プリキュア最高!プリキュア最高!
けど、曇らせたいけど、ヤンデレも見たい。なんて考えから作ったやつです。
因みに、私は明智あんなちゃんが好きなので、今の所はあんなちゃんをメインヒロインで考えてますが、ハーレムにするかも悩み中です。今回は主人公の生い立ちとこんがり脳が焼けたるるかのお話です。
後、主人公に詰め込みすぎてるるかのお話足りない感じしますので、次の話ではがっつり書いていきたいです。
___煙草を吹かす。
煙草を吸う事に憧れを抱いてる訳では無い。自然と『忘れたい出来事』を忘れる為に煙草を吹かしたのがきっかけであって、断じて自分自身に酔っていない。
肺を満たす酸素とはまた違った『何か』を、しかと体に染み込ませ、極楽浄土へと意識を向かわすが、不意に鳴り響く軽快音が阻む。
普通の人ならば、受話器を取り通話に応じるが、生憎と経営者である俺は、休業知らせを存じ無い無知な客に付き合う労力は無い。
電話一本。されども一本、僅か数秒のコールが、永遠と続く騒音にも思え、苛立ちを隠さず受話器を手に取る。
「はい、もしもし。」
『あ!繋がった、繋がった!』
「…あ〜。もしかしてなくても、依頼の電話か?悪いけど、こっちは休業中で依頼の一切は受け付けてな……」
『私の友達を助けて下さい!今、友達が川に飛び込もうとしてて。』
「聞く耳もてや。」
悪態をつく俺を他所に電話の主は、慌てた声色で何かを発しているが、既に意識は『休息』に切り替わっている怠惰な俺は、受話器を下ろす。
刹那、甲高い悲鳴が受話器越しから伝わり、あまりの高音で鼓膜が破れたかの様な錯覚に陥るが、今は状況的に電話を切るのは得策では無い。
「…場所は?現在地を事細かく教えろ。」
『い…い、いまい。』
「深呼吸だ、適当に呼吸しろ。二回息吸って、大きく吐け。」
電話主の精神は錯乱状態で、急いで呼吸を整えさせ、落ち着きを取り戻させれば電話主の声は、取り繕ってはいるが僅かに落ち着いている。
「で、現在地と現状を教えろ。」
『ば、場所は団地の近くにある川で、友達の一人が子供を助ける為に川に飛び込んで、それで。』
「大体分かった。つまり、その友達さんが子供を助けに行ったのは良いが、巻き込み事故みたいに友達も子供も流されそうになってるだろ。」
『は、はい!お願いします!友達を…助けて下さい。』
受話器を下ろし、咥えた煙草を口から出すと、乱暴に握り潰す。
___ふざけるな。
ちっぽけな正義感で身勝手にも動いて、助けたい奴も助けた奴も共倒れなんて馬鹿げた話だ。
最も、周囲の状況と自身の運動能力を見誤った友達とやらには直々に罵詈雑言を浴びせたいし、行きたく無いのが正直の心だが、逃げれば逃げたで面倒事は避けられない。
助けられる状況で、助けに向かわなかった極悪人の烙印を押され、この先の信頼を失うならば、助けに向かう方が得策。
___本当に、本当にイライラする。
簡単に助けれると思って、後先を考えず『命を無駄』に扱う奴が世界一嫌いで、たった一つ。この世界で代替えの効かない特別な物を粗末に扱うなど言語道断。
別に人助けをしたいから仕事に向かうのてば無い。
間違った頭や思考を持ち合わす大馬鹿野郎を正しに向かうのだ、命は、死の瞬間など一回だけで良いのだ。
___それを、お前が言うか。
けれど、一つだけ、俺の心を自ら突き刺す自己嫌悪の言葉に見向きもせず、俺は足を進めた。
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___ユウトは、この時代から約30年後の未来から訪れた未来人である。
