ニンジャが あらわれた! ▶︎しょくむしつもん むし 作:ケツアゴ
私はキャラの反応はどんな感じだったかってだけを参考にして 文章自体を全部自分で考えてますけれど、一応タグを使っています
「それで一体どういうことかしら?」
テケテケに攫われた筈の二人が現れた事に混乱した私だけれど、直ぐに理由に思い至る。
この2人、私を囮にしやがったと。
落ち着いて話すために一旦敷地内から出て公園のベンチに座らせて話を聞き出すことにした。
「彼奴は警戒心が強いけれど馬鹿だからね。強い奴が居なくなったら直ぐに警戒を解く」
「なので幻術で姿を消した後、自分がそれっぽい声を裏声で出しました」
成る程、理解はした。確かに必要なことだったのね。最終的に助けられました。じゃあ全部解決……なわけないでしょ!
理解はしたが納得出来ない。あのタイミングで助けに入ったって事は、ずっと側に居たのよね? ええ、本当に助かったわ。
「まずは先にお礼言っておくわ。ありがとう。助かった。そして質問。他に方法なかったの?」
「お姉さん自体を幻術で包んだら、実際に消えなくても違和感なく誘い出せたよ」
「ちょっと! それ内緒にしておくはずだったでしょう!? 急に1人になって怖がっている姿を見るのは面白そうだって言い出したのは私ですけど……あっ」
とっさに口を塞ぐ田辺さんだけれど、もう遅い。余計な発言は全部私が耳にした。
「そう、あの不安とか恐怖とか全部がこの2人の娯楽だったってわけ。ちょっと署の方で詳しい話を聞かせてもらおうかしら」
もしものために手錠持っていて良かったわ。まず田辺さんに手錠をして、続いてルルさんの方を見れば……居ない!?
「逃げられたわね……」
まあ、後日喫茶店で詳しい話を聞けば良いとして、今は田辺さんを連れて……あれ? もし私が彼を連れて行った場合、どう見えるかしら?
「ちょっと容疑者連れて来たわ」
そう言って、人体模型に手錠をかけて警察署まで連れて行く私。そんな私の頭の心配をする同僚。
「釈放」
田辺さんの手錠を外し、仕方がないので、この後のことを考える。散々荒らされた校内。事前の考えでは、不審者が入り込んで暴れて逃亡したって展開を上に報告しなければならない。もちろん私が……。
いや、仕方ないと思うのよ? そうじゃなかったら余計な混乱が生まれるもの。
ええ、結局犯人は逃げているけれど、知らない間に誰かが入って暴れて出て行ったってよりは手がかりが警察の手の中にあるって方が、まだ安心できるでしょう。
そして、私の地獄が始まった……。
「課長、そんな訳で偽装工作に手を貸してくださいますよね?」
「ええ!?」
「仕方ないじゃないですか。学校の七不思議の相手をしていたなんて、本当のことを言えるの貴方だけなんですから」
「そうだけれどさぁ……」
勿論、勝王だって道連れ。あの高速移動する老婆の都市伝説の対応を私に全部任せていたのだから、ここの程度を手伝ってもらわないと言う選択肢は存在しない。
と言うか、幼い頃に修行を辞めた私と違って、ちゃんと忍者の授業続けて今になるんだし、同期がポンコツ探偵について知ってるという事は課長だって知っていたということで、もう少し早めに行動してくれていれば、こんなことにはならなかった。
「きっちりがっちりと上を納得させる内容をお願いしますね」
「と、取り敢えず今動ける忍者達に偽装工作をして貰おうか。無理だったときの場合に備えて書類は作るけれど」
そう、書類は作る。多分徹夜だろうけれど……。
翌朝、早朝に何とか書類を片付けて非番だからと帰って眠ろうとした時、昨晩帰ったはずの私がいることに驚きつつも部下が報告してきた。
「大変です! 近くの小学校で渡り廊下の崩落が!」
え!? もしかしてルルさんのパンチの衝撃で……。
どうやらまだ眠れそうにない。
「それで肌が荒れているのか。大変だなんだアラサーは」
後日、探偵さんに事件のあらましを語ればこの通り。ジャンボパフェを食べながら大変失礼な事を言われたので頬を摘んで引っ張れば指先に伝わったのはスベスベでモチモチの美肌。
不公平! 私なんて激務の合間にお肌の手入れをしているのに、この子はそんな風には見えない癖に美肌を保って!
「貴女だって実年齢は私よりもずっと上でしょう? 何せ桃太郎のお話が生まれるずっと前から活動していたんだもの」
「実年齢が上だろうと私は何時迄も十代の美肌だ。だろう、小僧? 貴様が小学生の時に出会った時からこの見た目だったよな?」
そんな昔からの付き合いだったのね。扱いに慣れているのも納得だわ、と思っていると思円さんはそっと囁いて来た。
「今でこそこんなポンコツですが、出会った当初は別人でしたよ。正しく神の使徒と呼ぶべき人間とは一線を置いた感じでして」
あの探偵さんが!? パフェに夢中になって足をぶらぶらさせながら満面の笑みを浮かべている姿からは想像も出来ない情報が出て、私は何度かも探偵さんと店長さんを交互に見る。
そうね、本当に神の使徒として人間を守っていたんだもの。それがきっと彼と過ごして少しずつ……。
「まあ、現代のお菓子の美味しさを知った三日目には化けの皮が剥がれましたけれど。封印から解放されたからって格好付けていただけでした」
「あは、あははははは! 昔からこうだったのね、彼女」
「ん? 何故私の方を……小僧、まさか泥酔して飛天丸を失くした逸話が本当だとおしえらのか!?」
「え? あの逸話って本当だったのね」
モモ姫の逸話でも結構人気の話で、拗ねた飛天丸が隼になって飛んで逃げるのを追い掛けながら道中の人を助けるドタバタ劇。絵本でも描かれていたけれど……。
私の返答に探偵さんは頭を抱えて嵌められたと叫んでいるけれど、完全に自爆じゃないの。
「それで思円さん。あのジャンボパフェって試食よね? 何時頃から店に出るのかしら?」
「来月中旬頃なので是非ご注文をお願いします。それにしても大変だったみたいですね。小学校の件」
ええ、本当に犠牲者が出なくて良かったと思う。警察官の良心を痛めながら書いた報告書は無駄になり、渡り廊下の崩落も老朽化が原因と発表予定だけれど、管理責任者の方々には申し訳無くって。
色々考えて大きな溜息が出る中、私の横に何時の間にか雪だるま姿のルルさんが座っていた。
「まあまあ、七不思議の内の四つは危険な相手だったし、そっちの犠牲の方が深刻だっただろうから元気だしなよ」
「……助けて貰って失礼は重々承知だけれど、渡り廊下を叩き壊した自覚はあるかしら?」
「え? 寧ろ壊せる自覚が無いとでも? あの程度なら指先でも壊せるさ」
予想内の反応に私が黙る中、再び思円さんの囁きが。
「ルルは反応を見て面白がっていますからスルーが一番ですよ」
スルーか。ちゃんと出来たら良いんだけれど。
こうして私の七不思議を巡る事件は終わった。これで不思議な事件とも無関係になったと思った時、喫茶店の扉が開いた。
「すいません。神仏の類に息子が攫われました。此処で相談に乗って頂けると聞いたのですが……」
入って来たのは一匹の動物。多分イタチ。但し、前足が鋭い刃物になっている。
「其方の警官の方ですか? お願いします。息子を探し出して下さい!」
私、また巻き込まれる予感。
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