Day Break holoX   作:holoXer

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妖刀蒐集508振り封印行脚の決闘

 

あやめ「余!ほっ!とぉっ!」

 

屋上で準備運動をするあやめ。いろはその前で坐禅を組んでいる

 

トワ「あの2人、本当に屋上から離れないつもりなんだ…」

 

ルイ「小細工は抜きで、正々堂々、正面勝負。いろはらしいね」

 

ラミィ「……あの人達は剣士。それが、決闘のルール」

 

あやめ「いろはちゃーん!余ろしくねー!」

 

いろは「……」

 

あやめ「おぉ…すごい集中力だなぁ」

 

あやめ「余も真似してみよ」

 

あやめ「えっと…ぼ、墓前?墓前を組む?」

 

あやめ「墓前…墓前…!」

 

いろは「……これは坐禅でござる。あやめ殿」

 

いろは「鬼族は争いを好まない種族と聞いていた。それが何故、ライナスの元に刀を置くでござるか?」

 

あやめ「余の仲間とはぐれちゃってさ…ライナスに保護してもらってんの」

 

あやめ「それに、無駄に争ったらダメっていう掟だけど、余としては、この素晴らしい剣技を試してみたいんだ余!」

 

いろは「剣士ならば、自らの腕を振るいたいのは自然の摂理」

 

いろは「しかし、目的無きものに遅れを取る風真いろはではござらぬ」

 

あやめ「おっ、終わった?」

 

いろは「……いざ」

 

あやめ「にへへっ…!」

 

ライナス「第2回戦 開幕!」

 

あやめ「先手必勝!」

 

いろは「……はっ!」

 

あやめ「カウンター!?」

 

あやめ「凄いよ!いろはちゃん!もう楽しい!」

 

いろは「早計でござる」

 

あやめ「とぉりゃあ!」

 

いろは(二刀流…相手にとって不足はござらぬ!)

 

阿修羅と羅刹を振るうあやめの猛攻。チャキ丸1刀で剣戟を弾く

 

あやめ「目で追えるんだ…やるぅ…!」

 

いろは「holoXの用心棒の力。今こそ披露する時…!」

 

(一歩も引かず、あやめの連撃を全て受け流すいろは)

 

あやめ「用心棒かぁ、凄い肩書き持ってるんだねぇ」

 

あやめ「でも、余だって負けてないよ?」

 

あやめ「余は……生徒会長!」

 

いろは「……なるほど」

 

あやめ「よぉっし!本気出しちゃうもんね!」

 

あやめ「はああああ!!鬼神の舞!」

 

いろは「技でござるか…」

 

あやめ「余の技は凄いよ!見た目もいいし!めちゃくちゃ強い!」

 

あやめ「いろはちゃんも見せてよ!なんか凄い技!」

 

いろは「承知。その勝負、受けるでござる!」

 

いろは「風真の百六十八ある技の1つ…!」

 

いろは「五十四の型!風神桜!」

 

チャキ丸から桜を思わせる桃色の軌道が出現し、風と共に花びらが舞う

 

あやめ「おぉっ!めっちゃ技あるじゃん!」

 

あやめ「おりゃりゃりゃりゃー!」

 

いろは「今のを受け切るとは…やはり達人」

 

あやめ「達人かぁ、いい響き!呼ばれて嬉しい達人の名!」

 

あやめ「気分乗ってきた!こっから本番ね!」

 

あやめ「必殺!鬼殺し!」

 

(巨大な刀のオーラが振り下ろされる)

 

いろは「鬼が鬼殺しとは、矛盾しているでござる…」

 

あやめ「ただのオーラじゃないよ!余の覇気が込められた刀は、空間をも切り裂く!」

 

いろは「確かに…この風の揺れは…」

 

あやめ「いろはちゃんのなんちゃら桜も散っちゃうかも!」

 

いろは「次でござる…!」

 

いろは「三十二の型!朧侍!」

 

あやめ「おっ…消えた?」

 