イマイチ、自分自身で自己を紹介する時、今だに突拍子の無い戯言だと常々俺も思うが、発言に嘘偽りなど無いのが本当に困っている。
時を遡る事約一年前。
2026年の中学三年生として極々平凡な日々を送っていたユウトは、下校中に突然と現れた蝶に誘われ、突如1999年へとタイムスリップを果たした。
不理解、意味不明、余韻もクソも無い突然の出来事に、ただ茫然と立ち尽くし続けるが、時間は停滞を許さず、一人で未知の世界での暮らしが始まった。
___そこからは酷い生活だった。
右も左も分からない過去の日本で、電波も通じず、現在の日本円も通じない過酷な環境での初夜は、赤子を一人夜の家に放置する様な物で、言葉に出来ない不安と焦燥感が心を埋め尽くし、夜な夜な一人で涙を流した。
一日、数日、数ヶ月。
実質的な物乞い生活を続けるが、集まる金額はほんの僅かで、とてもじゃ無いが飢えを凌ぐ事など不可能。
稀に、俺へと軽蔑の視線を向ける不良集団や、金持ちの大の大人達が面白がって弁当の食いかけや、おにぎりに爪や汗をわざと仕込んだゲテモノを放り投げるが、俺にとっては何物にも変え難いご馳走。
口の中へとほう張り、喉へと通せば込み上げてくる吐き気と、敗北感が心を埋め尽くして、自身自身に酷く失望して、やがて限界が訪れる。
___死にたい。
『当時』を考えれば、数ヶ月も良く耐え凌いだと感心する物があるが、そんな考えは、昔の俺に耽る余裕は無かった。
時刻は夕暮れ時、建物群が聳え立つ街中でも特に目立つ高い建物の屋上へと無断で侵入して、鉄柵を超えたあの時の恐怖と死の渇望の瞬間は忘れられない。
___死にたい。死にたく無い。
今は会えない家族との思い出がフィルムの様に一気に脳裏に流れ込み、言葉に表せない激情が心を混濁させ、もう訳が分からなくなってくる。
家族に会いたい。けど、今の俺とは会って欲しく無い。
母の手料理しさ口に入れないと豪語し、交わした約束はもう無くなり、父から教わった諦めない心を得るのは、不可能だった。
僅かに体が前のめりに倒れ、世界が一瞬だけスローモーションとなるが、現実は非情だった。
風の抵抗を受け、全身を打ち付ける風に瞳は乾き、涙が溢れ、最後の最期まで無様な俺を自分で責めて、伝えられない両親へと謝罪の言葉を残して俺はこの世を旅立った。
___筈だった。
確かに、と言うのも野暮だが、体が地面に打ち付けられる衝撃に爆発的な激痛、が突風の様に全身を駆け巡って、俺の体はあらぬも形に歪んで、狂気的な姿へと変わる筈だった。
否、変わったのだ。
体に目を向ければ、まともに食事も取れず不健康極まり無い不摂生な体は一瞬にして血通りの良い褐色へと早替わりして、泥や土埃が付着していた肌は入浴直後の様に美しくなっていた。
極め付けは、自身の周囲に撒き散らされているピンク色のブニョブニョとした物体。
ただのピンク色の物体なら良かったが、誤魔化し用の無い血痕に形も大きさもバラバラな物体。
考えたくは無いが、起こった事象説明するに、これらは俺の血肉の山々で、俺自身もあまりの衝撃的な光景に緊張の糸は切れ、今度は凄まじい吐き気で、地面へと吐瀉物を撒き散らす。
血肉の腐敗した匂いと、胃液の酸っぱい匂いが俺の鼻を付き、慌てて現場から離れる俺は、唖然と今起こった出来事を咀嚼しようと心を落ち着かせ、ある一つの仮説を導き出す。
非常に現実離れで、妄想や戯言の類であった『ある能力』が今の不可解な事象を説明するに最も適し、それ以外の言葉が思い浮かばない。
___不死。
あり得ない言葉だが、今目の前のあり得ない状況を説明するに最も相応しい言葉。
