ゲヘナとトリニティの混血の生徒はミレニアムに通う 作:青色好き
久しぶりにハーメルンに投稿しようとしたら、使い方に戸惑って色々大変でした……
様々な機械が置いてある不思議な部屋。というより飛行機の格納庫のような空間。その空間の中には巨大な機械が置かれている。
「ふふっ、遂に完成した! あとはこの装置を装着すれば完成だ!」
「うん、性能も機能も万全」
「はいっ! これなら文句無しの100点です!」
その機械の前に3人の少女が立っている。3人共機械を見て自信満々の表情をしており、目は1等星のように輝かせている。
「さて、完成したからこれを依頼主に送るとしよう!」
「これなら間違い無く依頼主も満足する筈」
「それじゃあ早速手配の準備をしましょう! 我がエンジニア部特製の大型ドローンを使えば直ぐに送れます!」
彼女達はミレニアムサイエンススクールの部活、エンジニア部。
様々な機械や武器を製造・修理を行う部活で、科学を専攻とするミレニアムサイエンススクールの中でも特に優秀な生徒が所属している。
部長である白石ウタハ。
イヌの耳を生やす猫塚ヒビキ、やや着崩れしている豊見コトリ。
彼女達は依頼された機械を造り終えたばかりで、それをこれから依頼主(クライアント)に送ろうとしている。ミレニアムの中でも非常に優秀な頭脳を持つ彼女達ならこの程度の機械を造る事など造作も無いだろう。
「よし、それじゃあ依頼主の方にも連絡を……」
部長であるウタハが製造の依頼主に連絡を入れようとした。
その時だった。
「待って下さい、部長」
3人に声をかける人物がいた。
その人物は、他の3人と比べればかなり独特の特徴を有している。
上方向に延びている、悪魔のような黒い角。
天使を彷彿とさせる白い翼。
返しが生えている尻尾。
ミレニアム、と言うよりキヴォトス全体でも見られないような特徴を有している生徒。
「その機械って、確か自爆機能を付けていたわよね?」
「あぁ。その通りだ。何せロマンだからね」
「依頼主に確認したら『自爆機能は必要無い、というかいらない!』って言ってましたけど」
「な、何ぃ!? 何時の間に!?」
「少し前です。部長とヒビキとコトリが付けている様子を見て気になったから」
この生徒は3人が依頼された機械に自爆機能を付けていたため、依頼主に質問をしたようだ。
「な、何故そのような事をしたんです!? 自爆は私達エンジニア部のロマンでしょう!?」
「でも以前同じ事をしたら依頼主から苦情を言われたり、ユウカ先輩からお小言を貰ったり予算を削減されたりしましたよね?」
「「「ギクッ!?」」」
生徒の発言によりエンジニア部の3人は苦い顔をしてしまう。
彼女達エンジニア部は製作物や発明品に様々な機能を入れる事が多い。その機能の内の一つが自爆装置である。それらの機能のせいで施設を破壊したり混乱を起こしたりしてしまうのだ。彼女達は「ロマンだから」と言う理由で未だに変な機能を付け続けている。
「ロマンも大事ですけど付けるべき機会をちゃんと見極めないと駄目でしょう? それと付けるなら依頼主にきちんと確認を取らないと……」
「うっ! それは確かに…………」
「報連相は大事ですよね」
「そ、それも完全に御尤もです……!」
「はぁ…… 残念だけど自爆機能は外そうか……」
自爆装置を外す事になってエンジニア部の面々はがっかりしたような表情に変わった。余程付けたかったのだろう、意気消沈状態だ。
少しは元気づけようと思い、彼女はある発言をした。
「と言っても、もう一つの機械の方は付けても良いと言われたわ」
「えっ!? 本当かい!?」
「それならやる気が出て来た。とびっきり強力な自爆機能を付けよう」
「はいっ! 我らがエンジニア部発明の超強力な自爆装置を……」
「一瞬でやる気が出たみたい……」