ラプラス「霧に紛れたか」

 

ルイ「朧ってそういう意味だしね…」

 

あやめ「どこ行ったかなぁ?」

 

あやめ「おっ!そんな時こそ!」

 

あやめ「鬼殺し!」

 

再び巨大な刀を振るい、霧を晴らす

 

いろは「それを待っていたでござる!二十九の型!幻殺光!」

 

あやめ「ぐがぁっ!」

 

あやめ「あっ痛っててて…誘発してたんだぁ…」

 

いろは「まだ立つでござるか?」

 

あやめ「いやいや、まだまだこれからでしょ」

 

あやめ「いろはちゃん優しいんだね。なるべく戦わないようにするって意志を感じる」

 

あやめ「なんか、戦うことに拒否感でもあるの?」

 

ラプラス「……予想通りだな」

 

ルイ「いろは、一対一の実戦なんて久しぶりだから、心配してたけど…こんな所で出ちゃうなんて」

 

ラプラス「…あいつの人を斬ることへの躊躇い…か」

 

あやめ「さっきから、余に対しての攻撃、迫力に反して威力は弱い技ばっかり選んでる」

 

あやめ「その気迫で余をビビらせて、なるべく戦わずに終わらせるつもりでしょ」

 

いろは「風真にそのような意思は…!」

 

あやめ「その剣技、暗殺術の物でしょ」

 

あやめ「いろはちゃん。昔、暗殺組織に居たんだよね。余は何となく分かるよ」

 

あやめ「holoXに居るのは、そこで何かしらがあって、組織を抜けたから。そして、それから人を斬ることを躊躇いだした」

 

いろは「……風真はholoXの為ならば、この剣を振るうに抵抗など」

 

あやめ「いいや。体が無意識に避けてるよ。真っ赤な血の色、人の肉を切り裂く感触、そして、死体の臭い」

 

あやめ「ぜーんぶトラウマになってんでしょ」

 

いろは「くっ……」

 

ルイ「いろはは優しい子だった。暗殺組織に居た頃から、必要最低限の殺しだけをしていて…総帥がholoXに誘ってからは、ずっと峰打ちを徹底していた」

 

ラプラス「奴の剣技は本物だ。しかし、人を殺すことを恐れ、本来の力を発揮できなくなっている」

 

ラプラス「本格的な戦いが無かったから気づかなかった…侍よ…!」

 

ライナス「本当の戦いを忘れた侍ちゃんvs狂乱の鬼娘。どちらが有理かは明白ね」

 

あやめ「ほら、見てよ。余の刀、阿修羅も羅刹も、血の匂いを知ってるんだ」

 

あやめ「これが、本気の剣だよ。余は鬼だからさ、人を斬る事も、命を奪うことも、何も躊躇わない」

 

いろは「……っ」

 

あやめ「いろはちゃんは違うよね。峰打ちばっかり。優しくて、綺麗で、でも……弱い」

 

いろは「風真は、弱くなど……!」

 

あやめ「じゃあ、証明してみせてよ。余を本気で斬ってみる?」

 

(あやめが再び鬼神の舞を繰り出す。二刀が嵐のように舞い、いろはの周囲を削る)

 

いろは「二十七の型!疾風斬!」

 

(風を纏った斬撃が走る。あやめは軽く身を翻し、避けきる)

 

あやめ「また避けやすい軌道……!余を倒す気、ないんでしょ?」

 

いろは「そんなことは……!」

 

あやめ「本当!わかりやすい余!」

 

いろは「ぐっ…!」

 

あやめ「おらおらおらぁ!!」

 

いろは「まだまだ…!」

 

あやめ「へへっ!こっちだ余!」

 

いろは(今だ……!急所を……!)