が、少年は一人絶望へと再び打ちひしがれていく。
死なない。一見すれば凄まじい事だが、逆を言えば、逃げる事も解放される事もできない無限地獄。
金も、地位も、友も居ないこの世界で、何をするのが正解で、何をすれば楽になれるのか、驚愕や混乱、死の恐怖は消え、この先も永遠と続く『死よりも辛い地獄』に少年は絶望していた。
___光が宿らない黒い瞳に、更に黒が入り、最悪の考えが幾つも浮かぶ。
死なないなら、無限に挑める。いっそ、俺を不幸にする要因全てを殺せば、楽になれる。
刑務所に投獄され、死刑を求刑されようと、死なないのなら何度も蘇って、殺して、殺して、殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して。
『……大丈夫?』
刹那、視界に入る一際小さな手。
俺は茫然と、面を上げ手を差し伸べる主へと視線を向けると、『彼女らはいた』。
一人は、艶のある青髪に、蝶の髪飾りが特徴的な少女で、彼女自身のプロポーションが相まって、華やかな衣装は彼女の魅力を引き出す一部となっている。
二人目は、くすんだベージュのセミロングに、大人びた雰囲気に非常に顔の整った美少女と呼べる相貌で、二人の容姿を見るに、俺と然程歳の差は無い。
『汚いわね、貴方。』
『るるか!初対面の人に失礼でしょ。ごめんなさい、私の友達が。』
『……いいや、別に気にしてねぇよ。で、俺みたいな奴に声を掛ける物好きなお二人達は何用で?』
一瞬だけ、彼女らの『内に溢れる輝き』に無意識な希望の光明を見出すが、すぐに心を覆うのは彼女らの輝きに、偽りのレッテルを貼る黒い己の闇。
こんな気持ちを抱くのなら、手を差し伸べて欲しく無かった。希望なんて、いらないから、早く立ち去って欲しい。
見ないふりをして、背を翻せば、何もかもが戻る。光は消えて、内に溢れる闇に従がって俺を陥れる要因全てを、
『貴方が、困った様に見えたから声を掛けた、理由はそれだけ。』
『………理由になってねぇよ。つか、余計なお世話だ。』
『…余計なお世話?なら、どうして貴方は助けを求める目をするの。それが無意識と言うのなら、ただの目立ちたがり屋なふざけた男だわ。』
『なら、手なんか伸ばすなよ!期待させんなよ、救われるなんて思わすんじゃねぇ!なんなんだよ、お前ら、他の奴らも!』
あぁ、強がって、必死に蓋をした激情のダムが決壊し、一気に溢れ出す。
『俺はなんも知らねぇんだよ!この場所も、生きる術も!ただの十五歳が一人誰も居ない所で生きてくなんて、どんな超人だよ!』
『行く当て無くて、苦しんで、それを面白がって軽蔑してヤジを投げるお前らは何なんだよ!俺の何を知ってんだよ!俺と同じ立場になってみろよ!』
別に、目の前の二人が憎い訳じゃ無い。
分かってる、これはただの嘆きだ。けれど、二人にとって目の前でいきなり怒りを現し、身に覚えの無い罪の矛先を向けているだけだ。
『お前らが悪く無いのは知ってる、手を差し伸べてくれる良い奴らだって事も分かってるよ!けどな、散々苦しんだんだぜ。』
『泥を食った事はあるか?人の爪を、汗を、髪の毛を、唾を!俺は、知ってるぜ、だってそうしないと、生きていけなかったから!』
『…いっそ、死ねば楽になれると思ったよ、けど分かったのはこの先も同じ事が続くって事だけ。なぁ、俺はお前らに何かしたか?許されない罪を犯したかよ。』
身に纏う学生服のズボンは血で汚れ、白のワイシャツは涙と鼻水で汚れてるのか見分けがつかず、見る者達は無様な姿と思う。