自爆装置を付けられると聞いたらエンジニア部の面々の表情は、暗い表情から一変して明るくやる気に満ちた表情となった。その様子を見た彼女は内心で「まぁ何時もの皆ね」と呟く。
「それなら私も手伝うわ。何せその注文品は色んな機能を付ける予定だし、エンジニア部のマイスターとして腕の見せ所だわ」
「あぁ、是非とも頼むよ」
彼女はウタハ達と同様、エンジニア部に所属している生徒。
「それじゃあ此処を手伝ってくれないか? エル」
「えぇ。勿論よ、部長」
天魔エル。
エンジニア部の1年生。
キヴォトスで唯一の、ゲヘナ生とトリニティ生の混血の生徒である。
「ふぅ…… 最終調整も安全確認も終わった。これなら大丈夫だ」
「この依頼の報酬なら、新しい機材と部品が買えるね」
「はいっ! 最新の商品を作るのに必要な物が揃います!」
「発売日までには送金されるから十分購入に間に合うわね」
エンジニア部の面々は依頼を終えた事で休憩しながら雑談をしている。手元のテーブルには様々な機械の図面が描かれた書類が置かれており、どれも非常に難解な内容が記されている。それ以外にも軽食であるスナック類や飲料水も置かれている。
「それにしても、エルの翼と尻尾は便利だね。手みたいに器用に動かせるなんて」
「練習したら出来る様になったの。ヒビキも練習すれば犬耳を動かせるようになるんじゃない?」
「うーん、耳を動かすってあまり意識した事が無いけど…………」
「えー、解説しましょう! 犬の耳は――」
「あっ、長い解説は無しね、コトリ」
「えぇ!? そんなぁ!?」
1年生に当たるヒビキ・コトリ・エルは何気無い会話を繰り広げている。その内容はエルの翼と尻尾だ。
エルの翼と尻尾は器用に動かす事が可能で、もはや第3・第4・第5の手と言っても過言では無いだろう。実際エルは両手だけでなく両翼の爪でスナックを持っており、尻尾の返しを上手く使って専用のコップを持っている。これ程翼と尻尾を器用に使う生徒はキヴォトスの中でも彼女だけだろう。
「翼と尻尾で銃を持って攻撃する…… 銃が一般的なキヴォトスでもそのような戦い方をする人はいないだろうね」
「しかも光線を撃つ銃…… 中々ロマンがある武装だよね」
「銃弾でも良いんだけど、やっぱり光線銃はかっこいいじゃない。私なりのロマンよ」
「確かに、SF映画の武器みたいでかっこいいですよね!」
「銃弾と光線も出せるけど、超小型のミサイルも付けてみようかしら」
「それは面白そうですね!」
エルが使用する銃。
右手に持つ「Border」、左手に持つ「Between」、右翼にもつ「Demarcation」、左翼に持つ「Verge」、そして尻尾に持つ「Edge」。5丁の銃を見事に使いこなす事が出来る。普通の銃弾も発射出来るが、光線を撃つ機能も備わっている。正に万能な銃だ。
「私もそういう疑似的な翼や尻尾とか、手軽な光線銃を作って付けてみようかな。前者の方はコスプレやアクセサリーとして人気が出そうだよ」
「勿論自爆機能は……?」
「付けるとも!」
エルの問いにウタハは力強く答えた。やっぱりそれは付けるのか…… と内心エルは思った。ロマンと称して様々な機能を付ける癖はエンジニア部の悪い癖出る。エル本人もそういう機能を付けたいものの、事前に確認を取っている分他3人よりはマシであろう。
「よし! 休憩が終わったらこの発明品を造り始めるよ! この発明品の性能を考えるとエンジニア部だけでなくミレニアムサイエンススクールの歴史に名を残すだろう!」
「うん、あれは間違い無く私達の自信作になる」
「はいっ! 必ず完成させましょう!!」
「えぇ、マイスターの名に懸けて造って見せるわ」
エンジニア部の面々はやる気を出して盛り上がっていく。彼女達のやる気がまた新たな発明品の誕生に繋がるのだ。
次回は2026年8月9日21時00分に投稿予定です。