 

(しかし、刀先はわずかに逸れ、肩の肉を浅く裂くだけに留まる)

 

あやめ「あっはっは!血が出た余!」

 

(あやめの肩から血が滴る。風に乗って、濃い鉄の匂いがいろはの鼻まで届く)

 

いろは「……っ!?」

 

(いろはの動きが一瞬止まる。視界が揺れる)

 

いろは「この匂い…この感触…!」

 

(記憶が蘇る。暗殺部隊時代。返り血に染まったちゃき丸。冷たくなっていく標的の体。逃げられない命令)

 

あやめ「ん?どうしたの?顔色悪いよ?」

 

いろは「く……っ!」

 

あやめ「いい匂いだよね、血って。余は好きだよ。戦いの匂いだから」

 

(あやめがさらに自分の腕を浅く斬り、血を撒き散らす)

 

あやめ「もっと嗅いで!これが、本当の戦いだ余!」

 

いろは「風真は…戦いを恐れたり…!」

 

(いろはの呼吸が乱れる。足がわずかに後ずさる)

 

あやめ「今だ!」

 

(あやめが全身の覇気を刀に込め、巨大な斬撃を振り下ろす)

 

あやめ「鬼神・血宴斬!!」

 

(空間が裂けるような衝撃波。いろははとっさにチャキ丸を盾に構える)

 

いろは「ぐぁぁっ!!」

 

(衝撃が全身を貫く。屋上のコンクリートが砕け、ひびが走る。いろはの体が大きく後方へ吹き飛ぶ)

 

いろは「はぁ……はぁ……」

 

(膝をつく。左腕が痺れ、チャキ丸を持つ手が震えている)

 

あやめ「まだ立てるの?すごいね。でも、余の本気はこんなもんじゃないよ」

 

いろは「……風真は、まだ……」

 

(いろはがゆっくりと立ち上がる。膝を揺らしながらも刀を構える)

 

いろは「まだ、折れてなど……いないでござる」

 

あやめ「おっ、いい目だ。やっと本気になってきた?」

 

いろは「あやめ殿…風真は…holoXに勝利を持ち帰る!」

 

(いろはが深く息を吸う。血の匂いを意識的に肺に入れる)

 

いろは(怖い……怖い……だが、逃げてはならぬ。総帥が…ルイ姉が…皆が待っている)

 

いろは「五十四の型!風神桜!続けて、三十二の型!朧侍!そして……!」

 

(桃色の軌道と霧が同時に展開される。いろはの姿が複数に分裂したように見える)

 

あやめ「おおっ!連続技!?かっこいい!」

 

いろは「十八の型!影縫い!九の型!雷鳴一閃!!」

 

(影から飛び出した斬撃と、稲妻のような突きが交錯する。あやめは笑いながら受け流し、時折血を飛ばしながら避け続ける)

 

あやめ「全部!全部!余の体に刺さらないんだ余!」

 

いろは「……くっ」

 

あやめ「余がわざと血を流してるのに、それでも斬れない!いろはちゃんの体が、拒否してるんだ余!」

 

いろは「拒否など……していないでござる!」

 

(いろはがさらに踏み込み、チャキ丸を全力で振り下ろす。あやめの羅刹と激しく切り合う)

 

あやめ「じゃあ、もっと血を見せてあげる!」

 

(あやめがいろはの刀をわざと受け止め、刃を自分の太ももに滑らせる。鮮血が噴き出す)

 

あやめ「ほら!もっと!もっと匂いを!!」

 

いろは「いや……」

 

(いろはの視界が赤く染まる。過去の戦場が重なる。仲間の死体。自分の手に付いた血。命令の声)

 

いろは(殺さなければ…剣を振るわなければ…誰かの明日を奪わなければ…風真に明日は来ない…)

 

あやめ「今だよ、余の勝ち!」

 

(あやめが阿修羅を大きく振りかぶる)

 

あやめ「百花繚乱!花吹雪!!」

 

圧倒的な斬撃が降り注ぐ。いろははとっさにチャキ丸を横に構え、盾として受け止める

 

ラプラス「立て!いろは!」

 

いろは「っ!!」

 

金属が悲鳴を上げる。チャキ丸の刀身に、深い亀裂が走る

 