けど、二人は一瞬たりとも俺から目を離さなかった。
『…俺が何かしたのなら、謝ります。だから、俺を家に帰してください。俺を、助けて下さい。』
『……分かったわ。』
『貴方を救うという依頼、私達が引き受けたわ。るるかも、それで良いわよね。』
『…はぁ、分かったわ。』
『い、依頼?何、言ってんだよ。』
二人はさぞ平然の様な顔を浮かべるが、俺は置いてけぼりで、依頼?俺はいつそんな事を頼んだのか、発言の一つ一つを思い出す。
が、青髪の美少女は屈み、俺と同じ目線になると言葉を紡ぐ。
『…貴方が、どれ程の苦しい道を歩んだのかは目を見れば分かる。きっと、私達の気休めの言葉も貴方も傷つけるだけだと思うわ。』
『けれど、苦しいから、助けてって言われたのなら、私達は手を伸ばす。…こう見えて、私達っね腕が立つ探偵なんだから!』
『だから、聞かせて欲しいの貴方の事を。』
___綺麗だと思った。
正直に言えば、見惚れていた。彼女自身にも、けど、彼女の発言一つに一つに宿る本心。
否、『輝き』に。
『私の名前は、帆羽くれあ。…お願い、貴方の名前を教えて。』
手が差し伸べられる。
けど、不思議と憤怒は鎮まり、過去の俺の発言一つ一つに自己否定を重ねる程の余裕が生まれる。
正直に言えば、探偵やら何やらは信じられない。寧ろ、俺と同じ未成年でありながら、職につくのは些か思う所はあるが、時代そのものが違えば、常識も違うと割り切り、その手を取る。
『さっきはごめん、なさい。…それと、俺の名前はユウト。右も左も分からない男で、今非常に困ってる困り人だ。』
『だから、俺を助けてくれますか?』
その後は、何も語らずとも答えは明白だった。
きっと、手を伸ばされた瞬間に俺はとっくに救われていた。別に、人が誰がとかそう言うのでは無く、今無条件に手を差し伸べてくれる人を求めていたんだ。
口に出すのを散々渋っていた『助けて』を真正面から受け取ってくれる優しい人達。
何処か、懐かしくて、もう戻らない過去の『楽しい』思い出を不思議と、思い出して、俺の意識は何処か遠くは向かった。
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___懐かしかった。
もう戻らない『遠い過去』を思い出し、激情の余韻に浸るが、今は現状を知る為に、必死に頭を振って過去を振り払えば、此処に至るまでの記憶を辿る。
依頼電話が掛かり、現場へと向かって電話主の友人を川の河川敷へと運んだが、突然と川の流れが急になり口や鼻などの呼吸器に水が一才に流れ込んだ。
脳に酸素が回らず、意識の線が確かに切れ始め、死に慣れ続けた筈の精神は呆気なく死を受け入れるが、本能は生を渇望し、必死に四肢をばたつかせたが、健闘虚しく体は深み川に沈んで、
「……。」
死ぬ気など毛ほども無かったが、起こってしまった事象は変える事が出来ず、ただ『死んだ』事を受け入れる。
命を粗末にする奴をこよなく嫌う男が、最も命を粗末にする矛盾に自己嫌悪を積むが、もう起こってしまった事は仕方が無い。
募る嫌悪を誤魔化す為、テーブルの上に置かれた私物である小包から煙草を一本取り出し、口へと咥えれば火をつけ様とライダーに手を伸ばすが、突然と咥えた煙草が第三者の手によって離され、俺は第三者へと視線を移す。
が、やはりというべきか、案の定『彼女』が鬼面の形相でこちらを見つめ、その背には阿弥陀如来像すら見える。
「……目が覚めて早々、これはどう言う事?」
「どう言うって、ニコチン摂取だよニコチン。俺の健康指定成分だそコンニャロ。」
