないんですよー」

 

「相性抜群じゃん。それじゃ教えるね……」

 

 今度は先ほどまでの不穏な魔法とは違い、ごく平和でまともな魔法のようだ。そう判断したゲナウは、今回は特に口出しをせず、腕を組んだまま静かに二人のやり取りを見守ることにした。フリーレンは「えっとね……」と、氷を細かく削り出すための魔力操作のコツをメトーデに伝授していく。しばらくして、部屋の中にしゃりしゃりという涼しげな音が響いた。

 

「……ゲナウさん! 器にかき氷を出しました。シロップはどれがいいですか? と言っても、まだ一種類しか見つけてないのでイチゴ味しかありませんけど」

 

 メトーデはどこからか用意した器に、山盛りの真っ白な氷を削り出し、嬉しそうにゲナウの前に差し出した。

 

「何だっていい」

 

 ゲナウはぶっきらぼうに答える。それを肯定と受け取ったメトーデは、自身の杖の先から、鮮やかな赤色をしたイチゴ味のシロップを魔法で生み出し、かき氷の上へたっぷりと回しかけた。

 

「さぁどうぞ、食べてみて下さい!」

 

 スプーンを添えて差し出される、冷たいイチゴかき氷。ゲナウは少し躊躇うような素振りを見せたものの、断る理由もなく、ゆっくりとそれを受け取った。

 

ゲナウはスプーンで赤い氷を掬い、静かに口へと運んだ。

 

(懐かしい味だ……。子供の頃を思い出す)

 

 冷たい甘さが舌の上に広がった瞬間、彼の脳裏に、かつてこの故郷で過ごした遥か昔の日々が蘇る。幼馴染みの友と笑い合いながら食べた、ありふれた氷菓子の記憶。ゲナウは無言のまま、しかし確かな郷愁を噛み締めるように、かき氷を口に運ぶ手を止めなかった。

 

「あ、ゲナウさん、そんなに急いで食べると───」

 

 メトーデが慌てて忠告しようとしたが、一歩遅かった。

 

「おふッ、頭痛が……」

 

 ゲナウは突然スプーンを落としそうになりながら、片手で強く額を押さえた。眉間に深い皺が刻まれる。

 

「冷たいものは一気に食べてはいけません、頭がキーンってなっちゃいますから」

 

 メトーデは困ったように眉を下げつつ、どこか微笑ましそうに彼を見つめる。

 

「そうだった……。まるで黒金の翼が出そうなくらいの頭痛だな」

 

 ゲナウは痛みに耐えながら、低く呻いた。

 

「え、出ちゃうの?」

 

 フリーレンが、椅子の背もたれから身を乗り出すようにして興味深げに聞き返した。

 

「黒金の翼を出す際、魔力集中により頭痛がするんだ。出してしまえば頭痛は無くなるがな」

 

 額を押さえたまま、ゲナウはぶっきらぼうに自身の魔法の特性を説明する。その言葉を聞いて、メトーデはぽんと手を叩き、納得したように深く頷いた。

 

「ゲナウさんとの戦闘経験はまだ浅いですけど、確かにここまで来る間に別の魔族や魔物と遭遇したりした時、黒金の翼を出す際に片手で頭抱えてましたものね」

 

 メトーデの観察眼に、ゲナウは頭痛の波が引いていくのを感じながら、少しきまり悪そうに視線を泳がせた。

 

「とりあえず、今回はここまでにしようか。夜も更けて来たからね」

 

 フリーレンは小さく欠伸を噛み殺しながら、お開きにしようと二人に呼びかけた。窓の外を見れば、戦い果てた村は深い夜の闇に包まれており、静寂がいっそう色濃くなっている。

 

「貴重な魔法を教えて頂き、ありがとうございましたフリーレンさん。また新たな魔導書を見つけた時は、フリーレンさんにお渡ししますね。そして、なでなでさせて下さいな」

 

 メトーデは嬉しそうに微笑みながら、深く一礼した。

 

「なでなではちょっと……まぁいいや。うん、楽しみにしてる。それじゃおやすみメトーデ、ゲナウ」

 

 フリーレンは再び大きな欠伸をしながら、パタパタと足音を立てて部屋を出て行った。二人きりになった部屋で、ゲナウはかき氷の器を置き、小さく息を吐き出した。

 

「……どこが貴重な魔法だ。どれも下らん」

 

「あら、そんな事言わないで下さいゲナウさん。わたくしにとってどんな魔法も楽しいものなのですから」

 

 不機嫌そうに呟くゲナウを、メトーデは宥めるように、しかしどこか楽しげに見つめる。

 

「………。かき氷を出す魔法以外はもう私に使うなよ」

 

 ゲナウは腕を組み直し、釘を刺すように低い声で言った。あの恥ずべき瞬間を二度と繰り返したくないという、彼なりの精一杯の抵抗だった。しかし、目の前の一級魔法使いにその理屈は通用しない。

 

「時と場合によりますかねぇ。黒金の翼を出している時に捕まえたくなったら《鳥を捕まえる魔法》を使いますし、何か隠し持っていたら《服が透けて視える魔法》を容赦なく使いますよ?」

 

「お前を楽しませる為に私が存在しているかのように言うな」

 

 メトーデの容赦のない宣言に、ゲナウは心底うんざりしたように眉間を揉んだ。パートナーとしての信頼はあれど、このおっとりとした女性のペースには、どうにも調子を狂わされてしまう。

 

「あらあら、わたくしを嫌わないで下さいなゲナウさん」

 

 メトーデはクスクスと笑いながら、椅子に座っているゲナウのすぐ傍へと歩み寄った。そして、頑なな彼の心を解きほぐすかのように、その頭を優しく、愛おしそうに撫でた。不愛想なゲナウは一瞬驚いたように身体を硬くしたが、彼女の柔らかい手のひらの温もりに、それ以上拒絶の言葉を紡ぐことはしなかった。ただ、静かな夜の民家に、二人の穏やかな時間がゆっくりと流れていった。

 

 

 

End

 

 

 

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