あやめ「まだ耐えるの!?すごい根性!」

 

いろは「風真は……holoXの用心棒でござる……!この程度で……折れるものか……!」

 

さらに連続で刀を振るう。型を繋ぎ、繋ぎ、繋ぐ

 

いろは「四十一の型!桜吹雪!二十五の型!月影!七の型!無想斬!!」

 

花びらと影と無音の斬撃が交錯する。あやめはそれらを全て、楽しそうに弾き返す

 

あやめ「全部、避けやすい!全部、殺さない!いろはちゃん、本気で余を倒す気あるの!?」

 

いろは「ある……!あるでござる……!」

 

いろはが最後の力を振り絞り、真上から振り下ろす

 

いろは「風真はまだ終わってはいない!はぁあああああ!!」

 

チャキ丸が阿修羅と真正面からぶつかり合う。火花が散る

 

あやめ「余も本気だよ!!」

 

あやめが二刀を交差させ、全力で押し返す

 

あやめ「これで終わり!よよいの余い!」

 

轟音が屋上を揺るがす。チャキ丸の刀身が、ついに限界を迎える

 

金属の破砕音。チャキ丸の刃が、根元近くで真っ二つに折れる

 

いろは「……ぁ」

 

折れた刀身が、屋上の床に落ちる。カラン、と乾いた音が響く

 

いろは「ちゃ……き……ま……」

 

いろはの手が空を掴む。折れた柄だけが、震える指に残っている

 

あやめ「……終わりだね」

 

いろは「……」

 

いろはの膝が折れる。ゆっくりと、床に膝をつく

 

いろは「……負けでござる」

 

あやめ「え?」

 

いろは「風真の……負けでござる」

 

ルイ「えっ…」

 

ラプラス「……侍」

 

いろはは涙を流していた。折れた刀を見つめ、その場に座り込む。あやめも心配そうに見つめていた

 

あやめ「ちょっ…!いろはちゃん!?」

 

いろは「もう…戦えない…風真は…用心棒失格でござる…」

 

あやめ「ごめんごめん!そんな落ち込まないで!?ねっ!?」

 

ライナス「この勝負。holoX陣営が降伏したため、私たちの勝利。そうでしょ?」

 

ラプラス「…あぁ」

 

あやめ「余の勝ちかぁ…なんか変な感じに終わっちゃったなぁ」

 

いろは「……」

 

チャキ丸を鞘に収め、歩き出すいろは

 

ラプラス「待て侍!どこへ行く…」

 

いろは「……修行、でござる」

 

そして、夜の闇へと姿を消した

 

あやめ「すっごいへこませちゃった…?」

 

モココ「ドン引きです」

 

フワワ「ちょっと怖かった」

 

あやめ「あれぇ!?」

 

ライナス「さて。これで2対0。私たちが圧倒的だけど、どうすのかしら?」

 

ラプラス「ここから立て直せばいいだけだ。さぁ、次の相手は誰だ!」

 

ライナス「次はコンビ戦よ。私たちはフワモコちゃんが出るわ。さぁ、2人選んで」

 

ラプラス「…お、おい!ちょっと待て!」

 

ラプラス「5対5では無かったのか!?」

 

ライナス「あら、そんなこと言った?私、それぞれの代表を選出して、試合を5回やるとしか言ってないわよ」

 

ラプラス「なっ……」

 

こより「つまり、こよ達は人数が足りないってことだね?」

 

ライナス「その通りよ。holoXの頭脳さん」

 

こより「用意しておいて良かった〜!そっちに双子がいたから、何となくそんな気がしたんだよね」

 

ルイ「遅かったんじゃない?こより」

 

こより「ごめぇーん!でも、代わりに秘密兵器用意したから!」

 

ラプラス「ほう…人数不足は賄えるんだろうな」

 

こより「もっちろん!期待してて!」

 

ルイ「それじゃあ、ここは私とこよりが出るよ」

 

こより「OK!」

 