「貴方、自分がどの立場にいるのか分からないの?」
「立場って、何言ってんだよ?別に俺とお前の中じゃねぇか。上下関係なんてとっくの前に終わってんだろ。」
「…はぁ、呆れた。あの時の約束も覚えてないの?」
「約束ってなんだよ?あれか、禁煙宣言か?悪いが、俺はニコチン摂取を何人たりとも止める気は……、」
「次、ユウトが自身の命を引き金に他人を救うのなら、一生私の愛の揺籠の中で貴方を守る約束。」
___全身が、五感全てが危険信号を一斉に鳴らす。
森亜るるか。くれあの相棒兼、探偵である彼女は無表情で、感情の一才を読み取る事は出来ないが、感情の起伏は『目』で理解は出来る。
例えば、嬉しい時は目が大きく開かれ、何かを訴える時、伝える時は目つきが鋭くなり、俺が死ぬ時は『目の光』を消すのが目印。
はっきりと言おう。探偵がしては良い目では無い。
そういえば、くれあも同じ様な事が出来た事を思い出すが、二人が揃って目から光を消した刹那、俺はるるかの寝室まで引き摺られる事も多々あった。
その時、くれあのお供妖精『シュシュタン』が喰われるやら、なんやらとか言っていたが、どう見ても今のるるかがそれに当てはまる。
捕食者の目、弱肉強食の自然界で小柄な哺乳類から見たサバンナの王ライオンの姿はこう見えるのかと理解を広げらが、今は下らない事を考えている訳では無い。
___さぁ、どうするどうする!?
ユウトに緊張が走る。
逃亡は不可、第一にくれあもるるかも『プリキュア』と呼ばれる謎の力で姿を変え、凄まじい身体能力を携え、追いかけっこは愚直な考え。
かと言って変身前のるるかも十分脅威である事は変わらず、必死に頭を回す。
「…ふふ、大丈夫。今度は世界の全てから完全に切り離して、私の寵愛で満たして、守ってあげる。退屈もさせない。」
「守られる義理はねぇ!つか、俺がくれあの記憶も何もかもを取り戻したいって事は知ってるだろ。」
「…俺が居なくても、お前にはくれあが居るだろ。俺はお前とくれあに幸せになって欲しいんだ。だから、俺なんか気にしないでくれあと一緒に生きて……、」
「ふざけてるの?」
怒りが、静寂を広がる。
絶対的な存在が、俺の喉を潰し、声の発生は愚か、呼吸すらも忘れさせてしまう。
彼女が怒る事など滅多に無い。ある時は、基本くれあが危険な目に遭うだけで、俺の時は無表情に静かにその場から離れるだけだ、そんな彼女が何故俺に怒るのだ?
「貴方は幸せの枠に、自分の幸せを含めていない。どうせ、自分が傷ついて、苦しんでも私達を幸せにする魂胆なんでしょうね。」
「けど、一つだけ言えるわ。」
「私は。いや、私とくれあは貴方が存在しない幸せを望んでいない。」
自己価値を見誤っていたのは、ユウトの方。
彼女にとってユウトは依頼人という事に変わりは無いが、自身の身をていしもくれあとるるかの身を守り続け、くれあの記憶が無くなり一人雨に濡れていた所で、永遠と隣にいると、君を忘れないと言葉を紡ぐ。
恐ろしい程の信頼と狂気にも思える善性は彼女の脳をこんがりと焼き、今の彼女にとってユウトとは『くれあと同等か、それ以上の存在』へと繰り上がっている。
離れようと、遠ざけようとした彼自身は己の善意で身を滅ぼし、離れるどころか永遠の誓いを綴られている。
「仮に、これ以上命を粗末にするのなら、私は全てを捧げても貴方を幸せにする。…足りないのなら私の全てを貴方にあげる。」
「だから、お願い。これ以上傷つかないで。」
心の穴にすとんと、るるかの言葉が落ちる。
これは依存でもなんでも無い、ただ彼女はくれあと俺がいるあの空間が何物にも耐え難く、自身を偽ってでもあの場所を取り戻したい『真の心』。