ルイ「よろしくね。可愛い双子ちゃん」

 

モココ「前は助けてもらったけど!」

 

フワワ「今回は手加減なしだよ!」

 

ルイ「ねぇ、こより。人数不足を賄う秘密兵器ってまさか…」

 

こより「こよたちを助けてくれるもう1人なんて、彼しかいないでしょ?」

 

ルイ「まさか…本気なの!?」

 

クロヱ「ふわぁ〜、試合どうなった〜?」

 

ラプラス「ようやく起きたか」

 

クロヱ「2対0!?ござる負けちゃったの!?」

 

クロヱ「何やってんのござる〜!って、あれ?」

 

ラプラス「あいつは修行に出た。心配だが、今は試合が優先だ」

 

ライナス「2人とも、配置に着いた?」

 

フワワ「OK!」

 

モココ「いつでもいいよ!」

 

こより「こよ達も!」

 

ルイ「準備OK!」

 

ライナス「第3回戦。スタート!」

 

フワワ「行くよモコちゃん!」

 

モココ「BOW!BOW〜!!」

 

フワモコが同時に飛び出す。左右から鋭い爪の斬撃がルイとこよりに襲いかかる

 

ルイ「よっと!」

 

赤色の風を掌から放ち、フワワの爪を弾く

 

こより「アンプル投薬!こんこよミスト〜!」

 

紫色の霧が辺りに広がる。モココの視界が一瞬遮られる

 

モココ「もぉー!見えないよ!」

 

フワワ「モコちゃん、右!」

 

モココ「どっちの右!?」

 

フワワ「フワワから見て右!」

 

モココが適当な方向に爪を振るかま、こよりは軽く身を捻って避ける

 

こより「アホの子たちだねぇ〜♪でも、やっぱ爪は痛そう…!」

 

ルイ「ホークアイ」

 

ルイの瞳が鷹の目に変化する。フワモコの微細な筋肉の動きまで視認できる

 

ルイ「次は同時に来る。こより、左お願いね」

 

こより「了解っ!」

 

フワモコが再び同時に跳躍する

 

フワワ「フワモコディストーション!!」 モココ「ばうばうばうばう!!」

 

こより「その隙に!こよ特製・睡眠ガス弾!」

 

小さなガラス瓶を投げる。しかしフワワが鋭い嗅覚で察知し、爪で弾く

 

フワワ「臭い!変な薬は嫌!」

 

モココ「モココも嫌!」

 

弾かれた瓶が床で割れ、白い煙が立ち上る

 

こより「さすが犬っ子ちゃんたち。嗅覚優秀すぎ」

 

ルイ「なら、正面から行くよ」

 

ルイが低姿勢で駆け込み、フワワの懐に入る。掌底を腹部に叩き込む

 

フワワ「あぉっ!」

 

ルイ「ごめんね。お姉ちゃん」

 

モココ「モココのターン!」

 

こより「ルイ姉!」

 

二人は背中合わせになり、フワモコを挟む形になる

 

フワワ「バラバラにしよう、モコちゃん」

 

モココ「OK!」

 

フワモコが左右に大きく分かれ、校舎の廊下を縦横無尽に走る

 

ルイ「ホークアイで追う。こより、通信機で位置を共有して」

 

こより「うん!助手くん、偵察モード!」

 

こよりのキーホルダーから小さなピンク色のコヨーテが飛び出し、天井を走る

 

こより「モココちゃんは2階の東側!フワワちゃんは1階の西側!」

 

ルイ「分かった。私はフワワを引きつける。こよりはモココお願い!」

 

ルイが窓から外へ飛び出し、風を纏ってフワワの前に着地する

 

ルイ「可愛い顔して、容赦ないんだから」

 

フワワ「ルイお姉ちゃん、前は優しかったのに!」

 

ルイ「今回は試合だからね。手加減なしで行くよ」

 

ルイが風の刃を連続で放つ。フワワはそれを爪で弾きながら距離を詰める

 

一方、2階

 

モココ「ばうばうばう!!」

 

こより「わわっ、近い近い!」

 

モココの爪がこよりの白衣を切り裂く。こよりが転がりながら薬瓶を複数投げる

 

こより「こよの粘着ジェル!動けなくなるよ〜!」

 

ジェルが床に広がり、モココの足が張り付く

 

モココ「もぉっ!動けない!」

 

こより「チャンス!」

 

こよりが懐から大きな注射器を取り出し、モココに向かって走る

 

モココ「注射は嫌!絶対嫌!」

 

モココがブーツを脱ぎ捨て、壁を蹴って天井へ飛び移る

 

こより「逃げるの早っ!」

 

通信機からルイの声

 

ルイ『こより、フワワが合流しようとしてる。二人を中央に集めるよ』

 

こより「了解!モココちゃんも誘導するね!」

 

こよりが煙幕を焚き、モココを1階へ誘導する

 

フワワ「モコちゃん!一緒にやろ!」

 

モココ「OK!OK!」

 

フワモコが手を取り合い、体が淡く光る

 

ルイ「……あれは」

 

こより「前のマチュピチュの時みたいに、合体する気!?」

 

ルイ「いや、あれは鉱石の力でなってたはず…もう合体は…」

 

フワワ・モココ「フワモコ!ショータイム!」

 

二人のオーラが爆発的に増大し、爪が長く伸び、目が鋭く光る

 

ルイ「ホークアイで見ても……動きが読めないほど速くなってる」

 

こより「えぇっ!?なにそれぇっ!」

 

フワモコが同時に跳躍し、ルイとこよりに向かって一直線に突進する

 

ルイ「こより!左右に分かれて!」

 

こより「はいっ!」

 

二人が左右へ分かれる。しかしフワモコは空中で方向を変え、こよりを優先して追う

 

モココ「注射しようとした!フワモコの敵!」

 

フワワ「モコちゃんの言う通り!」

 

こより「わぁぁっ!狙われてる!!」

 

こよりが必死に薬を投げながら後退する。ルイが風で援護するが、フワモコのスピードが上回る

 

ルイ「くっ……このままじゃこよりが……!」

 

ルイが全力で風を集め、フワモコの進路を強制的に変える

 

ルイ「こっちだ!双子ちゃん!」

 

フワワ「邪魔しないで!」

 

モココ「ルイお姉ちゃん〇す!」

 

ルイ「物騒な言葉使わないの…!」

 

ルイ「鷹が爪を出したらどうなるか、教えてあげるよ」

 

フワワ「速い!」

 

モココ「でもモココたちも速いよ!」

 

四人の攻防が激化し、ホールの壁や床が次々と破壊されていく。粉塵が舞い、視界が悪くなる中、互いに一歩も引かぬ攻防が続く

 

その頃、悠介の家

 

悠介「……ん……ここは……」

 

麻酔からゆっくりと意識が戻る。体が重い。右腕の内側に、淡く青白い光を放つ小さな鉱石が埋め込まれているのが見える

 

悠介「こよりさん……手術、終わったんだ……」

 

ベッドサイドに置かれたメモを手に取る

 

こよりのメモ『手術成功!腕につけてるデバイスがホロユニオンだよ。融合鉱石の力を一時的に引き出すサポート装置。holoXと悠介くんの体を1つにする事ができるよ!しかも鉱石単独の時と違って暴走の心配もなし!ただし使いすぎ注意!(戻れなくなるかも)副作用はまだ未検証だけど大丈夫だと思う♪ 試合の場所は廃校舎!急いで!』

 

悠介「ホロ……ユニオン……」

 

黒いアームバンド型のデバイスを右腕に装着する。小さなホログラムが浮かび、holoXの紋章が点灯する

 

悠介「……これで、僕も戦えるようになるのか」

 

拳を握りしめる。鉱石が微かに熱を帯びる

 

悠介「総帥……いま行きます!」

 

次回

雪の花

 

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