寧ろ、理解を出来ず、嘘で必死に俺は二人の枠から外れようとしてた。けど、結局は俺もあの場所が好きで、離れたく無い。
これは嘘では無い。
___だが、るるかは一つだけ大きな間違いをしている。
二人を幸せにしたい気持ちは真。だが、一体いつから目の前のるるかは、『同世代の女の子』に俺が恋焦がれると自覚しているのだろう。
「……悪いな、るるか。」
「なにが?」
「俺はな、確かにお前達の事は好きだ。だが、決してLOVEの方では無いlikeの方でだ。」
「そして、俺の好みは年下の女の子じゃー!」
迷わず部屋の窓をぶち破り外へと身を投げ出す俺は、推定2階以上はある高さでの空中浮遊の中で、今最も足に負担の掛から無い最適な受け身を計算し、両足が地面へと設置する刹那に体を前へと転がし、最低限の動きで最速の復帰を行う。
脱出は完璧、だがその先の逃亡は己の脚力と運任せ、背後から鳴り響く轟音を合図に駆け出す俺は、レンガの瓦礫を器用に回避しながら全力で足を回す。
男子学生の脚力の平均が20から30キロと聞くが、プリキュア状態の彼女は空を飛べたり、トップアスリート以上の脚力を発揮する正に化け物。
更には、おまけ性能に『アルカナスターレイン』とかなる高エネルギー弾を縦横無尽に打ち続ける事も出来、威力は去ることながら、その速度も規格外。
もはや勝負にもならない実力差に常人は逃げる事を辞め、潔く捕まる事を選ぶだろうが、俺は違う。
「逃げ切ってやるよ、この野郎!」
伊達に元探偵助手を務めていた俺にとって、まことみらい市は第二の故郷。
息をする様に建物群の隙間をかぎ分けて、曲がってを繰り返しるるかの目を掻い潜るが、一向に追跡の手は止まらず、寧ろ追跡の手は強まるばかり。
「おいおい、おかし過ぎるだろ!絶対あいつなんかやってるだろ!?」
「別に何もしていない。…貴方の癖、行動、思考を模倣してるだけ。」
「答えになってねぇ。…つか、言葉足らず過ぎて納得がいかねぇ。」
「そんな事より、貴方の歪んだ癖を私で塗り替える事が先決。…もう二度と私とくれあ以外で欲情しない体にしてあげる。」
「おっけい、寧ろ更に逃げたくなったわ。」
癖を捻じ曲げられるのは言語道断。年下と年上が俺の好みドンピシャで、くれあとるるかは確かに魅力的な女性である事は否定しないが、将来を誓うかと言われれば首を縦に振るのは難しい。
だからこそ、俺はここで己の
「……ふっ、お前一体俺がいつから人間だけで欲情出来る人間だと思ってんだよ。」
「…別に、貴方のその変態癖は治る事は無いって理解してる。」
「俺は、マシュタンもエロい目で見てる!」
「………え?」
びっくり仰天と言った顔をする彼女を放置し、急いでその場から逃亡する俺。
因みに、マシュタンとはるるかのお供妖精で、水晶玉を使っての未来予知を得意として、俺も興味本位でマシュタンに色々と言伝を授かっているが、るるかと結婚やらくれあとるるかを妻として娶るやら馬鹿げた事をほざく。
後な、一夫多妻制度はとっくに終わってんだよ。悪人の自覚はあっても、屑の自覚は無い。
俺を散々コケにした罪だ、後でるるかの鉄拳でも受けとけマシュタンの野郎。
一応主人公プロフィール
身長172センチ。
体重64キロ。
見た目は黒髪の短髪に、黒のスーツズボンに白のワイシャツの袖を捲っている状態。
目つきは昔は穏やかったが、くれあのある一件を皮切りに目つきが鋭くなった。因みに、休業理由はくれあの為であったりする。
精神状態は、死ぬ事に後悔があるが、死に躊躇はしない。